咲良四季
昔話、残っている記憶
ランダムに選定した言葉の組み合わせから一枚の絵を描き、それに付随した話のようなものを書いています お題に用いる言葉の数は5〜9語 他の絵と言葉が被った場合も重ねて使用しています 更新頻度は今のところ不定期です
頬が痛い。耳が痛い。二月の終わり、私は裸足のまま目に付いた下駄を履き、父の影を辿っていた。かじかんだ足先は感覚がなくなり始めている。 【ーーお掛けになった電話は…
2024年10月25日 09:24
曇天の中に去り雪待ちぼうけ
2024年10月23日 07:52
ふわりと香る憂愁の黄
2024年10月17日 09:01
満ち欠ける露に揺られし朝の花
2024年10月14日 20:15
秋の灯に過ぎた故郷言わぬが花ぞ
2024年10月3日 08:51
秋桜後ろ手に揺る暮れの灯のぽっかり浮かぶ朔月なりけり
2024年10月2日 08:48
こがねいろ刈り取られし過去日和見るなり
2024年10月1日 09:15
あの彼岸花には一切の愁などなかった
2024年9月26日 23:56
すぎゆく電車が悲鳴をあげる
2024年9月25日 12:52
頬が痛い。耳が痛い。二月の終わり、私は裸足のまま目に付いた下駄を履き、父の影を辿っていた。かじかんだ足先は感覚がなくなり始めている。【ーーお掛けになった電話は電波の届かない場所にあるか電源が入っていないためーー】耳に押し当てたままの向こう側から、無機質な女性の声をもうずっと聞いていた。父が突然姿を消したのは、冬晴れの土曜日だった。警察から電話があったとうろたえる母から、父の失踪を知らさ
2024年9月25日 07:42
陽を飲む垂れ込めた雲冷やる秋の香
2024年9月23日 09:20
あと何回でも同じ月を見たい
2024年9月20日 09:23
ひるがえる節の風に仕合わせの花を見る
2024年9月19日 09:05
ほころぶ指の間に夏かぜの名残
2024年9月16日 09:14
やわく結んだ花弁からゆるりと伸びるアサガオの指
2024年9月14日 09:15
慣れた歌詞に初めての声を聴く
2024年9月11日 09:19
たわむ穂にいつかの海を見る