いたちごっこ
きみはとってもあしがはやくて
やわらかそうなそのしっぽに
ようやくふれたとおもったら
まばたきするまにすりぬける
だれもかれもみんなみんな
むちゅうになっておいかけてんだ
きみはとってもひとみがきれいで
びいだまのようにとうめいで
あのやまおくのみずべのように
きらきらとひかっているから
だれもかれもみんなみんな
われをわすれておいかけてんだ
ゆれるしっぽにさわりたくて
さわりたくてさわりたくて
くらやみのなかにひそんでいる
こわいやつらのこともわすれて
りょうてをのばしたしゅんかんに
きみはくるりとまきついた
そのあたたかさがこわくなって
はなれられなくなるのがこわくて
こころとからだはうらはらで
そらをみあげてしらんかお
うれしいけれどこわいんだ
あたためられたことなんて
ただのいちどもなかったから
おいかけられればにげたくなって
にげたとおもえばおいかける
きみのことはきっとずっと
あすもあさってもすきだけど
ぼくらはきっといつまでも
あいされることがこわくって
おわらないいたちごっこ
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