咲良四季

絵描きと占い、その他もろもろを少々。 日々のなかで、起こったこと、感じたこと。 私を作…

咲良四季

絵描きと占い、その他もろもろを少々。 日々のなかで、起こったこと、感じたこと。 私を作り上げてくれる全て。 自然と花、龍と神託、循環を愛して。

マガジン

  • 花を摘む

    昔話、残っている記憶

  • 葉を拾う

    ランダムに選定した言葉の組み合わせから一枚の絵を描き、それに付随した話のようなものを書いています お題に用いる言葉の数は5〜9語 他の絵と言葉が被った場合も重ねて使用しています 更新頻度は今のところ不定期です

記事一覧

曇天の中に去り雪待ちぼうけ

咲良四季
3時間前
1

ふわりと香る憂愁の黄

咲良四季
2日前

満ち欠ける露に揺られし朝の花

咲良四季
8日前
2

秋の灯に過ぎた故郷言わぬが花ぞ

咲良四季
10日前
1

秋桜後ろ手に揺る暮れの灯のぽっかり浮かぶ朔月なりけり

咲良四季
3週間前
1

こがねいろ刈り取られし過去日和見るなり

咲良四季
3週間前
2

あの彼岸花には一切の愁などなかった

咲良四季
3週間前
2

すぎゆく電車が悲鳴をあげる

咲良四季
4週間前
1

警笛、鳴らせ

頬が痛い。耳が痛い。二月の終わり、私は裸足のまま目に付いた下駄を履き、父の影を辿っていた。かじかんだ足先は感覚がなくなり始めている。 【ーーお掛けになった電話は…

咲良四季
4週間前
3

陽を飲む垂れ込めた雲冷やる秋の香

咲良四季
1か月前
1

あと何回でも同じ月を見たい

咲良四季
1か月前
2

ひるがえる節の風に
仕合わせの花を見る

咲良四季
1か月前
1

ほころぶ指の間に夏かぜの名残

咲良四季
1か月前
1

やわく結んだ花弁から
ゆるりと伸びるアサガオの指

咲良四季
1か月前
3

慣れた歌詞に初めての声を聴く

咲良四季
1か月前
1

たわむ穂に
いつかの海を見る

咲良四季
1か月前
1

秋の灯に過ぎた故郷言わぬが花ぞ

秋桜後ろ手に揺る暮れの灯のぽっかり浮かぶ朔月なりけり

こがねいろ刈り取られし過去日和見るなり

あの彼岸花には一切の愁などなかった

すぎゆく電車が悲鳴をあげる

警笛、鳴らせ

警笛、鳴らせ

頬が痛い。耳が痛い。二月の終わり、私は裸足のまま目に付いた下駄を履き、父の影を辿っていた。かじかんだ足先は感覚がなくなり始めている。

【ーーお掛けになった電話は電波の届かない場所にあるか電源が入っていないためーー】

耳に押し当てたままの向こう側から、無機質な女性の声をもうずっと聞いていた。

父が突然姿を消したのは、冬晴れの土曜日だった。警察から電話があったとうろたえる母から、父の失踪を知らさ

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陽を飲む垂れ込めた雲冷やる秋の香

あと何回でも同じ月を見たい

ひるがえる節の風に
仕合わせの花を見る

ほころぶ指の間に夏かぜの名残

やわく結んだ花弁から
ゆるりと伸びるアサガオの指

慣れた歌詞に初めての声を聴く

たわむ穂に
いつかの海を見る