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【土潤溽暑】つちうるおうてむしあつし『カタイ子とキカン子』大暑/次侯🍀

小さい頃、ヤンチャなことをしていると
「キカン子やなぁ」
と言われ、お手伝いをすると
「カタイ子やねぇ」
と、おばあちゃんに言われた。
キカン子は、きかん坊とか、まだ他の地方でも使われる言葉だろうが、カタイ子はどうなんだろ。
北陸というか石川県限定なのだろうか?


私は小さい頃は内弁慶だったので、うちではキカン子で、外へ出るとカタイ子だった。
以前どこかに書いたかも知れないが、うちの次男坊は小学生の頃、明日の準備もきちんとし、朝は自分でちゃんと起きてくる(3人息子の中では)手のかからないカタイ子だった。

その次男坊が高学年になったころ驚いた事件があった。
近所のおじいちゃんに「そこの、クソボウズが!」みたいな言い方で怒られたことがあった。
「すみません!長男ですか?三男坊ですか?」
と、わけも分からずとにかく謝った。
「そこの次男坊や!」
「え、え、え〜!」
次男は、私とは反対でうちではカタイ子だったのに、外ではキカン子だったらしい。
台風で勢いを増した水路で遊んでいたらしい。
昔のおじいちゃん達は、ちゃんと他所の子を叱ってくれる有り難い存在だった。


小学生の後半で開花したそのヤンチャな才能は、中学3年間は部活でエネルギーの発散ができていたのか、割と静かだった。
が、部活が終わった中3の時に自転車の旅に出ることとなる。

高校生になった頃から、行動範囲もグッと広がり、ピアスまで付けどんどんチャラ男君ぽくなってきた危ない次男坊。
細かい話は書けないが、いろんな危ない経験もしたようだ。
もし彼に危険が迫ったら、命をかけてでも守らなければと、本気で思っていた時期があった。
もし誰かに絡まれて、本当に危険を感じたら母にそっと電話しろ!と言ってあった。
マジか?と思われるだろうが、当時の私の携帯の短縮番号1番には警察の少年課の番号が入れてあった。
そんな短縮番号、使うことはなくて本当に良かったけど(^^)


そんな彼も二児の父。
「貴方も親になったら、お母さんの苦労が分かるよ」
なんて言っていたのに、中学生になった孫たちは、すくすく育って反抗期らしい時期がなかった。
何故か?明るいお嫁さんMちゃんのおかげだと思う。
家族の中心であるママが太陽みたいに笑っていたら、向日葵みたいな子供たちは、太陽に顔を向けるように真っ直ぐに育つとか何処かで聞いた。


話は戻るが、カタイとキカンという言葉は嫁の上にも付く。
義母がまだ元気だった頃お盆前になると、私は義母のアッシー君(死語か?)となり、あっちこっち買物に走り回っていた。
とある果物屋さんに立ち寄った時のことお店のオジサンが
オ「娘さん?」
私「いえ、嫁です」
オ「あらぁ、カタイお嫁さんやねぇ」
母「この子、キカンがやよ」
私「ハイ、キカン嫁です」
義母と私のやり取りに、絶句してしまうオジサン。
帰りの車の中の母の言葉
「あんた、優しそうに見えて徳やなぁ」


義母は決してイジワルで言ったワケじゃない。
この言葉、私のことを1番理解している親友にも度々言われる言葉だからだ。
夫ヨッシーさんにも言われる。
「おまえは得やなぁ、優しそうに見えて」


言いたいことも言えなかった子供時代、私は何が怖かったのか?
現在は、内も外もあったもんじゃない言いたい放題、全面キカン子と化してしまった私。
グズグズと情けなかった私をたくましい母にしてくれた息子たち、実の娘のように接してくれた義母。
そして、近年やや暴走気味の私を黙って見守ってくれている夫ヨッシーさん。
みんなに、感謝している。


あと5年程で金婚式だ。
こんな私ですが、ヨッシーさん、これからも末永く?よろしく🍀



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