1378　ネットがメディアに勝ち 民意が組織票に勝った歴史的勝利だが 勝ったからこそ見えた「闇」もある③　～選挙は劇的でも、政治は匍匐前進～

日本史が好きじゃない、
という人でも知っている
「桶狭間の戦い」
織田信長が絶対不利な中で
今川義元を見事倒した
「奇跡の勝利」であり
鮮烈なデビューとなった戦です

生徒がよく間違うのは
この「桶狭間の戦い」が
あまりにも劇的であり
この勝利をきっかけに
天下統一にまっしぐら･･･
というイメージを
持ってしまうのですが

実は、劇的な勝利の後
信長が美濃を攻略するまで
約７年の月日がかかるのです

なぜ、この話をしたかというと
今回の兵庫県知事選が
あまりにも劇的な勝利で
有権者、特に若い人は
その興奮が醒めないままで
斎藤知事に期待してしまうと
せっかく始まった地殻変動を
止めてしまうことに
なりかねないからです

選挙というのは戦いです
ともかく勝てばいいのです
権力を手に入れるのが選挙です

しかし、政治というものは
その、手に入れた権力を
どう使うか、なのです

長い間の井戸県政の緩みは
想像以上に深く大きいものです
そこを力任せに潰そうとしたら
その権力が「独裁」と言われます
かと言って、古い体質に
妥協するわけにはいかないので

匍匐前進のように地道に
一人ずつ一人ずつ
粘り強く理解者を増やし
一つずつ一つずつ
陋習を潰していくことが
必要になってくるのです

だから、時間がかかるのです
あれだけの改革への強い意志と
明晰な頭脳を持つ知事は
なかなかいない
貴重な人材だと思うので

支援者がしっかり理解し
政治に対して
選挙のような劇的なことを
求めないように気をつけて
大きすぎる期待と
早すぎる問題解決が
有望な政治家の芽を
摘むことになってしまうと
認識することが大切です

そこをわからずに
性急な結果を求めすぎて
批判や不満を持っていたら
メディアや既得権益側に
つけ込まれてしまうのです