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連載(43):人類の夜明|奉仕世界の教育「特殊教育」

この記事は『かとうはかる(著)「人類の夜明」』を連載しています。

特殊教育

特に才能の秀でた天童たちは、中学校を終えた時点で分類され、特殊教育の場に送られることになります。

もちろん、これも本人の意志を無視して行われるわけではありませんが、殆どは本人自らが使命感に燃えこの道に入ってくるのです。

彼らはいつの日か人類のために役立つことを夢見、ひたすら能力開発、才能開発、技能開発に励むのです。

“人の欲が文明を発達させた”とか、“戦争が科学を発達させた”とか、“芸術は貧困の土壌から生まれた”とか、本気で思っている人がいるようですが、決してそのようなことはありません。

もっとも、貧困から抜け出したい一念で目的を成就する人もおりますが、それはその人の努力と念が引き寄せたのであって、大抵の場合は私欲を滅し人の為に社会の為にと打ち込んだ時に天啓として与えられるのです。

この天啓は、決して知識からは生まれません。いやかえって知識は、天啓の道筋を閉ざしてしまうでしょう。

知識に溺れ過ぎると、その知識が固定観念となって自由な発想を妨げてしまうからです。

したがって特殊教育では、仕入れた知識を絶対視せず、あくまでも“仮定”として与え、生徒もそれを前提として研究に取り組み、澄み切った空白の中にきらめくヒントを掴むのです。


さて、この国家最高教育機関を管理監督するのは中央国家です。

そして、その教育機関に優秀な人材を送り込むのは都市国家です。

各都市国家から推薦されたこれらの能力の持ち主は、恵まれた環境の中で基礎知識を深め、更に才能に磨きをかけていくわけですが、中でも特に優秀と認められた人材は、更に上位の(世界政府傘下の教育機関)教育機関に送られ、世界の頭脳となって人類を牽引していくことになるのです。

世界の優秀な頭脳(右脳と左脳のバランスのとれた頭脳)が国境や人種の垣根を取り払い、更に今日に見られる科学者同士の確執や師弟関係の阻習にこだわらず、広い大きな開襟の中でそれも鏡張りの中で研究に励むとき、人類の芸術や科学は飛躍的に発展していくでしょう。

現在起こっているさまざまな不都合は、この優秀な人たちの手によって必ずや解決されることでしょう。

(つづく)

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