人並みに世俗的
「優れるより、異なれ。」
どこかの誰かが生み出した言葉が、今の自分の支えになっている。
王道では勝てないと思い、いつからかサブウェポンで武装することに快感を覚えるようになった。
大衆に迎合せず、寧ろ意識的にオリジナルなキャラを求める生き方。
周りの人とはひと味違った生活スタイルや価値観に身を置くことで、多くのことを得て人生もある程度豊かになったとは思う。
けれど、突き詰めるとそれはルサンチマンに基づいた悪足掻きに過ぎない。
持たざる者が抱く周囲への嫉妬。
弱さを隠すための意地汚い抵抗。
今の自分の生き方が間違っているとは思わないが、時々どこか虚しくなる。
そして、結局は自分も人並みに世俗的なのだと気づかされる。
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結局は、都市の表面的な華やかさが好き。
結局は、分かりやすいコンテンツが好き。
結局は、見える部分の美しさのほうが好き。
喧騒に身を投じて酸いも甘いも舐め尽くしたい。
脊髄反射的に大衆文化を面白がりたい。
綺麗で洗練されたヒトやモノに囲まれたい。
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強いようで脆く揺らぎ続ける自分の生き方。
生きるって難しいですね。
きっと正解は存在しなくて、僕らは白と黒との間にある無数のグラデーションの中を永遠に漂い続けるのでしょう。
たゆたえども沈まず。
そう、沈まなければ全て大丈夫。