ペルソナ作りに重要な『ユーザー理解』
メリークリスマス🎄♡
早いもので去年アドベントカレンダーの記事を書いてから1年が経ちました。
今回の記事では主に
・「ユーザー理解を深めたい」と思ったきっかけ
・どのようにユーザー理解をして事業に活用しているか
・マネタイズ⇔CS両軸に携わる上で得た気付き
について書きたいと思います。
まだCS業務に携わって半年で、オーテとしてもユーザー理解をするために動き出したばかりですが、現在進行形で注力しているホットな情報がお届けできればと思います。
これは何?
Reproの稲田さんが主催する モバイルアプリマーケティングアドベントカレンダー2021 の24日目の投稿です。
面白かったら、是非ハッシュタグ「#アプリマーケアドベント 」を付けてシェアをお願いします!
自己紹介
Meguro Haruka
目黒 悠
オーテ株式会社
マネタイズグループ 兼 CS(カスタマーサティスファクション)グループ
マネージャー
2018年~2020年:アイモバイル入社
アドプロダクト事業部でADNWのメディア営業を経験。
2020年4月~:子会社のオーテ株式会社マーケティングチームへ異動
マネタイズ・広告出稿・ASO 等マーケティング全般の業務に従事。
2021年6月~:CS業務を兼務
■第1章
これまでのオーテ社とCSに注力するフェーズ
オーテではこの半年、"ユーザー理解"に注力してきました。
マーケティングによってユーザー数が増えたからこそ、ユーザー理解を深め、求められていることを施策として打ち出していく必要があると思ったからです。
これまでのオーテの歴史を振り返ると、大きく3つのフェーズに分けられます。
■フェーズ1:アプリリリース期(2014~2019年)
創業者の2人で「パズルde懸賞」シリーズの6タイトルをリリース
※アイモバイルが買収する時点で、RRが他のカジュアルゲームに比べても高い状態(1日後の継続率 50%)だった
■フェーズ2:アイモバイルがオーテを買収後マーケティングを強化(2019年~2021年)
2019年オーテ買収後マーケティングの力によってユーザー数・売上を伸ばす(AppAnnieさんが発表された「Top Publisher Awards 2021」の 2020年1月1日〜2020年12月31日の1年間のダウンロード数で、OhteがJapanのゲームカテゴリで2位にもなりました)
※去年のアドベントカレンダーの記事ではオーテのマーケティング施策について書いています
※このマーケティングの施策がうまくいったのも、RRが元々高かったから
→逆に言うと買収後は元々できていたプロダクトを大きく変えずに、品質を担保しながらも、ユーザー数を伸ばすという事で事業成長した
■フェーズ3:プロダクト改善に注力するためにユーザー理解を深める(2021年~)
マーケティングでユーザー数・売上は順調に伸びたものの、RRは買収後から徐々に減少傾向に。。
買収時点でプロダクトの土台はちゃんと出来上がっていてRRが高かったのでマーケティングで事業スケールもしました。
ただ、ここで立ち返ってアプリを使っている人達の解像度を上げ、ユーザーが求めている施策をすべきタイミングだという考えに至った訳です。
■第2章
そもそもCSとは?私がやってること、役割
CSと言っても色々あって
・カスタマーサポート:顧客サポート(問合せ対応等)
・カスタマーサクセス・サティスファクション:「顧客の成功を達成すること」で「自社の利益を得る」という考え方や組織、戦略、活動
その中で私の役割はカスタマーサクセス・サティスファクションにあたるユーザー理解をした上で施策に落とし込み、優先度を付けてプロダクトを改善していくことです。
まずは「顧客を知る」こと
CSに注力していきたい!となった時の課題としては
・ユーザー理解ができていないと施策の具体化がしにくい
・施策の優先度が決めにくい(やりたいことはたくさんあるけど何から進めていくのが正解か分からない)
でした。
「ユーザーが求めている施策を打ち出したいけど何からすればいいの?」「とりあえず現状把握するためにNPS*分析ツールを使ってみるべき?」
と何社かツールの検討をしたり。
その時に、お世話になっているCSのプロ(通称アニキ)から教わったことは、
・ツールを使って優先度を決めている会社はいくつかあるし、相関性を出すところまではできる。ただ、粒度が大きすぎてその後のアプローチがしにくいという課題もある。
(宝の山を発見したが、どこを掘ればいいのかわからない。。という状態)
・施策に紐づくような声はNPSでは反映されない。
→だから、ユーザーに聞く(体制を作る)
・NPS推奨者はなぜ推奨しているのか、なぜ批判しているのか
その体験の差はどこにあるのかをリサーチによって明らかにしていく
・ドライビングファクター*(複数存在する)がわかってから、NPSに落とし込んでマッピングしていくことで改善する部分が見えてくる
希望の光が見えた瞬間。。
ということで、まずオーテでは
1. 簡単なNPS調査がアプリ内でできるようにする
→アプリ内メッセージの優先度上げる
2. そこから批判者と推奨者にリサーチをかけられるようにする
→リサーチする体制をつくる
ことをしました。
*NPS:顧客ロイヤルティ、顧客の継続利用意向を知るための指標
*ドライビングファクター:ロイヤルティを創出する要素
「ユーザー理解」を深めて良かったこと
まずはユーザー理解を深めて良かったことを3つお話できればと思います。(ユーザーインタビューの設計・活用法は後ほど記載します。)
①ユーザーの顔が見えるようになる
②施策の優先度が決めやすくなる
③運営メンバーの向くべき方向が同じになる
①ユーザーの顔が見えるようになる
どんなにユーザーの行動を数値で見れたとしてみれても、あくまでアプリ(オンライン)なので、ユーザーの顔・行動・使い方は見れないです。
アプリのユーザーはどんな人なのか・その人にはどんな施策が効果的なのかという部分が定まり議論の具体度が増しました。
②施策の優先度が決めやすくなる
今までは施策を打つ時にCSがやりたいことや、ユーザーからの声の多さに応じて施策を立案していました。そうすると「あれもこれもやりたい(やったほうがいいんじゃないか)」となり、実際にそれがどのように改善につながっているのか、はっきりしないことが多かったです。
そこが実際に可視化されて正しい施策が何なのか・何を優先すべきかの解像度が格段に上がりました。
③運営メンバーの向くべき方向が同じになる
これまでは
・施策を立案/検討/決定するのはCS
・デザイナーやエンジニアは施策決定したものを形にする
という状態でした。
ユーザー理解をアプリを運営している各メンバー(デザイナー・エンジニアも含めて)が出来ることで、各施策に対して「誰の為に、何の目的でその施策をするのか」その上でどのようにデザイン・開発をすべきかということを話せるようになり、皆でプロダクトを作っていくという体制が作れるようになりました。
勿論、時間も工数もかかるけど、その方が確実に良い施策が打てるというのを実感しています。
インタビューをどうやってやるの?
先ほど記載したユーザーを知るという部分ですが、オーテでは直接ユーザーにインタビューを実施しています。
ーーー
①インタビュー目的・質問項目設計
②ユーザーインタビュー実施
③インタビュー内容を基にペルソナ作成
インタビューユーザーの位置関係を「パズルの重要度」と「懸賞の重要度」で表しているところ
④各ペルソナのペイン・ゲインに対する施策の案出し
⑤NPS(「顧客ロイヤリティ」を測る指標)と関連のありそうな項目を洗い出しアプリ内でアンケートによる量的調査
⑥NPSとNPSに関連のありそうな項目の相関関係を出し、施策の優先度を付けて検討・実施
ーーー
「NPSと相関が高いけど満足度の低い項目」や、逆に「NPSと相関が高くて満足度も高いけどさらにロイヤリティを高められるような施策」を打つなど、NPSとNPSに関連のありそうな項目の相関関係を出すことで、優先して行うべき項目が明確になりました。
■第3章
CS⇔マネタイズのバランスを保つ
第2章では
・なぜユーザー理解が必要か
・どのようにユーザー理解をするのか
について話しましたが、NPSが低くなる要因として挙がりがちなマネタイズとCSのバランスをとる為に、正しい判断をどのようにすればいいのか気付きを得たことをお話します。
■それぞれの役割
【マネタイズ】
ミッション:1ユーザーあたりの収益(ARPDAU)や1分あたりの売上(売上/分)を最大化すること
→「ユーザーの広告接触回数(imp/DAU・imp/分)を増やすこと」と「広告表示あたりの収益(CPM)を高めること」
【CS】
ミッション:ユーザー満足度を高めるようプロダクトを改善していく
→その結果「RR」や「エンゲージメント」が向上する
当たり前のことではありますが、この2つは大体が逆の立場にあって、マネタイズを最大化しようとして広告枠を増やしすぎたり、広告によってプレイが遮断されるとユーザービリティが悪くなり、逆にCSに寄りすぎて広告表示回数を少なくすると売上が上がりません。
正直マネタイズだけ担当をしていた時は、売上を上げることに注力してきました。
そもそも広告に対するユーザー満足度はどうしても低くなりがちなのは明白なので、
・マネタイズ:売上を最大化していく事
・CS:プロダクト改善をしてRRを上げDAUを増やしていくこと
と業務範囲を切り分けて考えていました。
ただ、ユーザーインタビューをしていく中で以下のようなケースが生まれました。
目先の利益にとらわれず事業として正しい判断が何か見えたケース
- インタビューした中で多かった声
応募後にインステ広告が表示されることに対しての不満
理由:自分でパズル解いたことへの対価として付与されたポイントで懸賞応募完了後に広告が表示される為
- インタビューをする前までとのギャップ
ユーザーが広告に接触する回数は、懸賞応募完了後よりもパズルクリア後に表示される広告の方が圧倒的に多いので、パズル後に表示される広告への不満が多いと思っていた
ユーザーからすると、広告接触回数よりも「自分で得た対価を使用することに対して、広告を見せられる」という体験がマイナスに働いているという気付きを得ました。
上記を踏まえ、以下のような施策の検討をしました。
- 施策立案
「応募完了後のインステ広告を全く出さなかった場合にRRがどの程度上がるか」を見たい
- 施策検討材料(検討するために行ったこと)
応募後のインステを削除した場合、どの程度RRが上がれば応募完了後の広告以上の売上が出せるのか算出
→相当無理な範囲ではなかったのでABテストをしてみる価値があると判断
マネタイズとしては広告表示回数が減ってしまうのでARPDAUや売上/分は下がりますが、事業としてみればそれ以上にRRの増加幅が上回り、DAUが増えれば売上が上がる状態になります。
各部署が目先の利益を見て最適化していくだけでなく、事業として何が最善かを横断して見れるようになった瞬間でした。
■第4章
事業としてどんな価値を提供していきたいのか
ユーザー理解をした上で、各ペルソナのペイン・ゲインに対する施策は出てきました。ただ、企業として「どんな体験をユーザーに届けたいのか」という部分を企画・提供していくことも重要だと思っています。
例えばオーテの場合
懸賞コンテンツなので、どうしてもユーザーからは「当選したい」という声が多い
↓
ユーザーは当選経験以外のどこに楽しみを持っているのか?
↓
コンテンツの質という部分にはこだわってきたので懸賞品のラインナップは満足度が高かった
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ユーザーは「欲しいものあるかな~」「これいいな~」と眺めている時間も楽しくて、メルカリやピンタレストを見ている時と似ている感覚と話していた
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パズルや懸賞のコンテンツ体験を通じ、"ワクワク"を感じている状態がロイヤリティが高くなっている状態
という背景から、オーテでは「創り手自身が楽しむ、創り手の楽しみが使い手に伝播する」ことを理想としています。
case1:ユーザーがワクワクするような豪華キャンペーン
case2:ユーザーに +α の喜びを提供する施策
これはまだ始めたばかりなのと、これから長い時間をかけて結果が出てくると思うので、またお話する機会があれば記事を書きたいと思います。
このように、見えていないニーズを引き出すこともユーザー理解をした上で必要不可欠だと思っています。
さいごに
オーテではCS担当のみならず、経営者・エンジニア・デザイナーも含めてプロダクトを作っています。
そこで、オーテでは一緒にアプリを創ってくれるエンジニアを募集しています!インタビュー記事もあるので是非読んでみてください。
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