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#104【介護雑記】認知症の終末期医療を考える。パートⅡ

以前、認知症の終末期医療について書いた記事がある。

江別すずらん病院・認知症疾患医療センター長。日本尊厳死協会北海道支部長の宮本礼子氏のレポートを読んで、私は、母の終末期、「延命治療はしない。」と決めたのだが、先日、私がフォローしているnoterさんが、これまた、凄くリアルな、「認知症患者」の「終末期」について、医師のお立場から、詳しく解説されている記事があるので、是非、ご紹介したい。

noter / Elephant in the rumorさん
2024年10月2日 17:00

高齢者は医療費が安いことによって得をしているのか?
僕は決してそんなことはないと思う。
むしろ、医療費が安いせいでいろいろな決断をしないで済んでしまう。色々な問題を病院に任せてしまうのだ。

まずは典型的な高齢者救急医療を考えてみよう。
自分が認知症の高齢者になって施設に入所している気持ちになって読んでほしい。

高齢者は医療費が安いことによって得をしているのか?

如何ですか?
ご自分がもし、認知症患者になって「誤嚥性肺炎」を発症したとしたら・・・。

ほぼほぼ、間違いなく、Elephant in the rumorさんが解説されている手順で病院の対応を受けると思います。(だってお医者様ですもの。普段のお仕事を解説されているわけでw)

ま、病院て、こんな感じなのよね・・・。
(Elephant in the rumorさんが冷たい訳じゃないのよ?そこは誤解しないであげて!!w)

私が注目したのは、以下の段。⬇️

【次に、日本では滅多にないシナリオも考えてみよう。】
本人は苦しくないが、発熱と経皮的酸素飽和度が低下しているのを、施設職員が発見する。家族の前で施設の医師が話をする。

「Aさんは恐らく誤嚥性肺炎を起こしていると思います。もともとご高齢なので、勿論命にかかわる可能性がありますが、88歳であれば大往生と言って差し支えないのかもしれません。

Aさんの認知機能を考えると、入院するとせん妄を起こして身体拘束を受ける可能性が高いです。今、ご本人は苦しくないようですし、肺炎が苦痛というわけではないようです。ご本人が(病院で)何を体験するかを考えれば、飲み薬の抗生物質でなんとかしてみるのが良いと思います。

また、どんなときに、なんのために救急車を呼ぶのかは、しっかりここで考えておきましょう。お話しした通り、ご家族で過ごせる最後の時間になるかもしれません。食事に関しては、食べることができる範囲のものを食べるのが良いでしょう。ゼリーやプリン、アイスなどは味も良いし、誤嚥もしづらいので少量摂取できることが多いです。苦しそうでなければスプーン一杯くらいの量を食べさせてあげても良いと思います」

親戚が集まり、本人と少し話をしたり、本人の前で他愛ない話をする。
三日ほど経つと、抗生物質が内服できなくなる。再び医師が家族に話をする。


「やはり飲み薬だけでは厳しいようです。脱水も進んでいます。ただ、ご本人はそれほど苦しくないように見えます。私としてはご本人は今までよく頑張ってこられたのだな、と思います」

本人はぼんやりしており、何を言っているかははっきりとは聞き取れない。ただ、見知った声で穏やかに話をされていることがわかる。

家族が声をかけると、時々目がひらくことがあるが、それもあまりなくなり、少しずつ脈が遅くなり、死を迎える。

高齢者は医療費が安いことによって得をしているのか?/本記事より引用

これというのは、冒頭で紹介した、江別すずらん病院の宮本礼子氏の海外の「認知症患者への終末期事例」のレポート内容と符号するんですよね。

つまり、「自然死」への「導き」です。

Elephant in the rumorさんご自身も、「自分が88歳の認知症患者だったら、後者を選ぶ。」と、述べていらっしゃる事から、事例に挙げた、「施設の医師」は、きっとElephant in the rumorさんご自身が、「自分だったら、患者さんを、こんなふうに導きたい。」というお気持ちの表れなのだと思います。(諸事情で出来る出来ないは別として。)

日本国内の医療機関では、医師から、”こういう選択枠もある。”という提言を受けたり、期待するのは、中々、厳しいように私も感じています。

「認知症」の親御さんや、ご家族を介護されている方には、是非、一度、読んで頂きたい記事です。「介護」の事は、一旦、置いて、ご自分がもし、認知症患者になったら、どちらのターミナルケアを選びたいか・・・?

命は長らえるけれども、よくわからない苦しみが延々と続く300万円(自己負担金5万~10万円)の病院でのターミナルケアか、20,000円(自己負担金2,000円程度)の在宅医療(訪問看護)で、穏やかに平安な気持ちで、”迎えの舟”に乗るか・・・。

私自身は、迷わず後者を選びますw コスパ良すぎだもんwww

それぞれのご家族、ご家庭の事情で、様々な選択やお考えがあり、そのどれもが、「正解」だと思います。しかし、いずれ「ターミナルケア」から「看取り」に入っていくフェーズで、「自然死を迎える。」という選択枠もあるという事を、多くの方々に知っておいて頂きたい。

「認知症患者」の最期を”救う”のは、
結局の所、医療でも医師でもなく、家族介護者の意思ですから。

そんな気持ちで記事をupしました。
皆様の気づきやご参考になれば幸いです。

以上、「認知症の終末期医療を考える。パートⅡ」でした。

最後に、秀逸な記事をupして頂いたElephant in the rumorさんに、心より厚く感謝申し上げます。ありがとうございました。

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