感想:「『数字で考える』は武器になる」

中尾隆一郎著
「『数字で考える』は武器になる」
(かんき出版、2019年)

を読みました。

"義務教育で学んだ算数を上手に使うだけで、「数字で考える」を仕事の武器にしてもらう本"

ということで、数字への苦手意識があるものの、最近多様なステークホルダーに自分の取り組みを応援してもらう必要が多い私としては、ぜひ武器にしたいと読みました。

実際、この本を読んだ後、上司説明のときなどに、できるだけ数字にして考えてから説明するようにしてみました。この時、単に数字を使うだけではダメです。

扱いやすい大きさにしてから考える

第1章では、仕事を"爆速"で進めるのに有効な3つの手順が事例を元に解説されています。

・因数分解 扱える荷物の大きさに分解する
・ROI思考 やるべき仕事の順番を考える
・仮説思考 どう分析してどのような結論を考えるのか、手順を考える。そのためにできるだけ多くの比較軸をもつ

特に、数字で考える前に、まずは課題や目標を「因数分解」して、扱いやすい大きさにすることが重要です。

私は自分がこの過程をすっ飛ばしていたがために、多くの場面でつまづいていたことに気が付きました。

では、何でも数字を使えばうまくいくのかと言えば、そうではないようです。

数字の読み方を知る

第2章では、「応用編」として、数字をどう読むかが解説されています。

“正しく数字を使えば7割程度の真実を把握でき、残りの3割は定性情報で補うことができる“

この7割程度の真実にたどり着く確率を上げるには、数字を正しく使い、事象を正しくモデル化することが重要で、そのためには「数字の裏」を読むことが必要です。

第3章では、経営者の目線でみた数字の考え方が解説されています。これは、経営者に自身の取り組みが数多ある経営課題の中で取り組むべき優先度にあることを訴求する際に必要な考えです。

また、日頃どういう思考の習慣をつけると数字で考える力が鍛えられるのかを紹介した
「今すぐできる!『数字で考える』トレーニング」も掲載されています。

「数字で考える」は武器になる
中尾隆一郎著、かんき出版、2019年

因数分解してから考える

ここで書かれている、ものごとをまず「因数分解」して扱いやすい大きさにしてから考えるやり方は、私がここのところ40名近くの方にインタビューや講演を通じてお話を伺った中で、この人特にすごいし話がわかりやすいと感じた9名の方全員に共通している思考の特徴です。

現在、これをテーマにした勉強会を企画中です。
お楽しみに。