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年末暇だから今年読んでよかった本(2冊)の話でもするか
こんちわ。年末ですね。たとえやらなくちゃいけないことがあっても、「今日は大晦日だから」と言い張りだらだら過ごさなきゃいけないような気持になる。
今日は特にやりたいこともなかったので、本棚からマリオのカセットを引っ張り出してきて、ボム兵を仕分けたりモグラを叩いたりした。
もう一勝負するかというところでフリーズ。随分懐かしい現象に胸がほっこりすると共に、ぼくらもいい年した人間になったら「平成生まれしか知らない現象wwwwwそれはDSのフリーズwwwwwうぇっうぇっwwww」とか死ぬほどおもんない謎マウントをやりだすのだろうかと思った。最近のテレビで昭和生まれがよくやってるアレ。
それはさておき、年が明ける前に今年読んだ本を紹介します。
①ミヒャエル・エンデ『モモ』
本棚に入っていたのを引っ張り出して読んだ。
人の話を聞き、その人の本心を引き出すのが得意なモモと、人々の時間をこっそり奪い取る時間泥棒『灰色の男たち』の戦いの物語。利益のために時間をひたすらに節約し、心の豊かさや人間らしさを失ってしまった現代人に対する風刺が満載。
児童書という枠ではあるものの、大人が読めば必ず背筋の凍る話で、冷や水かけられた時くらいはっとさせられる。
『星の王子さま』でサン=デグジュペリが言いたかったことと本質は似ている気がするので、一緒に読んでみるといいかもしれない。
本当のところ、もう私たちには灰色の男たちをやっつける手段なんてないんだけれども、そいつらの存在と時間の本質を忘れないでいれば多少の抵抗くらいはできるかもしれない。
②サリンジャー『ライ麦畑でつかまえて』
言わずと知れた名著。及び有害指定図書。カップルがライ麦畑でキャッキャウフフと追いかけっこする話ではない。
刺さらない人にはとことん刺さらないし、刺さる人には刺さりまくって返しが付いて抜けなくなる。そして、最も感想を語りにくい本。そもそも感想を語ること自体なんだか野暮な気がしてくる。本当に書きにくいので、この際箇条書きを頼ることにする。
・正しく日本語訳すれば『ライ麦畑の捕え人』となるタイトルを、あくまでも『捕まえて』だと言い張るタイトルのセンスがわたしはとても好き。ホールデンっぽいから。
・友達になりたいと思える主人公だったと私は感じた。実際私は読後、しばしば日常生活で「こういう時ホールデンなら何て言うのかな」と考え、彼がなんでもかんでもボロクソ言ってくれる姿を想像してちょっと楽しくなった。実際にいたらどう思うかはさておき・彼は大人をとことん嫌悪し、小さな子供に対しては優しく接する。しかし例えば妹のフィービーまでもが大人になってしまった時、彼はどうなるのかな。本当に一人ぼっちになってしまわないかと心配になる。・「大人の不条理を受け入れられない人間が、異常判定されて精神科に入れられる現状に納得いかない」という感想が多く見られたが、私はこの手の感想に対しては「わかってねーな」と言いたい。そういうんじゃないだろ。
最後に、読後は「Coming Through the Rye」を聴いてみることをおすすめする。彼の心の中にあったライ麦畑の光景と曲が優しく結びつくはずだ。
本当はもっとたくさんあるのだけど、描いてる途中でおなかがすいてきたので今日はこの辺で。残りはまた今度紹介させてください。
よいお年を。