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(令和三年・2021/05/01〜05/10) 📚📚📚「宮崎正弘の国際情勢解題」 💕🐧
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「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和三年(2021)5月10日(月曜日) 通巻第6905号
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~台湾領空侵犯を繰り返す中国の行動は威嚇が目的
北京五輪を控え、すぐに戦争にはなりにくい(カート・キャンベル)
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海外へ散った台湾人はおよそ80万人。主にアメリカに移住して、チャイナタウンのなかでも独自のコミュニティをつくった。
国民党支配を嫌っての脱出かと思いきや、海外台湾同胞はむしろ国民党系が多数派である。この人たちのメンタリティはともかく台湾を捨て、安全な国へ、それもアメリカが一番人気である。不思議な根無し草根性の心理を克明に説明ができないが、この階層のDNAかも知れない。
さて海外台湾同胞の多くは「台湾海峡の危機が近い、戦争になる」という心理恐慌が共通しており、アメリカで発言し始めた。
よくその発言を吟味すると「馬英九時代にこんなことはなかった。台湾独立を言うから、威嚇され、いずれ戦争になる」という論理である。このロジックは李登輝時代からさかんに強調された。つまり国民党の宣伝の延長にあって、中華思想に立脚していることが分かる。
しかし、台湾の防空識別圏を侵犯した中国機は2021年第一四半期(1月─3月)で283回(前年比較全体の75%にあたる)。一月に87回だった、四月は107回、一日だけで15回という日もあった。
カート・キャンベル(国家安全保障会議インド太平洋担当調整官。クリントン政権で国務副次官補。オバマ政権で国務次官補。このとき夫人は財務次官だった)は、「北京五輪をひかえて、中国がすぐにも戦争に打って出る可能性は低いだろう」と発言している。
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読者の声 どくしゃのこえ READERSOPINIONS 読者之声
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(読者の声1))『致知』6月号の特集、宮崎さんの「この人を見よ」を拝読しました。
私もニーチェ狂なので楽しく拝読いたしました。Zarathustraは30年読んでいるのですが、未だにすらすら原文を読めません。
最近思うことは、Nietzsche を友人に持ったらどんなものか、とても付き合えぬだろう、ということです。
そして彼の交友のキーマンは数人おりますが、キーウーマンはルー・ザロメです。それでザロメのNietzsche を最近取り寄せて読んでおります。やはり、まるで尋常ではないので、お互い尋常でない同志、うまく行くわけはないのですね。それにニーチェの妹エリザベートが絡みますから。
日本語訳ですが、ニーチェ・レー・ルー(E.プファイファー編)を3日前に購入しました。それで彼の周囲との仲間関係はどんなものであったのか、研究(?)することに致しました。
(AO生、伊豆の国市)
(宮崎正弘のコメント)いつか、その研究成果をお聴かせ下さい。拙著『青空の下で読むニーチェ』(勉誠出版)はまだ再版どまりですが。。(苦笑)。
https://www.amazon.co.jp/%E9%9D%92%E7%A9%BA%E3%81%AE%E4%B8%8B%E3%81%A7%E8%AA%AD%E3%82%80%E3%83%8B%E3%83%BC%E3%83%81%E3%82%A7-%E5%AE%AE%E5%B4%8E%E6%AD%A3%E5%BC%98/dp/4585210512
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(読者の声2)宮崎様の『明智光秀 五百年の孤独』(徳間書店)を拝読させて頂きました。
「本能寺の変」は光秀の義挙であったことは今や真実であったことは疑いがない、と思っております。
ところで先日、TV番組「世界ふしぎ発見」で明智光秀・本能寺の変を特集しておりました。宮崎様はご覧になったでしょうか?
新しい歴史資料に基づく新事実も多くあり、先生はご覧になったかな、とメールを思い立ちました。
明智光秀の死にざまで、番組で新たになった事実は、
(1) 光秀は山崎の合戦では死んでいない。
(2) 岐阜県山県市中洞に明智光秀の墓があり、お堂がある。
(3) お堂には、明智光秀の位牌があり、慶長5年9月13日が命日となっている。
(4) 光秀は山崎の合戦の時に、光秀の影となって死んだ荒木行信という武将に深く感謝し、
(5) 以後、荒深と名乗って、光秀の母方の郷里山県市中洞付近に住んだ
(6) 山崎の合戦から18年後の関ヶ原の合戦では、家康軍に加勢するべく馳せ参じようとしたが、途中、長良川で溺死した。
(7) 明智光秀の妹の息子である斎藤利三は徳川家光の生母とされる春日局の父親である。
(8) TVに登場した墓を守る明智光秀の子孫が、荒深智成氏である。(本人も子孫と名乗る)
ということでした。 (林秀行)
(宮崎正弘のコメント)小生はテレビを見ませんので、勿論当該番組は見ておりません。しかし、この番組構成は100%出鱈目ですね。義経が死んでおらず大陸へ渡りジンギスカーンとなった。西郷隆盛は孫文になった、というお伽話の類いです。
岐阜の山県発祥の、もうひとつの珍説は、光秀は生きのびて家康ブレーンの天海となったというはなし、いずれも後智恵が、英雄に仮託して夢が膨らんだ結果でしょう。
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(読者の声3)「横浜『正論』の会」主催講演会のお知らせです。今回は「脱中国」、そして「消費税減税」を唱える田村秀男さんをお迎えします。
記
とき 5月22日(土曜) 1330-1630
ところ 横浜市立大学カメリアホール
講師 田村秀男(産経新聞特別喜捨、編集委員兼論説委員)
演題 「待ったなし、コロナ後の日本復興」
会費 1000円(学生無料)
連絡先 横浜正論の会(045-783-7869)
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(読者の声4)第二回憲法改正フォーラム、講演会のお知らせです。講師に『正論』編集長の田北真樹子さんを迎えて、憲法問題を考えます。
記
とき 5月29日(土曜) 午後1430-1600
ところ 藤沢市労働会館 Fプレイス大ホール
講師 田北真樹子(『正論』編集長)
演題 『憲法は国民の生命と安全を守れるのか?』
入場 無料
予約 5月19日までにお申し込み下さい
電話0466-23-6338
主催 憲法フォーラムIN藤沢・寒川実行委員会
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「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和三年(2021)5月9日(日曜日) 通巻第6904号
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~米中戦争は事実上、はじまっている
米国の生命線パイプラインにサイバー攻撃、動脈が停止された
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「数日以内に復旧しなければ、商品市場は大荒れになるだろう」(ウォールストリートジャーナル、2021年5月8日)。
東海岸の大動脈、石油パイプラインがサイバー攻撃で停止に追い込まれた。ランサムウエアが仕掛けられてコンピュータが作動しなくなり、暗号通貨による身代金を要求されていたと全米のメディアが大きく報じた。
ランサムウエアは中国とロシアのハッカー集団が執拗に西側の行政機関、企業、そして産業設備から病院に到るまで頻繁に攻撃を仕掛けてきた。北朝鮮も便乗してワナクライというハッカー部隊が、かなりの身代金を西側企業からせしめたと言われる。
とくにこの数ヶ月は露西亜による「ソラー・ウインド」(ソフトウエア企業)への襲撃、中国のよるマイクロソフト社のメールシステム襲撃が報告され、国土安全保障局とFBIが本格捜査を展開してきた。
このパイプラインはコロニアルパイプライン社(本社ジョージア州、ロイヤルダッチなどが出資)が、テキサス州からNYへ敷設した全長5500マイル。東海岸の全消費の45%のガソリン、航空機燃料などを輸送している。
テキサス州に端を発し、ルイジアナ、ミシシッピー、アラバマ、ジョージア、サウスカロライナ、ノウスカロライナ、バージニアを抜け、ペンシルバニア州とデラウエア州の州境をぬけてNYへと到る。ガソリンだけでも一日250万バーレルを輸送する。
不幸中の幸いで、コロナ禍のため需要が減少中という市況にくわえ、備蓄が相当あるというが、数日、操業に支障がでると、ガソリン代金が急騰する怖れがある。
それにしても米国産業の大動脈が狙われた。インフラが、ハッカーの攻撃に脆弱な実態が晒された。
トランプはカナダから米国南部へのガスパイプライン工事も許可したが、バイデンはこれを撤回し、産業界からは猛烈な反対の声があがっていた。安全保障上、代替ルートがないと、産業のインフラも日常生活も危殆に瀕することは明らかである。
過去のサイバーアタックによる被害はイランのハッカーがサウジアラビアのアラムコに仕掛けたハッカー攻撃で、同社の30000代のコンピュータが破壊された被害が最悪のケースだった。
これは隠れた戦争であり、中国とロシアはハイブリッド戦争の一環として、明らかに戦争を仕掛けているのである。戦争は戦車やジェット戦闘機やミサイルが飛び交う旧来の発想を超えて、まったく新しいサイバー空間に移行しているのである。
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読者の声 どくしゃのこえ READERSOPINIONS 読者之声
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(読者の声1)近頃の世界情勢を見ていると本当に100年前に戻っている気がする。英国が日本に派遣する艦隊の予定ルートを見ると、途中で黒海にフリゲート艦と駆逐艦を派遣(トルコ・ロシアを牽制?)、スエズを抜けるとオマーン・インド・シンガポールに寄港、シーレーン防御で本来は日本が担うべき航路。台湾東岸から韓国に寄港、明治時代には巨文島を占領しているし、朝鮮国連軍の一員としては対中圧力の一環かもしれない。その後は津軽海峡を通過し F-35運用の日英連携を視野に横須賀へ。
https://livedoor.blogimg.jp/crx7601/imgs/7/0/70226e29.png
一方、フランス海軍は地中海のトゥーロンから。1942年11月のトゥーロン軍港自沈事件で有名。ネットでは物知りが多く、インドネシアのドイツ製潜水艦沈没時にはドイツの外洋型Uボートの多くはフランスで建造されたとか、ベルリン陥落時に最後まで戦ったフランス義勇兵の話とかでてくる。
フランスの工業力はナチス・ドイツの戦争遂行にかかせなかった。ルノーの国営化もドイツ協力の反動でした。
EUとなってもエアバスの本社は南西部トゥールーズで欧州諸国の関係はフランク王国時代にさかのぼるほど複雑。レジスタンス神話のフランス史が抗日神話の韓国史に重なる気もしますが、欧州の覇者ナポレオンのフランス軍と武器を捨て泣いて逃げる韓国軍を比較してはフランスに失礼というもの。
フランス海軍の航路はスエズを抜けインドのコーチン、インドネシア・アチェのサバン、ベトナムはカムラン湾とハイフォン、海南島と中国本土の間を抜け台湾東岸から沖縄、佐世保へ。
https://livedoor.blogimg.jp/crx7601/imgs/6/b/6b3cf508.jpg
フランスの広東・雲南利権よもう一度という気もしますが、中国が改革開放を始めたころ、上海が1984年にフォルクスワーゲンを誘致し成功。当時新型のサンタナは2010年代まで生産され国民車となった。一方、広州は1985年にプジョーを誘致するも失敗。中国を下に見て旧式の車種しか作らなかったため売れなかった。その工場はのち1998年に広州ホンダへ。
上海はもともと外国好きで、上海GMはいまやアメリカをしのぐ販売台数を誇る。中国でビュイック・シボレーが売れるのに日本で売れないのはけしからんというのはGMの傲慢で欧州もアジアもGMは撤退戦。
ドイツの存在感は抗日を支援したドイツ軍事顧問時代からなのか、いまでも上海リニアはもとより地下鉄車両もドイツ製が多く、百貨店で売られるドイツビールの多さと安さを見てもドイツ好きがわかる。フランスといえば中国人が苦手なナチュラルチーズ、台北や北京をはるかにしのぐ品揃えでフランス租界の伝統はしっかり受け継がれていると感心する。日本の影響力は大正時代から多くの文学が翻訳されいまだに続いている。日本食や漫画・アニメはいまさら説明するまでもないですね。
(PB生、千葉)
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(読者の声2)貴誌6884号(4月28日)の「中国の深刻な食糧不足」を読んで、「チャイナ・スタディー」(グスコー出版、2016年)を思い出しました。
この本は800ページの大著で、「はじめに」と目次を見ただけで、ずっと書棚で埃をかぶっていました。副題は「葬られた第二のマクガバン報告」。マクガバン報告(1977)とは、「アメリカ上院栄養問題・特別委員会報告」のことで、「アメリカ人の、肉を主体とする薬漬けの食事は癌、心臓病、糖尿病、脳卒中さらには精神病の原因で、これらは食源病であり、アフリカにはない。誤った食生活を改善しない限り、アメリカは病と共に滅ぶだろう」と報告していました。
当然、食品業界、農業団体、医療業界等は猛反発し、マスコミもそれに加わって、この報告を闇に葬ってしまいました。
その6年後、米英中共同のチャイナ・プロジェクトという、アメリカと中国の食習慣と病気に関する比較研究プロジェクトがスタート。その調査研究報告書がチャイナ・スタディーで、結論はマクガバン報告とほぼ同じでした。
貧しい中国の農村の食事は豊かなアメリカのそれよりもはるかに健康的。
アメリカ人男性の心臓発作による死亡率は中国人男性のそれの17倍。
アメリカ人女性の乳癌による死亡率は中国人女性のそれの5倍。
肉、卵、牛乳など動物性蛋白質は最悪の発癌物質である。その証拠に、アメリカ人が摂取する蛋白質の70%は動物性であるが、中国農村部の人のそれは10%に過ぎない。等々。
このように現代の栄養学を全面否定するような調査研究の成果を発表するに当たり、リーダーのキャンベル博士は大変な苦労をしたようで、予想される関係筋からの反発を恐れて仲間は逃げ出し、共同執筆者がなかなか見つからなかったそうです(最終的には彼の息子が協力)。当時のアメリカ政府と食品・製薬・医学業界の癒着ぶりは本書の第4部で暴露されていますが、恐らく日本でも同様であろうと思われます。
癌が日本人の死因のトップになったのは1981年。アメリカの占領下にあった1947年には、死亡者10万人当たり60人程度でしたが、2019年には304人(3人に1人以上)と右肩上がりに増え続けています。食生活の変化と無関係とは言えません。マクガバン報告が「理想的食事」と評価した日本食に戻れば、理想的死に方である老衰(現在5位)が再びトップになることでしょう。食料自給率も38%から100%以上になります。
そのためには、マッカーサーが学校給食をコッペパン・脱脂粉乳にしたことの逆に、学校給食を「玄米・味噌汁」に変えるのが一番よいのでしょうが、おそらく憲法改正と同じくらい難しいでしょうね。
(精製された白米、白い小麦粉、白砂糖にはごくわずかの栄養素しか残されていないので、できるだけ避けるべきとチャイナ・スタディーは勧告しています。日露戦争中、およそ2万8千人の陸軍将兵が脚気で死亡しています。入院患者は10万4千人以上。しかし、海軍では脚気患者が出ていません。その違いは兵食にあり、陸軍は白米、海軍は麦飯とパンでした。責任を問われるべき人物の一人が当時の陸軍軍医総監・森林太郎(鴎外)。彼は脚気の原因を細菌と考えていたようです。)
(SK老 いわき)
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「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和三年(2021)5月8日(土曜日)弐 通巻第6903号
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~イラク首相がリヤドへ飛び、つぎにパキスタン首相もサウジへ
中東の政治地図に地殻変動の兆しか。
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中東地図がシリア内戦を通じてアサド体制が継続する見通しとなり、ロシアが強く支援し、そんな中で、トルコの存在は軽視されがちだった。トルコが戦後一貫して問題視されたのはキプロス紛争だった。
その後、トルコはシリア内戦にも軍を投入し、ついでにクルド族への攻撃も忘れず、そのうえにバーレーンとイラクへ軍を出兵させ、かさねてリビア内戦に絡んだ。トルコがトリポリ政権を擁護するために軍を派遣したのだ。
これは中東政治のややこしさを繁栄すると同時に、近隣諸国はトルコの軍事力をより警戒するようになった。
イランは相も変わらずの反米で「イスラエルを滅ぼすのは公共の義務である」「イスラエルは一回の作戦でやっつける」などと物騒なことを唱え、バイデン政権との核合意復活交渉を水面下で進める。
最高指導者ハメネイ師の狂信的反米、イスラエル憎悪とザリフ外相のリアル・ポリティックスの懸隔が大きいことが最近の動きで顕著となった。
中東は、シリア、レバノン、イラクにイランの影響を受けた武装勢力やシーア派の浸透が見られ、これも懸念材料と移るのはスンニ派諸国である。
この間に、米国の仲介によってUAE、カタールなどがイスラエル承認に動き、一方でサウジアラビアはカショギ暗殺を米国が非難して以後、ワシントンと距離を置き始めた。
サウジアラビアはときに鵺的な行動を取るが、天敵イランと水面下で聯絡があり、イエーメンのフーシ支援問題が解決の見通しがたてば劇的な事態がおこる可能性もある。
四月末にイラクのカシム首相がリヤドを公式訪問し、サルマン皇太子と会談した。サルマンは「両国は本来、尊敬し合う友人であり、前向きの話し合いをしたい」とした。それまでサウジアラビアは「ハメネイ師はヒトラーだ」と非難し続けてきた。
イラクを通して、イランとの交渉のパイプを確保したのだ。
サウジにとっては泥沼化したイエーメン情勢、犠牲も多く出費も強いられるが、過激派フウシは明らかにイランの支援を受けているからだ。
こうした動きに敏感なイスラエルは、政治の混乱をまだ克服できない。
三月の総選挙から六週間を経ても少数乱戦、第一党のリクードとて四分の一の議席しか得られず、連立の組閣も出来なかった。
連立に前向きな政党でもネタニヤフ首相が嫌われた。そしてこの数日の動きは、ネタニヤフの組閣が絶望的となって、ベネットが連立工作を開始した。ベネットは元国防相、少数政党を率いる。同じく少数政党を率いるラピド元財務相が、連立政権のあたらしいかたちに合意し、連休明けに他の政党との協議を開始した。
それらの諸要因が加重され、地殻変動の予兆がでてきた
サウジアラビア、イスラエル、エジプトの協議にトルコが加わった。その流れにパキスタンのイムラン・カーン首相が飛びこんできた。5月7日、カーン首相が紅海に面したサウジのリゾート地で、サウジの指導者と会談が始めた。
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読者の声 どくしゃのこえ READERSOPINIONS 読者之声
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(読者の声1)「世界から中国が消えたなら 地球のウイグル化か、デカップリングか」
現下の趨勢では、米国から中国への覇権移行は防げないだろう。中国への覇権移行は、つまり究極的には甚だしい人権侵害が報じられる「地球のウイグル化」であり、ウイグル報道をたとえ幾分でも信じる限り人間として避けるべきものだ。
確かに米バイデン政権は、ブリンケン国務長官中心に日米豪印のクワッド、G7等の枠組みを使いウイグル人権問題等で中国に厳しく当たっているが、相手の強かさに対して上品過ぎて実効力に欠ける。
筆者が覇権移行を防げないと思うのは、具体的には主に下記のような理由による。
●中国包囲網の北側、即ちロシアが抑えられていないばかりか「中露同盟」を深化させている。
●バイデン政権は増税政策を取り、中国との競争に競り負ける。
●CO2排出削減政策で、中国は約束を守らず、結果中国に石油石炭資源を奪われる。
●通商問題では、ウォールストリートの圧力に強い抵抗を示していない。
●中国の新型コロナ隠蔽の責任追及を回避している。
●違法移民問題、人種対立問題での無策、深刻化助長。
中国の悪行の相対化のためのロシアの「悪魔化」は、今バイデン本人だけが突出して行っている感があるが、やがて利益が一致するCIAや軍産複合体、大手マスコミ等も追随してくる可能性が高い。
http://blog.livedoor.jp/ksato123/archives/55006149.html
バイデン政権の増税政策は、併せて各国に最低法人税率を課す事で競争力低下を防ぐ目論見だが、中国を縛る事は出来ない。
地球温暖化説に基づくCO2削減政策については、地球がどのタームで見て温暖化しているのか、温暖化しているとしてCO2排出が原因か、自然災害や未知のウイルス拡散は温暖化が原因か、温暖化しているとしてシベリア農地化、北極海航路開通等のメリットとの比較考量はどうか等々の多角的階層的な検討の上で行うべきで、少なくとも喫緊の中国への覇権移行問題の前には優先度は低いだろう。
上記の諸々の事は、バイデンの対中事なかれ主義が作用しているが、より根本的な要因は世界中が中国のマーケットの魅力に目が眩んでいる事にある。
世界が中国の巨大マーケットに執着する限り、米国は主導権を握られ術中に嵌って行き覇権を失う事になる。
かつてチャーチルは、連合国を糾合してヒトラーを下したが、現代のヒトラーである習近平には巨大マーケットが付いているのが厄介な所だ。
だが、かつて米ソ冷戦時には、経済的にはソ連共産圏は実態としては確かに在ったが、西側世界から見れば存在していなかった。
中国とのデカップリングは可能だ。しかしそれには覚悟とリーダーシップが要る。現下の盟主のバイデンには期待できないが。
永遠に中国市場を捨てる訳ではないし、いきなり捨てる訳ではない。
問題は、世界が場合によっては中国の市場を捨てる事も厭わず団結し、抜け駆けせずに中国の人権無視、国際法違反に対峙する覚悟を持てるかだ。
その一致団結した覚悟が中国の牙を抜き、地球のウイグル化を防ぎ、やがては中国を民主化へ導き宥和の中での共存共栄に繋がるだろう。
世界は今、成否を分かつ歴史の岐路に立つ。
(佐藤鴻全)
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「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和三年(2021)5月8日(土曜日) 通巻第6902号
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~米軍撤退後、アフガニスタンに「真空」が生まれ、そのあとのシナリオ
インド、パキスタン、露西亜、そして中国は別々の憂慮
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過去20年、米国は2兆ドルを投じてアフガニスタンにおける「テロリスト退治」戦争を戦い、米兵2448名が犠牲となった。
「撤退後、1~2年でガニ政権は潰え、タリバン政府が復活するだろう」(マーク・ガッジ、ジョージメロン大学教授)。
中国は地域の安定がBRIプロジェクトにも裨益するからとして「平和維持部隊」の派遣計画がある。
アフガニスタンを要衝と地政学的に捉えているが、対アフガン援助といえば、パキスタンへの援助に比べると、150倍ほどの「格差」がある。中国にとっては隣接する国境があり、カブールに直接繋がる「アフガニスタン回廊」で繋がっている。回廊の北側はタジキスタン、その北がキルギスである。
しかしインドなどの軍事専門家は、「ヒマラヤが自然の障害物であるように、アフガン回廊の中国との国境は5000メートルの高山地帯であり、軍事的行動を本格化させるには、たいそうな難儀を伴うだろう」としている。
パミール高原は寒風、吹雪、乾期は砂嵐。
なぜならインドはヒマラヤ国境の?地で、中国軍と対峙を続けており、空気が薄い地区での戦争のやり方、その困難さを熟知している。
インドは同時にパキスタン国境カシミールをめぐっても、数十年にわたる国境紛争は、解決の目処さえ立っていない。
ロシアは嘗てアフガニスタンに介入し、最後に逃げ出した地域ではあるが、中国の影響力増大は不愉快な出来事であり、またタジキスタンに中国軍が駐留し、2017年には軍事訓練を展開したことにも強い不快感を示したものだった。
ともかく9月11日までに米軍はアフガニスタンから撤退する。
「その後」。どうなるのか、誰にも分からない。
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樋泉克夫のコラム
@@@@@@@@ 【知道中国 2231回】
──英国殖民地だった頃・・・香港での日々(香港113)
▽
九龍城探訪の数を重ねていた頃のことだった。第一日文の学生から「日本語をもっと勉強したい仲間が数人いる。自分の家を提供するから課外学習の形で教えてくれないか」と求められ、気軽に「いいよ」と。
数日後、彼の案内で彼の家へ。第一日文から徒歩で10分は掛からなかったと記憶する。油麻地警察総部近くで、倫敦戯院(ロンドン・シアター)の裏の庇利金街に面して並んでいた老朽雑居ビルの1つ。隣に市場があったような。あるいは呉松街だっただろうか。
歩道の半分ほどを占拠するかのように食い物の屋台が並ぶ。ビル1階の店先と屋台の間の歩道には、客用のテーブルと椅子が置かれている。加えて、そこは厨房としても使われているから、剥き出しのままでブタの内臓や野菜などの食材が無造作に置かれている。
どこに繋がっているのかわからない黒いホースの先から水が勢いよく飛び出し、辺り一面がビシャビシャ。本来の歩道の役を果たしてはいない。
そのうえ屋台はテント地で覆われていて風通しが悪い。老朽ビルの壁面に取り付けられたクーラーから、水がポタポタと落ちて来る。悪臭が漂い、昼でも薄暗い。そんな劣悪な状態の歩道ならぬ歩道を、人々はひっきりなしに行き来する。
経年劣化が激しく、階段も欠けた部分が少なくない。ひび割れの目立つ壁面には、錆びでボコボコに傷ついた鉄製の郵便受けが無数に並ぶ。天井近くの壁には、のたうち回る蛇のように無数の電線が走っている。
水道料金にしても電力料金にしても、ましてや電話料金にしても、いったい、誰が、どうやって針し、誰が、どうやって支払っているのか。どうにもよく分からない。
一階店舗の脇に踊り場然とした僅かな空間があり、その先にある頑丈な鉄扉のカギを開けると、そのまま階段だった。もちろんエレベーターなどあろうはずもなく、薄暗く狭い階段をトコトコと上るしかない。2階は床屋、3階は幼稚園、4階には怪しげな雰囲気のガラス戸が・・・彼の家は10数階にあった。狭小で薄暗い。なぜか床はタイル張り。どこからとなく聞こえてくる騒音が止むことはなかった。
「日本語をもっと勉強したい」との願いに絆されたばかりに、厄介なことを引き受けてしまったと反省したが、後の祭り。かくて毎週1、2回だったが2、3か月ほど、10数階の階段上り下りしたものだ。
と、ある時、ヒョッとして、ここも九龍城ではないか、との思いが浮かんだ。このビルだって、ここに建っているからそうではないが、九龍城に移築したとしても全く遜色(?)はない。いや、九龍城の一角をリッパに占めることができるはずだ。
老朽雑居ビルでエレベーターなし。誰が住み、どんな商売をしているのか皆目分からない。1階の歩道に面した店舗は蛇腹の頑丈な鉄の扉で「防備」されている。「牙科」、「診療所」、「跌打」、「耳鼻喉皮膚性病」、「花柳科」などと記した大小のカンバンが道路を覆うように張り出されている。ならば少なくとも外見上は、九龍城の要件を十分に満たしているではないか。
もちろん香港全体と言う訳ではないが、九龍や香港島の旧市街に限るなら、この手の老朽雑居ビルを一か所に数多く集めたら九龍城となり、九龍城を構成するビルの1つを切り離して移築したら、この手のビルになるに違いない。
香港を小型にすれば九龍城になり、逆に九龍城を膨らませれば香港に化ける──こう考えた途端、まるで憑き物が落ちたように九龍城に対する関心が冷めていった。
かくて次に通い出したのが、茘枝角道のどん詰まりに「威容」を誇った茘園遊楽園である。
当時のキャッチコピーは「東洋最大の総合遊技場兼動物園」だったはず・・・だが。
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■加瀬英明のコラム ★加瀬英明のコラム
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憲法改正によって日本人の魂を取り戻せ
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国は国民と領土から構成されているのではない。国は国民と領土と、魂から成り立っている。
日本は幕末から明治にかけて、日本を他のアジア諸国のように植民地化しようとした、西洋列強の毒牙から独立を守ることができた。国民と国土に加えて、先人から受け継いだ世界に比類ない国柄を、誇り心の拠り所としていたからだった。
3月23日に、中国海警局の重武装した4隻の船が、尖閣諸島を囲む領海を侵犯した。海警局はわが海上保安庁が国土交通省のもとにあるのと違って、軍の指揮下にある。海警船による領海侵犯は、日常的なものだ。
私は以前から尖閣諸島でもっとも大きな島である魚釣島に、陸上自衛隊1コ中隊を常駐させるべきだと主張してきた。だが、政府は「中国を刺激してはならない」といって、日本国民が上陸することすら禁じている。
中国の武装公船が尖閣諸島を囲む領海を侵犯して日本を脅かしているのに、「中国を刺激する」というのでは、腰が抜けて立つことができないとしかいえない。これは無抵抗であることが平和をもたらすと信じて、「平和憲法」と呼ばれている現行憲法の呪いだ。
現行憲法は、米国が占領下の国の基本法を変えることを禁じている国際法に違反して、強要された。違法な憲法だ。いうまでもなく憲法には、その国の精神が籠っていなければならない。魂のない国は、かならず侮られる。
日本はアメリカでバイデン新政権が発足して、安保条約第5条のもとで尖閣諸島を守ることを確認すると、深く安堵した。小さな島々を自力で守る気概もない。
3月にブリンケン国務長官と、オーティス国防長官のバイデン政権の2人の主要閣僚が、はじめての外国として日本を訪れた。
この時に北朝鮮によって拉致された被害者家族会の幹部が、アメリカ大使館の公使と面会して、被害者の救出に当たって協力を要請した。新聞報道によれば、自民党の二階俊博幹事長が、超党派の国会議員が訪朝して、拉致被害者を釈放するよう求めることを、検討しているという。
筋違いではないか。いったい拉致被害者は、誰の被害を蒙っているのだろうか。
横田めぐみさんをはじめ拉致被害者が、日本の国土から攫(さら)われていった時の北朝鮮は、経済的に破綻したみすぼらしい弱小国でしかなかった。当時、日本の経済規模はそれぞれイギリス、フランスの2倍以上あった。
英仏は航空母艦や、核ミサイルを搭載した原子力潜水艦を保有し、国益を守るために国外に派兵することをためらわない。日本が英仏程度の軍事力を持っていたとしたら、拉致被害者の悲劇は起こらなかった。
拉致被害者は北朝鮮というより、現行憲法の被害者だ。自明のことではないか。現行の日本国憲法こそ犯人である。なぜ、誰もそういわないのか。
現行憲法はアメリカが占領下で日本を骨抜きにして独立を奪い、骨格のない国にするために、押しつけたものだった。
菅首相も上着の襟に、拉致被害者の救出を求める青いバッジをつけている。この青バッジを、感傷的な“お涙頂戴”のためだけにつけているとしたら、偽善だ。憲法改正のバッジと、したい。
(かせひであき氏は外交評論家)
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読者の声 どくしゃのこえ READERSOPINIONS 読者之声
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(読者の声1)「バーチャル五輪を、そろそろ本気で考えよう。
コロナによる3度目の緊急事態宣言が延長に向かう中、7月からの東京オリンピック、パラリンピックの開催は相当苦しくなってきた。
クソ度胸で強行する事も可能かも知れないが、たとえ無観客でも国内外でのワクチン接種が予想以上に万遍なく速く進み、かつその効果が劇的に現れでもしない限り、その開催後の日本、世界での変異株による感染爆発等の引き金になりかねないため、リスクが大きすぎるだろう。
日本側から中止を言い出すと、経済損失数兆円に加え、一説では保険でもカバーしきれないIOCへの違約金やその他の賠償金を数千億円単位で負担させられる可能性もあるようだ。
現下の緊急事態宣言を招いたコロナ対策は、遅々として進まない医療キャパ拡大については、政府、都道府県、医師会の失策であり、加えて後手後手ゆるゆるの水際対策については政府の失政であるが、その点を突かれれば未曽有のコロナ禍でも違約金や賠償金が免責されない事も起こり得る。
それを避けるためにも、医療キャパと水際対策等について政府等は立法措置を経ずしても出来る事を行い、野党は立法協議に応じる必要があるが、相変わらずやる気と当事者意識は感じられない。
http://blog.livedoor.jp/ksato123/archives/55012931.html
さて、そんな状況でも五輪についての決断は迫ってくる。前述の通り筆者は開催に極めて慎重だが、ただの中止では芸がない。
これまで「バーチャル五輪」については所々で誰からともなく語られてきたが、そろそろ本気で検討してはどうか。コロナで花火大会が中止となり行き場所を失った尺玉も、本来の会場以外で無告知で打ち上げられ場合によってはTV中継されてそれなりに生かされた。
例えば記録競技等は、世界各地のアリーナで分散して出来るだけ同時刻に行ってそれを中継し、格闘技等の接触系競技は1年程度延期する。
鍵を握るのは画になり視聴数を稼げるかを懸念する米TVネットワークだが、コロナ下の五輪の形として国際世論で機運の盛り上げに成功すれば渋々でも乗ってくるのではないか。
強行開催と中止の二択は、どちらもリスクとデメリットが大き過ぎる。コロナ敗戦の損失を少しでも抑えるためにも、東京都、組織委は政府と連携し、このオプションを実行可能にして置くべきだろう。
(佐藤鴻全)
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★小誌通算6900号突破 ★愛読者まもなく12000名!
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「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和三年(2021)5月7日(金曜日)弐 通巻第6901号
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丹羽文生著 大野つや子、大野泰正監修『評伝 大野伴睦』(並木書房)
上田篤盛『情報分析官が見た陸軍中野学校』(並木書房)
師田淳二郎『ハイブリッド戦争の時代 狙われる民主主義』(並木書房)
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書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 BOOKREVIEW
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ハイブリッド戦争の脅威に晒されるのは台湾、そして日本だ
地域的覇権の野望を露骨に見せつける中国は「トゥキディデスの罠」に墜ちるか
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師田淳二郎『ハイブリッド戦争の時代 狙われる民主主義』(並木書房)
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国際政治論壇に気鋭の新人が登場した。それも新概念『ハイブリッド戦争』をひっさげて。
評者、たまさか、この本を読む数日前にテレビで広瀬陽子・慶応大学教授と対談した(未来ネット、「宮崎正弘の生インタビュー」、21年4月30日放映)。広瀬さんはカフカスの地域研究家であり、最近作はずばり『ハイブリッド戦争』(講談社新書)。
戦争のやり方は孫子の時代から基本的には戦わずして勝つことに最高の技術があるが、通常兵器をともなう一般的戦争概念は、昨今の「新冷戦」の下で消え去ろうとしている。
「超限戦」を推進する中国は、「宣伝戦、諜報戦、法廷戦」を複合して、しかも巧妙に展開する。
まさにハイブリッドとは『複合戦争』、現代はその舞台が新聞、テレビ、ラジオから宇宙、ネット、データベースに移行し、物理的な武器の発明、改良の鍵はAI、量子コンピュータ、通信システム、半導体、新材料にまで拡大した。
「ハイブリッド」の新語彙は、日本の『防衛白書』に記載されてはいるが、日本でこの分野の研究者は驚くほど少ない。
そもそも孫子の読まれ方にしても、孫子の兵法を活かした企業経営とか、孫子にまなぶ株式投資とか、孫子が知ったらひっくり返るようなアングルから論じているのが「のほほんと平和惚け」「茹で蛙」「お花畑」の日本である。
半導体開発でも日米半導体協定によってがんじがらめに縛られ、後塵の台湾、韓国が日本のはるか先を走っているの、国の支援体制はなく、ルネサスの火事による生産中断に茫然自失している体たらくだ。
ハイブリッドにしてもビジネス用語で流通し、国民の概念はトヨタのハイブリッド車。軍事的な使われ方はされていない。
著者は指摘する。
「大国間競争下でハイブリッド戦争のダメージをすぐさま受けるのは、政治・社会の分断が深刻な国家である」(つまり米国だ)
「ウクライナのように大国のはざまに立たされている国家も、ハイブリッド戦争のターゲットになりうる」
日本がさしずめ米中間の狭間に押しつぶされそう、漁夫の利をロシアが狙っている構図である。
「中国の台頭により、米国のパワーの優位性を前提として単極構造の國際システムが変動するとき、大国間戦争が発生する可能性が高いと指摘する専門家は少なくない。たとえば、ジョン・ミヤシャイマーは『國際システムの基本的な構造によって国家は安全保障を心配するようになり、互いにパワーを争うことになる』との前提に立ち、域内大国は地域覇権を確立しようとし、別の地域にいる大国による地域覇権獲得を阻止しようとするという」(127p)。
これはまさに南太平洋からインド太平洋に展開されている米中の軍事対決構造そのものであり、中国の言う『平和的対等』が嘘であることを明示している。
新興国家が既存国家の優位性を脅かそうとすれば、アテネvsスパルタの決戦となったように「トゥキディデスの罠」に嵌る。げんに21年三月の全人代で、中国中央軍事委員会副主任の許基亮は、このツゥキディデスの罠に言及し、「能動的に動く」と発言している。
そして著者の師田氏は次のように言う。
「中国がクリミア型、あるいはクリミア以降型のハイブリッド戦争を仕掛ける可能性が最も高い場所は台湾だと考えられる。なぜならば、台湾併合の際に、中国
人民解放軍が前面にでる軍事行動は、武力行使に該当し、あきらかに国連憲章に違反する。かといって、台湾の民主的な社会に影響工作をほどこし、親中派の政治家による政権を発足させ、平和的に統一を図るというのも、米国との関係や独立志向を強める蔡英文政権発想後の台湾では、現実的でなくなった(中略)。軍事力ではないパワーを行使し、自国に有利になるような戦略環境を中国が創出している」(135p)。
中国は迅速な軍拡をなしとげているが、その軍事力を背景に、偽情報、検閲、選挙干渉、経済・社会・学術の浸透工作を行っている実態はすでに多くが知るところとなった。
事態の急激な変化に対応するため台湾国防部は「国防安全研究員」を発足させ、ハイブリッド戦争への対策に本格的に乗り出している。
日本の論壇でも、そろそろハイブリッド戦争の議論が本格的に展開されてもよい筈である。
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書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 BOOKREVIEW
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~インテリジェンス戦争(秘密戦)から遊撃戦へ
時代に翻弄された中野学校の「戦士」たちの真実
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上田篤盛『情報分析官が見た陸軍中野学校』(並木書房)
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陸軍中野学校と聞くと、評者が咄嗟に思い浮かべる二人の男が居る。
末次一郎氏と小野田寛朗氏である。中野学校は東京の中野だけではなく、浜松に分校があった。中野学校本校は七年継続したが、二股分校はわずか四期で終戦を迎えた。とはいえ、400名の卒業生がいた。そのなかに両氏がいたのだ。
では中野学校は何を教えていたのか。
戦後、おもしろおかしく中野学校を論じたスパイ学校説や、あるいは映画にもなったが、実態とはかけ離れている。
秘密戦の前衛とか、スパイとか戦後の評価は、中野学校のイメージを貶めた。実態とはことなり、当時から秘密戦争と遊撃戦は区別されていた。
「ともすれば秘密戦争と遊撃戦が混同され、太平洋戦争(ママ)中期から末期にかけて、アジア各地や沖縄で行われた遊撃戦を中野学校と関連づけて語られることが多いが、本書では主として『情報活動(情報戦)』の視点から」、実相に迫る。
なぜなら「国家および陸海軍が本格的な情報教育の期間を有していなかったため、中野学校での情報教育は画期的なものだった」からだ。
中野学校は当時の秘密戦争の劣勢をカバーするために、そして各国に身分を秘匿して送り込み、情報力を高めようとしたもので、諜報技術より大局的判断力、自主的な行動力を叩き込まれ、同時にアジアの民族解放教育も培われたのである。
本書は、その教育の具体的な内容や校則を緻密に分析し、中野学校の今日的な意味をさぐるものであり、これも画期的な試みといえるだろう。
さて中野学校卒業生の末次、小野田両氏と、妙な因縁があって、評者(宮崎)は生前の末次氏とは国民運動、とりわけ沖縄返還、北方領土などの国民集会準備会で多いときは週に一、二度会っていた。佐藤政権下の沖縄返還交渉では密使として舞台裏で活躍された。若泉敬氏は表の密使、末次氏は文字通りの黒子だった。
末次事務所は「日本健青会」の看板がかかっており、星雲の志を抱いた若者があつまって愛国の議論を重ねていた。そのなかには「救う会」の事務局長の平田隆太郎氏、前参議院議員の浜田和幸氏らもいた。
末次一郎氏は奇跡的な引き揚げ後、傷痍軍人救援など多くのボランティア活動をはじめ、同時に北方領土回復などの国民運動の最前線で活躍され、政界からも一目置かれた。
「国士」と言われ、多くの末次支持者がいた。二十年前に旅立たれたが、奇しくも氏のお墓は評者の寿墓と同じお寺の境内にある。氏の墓前には花が絶えたことがない。
小野田少尉がルバング島から出てきたとき、評者は伊勢の皇學館大学にいた。
すぐさま大阪へ向かい、和歌山県海南市から上京する小野田少尉のご両親がのる新幹線に飛び乗った。車中、テレビカメラがわっと取り憑いたが、米原を過ぎてようや車内に静けさが戻り、座席に近付いて父親の凡二氏に想い出の手記を書かれませんかと依頼した。
本人の手記は講談社が、発見者の鈴木さんの手記は文藝春秋がすでに獲得したと聞いていた。評者は当時、出版社の企画担当だったので、父親の手記獲得に動いたのだった。さて新幹線は東京駅に到着した。ホームで車いすを用意して待機していたのが、末次氏だった。
お互いに「えっ」と顔を見合わせた。
こうした縁で小野田元少尉とも何回か会う機会があったが、どちらかと言えば「発見者」の鈴木紀夫さんが、大発見劇から四年後に、林房雄先生の令嬢と華燭の典をあげた。その所為で呑む機会も多かった。
鈴木さんはヒマラヤに雪男発見の旅に出て遭難、小野田さんは友人を悼んでヒマラヤを訪ね、遭難現場で合掌した。
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書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 BOOKREVIEW
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~日本の政界にも、こんな鷹揚で浪花節的古武士がいた時代があった
「青嵐会」の中川一郎を見出したのも、大野伴睦だった
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丹羽文生著 大野つや子、大野泰正監修『評伝 大野伴睦』(並木書房)
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大野伴睦と聞いて、たぶん多くの読者は「あぁ、あの岐阜羽島に新幹線を強引に引っ張った大物政治家」と連想するだろう。
田圃の真ん中、不評だった新駅だが、いまでは乗降客夥しく、岐阜羽島駅前にはAPAを始めとしてビジネスホテルが数軒。居酒屋もある。
大野には先見性が備わっていたということだろう。その後、三河安城、掛川、新富士、そして品川と、東海道新幹線だけでも新駅がどっさりと産まれた。
自民党の実力者にして副総裁だった大野伴睦は保守合同をなしとげ、義理と人情の、家庭的で面倒見のよい派閥を営み、敵の少ない政治家だった。
死後、半世紀以上を閲したいま、嘗ての懐かしい政治の想い出とともに歴史的は評価を加えて大野伴睦が甦った。
本書はその評伝に若い政治学者が挑んだ。
さて、大野伴睦と言えば、評者(宮崎)が咄嗟に思い出すのは中川一郎である。
憲法改正のために血判で誓った『青嵐会』の暴れん坊、総裁選にも立候補したが、その後、札幌のホテルで自裁してはて、息子の昭一氏も、安倍晋三とともに保守政治を突っ走ったが、若くして急逝した。
評者がはじめて中川一郎を『見た』のは昭和四十三年か、四十四年ごろに、川内康範氏の何かのパーティ(たぶん氏の五十歳を祝う盛大な祝宴だったとおもう)で、席上「北海道のケネディ」と川内さんが壇上に上げて紹介した。この渾名は定着せず『北海道のヒグマ』がすっかりアメリカの高官にまで知れ渡った。
石原慎太郎氏らと青嵐会を立ち上げたので、すぐに出版企画をおもいつき、何回か氏の事務所や自宅へ通った。午前七時に中落合にあった自宅へ行くと、もう鈴木宗男氏が控えていた。
『青嵐会 血判と憂国の論理』(浪漫)はベストセラーとなった。そこで『青嵐会を励ます会』と提案したおりも、台湾へ議員訪問団のときも、そして同会の国民集会を武道館で行うというので、手伝いに駆けつけ、親密な付き合いが続き、日米安保二十周年記念の日米シンポジウムのおりは、評者がホテルに泊まり込んでの裏方を務めていた。
最終日の夜に、ホテルのバアで、中川一郎氏と呑んでいると、小生の長男誕生の電話。そこで氏の名前をわが長男の名前にいただくことになった。
なぜ、こういう個人的な経緯を書くかと言えば、衆議院議員会館の中川の事務所に特大の大野伴睦の写真が飾られていたからなのだ。
大野が北海道開発庁長官を拝命したときに道庁で『開発担当官』だったのが、中川一郎だった。中川は疾風伝来の勢いで懸案事項を処理していく大野に度肝を抜かされた」(143p)。
「中川は大野を師と仰ぎ、大野の勧めで国政入りをはたす」
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読者の声 どくしゃのこえ READERSOPINIONS 読者之声
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(読者の声1)『週刊現代』(20年12月10日号)に楽天三木谷氏と菅首相の関係が怪しいと報じられていたが、その後の日本郵政とテンセントの出資の裏には菅首相への忖度、指示(?)があったのではないか。
そもそも楽天モバイルは今年から有料化して電話料金収入が入る見込みだったが、菅首相の突然の登板と彼の携帯電話料金の引下げ政策で目算が狂い、激烈な値下げ競争の中で楽天モバイルは窮地に落ち込んだ。
このまま行けば、楽天は完全に行き詰まるところだったが、それを救うのが、日本郵政とテンセントの出資であったろう。日本郵政はともかく、テンセントからの出資は直近の「LINE」の事件を見ても、最悪の判断であるがまさに今の楽天にとって背に腹は代えられないということだろう。
テンセントの出資は純投資だという説明をだれが信じるのか?テンセントが民間企業だという説明をだれが信じるのか?
中共のアリババへの締め付けを見ても楽天の経営判断は有り得ない。今からでも、テンセントは民間企業に非ずという日本政府の政策判断に基づき、出資を差し止めるべきではないか。
(PN生)
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「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和三年(2021)5月7日(金曜日) 通巻第6900号 <前日発行>
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~空売りルールを改正する必要があるか、ないか。SECが検討へ
ロビンフッド、ゲームストップ、そしてアルケゴス。。。。。。
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野村證券だけで3100億円の被害を被った。アルケゴスというファンドに迂闊に出資したら焦げ突いた。韓国人経営のファンドがなぜ短時日に投資家の信用を得ることが出来たのか。クレディスイスに至っては5000億円の損害。土壇場で、ゴールドマンサックスが資金を引き揚げたのも面妖だった。
アルケゴスは5月4日、破産手続きに入った。投資家らが提訴しているが、裁判は長引くだろうから野村などの損害は確定的だ。
1月には「ロビンフッド事件」があった。
伝説の盗賊集団=ロビンフッドの名前を冠して、これはスマホ上の証券会社。個人投資がスマホで株の売り買いをするのだが、株数の少ないゲームストップを推奨したら、17倍となり、同社はリベートだけでも3億ドルの収入を得た。
すぐにゲームストップの株価は加速度的に滑落し、44%の暴落となった。追い証が支払えないロビンフッドのようなスマホ証券がなぜ規制されずに活躍できるのか。
議会はロビンフッドなど類似するスマホ証券CEOを召喚して二月には公聴会を開催し、五時間の追求となった。
ゲンスラーSEC委員長は規制強化の旗振りとして知られ空売りへの規制厳格化、取引の透明性強化などを訴えている。
しかし米上院はSEC委員長に元米商品先物取引委員会(CFTC)委員長のゲーリー・ゲンスラー氏を充てる人事を辛うじて賛成多数で承認したのだ(4月14日)。反対票が多かったのはゲンスラーが元ゴールソマンサック出身だからだ。
米国証券取引委員会 (SEC) は日本の証券取引等監視委員会及び公認会計士・監査審査会を併せ持つため、「証券及び取引所委員会」と翻訳されるべきだろう。
初代委員長は、かのジョセフ・P・ケネディ(JFK)。なにしろ本人はインサイダー取引などで大富豪にのし上がった妖しげな人物だからFDRの指名に反発が強かった。
FDRは「狼を捕まえるには狼を駆使した方がよい。なぜなら取引のからくりを知っているからだ」との名言を残した。日本流にいうと「毒をもって毒を制す」「夷をもって夷を制す」である。
ゲンスラー人事は同じ轍を踏んだのかも知れない。
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読者の声 どくしゃのこえ READERSOPINIONS 読者之声
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(読者の声1)読売新聞ネット版の国際面に、次の記事があります。
「トランプ前大統領が自身のウェブサイトに『ドナルド・トランプのデスクから』と呼ぶ意見を投稿する場を設け、情報発信を始めた。トランプ氏の投稿をSNSで共有できるようになっており、FOXニュースによると、4日に始めたという。
トランプ氏は1月、同氏の支持者らが連邦議会議事堂を一時占拠した事件を受け、米ツイッターやフェイスブックからアカウントを凍結されており、新たな情報発信の方法を模索していたとみられる。
トランプ氏は5日の投稿で、「言論の自由が米国の大統領から奪われたのは、急進左派が真実を恐れているからだ。腐敗したソーシャルメディア企業は、政治的な代償を払わなければならない」などと持論を展開した」
(引用止め)。
フェイスブックもツィッターも依然として、トランプ氏のアカウントを閉鎖したままで、言論弾圧を続けています。
アメリカは全体主義国家に転落したのでしょうね。
(SY生、茅野市)
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(読者の声2)ブランドショップ閉店で閑古鳥が啼いている香港。「バブルだバブルだ」とされるシナ経済。しかし、ディープステートが後ろ盾のバイデン政権は中共と裏の経済でがっちり握手のようです。
今後のシナ景気。特に、ITセンターの心臓部シンセンでは香港、マカオを含む大湾区(グレーターベイエリア)構想というのがあります。
シナは当然、日本の大手IT進出を期待するでしょうが、どうなるのか。
日本政府が日本企業におもねって、RCEPをやるようなら、逆に香港の地価急騰の目もあるんじゃないか。もちろん、本土住宅地地価は悲惨でしょうが、大湾区は地理的に都心ですから…二極化?
という気もしますが、どう予想されるのでしょうか。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODF193T40Z10C21A3000000/
ついでながら、中国企業から出資を仰ぐ楽天です、株式投資家の目からみると、楽天は拙い(個人的見解)のではないでしょうか?
携帯一年間無料は終わりましたが、3ヵ月無料。でも伸びない。楽天だけではなく、それと組もうとする日本郵政もおかしい。
まともな会社なら楽天のモバイルなんて使わない。
地方創生の核となるべき企業なのに、おかしい。
(Z生、逗子)
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(読者の声3)日本の国家安全保障局の初代次長に、新しい安全保障環境下での日本の対応についての考察を解説して頂きます。
貴重な機会ですので多くの方々のご参加をお待ち申し上げております。
記
【日 時】 5月20日(木)午後6時~8時分(受付5時30分~)
【場 所】 憲政記念館 会議室
【題 名】 「日本のNSCと新しい安全保障環境」
【講 師】 ?見澤將林(東京大学公共政策大学院客員教授)
【参加費】 2,000円 (当日受付にてお支払いください。)
【定 員】 30名(席の間隔をあけております。マスクの着用をお願いします。)
【要予約】以下のフォームより必ず事前にお申込ください
https://ozakiyukio.jp/information/2021.html#0416
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(読者の声4)三島由紀夫研究会の5月公開講座は神立尚紀氏が講演です。
公開講座はカメラマン、ノンフィクション作家である神立尚紀(こうだちなおき)が講演されますのでご期待下さい。
記
日時 5月27日(木)18時より
会場 アルカディア市ヶ谷(私学会館)JR/地下鉄「市ヶ谷」下車2分
講師 神立尚紀(カメラマン、ノンフィクション作家)
演題 「私の会った零戦パイロットたちの素顔」
参加費 一般2千円 (会員・学生は1千円)
講師略歴 昭和38年生れ。大阪府出身。日本大学芸術学部写真学科卒。カメラマンとして様々な取材報道に従事する一方、戦史取材に力を注ぐ。東京工芸大学非常勤講師、「零戦の会」会長。著書に『祖父たちの零戦』、『零戦の20世紀 - 海軍戦闘機隊搭乗員たちの航跡』、『零戦 最後の証言 - 海軍戦闘機と共に生きた男たちの肖像』、『零戦最後の証言II - 大空に戦ったゼロファイターたちの風貌』、『戦士の肖像』、『特攻の真意- 大西瀧治郎 和平へのメッセージ』他多数。
(三島由紀夫研究会事務局)
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「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和三年(2021)5月6日(木曜日) 通巻第6899号
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~それでも中国、だからこそ中国。強気、強気のイケイケどんどん路線
大連、厦門に新空港、海南島は免税特区で香港を超えるオフショア市場に
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遼寧省大連は、日本人にとって郷愁のある町だ。『アカシアの大連』は清岡卓行の芥川賞受賞作。旧満洲時代には大連に満鉄本社もあり、居留邦人は数万人が暮らした。ヤマトホテルは赤絨毯に高い天井。当時一流のホテルだった。いまも大連賓館として中山広場に残る。
大連市長は、かの薄煕来だった。のちの遼寧省長は李克強だった。このあたりまで大連は急カーブの成長を続けた。石炭が寂れ炭鉱町が廃れ、製鉄など国有企業の倒産、習近平の旧瀋陽軍区が嫌いが暗く響いて、昨今は斜陽の道を転がり落ちてきた。
遼寧省は吉林省、黒竜江省をふくめたラストベルト地帯となって経済は顕著に沈降した。
GDP成長は2020年に0・41%だった(『サウスチャイナ・モーニングポスト』、5月4日)。大連のGDPは大きく陰り、2012年に13・8%成長だったが、19年には6・5%に落ち込んでいた。黒竜江省の哈爾浜に遅れをとった。
東北三省の復興をどうするか。
大連に新空港建設の喇叭が吹かれた。人工島を21平方キロ埋立て、香港國際空港の二倍の規模をもつ東北三省の玄関口とする。年間4300万人の旅客を見込み、大連市政府は着工を決めた。20年の旅客実績は900万人以下だったが。。。
中国政府は2030年までにあと30ほどの新空港を建設すると強気を崩さない。
もう一つの目玉は厦門である。計画中の大連の二倍の規模として、予算は83億ドル。旅客は大連より遙かに多いのも、対岸の台湾からの航空機乗り入れがあり、観光の拠点ともなったからだ。
また海南島開発もフェイズが変わった。
海南島の江東地域にオフォショア金融センターを併設し、免税特区とすることなどの計画が発表された。法人税を15%(香港は16・5%)とし、進出企業への優遇、いずれ香港、シンガポールと並ぶ國際金融都市建設を謳っている。
年初来、すでに412社が海南島に現地法人を登録した。
注目は2020年12月に辣腕政治家の沈暁明が海南省党書記に就任していることである。
沈暁明は紹興の人(魯迅も紹興人)。上海交通大学をでて、才能が認められとんとん拍子の出世をしてきた。58歳。なぜ注目されるかといえば、上海にテスラの工場を誘致した中心人物だからだ。
すでにリゾートの本場、三亜には免税ショッピングビルが誕生しており、香港で失ったブランド販売も、ここでは大活況。中国国内でここだけが免税だからだ。北の玄関口の海口にも同様な免税ビルの建設が進んでおり、ハコモノづくりはまだまた強気なのである。
さすがにイケイケどんどん路線の中国。将来の債務は考えないことにしよう。だからこそ中国か。
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読者の声 どくしゃのこえ READERSOPINIONS 読者之声
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(読者の声1)30日の未来ネット「宮崎正弘の生インタビュー」(ゲスト。広瀬陽子・慶応大学教授)で、ナゴルノカラバフ紛争におけるハイブリッド戦争を取り上げられ、興味深く拝聴させていただきました。
90年代にモスクワ赴任していた時から同地域は、激しく揉めていましたが、ウクライナに次いでロシアが実際のハイブリッド戦を展開したことに驚きました。
バルト三国のリトアニア、ラトビア、エストニアでは、ウクライナ侵攻でロシアが実行したロシア系住民に対する偽情報伝達や世論操作、サイバー攻撃が日常茶飯事で、政府幹部はすでにロシア系住民を介して軍事と非軍事の境界があいまいなハイブリッド戦を仕掛けられているとの認識です。
ヘルシンキにEUがハイブリッド脅威対策センターを設けて共同で対応しようとしています。
また欧州では、2016年の英国のEU離脱を選択した国民投票はじめ2017年のフランス大統領選挙、カタルーニャ独立住民投票などあらゆる選挙に2016年の米大統領選挙と同様のロシアによるSNSなどを使った妨害(影響)工作が広く行われていることが定説になっています。
フランスの黄色いベスト運動の背景にも、ロシアの影がちらつきます。
そこでバルト三国では、NATO主導でエストニアのタリンに、サイバー防衛センター(NATO Cooperative Cyber Defence Centre of Excellence)、リトアニアのビリニュスにはエネルギー安全保障センター(NATO Energy Security Centre of Excellence)を新設し、フェイクニュースのデータ収集については、ラトビアのリガに設置した戦略的コミュニケーションセンター「StratCom(Strategic Communications Centre of Excellence )」が分担してロシアのハイブリッド脅威に対抗しているようです。
3年前の2018年にヘルシンキを訪問して取材したハイブリッド脅威対策センターでは、当時すでにロシアと同様のハイブリッド工作を中国が台湾など近隣に諸国に仕掛けて欧州でも警戒していると話していました。
以上のことは、ロンドン駐在時代に弊紙を通じて発信して来ましたが、コロナ禍や東京五輪などを巡る日本国内の混乱、混迷を見ると、日本でも同様のソーシャルメディアを通した世論操作は、すでに行われているのではないかと感じております。
秋の総裁選がハイブリッド戦(ずばり中国からの影響工作)の対象とならないように対策を施さねばならないと感じております。
ロシアと中国が仕掛けるハイブリッド戦への日本政府の本格対応が焦眉の急となっているように思えてなりませんが、いかがでしょうか。
(岡部伸)
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「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和三年(2021)5月5日(水曜日)弐 通巻第6898号
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~華融資産管理(中国の不良債権処理機構)の隠れ債務は675兆円か?
暗黒の金融伏魔殿、なんと社債金利は25%だ!
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その昔、ヤクザのヤミ金融、阿漕な高利貸しと言われたが、金利は「トイチ」だった。
十日に一割の利息が複利で増えていく。仮に百万円かりると十日後に120万円。二十日後に132万円となり、一ヶ月後に145万円が元利合計。雪だるま式ではなく、これでは「くまもん」がゴジラに化ける。
中国の不要債権処理会社「華融資産管理」は、予想されたように信用不安が増大しており、ドル建て社債の金利は、なんと25%。既報のように中国の社債デフォルトは、凄まじい勢いで増大している。
公式統計でも2020年の元建て債務は3兆円、名門清華大学系の紫光集団もデフォルトをやらかし、國際金融市場は吃驚仰天となった。
華融の社債残高は3300億元(五兆円弱)、外貨建ては200億ドル(2兆2000億円)。中国政府が暗黙に信用保証する債務はたぶん45兆元(675兆円前後)以上とされる。
米国最大投資ファンド「フィデリティ」は米国の市場のバロメーターと言われる。
1946年にボストンで設立され、確実な投資によるファンドに人気が集まって、ウォール街の株価分析でも「フィデリティ「」を一応の目安としている投資家が多い。
顧客2500万人の個人投資家が口座をもち、またフィデリティは全米一の資産家ウォーレン・バフェットが率いる「バークシャー・ハザウェイ」の筆頭株主である。世界に社員が4万5000名。預かり資産は天文学的である。
フィデリティは、以前から中国投資に積極的で、顧客にも熱心に中国株を勧めていた。中国株推奨の理由は
(1)貿易黒字が続き経済成長が望まれる
(2)BRI(一帯一路)のプロジェクトは世界68ケ国が関与し、前向きな効果が期待できる
(3)国内市場が発達し消費大国となった。通販でのし上がったアリババは業績を昇り龍のごとくアップさせた
(4)技術開発の迅速さ、ハイテク分野の将来性が有望である
(5)環境問題にも前向きに取り組む
等を挙げていた。しかし政治的リスクに関しては触れなかった。
そのフィデリティが「アント」の評価を半減させた。
アリババ系の金融子会社「アント」は突如、上場を延期され、当局の管理下におかれたうえ、アリババには独禁法違反で3000億円の罰金が課せられた。創設者の馬雲は爾来、姿を消した。
2020年11月に上場を予定していた頃、フィデリティはアントの資産を2960億ドルと見積もった。この当初の計算から見積もりを半減させ、「中国の規制強化が響いた」として1440億ドルに評価を下げた。
これにより相当の損害が発生した模様である。
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樋泉克夫のコラム
@@@@@@@@ 【知道中国 2230回】
──英国殖民地だった頃・・・香港での日々(香港112)
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九龍城に足を運ぶようになったキッカケは、その後背地に位置する小山状の「基督教墳場」の探索にあったように記憶する。
二日酔いでボケーッとした時、研究室を抜け出して静かな墓地で時を過ごせば、少しは悔い改める気持ちが起こり、精神がシャキッとするのではなかろうか。じつに浅はかな思い付きから、研究所事務係で京劇仲間の洪さんに近くに墓地はないかと尋ねる。すると怪訝な顔をしながら、「少し歩くが、基督教墳場がいいと思う」と道順を教えてくれた。
キャンパスから基督教墳場まではゆっくり歩いて20分ほどだったような。聯合道のだらだらの上り道を少し進むと右手に、まるで無数の墓石は生えているように並んだ小山が見えてくる。基督教墳場だ。
その後、粉嶺や東華義荘に通うようなってからは奇異に感ずることはなくなったが、それでも最初に目にした時には、墓石の数に壮観の2文字が浮かんだものである。
目の前には無数の墓石、地下に埋もれているはずの無数の棺、頭上を行き来する近代科学の粋を集めた旅客機。なんとも不思議な雰囲気に時を忘れていると、いつしか昨夜のアルコールが消えてスッキリ。
墓地の最上部に立って香港島の方角を眺めると、海に真っ直ぐ突き出た啓徳機場の滑走路が見える。目線を手前に戻すと、啓徳機場の空港ビルの手前に老朽化した高層雑居ビル群。これが九龍城だった。位置関係で言うならば基督教墳場、九龍城、空港ビル、それに滑走路がほぼ直線に並んでいることになる。
九龍城に近づいて先ず驚いたのは、「牙科(はいしゃ)」、「診療所(クリニック)」、「跌打(ほねつぎ)」「耳鼻喉皮膚性病」「花柳科」などのカンバンの多さだ。どうやら医者は九龍城の名物の1つだった。九龍城閉鎖を前にした時点で、牙科医は86人、医師は68人を数えていたらしい。その大部分が1950年代に中国で教育を受けたことから、基本的にはロシア語教育世代。おそらく中国からの脱出組だろう。
香港では医師免許が取得不可能だったことから、やむを得ず九龍城での開業に踏み切ったらしい。
香港城が位置する地盤は基督教墳場の山裾から啓徳空港の方角に向かって、北から南に緩やかに下る傾斜地であることから、北側の1階は南側の4階に当る。高層部分は14階ということだが、上部階に不法建築(とはいえ、九龍城全体が不法建築のデパートのようなものが)が立ち並び、じっさいのところ何階建てなのか見分けがつきそうにない。
ビルとビルの間の細い路地に入って上を見上げると、空が見えない。それもそうだろう。両側の壁をブチ抜いて通路のようなものを造り、わずかな隙間も住まい、あるいは店舗として利用しているわけだから。
大通り側から見上げると、道路に面した窓には鳥籠のような鉄柵がつけ足されていて、ベランダや住まいとして使われている。危険をものともせず居住空間確保を目指すのだ。
ブタの丸焼き工場、漢方薬局、西洋薬局、製麺工場、九龍城専門の不動産屋、プラスチックのおもちゃ工場、レストラン、麻雀屋、黒社会の事務所、美容院、床屋、食品工場、手術室まで構えた怪しげな医院、中華食材工場、老人中心(ろうじんクラブ)、小鳥屋、タワシ工場、皮のなめし屋、雑貨屋、木工場、餃子工場、生地屋、テーラー、乾物屋、お茶屋、パン屋、コーヒー屋、婦人服専門店、幼稚園、肉の解体屋、太極拳道場、精密部品工場などなど・・・そこには無数の生活があった。
たしかにアナーキーな空間で、汚く暗くじめじめしていて隠微で危険な雰囲気が漂うが、強い「磁力」を秘めている。
一歩足を踏み入れるとウキウキしてくるし、そのうえ通うたびに目新しい発見があるから、やはり九龍城散策は止められないのだ。
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読者の声 どくしゃのこえ READERSOPINIONS 読者之声
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(読者の声1)討論番組「いわんかな」(司会=高山正之、コメンティター=馬渕睦夫、福島香織、宮崎正弘ほか)の次回放送は5月13日、午後四時半からです。
時局を斬る番組で、視聴者が急増しています。生番組ですが、のちほどユーチューブでも見られます。
(未来ネット、旧「林原チャンネル」)
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「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和三年(2021)5月5日(水曜日) 通巻第6897号 <前日発行>
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~中国、北朝鮮、そしてイランは頭痛の種
米国、イランと核合意復帰の下交渉が水面下で続く
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米国がイラン制裁の一部を解除するという報道があった。
イラン国営メディアが5月2日に報じたもので、「拘束している収監者を4人ずつ交換し、米制裁によって関係国が支払いを凍結しているイラン資産70億ドル(約7700億円)を引き渡すことで合意した」となんだか陽動作戦、攪乱情報のようだった。
米政府は即座にこの報道を否定した。
バイデン政権はオバマ政権時代の2015年にイランとの間で締結し、トランプが無効を宣言した「核合意」交渉の再開を意図し、水面下で交渉を続けてきた。
イランはトランプ前米政権の経済制裁解除を求めているが、「イランが核合意の逸脱行為をやめるのが先決だ」と米国は前提となる原則を曲げず、交渉は行き詰まっている。ロシアと中国は「米国が先に制裁を解除すべき」とし、イランを積極的に支援している。
四月下旬にイスラエルは米国に外交使節団を派遣した。なかでもモサッドのコーエン長官がバイデン大統領と会談したことは既報の通り。
帰国後、会談の内容は明らかにされていないが、イラン核合意復帰のバイデン路線には変更がなく説得は不首尾に終わったようだ。
その直前、イスラエルのガンツ国防相(前統幕議長)はエルサレムを訪問したオースティン米国防長官と会談している。二人はイランへの対応で「協調」を確認したというが、ガンツは「米国がイラン核合意に復帰する場合、イスラエルの安全が守られるように」と婉曲な表現ながら、重ねて警告した。
会談後の記者会見で、ガンツ国防相は「米国はイランだけでなくあらゆる行動における完全なパートナー」とし、「イランとのいかなる合意も世界と米国の利益を確保するよう、そしてわが国周辺地域における軍事競争を阻止しイスラエルを守るため、米国の同盟国と緊密に行動する」と述べた。
イランは「イスラエルを殲滅せよ」と絶叫してテロリストを支援している国である。そのために核兵器開発に余念がないのだ。
イラン革命防衛隊は「イラン革命」で政権を掌握して以来、パーレビ下の国防軍幹部5000名を含む、反体制派を三万人前後を粛清し、そればかりか同性愛者も処刑し、外国人記者も拘束してきた全体主義国家である。
この点では北朝鮮と同じ体質だが、異なるとすればイランは資源輸出国であることだ。この石油のために、インドも中国も韓国もイランの内政には立ち入らない。
中国は一日100万バーレルをイランから輸入している。
▲イラン各地のモスクはじつに美しいが、人々の心は冷え切っている
筆者は1990年代にイラン各地を十日間ほど旅行した経験がある。モスクの美しさ、バザールの賑わい、水タバコ、ガラス美術館で中国が自慢する唐三彩の原形が、ペルシァ
にあることに気がついた。ペルシャ絨毯は日本の販売価格の三分の一ほどだった。
旅行していた気がついたのは、人々の目が猜疑心の所為か輝きを失っていること。政治向きの会話を絶対にしないこと。随所にある喜捨箱に誰もお金をいれないこと等だった。
狂信的宗教指導者に吸い上げられる資金となる真似はしないのだ。また革命防衛隊というのは文革時代の中国の紅衛兵的な尖兵であり、かれらがイラン経済の利権をほぼ掌握してしまったことに絶望を漂わせていた。
空港では中国の軍人が大勢乗っていて我が物顔に振る舞っていたことも鮮烈な印象だった。
米国のシンクタンクFDD(民主主義防衛財団)に拠れば、イランはテロリスト組織や危険な政権に年間160億ドルもの支援資金を提供していると報告している。シリアのアサド政権に150億ドルという巨額。レバノンのヒズボラに7億ドル強、イラクのシーアは民兵に1億5000万ドル、パレスチナのイスラミック・ジハードに1億ドル、イエーメンのフーシに数千万ドル。くわえてイラン国内にテロリストの「安全地帯」を提供している。
ところが、3月27日、中国はイランとの間に「25年間に及ぶ両国の包括的協力協定」に署名した。
テヘランを訪問していた王毅然外相は、ザリフ外相、ロウハニ大統領と会談し、交換条件は「一帯一路」へのイランの参加だった。中国は5G通信システム構築などでイランに総額4000億ドル(約44兆円)相当を投資し、その見返りに向こう25年間、原油を廉価で輸入する。また両国は軍事協力を推進してきたが、ドローンなど軍事面の関係強化を謳った。
イラン訪問の三日前、3月23日に王毅外相は、訪中したラブロフ(ロシア外相)と名勝地・桂林で会談し、念入りな打ち合わせを済ませていた。物騒な国々が、舞台裏で複雑怪奇な動きを続けている。
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読者の声 どくしゃのこえ READERSOPINIONS 読者之声
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(読者の声1)貴紙通巻第6896号「読者の声」で、(SSA生)氏が、「あらゆる組織は国家も含めゴーイング・コンサーンであり、組織誕生以来の構成員の願望・意志・努力・実行などの集積(習慣)が総体としての意志や行動様式を有することになり、その動的存在を『前提』として社会は動いている」という地政学のマッキンダーの言葉を引きながら述べておられることは、いわゆる「死者のための民主主義」(チェスタトン、柳田国男)と通底する考え方ですね。
チェスタトンは、著書「正統とは何か」で、民主主義と保守思想とは融合され得るとして、「伝統とは、・・・我らが祖先に投票権を与えることを意味する。死者の民主主義なのだ。単にたまたま今生きて動いているというだけで、今の人間が投票権を独占するなどというのは、生者の傲慢な寡頭政治以外の何者でもない。伝統はこれに屈服することを許さない」と述べています。
また柳田国男は「国家は、現在生活する国民のみを以て構成すとはいいがたし。死し去りたる我々の祖先も国民なり。その希望も容れざるべからず。また国家は永遠のものなれば、将来生まれ出ずべき、我々の子孫も国民なり。その利益も保護せざるべからず」と述べています。
(SSA生)氏は、現下の眞子内親王婚姻問題にも言及し、「この問題の核心は国家の維持・繁栄に皇室は不可欠であるのではないか、またはそうではないのかが論点になるべきなのです」と述べておられますが、同感です。
サイト上では、多くの意見が飛び交っており、幸い、小室某との結婚反対論が圧倒的多数ですし、ここでは、敢えて私見をくだくだしく述べることを差し控えますが、眞子内親王におかれては、自らの言動が、皇嗣家(未来の天皇家)の問題から、皇室全体の存在意義にまで影響するということを、よく自覚されることを願います。
結論だけを述べれば、小室某との婚姻については、絶対に阻止すべきで、手遅れにならないように、このままなし崩し的に婚姻強行などにならぬように、厳しく監視していく必要があると私は考えています。
(椿本祐弘)
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(読者の声2)コロナ対策で地方に税金が投入されているのは知っていましたが、地方創生臨時交付金の使いみちがすごい。石川県能登町の「道の駅」ならぬ「イカの駅」の横に設置された2500万円を使っての巨大イカモニュメント。
https://www.chunichi.co.jp/article/195916
https://www.fnn.jp/articles/-/174201?display=full
能登沖の大和堆は北朝鮮のイカ釣り船による違法操業で有名ですが、能登町の取り組みがモニュメントだけに終わるのなら税金のムダ使い、北朝鮮や中国の違法操業を国民にアピールできるのならば2500万円くらいは安いもの。
政治家の多くは領海3海里時代の感覚なのかもしれない。1海里は1852m、領海3海里が12海里になり、さらに1990年代以降は排他的経済水域200海里となっている。
日本の海上保安庁と海外の沿岸警備隊を比べると日本は警察程度なのに海外は準軍隊ほど違いがある。水産庁の漁業取締船にいたっては民間委託だったりで、警察以下の機能しかない。旧ソ連時代からロシアの監視船の高圧的な取り締まりは有名、すぐに発砲し拿捕する。
日韓でも李承晩ラインがあり日本の漁船が拿捕され漁民には死者まででた。北朝鮮と同じく人質外交ですがいまだに尾を引いている。
最近ネットに上げられた動画に1956年のアメリカにおける留学生ディベートがある。
1956 High School Exchange Students in USA Debate on Prejudice (2): Philippines, Japan, UK, Indonesia
https://www.youtube.com/watch?v=TsL3HYz_TFw&t=9s
英国女性がオーストラリア英語をコクニーのようだと言っているあたりオーストラリアは本国からみれば田舎者扱いなのがよくわかる。3分45秒あたり、日本代表の少女が多くの日本人は韓国を嫌っている。
なぜなら韓国の大統領が公海上に彼の名前の線を引き、その線を越えた日本の漁民は拿捕され家に帰ることができない、と訴えている。
白人が仕切っていた世界に日本とインドネシア、フィリピン代表が参加している。この動画を見るだけでも第二次大戦の日本の戦いの意義がわかるというもの。中朝韓の反日は腐れ儒教の産物ですがなくなることはない。
中国人漫画家の孫向文が描いた漫画に、中国人がアメリカに好意的な理由の一つが日本に原爆2発を落としたこととありました。これは韓国も同様で、いわゆるK-POPアイドルが原爆Tシャツを着ていたり、韓国推しのフジテレビのドラマに原爆の暗喩がでてきたりとネットではずいぶん話題になりました。いまやNHKも民放も在日だらけ。
中朝韓3カ国は民間交流はいいとしても政治的には関わってはいけない国ですね。
(PB生、千葉)
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(読者の声3)次回「千田会」は高山正之氏の独演会です。
記
【日時】令和3年5月22日(土)14時30分~16時30分(開場:14時)
【会場】としま区民センター7階会議室701~703 豊島区東池袋1-20-10
JR・メトロ・西武池袋線・東武東上線「池袋駅」東口32番出口より徒歩4分
【参加費】事前申込:2000円、当日申込:2000円、事前申込の大学生:1000円、
高校生以下無料
【懇親会】17時~19時頃 参加費:事前申込4000円、当日申込4500円
【申込先】5月21日21時迄にメール又はFAXで受付(当日受付も可)(懇親会は5月20日21時迄)
E-mail:morale_meeting@yahoo.co.jp
FAX:0866-92-3551
★当日は混雑が予想される為 事前申込の無い方の入場は講演10分前とさせて頂きます★
【主催】千田会 https://sendakai.wixsite.com/home
【参加される皆様へお願い事項】必ずマスクを持参し、ご着用して頂きます様お願い申し上げます。発熱などの症状がある方は来場をご遠慮ください。予防的な観点を熟慮し、マスクの正しい着用、手指消毒・衛生的手洗いなど十分な対策を各自で行って下さい。
(千田会)
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(読者の声4)黄金週間にも拘わらず、貴誌発行。毎日ご苦労様です。当方も何処かへ出かけることもなく、じっと「巣ごもり」が続きました。
結局、ネットをあちこち見ながら、新聞を読んで、あれっ。大手メディアが伝える分析と、貴誌の分析は角度が鮮明に違うのだと最近あらためて気がつきました。
ほかにも他の論客たちのブログやメルマガを拝読していますが、貴誌は無料というのも、凄いですね。ほかの人たちは殆どが有料配信ですから。
(DH生、多摩市)
(編集部から)小誌は創刊から20年近くになりますが、一貫して無料です。ときおり「有料にしたらどうか」とのご意見を頂きますが、拙著を購入していただければ良いことと念じ、この方針は続けます。
もうひとつの理由は旅行にでると、パソコンを持ち歩きませんので、長い休刊になったり、書き下ろしシーズンとなるとやはり休刊しがちになり、有料にする条件は定期刊行ですから条件に適わなくなりますので。というわけで、まもなく書き下ろし缶詰の季節がきます。小誌刊行は断続的になる予定です。
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「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和三年(2021)5月4日(火曜日)弐 通巻第6896号
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豪ダーウィン港を中国企業に99年間貸与したが
米海兵隊駐屯、豪海軍の拠点を、なぜ中国の嵐橋集団が管理?
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衝撃のニュースだった。2015年のことだった。
豪の北部ノーザンテリトリィ州にあるダーウィン港の管理運営権を、州政府は中国企業に99年、420億円で貸し出す契約を結んだ、って。
同湾内には豪海軍基地、近くに訓練基地。そして米海兵隊2000名が駐屯している重要な戦略拠点である。その同じ湾内の対岸が中国企業の管理するターミナルである。
ダーウィンの人口は僅か14万人、そのうちの25%はアボリジニだ。
「安全保障上、深刻な問題ではないか」と豪政府も驚いた。ノーザンテリトリィ州が勝手に決めたのも、港湾の近代化工事予算を中央政府が13回も否決してきたため、頭に血がのぼった当時のジルス州政府首相が、腹いせに中国企業と契約した。主契約は嵐橋集団の子会社。嵐橋は中国海運業の大手である。
米シンクタンク「CSIS」の報告書(2020年7月8日)によれば、「世界の港湾の35港に中国は港湾近代化などとして、2010年から18年までに1320億ドルを投資した。この資金の多くは中国輸出入銀行の貸し出し、そして政府の補助金。くわえて「社債」を発行してまかなった。同期間に中国の海運輸送は四倍となった。社債は209億ドルが発行され、このうち151億ドルが造船企業に廻った」
2021年4月22日、豪外相ペインは「中国の借金の罠」から私たちは抜け出す。国益に基づいた行動を取る」と記者会見で語った。
中国の「一帯一路」プロジェクト関連で、豪ビクトリア州政府と中国が締結した2件の契約を撤回した。
そのうえで豪政府は「安全保障上、利用制限を含めての見直しを検討している」としており、2020年には「地方自治体が外国政府と結んだ協定が、連邦政府の外交方針と一致しなければ、無効に出来る」法律を制定している(日本もすぐさま、この豪政府の法制化を見倣うべきではないか)。
対中強硬派で知られるダットン豪国防相は「南シナ海で中国が軍事活動を展開しており、米国との共同軍事訓練を強化する」と発言している。
在豪中国大使館は「強い不快感と断固とした反対」を表明し、「オーストラリアが新たに中国に対し理不尽かつ挑発的な行動を取った」と批判した。
豪中関係の冷却化、いよいよ本格的対決ムードとなった。
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読者の声 どくしゃのこえ READERSOPINIONS 読者之声
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(読者の声1)宮崎正弘先生の講演会が横浜で開催されます。「日本世論の会 神奈川県支部定期総会・講演会」のお知らせです。
記
とき 5月9日(日)
第一部 定期総会 14時30分
第二部 講演会 15時00分~16時30分
会場 横浜市開港記念会館6号会議室(2階)110名定員
(神奈川県横浜市中区本町1-6 TEL 045-201-0708)
交通:みなとみらい線「日本大通り駅」1番出口から徒歩1分、
JR根岸線・横浜市営地下鉄「関内駅」南口から徒歩10分
講師 宮崎正弘(評論家・作家)
演題 「米中関係と日本の戦略」
会費 1,000円
(お願い)・マスクの着用をお願いいたします。・体調の優れない方はご遠慮ください。
主催 日本世論の会神奈川支部
後援 日本会議神奈川、教育を良くする神奈川県民の会
新しい歴史教科書をつくる会神奈川支部
連絡先 日本世論の会神奈川支部(木上)
事務局 TEL/FAX 0467-43-2895
特記事項 宮崎先生の講演会は、1500からです
なおコロナ情勢下、恒例の「懇親会」は有りません。
予約無しで御参加できます。
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(読者の声2)「憲法」記念日。学校ではこの憲法を以って日本が民主主義国家に生まれ変わったと学んだものです。でも現在生きている人間だけが選挙で決めた事を総意とする現行の民主主義は『理論的』に真の民主主義ではないのです。
なぜ世界中の憲法・政治学者はまだこのことに気付かないのでしょうか?
私はそれは彼らが簿記の原理を学んでいないからなのだろうと思っています。
1.2019年11月に私は以下のような概要で貴紙に投稿いたしました。
(概要開始)地政学のマッキンダーはあらゆる組織は国家も含めゴーイング・コンサーンであり、組織誕生以来の構成員の願望・意志・努力・実行などの集積(習慣)が総体としての意志や行動様式を有することになり、その動的存在を「前提」として社会は動いていると述べています。
これから敷衍すれば国家の誕生以来、数えきれないほどの多くの日本人と、無限ともいえる日本人の願い・意志・努力・犠牲などの集積体の上に、それを前提として現在の我々日本人は生を与えられ、人生を送っていると言えるのです。しかし現実はどうでしょうか。
マスメディアでは何事も今生きている日本人のみの判断だけで多くの事案の是非が議論されています。
例えば天皇の継承(男系・女系などの)問題や、大嘗祭の形式など政治と宗教の分離問題などの是非は全て「暫定憲法」や現行法に沿った議論ばかりで、そこには日本をここまで創ってきた数千年間に及ぶ願望・意志・努力・実行・犠牲・示唆などの「民意」はほとんど軽視・無視されています。
つまり戦後のせいぜい100年間程度の短い期間に、現在たまたま、ここに生を得ている日本人の目前の便宜だけに判断を委ねているのです。
これを刹那的民主主義と評するのは言いすぎでしょうか。
上皇・天皇陛下はしばしば「日本国憲法に則り」とお言葉を発せられますが、今の憲法も長い歴史のほんの一瞬の間の「制約」です。
天皇制の真価は極めて長期間に日本人が望ましいと感じたがゆえに今も存在するのです。即ち、それは先人の願望・意志・努力が悠久の時を重ねて凝縮・堆積したものであり、現行の日本国憲法内で語れるようなことではありません。
ギリシャで誕生し、欧米で「成長」した民主主義の欠点は此処にあるとおもいます。それは先人・祖先の民意を含有していない、時間軸を伴わない民主主義に劣化してきたと云う事です。
これはひょっとすると、民主主義とは誕生時は先人の想いや経験・そして努力と犠牲に照らし合わせて生まれたものであるにも係わらず、それが現在生きている人たちの刹那的・便宜的判断によって徐々に変質させられてしまった結果であり、この現象をポピュリズムと言うのかも知れません。・・・
以上の私見に「我々は過去の意見に捉われるのではなく、次世代の人達の為に白紙の状態から今を判断すべき」と批判的な人もいます。これには論理矛盾があります。
なぜならそのような意見をお持ちの人たちが亡くなった時点で、そのような意見を含め、その人が社会や国家の為に相応の貢献をされ、立派なご意見を遺しておられたとしても、それらは全て過去のモノとして「ゼロ」評価されてもかまわないと言っているのであるからです。
我々日本人はこれ等「刹那的民主主義」から脱極し、「先人参加型」の「永代型民主主義」に立ち返るべきだと思 います。(概要終了)
2.爾来ポリティカルコレクトネス・男女平等の風潮は増しているようです。
秋篠宮殿下の御長女の結婚問題についても「世界中が男女平等・個人の意思尊重の世になったのだから、眞子さまの御意志をその通りとするのが当前」と云う主張を、保守派の人々は突き崩そうとあれこれ苦労しています。しかしこの問題の核心は国 家の維持・繁栄に皇室は不可欠であるのではないか、またはそうではないのかが論点になるべきなのです。
実際のところ、長い歴史上の経験の重さは、皇室の存続が日本人の家族・文化・伝統・国家を護持するに必須であることを、絶えることなく「証明」してきました。
それを、たまたま今生きている(国家創生以来の 日本人総数に比較すれば少数である)今の日本人だけの、刹那的「評決?」で消し去ることは、なくなった日本人の民意を「勝手に」無視する「非民主主義的行為」なのです。
「原爆の悲惨さは決して忘れません!」とか「津波でなくなった人たちの無念さを後世に伝えます!」などの「亡くなった人々との絆の大切さ」をよく耳にします。しかし私は憲法・皇室・ポリティカルコレクトネス・ジェンダー問題等々における「亡くなった人々との絆は一体どこに行ったの?」と感じてしまいます。
3.今「ナショナリズムの美徳」(ヨハム・ハゾニー著 東洋経済)という新刊本を精読しています。「ナショナリズムの美徳」とはなにか?
「家族・氏族・伝統・文化の発展こそが国家形成に繋がる」こと、またそれが如何に人間社会の発展に寄与してきたかが、うまく説明されています。
そして(同書では述べていませんが)私はこう思ったのです。「きっとこの本の趣旨を複式簿記を理解しておられる人ならすぐ理解できるのではないか。なぜなら上述の刹那的民主主義は貸借対照表なのであり、ここに同書のような(そしてニーチェやシェーンハイマーのようにおよそ「生物」は時間軸を以ってこそ存在するのだと解したように)時間軸を導入した損益計算書を加え、複式簿記体制の思考回路に則らない限り本物の民主主義は見いだせないはず」と。
そしてその根拠は1の末尾で述べた通りです。この世で真の民主主義を語るには、会社の実態を把握する以上に複式簿記的思考回路が必須となるのです。
(SSA生)
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(読者の声3)インドへの中国のワクチン外交に関する(TY生、茨城)氏へのコメントです。
今のインドのコロナ爆発は中国ワクチンを接種した人達が起爆剤になった説もあります。
昨秋以降接種が進んでいました。今、最も恐れられているベンガル株は3種混合変異株といわれており、前述の中国ワクチンの影響が取り沙汰され始めました。
(オズ)
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(読者の声4)算盤(ソロバン)で「御破算で願いましては、、」とは 今までのことをすっかり破棄して、白紙の状態にもどすこと。
コンピューターがチェス、将棋、囲碁の世界で人間をはるかに超えて久しい。最新最強の「AlphaZero」は自己学習のみならず、過去の優れた人間同士の勝敗の体験記録を一切無視して腕を磨いた、という。
それ以前の旧式の「AlphaGo」は、もっぱら人間の囲碁対局の歴史を延々と学び、その体験を元にしていた。つまり、人間の弱み、独断、狭い視点、思い込み、伝統、定石、禁じ手、などが「邪魔していた」とも言える。幼児のような無知が、大人のしがらみを体験していない、勝負に徹する頭脳のみが、正しい解答を迅速に生み出す。 Zeroとは白紙、を意味する。
もし将来「AlphaZeroさん」が進化して国家政治にも進言することになったら、「つべこべ言わずに、直ちに昭和憲法なるものは破棄、無効化せよ、令和憲法は次の如し、、、公布せよ。」そして、瀕死の日本が救われ、再び勝つ。そんな超非現実的な不可能な馬鹿げた大改革の「判断と行動」のみが、明治維新、そして戦後の復興を可能にした。
国民は当然のようにケロッとこなしてしまった。
しかし当時の侍も帝国大学卒の指導者も、今はいない。国民は怒っており、世界中で「百姓一揆」の時代が始まっている。
(KM生)
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「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和三年(2021)5月4日(火曜日) 通巻第6895号 <前日発行>
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~わが外務省の『外交青書』に「台湾は極めて重要なパートナー」
中国は「アメリカに巻き込まれるな」と批判
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日米首脳会談で尖閣有事の際に「日米安保条約第五条が適用される」とバイデン大統領は声明した。すっかり日本は安心しているが、はたしてそれで良いのか。
基本的には日本が自律的に防衛し、あとから米国が救援に駆けつけるかも知れないと述べたに過ぎないのだから。
21年度『外交青書』は、「中国による現状変更の動きと強く懸念する」とし、「尖閣周辺の中国海警鑑船の活動は国際法違反」と明記した。同時にパンダハガーの多い外交省作成の『外交青書』は「台湾は極めて重要なパートナー」と定義しなおしたのは、画期的である。
というのも2012年までは「台湾は重要な地域」と書いていた。13年に安倍晋三政権が誕生し「重要なパートナー」に昇格、15年からは「基本的価値を共有する」『大切な友人』という表現だったが、2021年度版からは「極めて重要なパートナー」とランクが飛躍した。
尖閣諸島の不安定な状況をさらに複雑化させたのは、中国が2021年2月に突如、施行した「海警法」である。
中央軍事員会傘下の中国海警局に法執行と国防の両方の任務を課し、武器使用権限を与えた。これで海警は実質的な第二軍であることが分かった。普通の国の沿岸警備隊が軍隊を兼ねるというわけだ。
「管轄海域」では他国の民間船舶や漁船の航行に制約を加えるばかりか、強制排除・拿捕ができる内容で、そのうえ公船に対しても武器の使用が可能としている。
中国海警の艦船は執拗に尖閣諸島領海内に侵入を続けている。毎日毎日、日本が根負けするくらいのしつこさを発揮するのも、中国が日本側の対応能力を調べ上げ、いざの戦争に備えているからだ。
この中国海警法は単に尖閣周辺だけでなく、台湾海峡から南シナ海、そして全球的な法体系に基づいたものだ。しかも、その前に中国は「国防法」を改正している。宇宙空間からサイバー空間まで、安全保障にかかわる領域における軍事行動、そのために必要な措置を取る法体系の確立である。
すなわち、中国において、海警法と国防法はセットである。
▲中国は究極の戦争を想定して行動しているのだ
目的は中国海軍が「第一列島線」の内側を優位な状態で固定し、「領域阻止」という戦略を全うする。畢竟、中国本土に外国軍を接近させないようにする軍略にある。
そのうえで「核心的利益」である台湾侵略のために有利な状況を造りだし、同時に尖閣諸島海域の海底に埋蔵が豊富といわれるレアメタルの産出も近未来の目標である。
また近代的な軍事基地となった海南島や中国本土内陸部に配備している中長距離ミサイル・航空基地を米軍のミサイルや空母などの艦艇から発射される対地ミサイルの防衛にも力をいれている。中国海軍の巡航ミサイル(空母キラー)装備により、米軍は戦略爆撃機をグアムから本土に後退させている。
空母、強襲揚陸艦、潜水艦の充足も加速しており、軍事訓練の頻度も上がった。
中国は尖閣を台湾侵攻の戦略手段の前段と位置づけているため、日本は尖閣諸島の有効支配を確実にする政策が急がれる。
また「管轄海域」での秩序壊乱的な軍事行動は、国際法違反になるが、武器の使用については、現状でも、海上保安庁の船もできるのである。現在は日本の海保巡視船が、侵入してくる海警船との間に入って日本の漁船の安全を守る措置を取っている。
保守系、民族派団体が漁船をチャーターして尖閣諸島海域へ入ろうとしても、それを阻止するのが、いまの海上保安庁である。あべこべだろう。
もし中国海警が日本の巡視船に銃撃をしかけきたら、警職法第7条に基づき武器使用ができる。そのうえで、海上保安庁では対応難となった場合、自衛隊が海上警備行動を行う。
海上保安庁25条は、「軍隊として組織され、訓練され、又は、軍隊の機能を営むこと認めない」としている。この25条を削除すべきだろう。
そもそも巡視船の大型化や装備の拡充は喫緊を要する。中国海警の大型艦は1000トン以上が130隻以上。対して日本側は六十数隻。
日米安保条約5条には、「各締約国は日本の施政の下にある領域におけるいずれか一方に対する武力攻撃」の際に、共通の危険に対処するよう行動すると書いてある。武力攻撃と認定されないと安保条約第5条の発動にはならない。
例えば中国軍人が漁民に扮し、武器を携行して尖閣に上陸しようとしたり、弾を撃ってきたりというのを武力攻撃といえるのか、どうか。武力攻撃とはっきり説明できなければ、国連安保理で武力攻撃とは認定されない。ゆえに日米安保条約5条の発令要件を満たさない。
もし武力攻撃が認定されても、中国は安保理の常任国で拒否権がある。
米軍は尖閣周辺で物資の補給線確保を想定して物資投下訓練を実施、離島では日米合同で島嶼奪回作戦の訓練が行なわれた。五月11日からは九州の自衛隊基地で、米軍とフランス軍が加わり、離党防衛訓練が行われる。これはフランス海軍の練習艦隊「ジャンヌダルク」の日本寄港にタイミングを合わせ、日米仏共同で水陸両用策縁、陸上戦争訓令を行う。英海軍空母クインエリザベスとフリゲート鑑の寄港も予定されている。
中国は「日本は台湾問題に近付くな。関われば代償が大きいぞ」と恐喝的文言を環球時報の社説に掲げた(4月19日)。「日本は米国に引きづられている」と日米の離間を画策するのはいつもの台詞である。
しかしながらハイブリッド戦争の時代である。中国が明確に武力攻撃となるようなやり方をとらないだろう。
自衛隊は沖縄本島だけでなく奄美大島、与那国島、石垣島、宮古島などの南西諸島方面に陸海空でざっと1万人ぐらいの防衛力を展開しつつある。
日米間でもいざという事態に備えて、陸上自衛隊と米国の第3海兵師団、航空自衛隊と米空軍、海上自衛隊と第7艦隊の間で、例えば尖閣諸島を想定して離島を使って上陸訓練や統合訓練を行い即応できる態勢をとっている。
また東シナ海中心に周辺海域・空域は常時、警戒監視体制があり、海保と自衛隊の連携、日米の連携も整ってきた。だが、中国の軍拡のスピードに追いつけない状態にあると言える。
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樋泉克夫のコラム
@@@@@@@@ 【知道中国 2229回】
──英国殖民地だった頃・・・香港での日々(香港111)
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駆け足だが、もう少し九龍城の歴史を振り返っておきたい。それというのも、撤去へ向けての動きだすことで九龍城が活力を失っていったことを確認しておきたいからだ。
1977年、九龍城の「三不管」の伝統をひっくり返すような動きが、ソロリと起きた。「殖民地政府が公然と介入した」と表現するのは余りにも大袈裟とは思うが、九龍城民政区内に共同水道設備を1か所設置したのである。この前後、街坊福利会はゴミ収集と道路清掃に乗り出す。A+bの組み合わせが始まったということだ。
次いで1980年に入るとA+bの関係は深化し、警察官の定期パトロールが始まり、中国からの不法入居者の摘発に乗りだす。どうやらA+b+Cの仕組みが動き出したようだ。
1984年に入ると、九龍城の息の根を止めるような事態が起きる。香港返還をめぐる中英両政府の合意である。
かくしてbの意向を考慮することなくA+Cによる九龍城──と言うより、むしろ九龍城が維持してきた生活の仕組み──は解体に向かうことになった。
香港返還に関する中英合意が調印された翌年の1986年、九龍城周辺のスラム撤去が完了する。その翌年、つまり香港返還を10年後に控えた1987年、殖民地政府は向こう3年以内に九龍城取り壊す方針を決定し、1992年7月には住民の退去が完了した。
その5か月後の1992年12月、「香港に取り残された中華民国」である調景嶺(通称「小台湾」)の取り壊しが通告されている。
九龍城と調景嶺の解体は、あるいは香港を舞台とする中国の近現代史の清算と捉えることもできそうだ。住民が去った高層雑居ビル群解体は1993年2月に始まり、94年4月に完了し、整地された跡地には九龍寨城公園が建設され、1995年12月に開園式が行われた。
九龍寨城公園に、かつてのおどろおどろしく活力に満ちた九龍城の面影を見ることはできそうにない。
──こう九龍城の歩みを辿ってみると、返還から一国両制、そして習近平政権の直轄地へと変貌する香港の姿が九龍城の歩みに二重写しになってくる。
じつは香港返還交渉においてBは部外者でしかなかった。実質的にはA(植民地政府=英国政府)とCの間で進められ合意に達したのである。今になってAが口にする民主主義云々は、あるいは何の役にも立たない「後付けのアリバイ証明」、あるいは「民主化の口先介入」に近いとしか言いようはない。極論だとは思うが。
単純に戯画化して表現するなら、AはBを捨ててでも可能な限り高い値段で香港を売り抜きたかった。一方のCはBの意思・希望・要望を無視してもなお“金の卵を産む鶏”を居抜きで買い叩きたかった──これが返還交渉の実態だったに違いない。
AとCとが互いの思惑を秘めて返還交渉(九龍城の場合は解体)を進める中で、B(b)に一定の役割を与えつつ、最終的にはB(b)の存在は希薄化されるばかり。「三不管」であればこそ成立していた妖し気ながら自由闊達で活力に満ちていた空間は、「一管」へと変貌する中で精彩を欠いてしまう。
だからこそ九龍城の運命が香港に重なってしまう。
「木は動かすと死ぬが、人は動かすと活き活きする」との格言に倣うなら、どうやら九龍城は政治の力で動かされ地上からかき消され、死んでしまった。
九龍城の跡地に建設された九龍城寨城公園は明るい。だが、その明るさは余りにも無機質で薄っぺらだ。老朽高層雑居ビル群が放っていた『光り輝く禍々しさ』は望むべくもない。それはまた香港の、殖民地と中華人民共和国特別行政区の違いに通じると思う。
込み入った話はこの辺で切り上げるとして、1970年代前半の記憶を呼び覚ましながら『黄昏の輝き』を放っていた当時の九龍城を散策することとしたい。
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(宮崎正弘のコメント)数年前にも、九龍城跡地に行きましたが、まさに黄金の輝きを失った静かな公園で、散歩する人も殆どみかけないほど。ただし付近の商店街が整地され、なかに活魚レストランがあってので、入るとなかなか美味。しかも安かったことを思い出しました。
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読者の声 どくしゃのこえ READERSOPINIONS 読者之声
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(読者の声1)放火魔が消防隊を名乗っていますね。中国がインドへワクチンを大量に供与し、医療班も送り込み「救世主は中国だ」と政治宣伝。しかし南米では中国ワクチンは効かないと不評のようですが、スリランカやアフリカ諸国では、中国のワクチン外交は成果をあげているようです。
日本はワクチンで、決定的な立ち遅れですが、なぜこうなったのか基本的には何が原因ですか。ネックは厚労省と医師会だけでしょうかね?
(TY生、茨城)
(宮崎正弘のコメント)中国のワクチンがなぜ効くのか。それは生物・化学兵器を開発していたので、攻撃ノウハウがあれば防御法も知っているからです。
疫病は自然発生なのか、人工的にバイ菌、ウィルスがつくられたものかを問わず、兵器になりうる。したがって生物化学兵器の研究開発は、国際的に禁止されたはずなのに、米・露、中国、イスラエルで進んでいました。日本は開発どころか、研究にも背を向けてきたためワクチンで米・露、欧州、そして中国に大きな差をつけられたのでありませんか。
‼️731部隊は生物化学兵器の実験ではなく防疫が主たる任務でした。‼️
不衛生極まりない中国やソ連で、日本人開拓者や住民、そして軍隊の生命をまもることだったのに悪く言われ、嘘宣伝がなされましたが、米軍が根こそぎ、研究者を調べて、結果は防疫の研究だったことが判明しています。
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(読者の声2)「さっさと親子の縁を切れ」小室圭氏に森永卓郎が結婚へのアドバイス。4月30日に、ニッポン放送で語ったという。母親と縁を切れば、結婚できるという。女手ひとつで苦労して育てて貰った母親をである。
神武天皇以来の皇室に関して、庶民と同じ感覚で見ているようだ。
森永氏をは私は知らないので、ウィキペディアで見ると、毎日新聞系で、自ら左翼思想と名のっているようだ。皇室廃止を訴えるのも思想心情の自由だから、こういう考えもあるのかなと思う。いや、主権在民だから、天皇より庶民が偉いのは確かだ。
(斎藤周吾)
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「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和三年(2021)5月3日(月曜日)弐 通巻第6894号
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~イスラエルのモサッド長官、バイデンと一時間の秘密会談
イランの核合意復帰に大いなる疑問を提出か
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イランでは大混乱が起きている。イスラエルが無人機の遠隔操作でナタンズの核施設を破壊したことではない。イランのザリフ外相が、革命防衛隊のソレイマニ司令官(20年1月に暗殺)を批判したのだ。
英国のラジオ放送のインタビューに答えて「革命防衛隊の軍事優先行為は、外交努力の妨げになった」と露骨にソレイマニ司令官を非難し、「2015年の核合意に関して、外交努力を進めていた時に、勝手にイラン航空を動員し、シリアに軍事物資、支援の兵站物資を運ぶなどした」と批判理由を挙げた。
5月2日、最高指導者のハメネイ師が現れ、ザリフを批判した。
「ショックだ。愛国者に対しての敵対行為だ」と激しく罵り、革命防衛隊は「ザリフを弾劾せよ」と声を荒げる。六月のイラン大統領選挙に、穏健派から立候補を予定していたザリフは、周囲のあまりの反発に肩を落としたという。
しかしザリフ外相は「外交とは国益を追求するものであり、共通した目標達成のためには協調が必要」と語った。
https://www.tehrantimes.com/news/460539/Zarif-thanks-Leader-for-unifying-speech
さて、このタイミングで、イスラエルのモサッド長官であるヨッシ・コーヘン長官が、4月30日にバイデン大統領と一時間にわたる秘密会談を行っていたとイスラエルの有力紙『エルサレムポスト』(5月2日付け)がすっぱ抜いた。
コーヘン長官はバイデン大統領と『雑談』をしたとホワイトハウスが会談を追認した模様だが、会談にはバーンズCIA長官が同席していた。
またコーヘン長官は、ブリンケン国務長官、サリバン大統領補佐官とも会合をもち、重要な案件を討議したという。
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読者の声 どくしゃのこえ READERSOPINIONS 読者之声
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(読者の声1)「中国依存度」の高い日本企業です。
https://news.yahoo.co.jp/articles/fd1fe6d2d711bd17a60069db9d63bfa37690007c/images/000
これじゃ、日本が中国をジェノサイドと認定するには無理。つまりこれら日本企業は外交の選択肢を狭める人質ではありませんか。昨日付貴誌にあったように「テンセントから出資を仰いで何が問題なのか」(楽天CEOの発言)が飛び出す国ですから。
(JJセブン)
(宮崎正弘のコメント)中国と正面から対決的になったオーストラリアですが、貿易面でいうと巨額のマイナス。それでも正義を求めて中国を批判しつづけるのが国益に立脚した外交です。
ジェノサイド認定の議論は日本政府のなかで、まだ真剣に議論されてはいない様相です。
ちなみに中国への輸出激減という犠牲を伴ったため、豪政府の財政赤字は急増しており、1670億豪ドル(5月2日のfxで1豪ドルは85円)。邦貨換算で14兆200億円くらいです。
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(読者の声2)30日に放映された未来ネットの「宮崎正弘の生インタビュー」。ゲストは広瀬陽子慶応大学教授。テーマは」「プーチンのハイブリッド戦争」でした。
国際政治の議論でも殆ど光りの当たらないコーカサスの地域を、これほど詳しく解説されたのは新鮮な試みと思いました。
また広瀬教授のような女性論客の存在があること初めて知りました。早速、氏の「ハイブリッド戦争」をアマゾンに注文したところです。
https://www.youtube.com/watch?v=cX91Q2xrRX4
まだ16000ほどしかレビューはないようですが、もっと多くの人が見てくれると良いと思います。
(HT生、横浜)
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「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和三年(2021)5月3日(月曜日) 通巻第6893号 <前日発行>
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~中国海軍、水中発射(SLBN)の新鋭「晋級」型潜水艦は六隻
胡芦島造船所から、海南島の三亜潜水艦基地へ
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胡芦島は秦皇島、山海関、錦州に近い軍事都市である。開放されたのは十数年前だった。
すぐ見に行った。大連、上海と並ぶ軍艦製造基地として知られ、軍需産業の工場を夥しい都市である。
この胡芦島は戦後、百万以上の日本人が引き揚げ船にのって帰国した港として郷愁を抱く戦中世代もある。筆者が取材に訪れた折、潜水艦基地などは取材出来ず、ただ町中には鉄工所関連の中小企業が多いことに気がついた。
胡芦島の造船所では中国海軍の潜水艦を建造している。80年代から90年代は、ソ連ならびにロシア、ウクライナから「キロ」級の中古潜水艦など十数隻を購入し、またロシアへエンジニアを派遣して潜水艦技術、建造ノウハウなどを学んだ。
中国海軍の潜水艦は世代交代が迅速である。092タイプは「夏」、093型は「商」。094型が「晋」。095が「漢」。そして、新型で設計が終わって間もなく建造に着手する新鋭潜水艦は「唐」と呼称される。
もっかの注目は094の「晋」級潜水艦で、最大12000トン、最新型のJL─3(タイプ094A)は、原子爆弾の弾頭を含む多数同時攻撃ミサイルを十二発搭載し(「晋」級に搭載される多弾頭の巡航ミサイルは「巨波」と呼ばれる)、発射実験を何回か行っている。射程1万キロ、米本土のおよそ三分の二がカバーできる。
米偵察衛星が2006年に撮影に成功したが、現在6隻が運用されており、近未来には8隻体制とし、海南島三亜の潜水艦基地に配属される予定という。
これまで中国の潜水艦など「ノイズが多くて、脅威ではない」と日米海軍関係者は豪語してきたが、最近そういう話は聞こえなくなった。
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読者の声 どくしゃのこえ READERSOPINIONS 読者之声
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(読者の声1)朝日新聞の、ある意味名物記者、鮫島浩氏、49歳で早期退職まであと1ヶ月。SAMEJIMA TIMESなる個人サイトを立ち上げていますが、自己紹介で1994年、京都大学法学部を卒業し、とある新聞社に入社とある。
朝日新聞の名前は恥ずかしくて出せないらしい。2014年に福島原発事故「吉田調書報道」を担当して失脚…。とは笑わせる。
山口二郎や望月衣塑子のお仲間ですから立憲民主党に近いのは当然として、「野党共通の首相候補」は、例えば、前川喜平氏はどうか、とまで書いている。
https://samejimahiroshi.com/newspaper-oppositionparty-33-20210429/
鮫島氏のサイトはページビューも5000程度、You Tube動画も視聴は2000以下。朝日の看板がなければそんなものでしょう。それにしても汚職と援交疑惑の元官僚を首相候補とは、こういうのをアタマがワイテイル、腐ってるといいますが、左翼脳はほんとうに寄生虫にでも乗っ取られているのではと思えるほどひどい。
憲法改正について触れたらなにやらすごい勢いで反論された方がおられました。憲法改正が不可能に近いことなど山本七平氏にかぎらず多くの論者が指摘したこと。「不磨の大典」に祭り上げられた日本国憲法ですから、どんな形であれ改正の事実さえつくれば、あとはなし崩しでどんな改正でも抵抗はなくなるでしょう。
それともミサイルを打ち込まれるか、尖閣・竹島で武力衝突して国民を激昂させるかくらいしか改正の目はないのでは。だからこそ安倍氏が再登板して憲法改正に持ち込めたらと期待するのですが、それすら良くて3割程度のもの。公明党が与党にいる限りは不可能か。
日本人の特性として尻に火がつかないと動かない。言霊の影響なのか最悪の想定ができない・忌み嫌う。江戸時代にペリーが来てからお台場に砲台をつくったように、原発でも地震でも集中豪雨でも実際に被害がでるまで思考停止している。
ハザードマップを作っても不動産価値が下がると周知徹底されず被害がおきてから文句を言う。これでは何でもお上まかせで不平ばかりいう江戸の町人と同じですが、日本人はそんなに捨てたものでもない。大地震のたびに建築基準法の耐震要求は高まり、今では震度6程度で倒れる家はほとんどない。またいざとなったら日本人の得意技、「超法規的措置」がでてくる。日本人の多くは日本国憲法など心の底ではどうでもいいと思っているのかもしれない。
憲法上どうあれ一般常識としての人の道を外れたことは許さないし対外関係も同様なのでしょう。火事場の馬鹿力に強い国民性なので憲法不要論がいちばんかもしれない。
現在問題のコロナワクチン接種問題。日本では長らくワクチン危険説と安全説が対立し、一時期ワクチン不接種の幼児・児童が増加しました。
その結果、大人になり感染し重篤化する、病院で他の患者に感染が広まる危険まであるため病室を隔離するといった事態までおきている。このあたりは月刊コミックゼノン連載の「アンサング・シンデレラ」の第6巻に詳しい。ワクチン反対・賛成双方の言い分を丁寧に描いている。タミフルが原因とされる異常行動が問題になった件は問題はなかったと沈静化するまで11年かかったとある。
連載最新号では薬害問題にふれている。
2002年に世界に先駆けて認可されたアストラゼネカの肺がん治療薬イレッサが認可から1年で300人近くの死者をだした件です。
この薬は遺伝子変異がからむものですが、マスコミが夢の薬と持ち上げ、認可されるや患者は処方を望み医師も安易に処方した。漫画では乳がんに処方した例や歯科医まで処方したと書いている。認可が遅いと文句をいい、1人でも死ねば薬害と騒ぎ立てるマスコミ体質。戦前も飛行訓練の戦闘機が墜落すれば陸軍はけしからんと騒ぎ立てたのと同じ体質なのでしょう。コロナワクチンは世界初の m-RNAワクチンで安全性の確認すらとれていない。
日本政府の対応を見ていると感染者が少ない日本で積極的にワクチン接種するのは本音では無意味、なので国内的・対外的に接種をいやいや進めているようにしか思えない。厚労省も薬害ワクチンなどと叩かれたくはないでしょう。
日本の政治がどこを向いているのか、経済全盛のバブル期にはイトマン事件で3000億、尾上縫の株取引絡みでは4000億以上の金が闇に消えました。ベンジャミン・フルフォードのヤクザ・リセッションに詳しいですが、その後は経済ヤクザ対策でアメリカと連携するようになった。
サラ金・闇金対策もじわじわ進め、武富士は廃業、プロミスは三井住友、アコムは三菱UFJ、レイクは新生銀行とアイフルを除きすべて銀行傘下となった。
1990年代の日本は相当無神経で今の中国同様にアメリカの神経を逆なでしていた。天安門は天皇訪中で手打ちし日中でアメリカに当ろうと思っていたのかもしれませんが、逆にアメリカが中国を取り込んで米中で日本叩きの構図になってしまったようにも見える。
小泉改革はアメリカの要求受け入れ一辺倒でしたが安倍政権では日本がルール作りを主導する立場になった。経済・財政政策では不満が多いとしても国際政治の観点から見ると稀有な指導者に思える。
戦前の日本が目指した大東亜共栄圏は工業国が日本しかなく、日本が頂上のピラミッド型でした。しかし1980年代以降の円高と欧米による対日圧力は受動的な形ではあれ世界への日本企業の進出となり今や海外売上が過半の企業もめずらしくない。
空調世界トップのダイキンやトヨタはすでに海外売上比率70%を超えていますが、村田製作所やTDKなど90%を超えている。
かつての日本の悩みは欧州のような水平分業できる国がまわりにないこと。それが今ではトヨタの2.4Lエンジンが中国製の時代です。日産マーチはタイ製、ホンダバイクの部品もタイ製が多くなった。タイでトヨタと人気を二分するいすゞのピックアップトラック、いすゞは2010年に設計・開発もすべてタイに移管。
かつていすゞと合弁のGMはタイの生産工場を中国企業に売却。東南アジアはほんとうの意味で大東亜共栄圏になりつつあるように思えます。
パクリと馬鹿にしていた中国ですが工業分野ではすさまじい伸び。日本で実用化までこぎつけた技術が足踏みするなか中国では大規模に導入されている。
中国高速鉄道の電力はどうなっているのか調べていたら交流100万ボルト級と直流±800kvの超高圧送電で商業運転に成功した世界唯一の国とあった。
日本では1990年代に東京電力で110万ボルト設計の送電線が4系統、数百km建設されたものの、実際には55万ボルトで運用。中国では2009年に交流100万ボルトの試験線と直流±800kv送電線が運転開始。四川~上海1907kmの直流±800kv送電線も実用化というから驚く。
日本が国際標準をつくり中国が運用する時代となっていますが、日本がインフラ建設に金をかけない現状では技術者の中国流出も止まらない。
https://www.nikkei.com/article/DGXNASFK2500W_V21C10A0000000/
https://www.fujitsu.com/jp/group/fri/report/china-research/topics/2011/no-145.html
親中派の政治家といえば静岡県知事の川勝平太氏。学歴差別主義者らしく法政出身の菅首相を知性がないとバカにする。習近平を先生とよび中国の記者に愛読書は毛沢東選集と語ったとか中国愛にあふれている。
水力発電所の水の行方には目をつぶりリニア工事の水だけ問題視。リニアの建設を妨害すれば日本のリニア技術者が中国に行くしかなくなるのかもしれない。
政府にも小泉環境大臣というアホがいる。なんの考えもなしにCO2排出46%減だという。トヨタの社長はこのままでは日本の雇用が失われるとブチ切れている。かつて半導体業界は通産省に潰されたという怨嗟の声があったという。
政府の無責任なCO2削減目標などみていると日本の産業全体が潰されかねません。現代ビジネスに菅首相は国家観がないという記事がありました。
しかし学術会議問題の処理をみてもそうは思えない。米中対立のなかどう舵取りしていくのか、しばらくは我慢の時間がつづくのでしょう。
(PB生、千葉)
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(読者の声2)過日、桜チャンネル「フロント・ジャパン」宮崎正弘v葛城奈海「歴史教科書が教えないもうひとつの『葬られた王朝』」をみました。もう一度、ユーチューブで見ようとしたら、消されていますね。大事な番組だったので、保存しておけば良かったと思います。
ともかく出雲のことは議論され尽くされておりますが、北陸の「高志国」のこと、殆ど知れ渡っていませんので、或いはこの分野の本をお書きになればと思います。
老生の地元・富山には「高志国の文学館」がありますし、福井には「古志中学・高校」、新潟には「越の寒梅」、「コシヒカリ」。「三越」と。その名前は高志、越、古志とバラバラですが、いまもちゃんと残っていますから。
(DF生、富山)
(読者の声3)御質問がありましたので、以下ご参考まで。
1.米国製占領憲法問題の考え方
政治的な文書は生きているので文字面にとらわれず、時代に合わせて現実優先で解釈することが必要です。現実は文書の改訂を待ってくれないからです。第一の
読み直しは、冷戦でした。
冷戦が始ると米国は早速、朝鮮戦争に日本軍を利用しようとして、1950.6北朝鮮の攻撃の直前にダレス長官が来日し、吉田首相に再軍備を要請しました。しかし
吉田が九条などを利用して断ったことは有名です。その本音は新日本軍が半島に国連軍名目で突っ込まれる事を恐れたからです。日本は支那事変でスターリン、毛沢東指揮下の蒋介石に45万人も殺されています。そこで米国では吉田が断ると1949年に日本を独立させておけば良かった、の声が上りました。1953年11月にはニクソン副大統領が来日し、九条の誤りを陳謝しました。これで九条の解釈は変ったのです。自衛は承認されました。政治では解釈が文面に優先します。
従って,憲法のあらゆる規定は憲法76条を含めて、新しい解釈に従います。即ち「自衛はすべてに優先する」です。文字面に捉われないと言うことです。考えてみれば当然です。古い憲法解釈から新しい解釈に頭を切り替えたい。
しかし、別の理由で九条の解釈が変わった事を隠し、文面主義で自衛も出来ないという勢力がありました。それがソ連です。日本の侵略に邪魔になるからです。彼等から金をもらった与野党の売国反日が今も国防再建妨害の利敵行為をしていることはご存じの通りです。動機は簡単で敵に日本国民を子供を含めて差し出すために日本の無力状態を維持したいのです。
2.自衛隊の正規軍化の実際
1)国際規格に揃える:自衛隊正規軍化の目標は諸外国と同じ軍隊制度を持つことです。戦争はいうまでもなく国際事業です。だから同じ規則でないと不利になる。
両手を縛ってリングに上がるのは勝手ですが、相手はチャンスとみて猛攻するでしょう。実際領土が侵犯され子供が誘拐されています。だから理由の如何を問わず日本独自の国防は、あってはならないのです。世界の大迷惑です。実際極東の最大の不安定要因は、中朝露ではなくルール違反の日本なのです。世界は米国を含めて日本に不満を持っています。日米安保がありますが、米国民は東京の代わりにNYが被爆することは300%認めません。
2)軍法の内容:基本は軍法(戦闘管理システム)、軍法会議(違反者管理)、憲兵隊(警察)です。古来東西あらゆる軍隊の持っている基本機能です。人と兵器だけでは軍隊になりません。現在の自衛隊法では敵前逃亡は懲役7年と言います。しかし敗戦すれば逃亡兵は敵の占領軍に表彰されるでしょう。まったく国防を真面目に考えていない。1945年の満洲で何が起きたのか、あの大悲劇を全国民が学ぶ必要があります。
3)占領憲法対米奉還
バイデン大統領は、日本の占領憲法は米国が作ったと言いました。これは日本人に自衛しろという意味のようですが、この際占領憲法に熨斗をつけて米国に奉還したらどうでしょうか。改正も不要です。勿論冗談ですが。
(落合道夫)
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「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和三年(2021)5月2日(日曜日) 通巻第6892号
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~完成予定は2019年だった。いまだに全線開通の目処が立たない
インドネシア新幹線工事、中国はコロナを理由に遅延の言い訳
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インドネシア新幹線構想は、2008年頃から浮上し、ユドヨノ政権(当時)は、日本にフィージビリティスタディを打診した。ジャカルタ → バンドン間150キロを35分で結び、経済の大動脈とする計画だった。
筆者は、ジャカルタからバンドンへ行きはバスで、帰りは鉄道を利用した。山岳地帯から河川の多い区間を、列車は3時間以上かけて夕暮れの風景を走り、日が暮れたジャカルタに到着した。乗客があまりにも少ないことが気になった。新幹線をここに通すというプロジェクトのことはニュースで知っていた。
日本は土地の地盤調査から、予定線路に沿っての地質、地形、トンネルの必要性などを、三年掛けて調査し、2015年までに詳細な見積もりと照査結果を書類にして提出した。日本案は総額44億ドル。金利は0・2%、10年返済という応札だった。
この間に、ユドヨノ政権は退陣し、ウィドド政権が誕生した。
2015年三月、突如中国が応札すると言い出した。直前にウィドド大統領が北京を訪問し、習近平と会談した。中国はインドネシア新幹線への積極的支援を表明した。
2015年九月、インドネシア政府は、中国が落札したと発表した。総額55億ドル(このうち75%を中国が融資し、金利2%で、50年で返済)。
判明した事実は、中国側の提案は日本側の用意したフィージビリティスタディを単に翻訳しただけで、しかも一部は中国語のままだった。時の官房長官は管(現首相)で、中国に決まったと聞いて「理解しがたい。極めて遺憾である「」と記者会見した。
その後、工事は起工式から一年経っても着工せず、中国側は「用地買収に手間取っているので、2020年にずれ込むだろう」と言い逃れた。
2021年4月現在、「コロナで労働者が戻らず工事は遅れている」として、2023年弐完成は遅れるだろう」と再度、遅延理由を述べた。
インドネシア政界は、この中国へのどんでん返しの裏になにか政治的取引があったのではないかとし、関係閣僚の発言を引き出そうとしてきたが、ふたつの監督官庁はお互いに横を向き合ったまま。世論は「最初から日本に決めれば良かったのだ」という声が強い。
つまり、新幹線受注は、背後に「何が何でも受注しろ」とした習近平の強い圧力があって、中国鉄建は採算を度外視したうえ、事前調査などまったくせずに日本のフィージビリティスタディをどういう手を使ったのか事前に入手して、50年返済という釣り餌で、プロジェクトをまとめたのだ。
いったん決まれば、あとはどうにでもなるというのが伝来の中国人の思考特質であって、あらゆる言い訳を駆使し、また途中で条件を変更する。これは常套手段である。すでに総予算55億ドルが60億ドルに増えたとか。
◎☆◎◎み☆◎□☆や□◎◎☆ざ◎◎□☆き◎☆◎◎
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書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 BOOKREVIEW
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~老兵は死なず、消えず、諦めずに最後まで国を守る
寡黙な予備自衛官が熱意をこめて自衛隊と国防の真実を綴った
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木本あきら『国を守る覚悟』(ハート出版)
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アンドレ・マルロォは、神風特攻隊を賛美してこう言った。
「彼らには権勢欲とか名誉欲などかけらもなかった。祖国を憂える尊い情熱があるだけだった。代償を求めない純粋な行為。そこには真の偉大さがあり、男の崇高な美学があった」
シルベスタ・スタローンの「ランボー」に文民司令官がコンピュータを駆使して机上で描く作戦を最後に機関銃で壊す場面があるが、その前にベトナム女性と交わした会話。
「おれたちはパーティには参画できないが、現場で命令通りに闘う戦士だ」
ところが現在の日本は、どうなっているのか。
「国防を否定するアメリカ製の憲法を改正するどころか、ありがたがる国民の多さ。保身のためなら国さえ売ろうとする高級役人たちと一部の政治家。北朝鮮に拉致されたままの日本人を救おうとしない日本政府と自衛隊。竹島、北方領土を盗られっぱなしの日本、尖閣を中国に盗られる寸前の日本。軽薄なテレビ番組と反日マスコミの跋扈。心ある自衛官は、ただじっと我慢して、現状の哀れな日本に対して、ただ口を閉ざす」と著者は慨嘆する。
それではいけない。
そこで元自衛官が思いの底を素直に表すためにペンをとった。
著者の木本氏は自衛隊で六年、予備役30年の元自衛官である。除隊後、アメリカへ飛び出して武者修行、帰国して海外プロジェクトマネジャーとして長期赴任となった国はリビア、アルジェリア、インドネシア、トリニダードトバコ、カタール、エジプトと通算二十五年。
ま、人生の殆どを外国で過ごしたことになる。
しかし毎年、予備自衛官の任務をはたすために帰国し、訓練をこなした。
評者(宮崎)は著者の木本氏とは半世紀近く前に知り合って、その後、海外から帰国する毎に土産話(というより命がけのスリル体験談)を聞いた。リビアではスパイ容疑で一週間投獄された経験もあり、而もカダフィ大佐とも面会した。
アルジェリアでは武装勢力に襲われて死ぬところだった。
しかも、本書に書かれていないが、氏から聞いた話のなかで、アメリカに渡ったときに新鮮な生活とアリゾナに友だちがいまも多いことは、氏から紹介されてフェニックスに取材したこともあって肌で感じていた。リビア等のイスラム圏の禁酒国でいかにして濁酒をつくったかという体験談も強く印象に残る。
葡萄を買ってきて、生コンのミキサーで掻き混ぜて呑んだという、痛々しくもあり、味の程度が想像できるだけに独創味だっただろう。これも氏の『苦労話』の一つだ。
さるにても本書に登場する愛国者列伝には評者の知り合いがなんと多いことか。
敬称を略して羅列すると、金澤野田中学で同窓生だった佐藤和夫、ブルーリボンの荒木和博、女優の葛城奈海、自衛隊OBの香取直記、高沢一基の各氏。三島事件後に自衛隊に志願した作家の浅田次郎。。。。。。
本書で描かれている男達は寡黙で、愛国を饒舌では語らないが、身を以て実践する。出世に取り憑かれて保身を図る自衛官や官僚を軽蔑している。
本書に熱っぽく語られる沈黙の兵士らは、大伴家持が謳った「海ゆかば」の実行部隊であり、三島由紀夫を尊敬する人が多いという特色がある。
行間から静かに溢れ出る憂国の情。しばし涙が停まらなかった。
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読者の声 どくしゃのこえ READERSOPINIONS 読者之声
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(読者の声1)貴誌前号、落合道夫さんの「なお憲法改正は絶対必要だ。蜃気楼のような占領憲法を民族の生存と生殖を支える力強い憲法に変える。ただこれは国防を固めてからだ。なぜなら国家がなくなれば憲法は意味がなくなるからだ」
という意見には大賛成ですね。
特に「国家がなくなれば憲法は意味がなくなるからだ」の言葉を聞いて、初代保安庁長官、初代防衛庁長官だった木村篤太郎先生の「憲法があって、国家があるんじゃない、国家があって憲法があるんだ」と現憲法の批判をされていたことを思い出しました。
(HT生、大田区)
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(読者の声2)貴誌前号の読者欄、落合様の戦闘管理制度の考えは卓見と思いますが、一つだけ質問があります。
その制度の具体的な内容は述べられていませんでしたが、それがあっても、憲法76条で軍人法廷の設置が制限されています。それ故、制度運用が機能しないような気がしますが、その辺はどうなのでしょうか?
(山小山三)
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(読者の声3)保守派を代表する論客である貴殿のメルマガ、いつも「我が意を得たり」という気持ちで拝読しています。
今回、バイデン政権下でのアメリカ社会主義化を憂う記事に触れ、同種の憂慮を感じました。ご指摘の通りバイデン氏は「国家分断の指導者」でしょう。いや下手をすると「亡国の大統領」かもしれません。それを助長しているのがキャンセルカルチャーやアイデンティティー・ポリティックスといった「批判的人種理論:Critical Race Theory」の広告塔と化したマスコミです。
たとえば左派メディアの急先鋒であるニューヨーク・タイムズなどは、反差別運動の名の下に「黒人対警察」という対立構図を喧伝しています。「警官は1日3人の割合で米市民を殺害している」との印象操作をする一方で、「警官の発砲による人種別人数では、この数年間、白人が黒人を2倍近く上回っている」との統計は都合よく無視。事実の報道とはかけ離れたプロパガンダでしょう。
米政界、教育界、マスコミ、大企業が「多様性尊重」というオブラートに包まれた反米思想であるCRTに蝕まれ、社会主義化しているのは事実。貴殿の警句を一人でも多くの読者に共有して欲しいと願っています。
ちなみにメルマガ「軍事情報」に連載中の『加藤大尉の軍隊式兵英会話』で、わたしも同様の発信を続けています。ご笑覧ください。
(元米陸軍大尉・加藤喬。アリゾナ在住)
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(読者の声4)貴誌6890号にて(新しい歴史教科書をつくる会)様より「この閣議決定は、『従軍慰安婦問題』の解決に向けて大きな一歩を踏み出したものですが、今後直ちに取り組まなければならない課題が三つあり、これら三つの課題の解決を目指して当会は、今後も各方面に働きかける活動を粘り強く続けていきます。国民の皆様のご支援を引き続きお願い申し上げます。」
とあります。
私はこれまでの同会のメンバーの方々の大変なご尽力に深く敬意を表したいと存じますが、つくづく感じることは、彼等こそに、国家の叙勲が行われてしかるべきだと思います。それでこそ、「我が国は不正義に対しては決して妥協しない」という「日本人の心意気」を世界に示すことができ、それが 国家の安全保障に資することになるからです。
私は先に「コロナ禍で学校教育のオンライン授業が、急激に増えているようですが、これをいかにも奨励しているような報道をするNHK TV 番組を見れば、これからますます我が国をどうにかしようと画策するはずの国は、日本の子供達に直接アクセスできる体制ができあがると、大喜びでいるに違いありません。何しろ自国の子供向けの「洗脳」教育体制と同様に、直接日本の子供たちに彼らの主張を教育する事が簡単にできるようになるからです。
一体、菅総理もデジタル庁も文部省もこの重大な危険性に気付いているのでしょうか?どうやら本件は教科書や文科省レベルの問題では既に済まない時代にきているようです。」と投稿いたしました。
このオンライン事業の普及は学童への「洗脳教育」にうってつけで、この「理想的な」仕組みを提供しようという流れがこのコロナ禍で無防備のまま導入されつつあります。
つまり日本の学校教育の現場をスルーして、直接外国の政治勢力は、日本の子供に「教育=洗脳」することが可能になり、外国に居ながら、日本の教育現場全体をそっくり乗っ取ることができるからです。
これらの観点から、日本の子供の教育を護るための「新しい歴史教科書をつくる会」のミッションは「残された三つの課題」に劣らず広範かつ重要になると思うのです。
どうかネット社会の実状に注目され、我が国の学校教育全体を外国勢力から護る為に最大級のご尽力を引き続き賜りますよう心よりお願い申し上げます。
(SSA生)
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(読者の声5)「アジア自由民主連帯協議会」の講演会のお知らせです。
中国政府による、南モンゴルにおける母語抹殺政策に対する抗議運動は、南モンゴルにおける勇気ある人々にはじまり、モンゴル共和国を含む世界的なモンゴル人の連帯行動となりました。
日本でも、理解ある議員の先生方により南モンゴル問題は議員会館での学習会開催から国会議員連盟結成へと進みつつあります。
今後、南モンゴルの運動をいかに展開していくかについて、クリルタイ(世界南モンゴル会議)のオルホノド・ダイチンさんが講演します。ぜひ多くの皆様のご参集をよろしくお願いします。
(会場の都合により、参加希望の方は事前に協議会当てに5月19日までに連絡をお願いします)
記
日 時 5月22日(土)午後2時開場 2時半開会
場 所 TKPスター貸会議室四谷301会議室
https://www.kashikaigishitsu.net/facilitys/st-yotsuya/access/
ところ TKPスター会議室四谷301号会議室
参加費 1000円
主催 アジア自由民主連帯協議会(代表=ペマ・ギャルポ)
予約制 5月19日までに聯絡をお願いします。
inf@freeasia2011.org
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(読者の声6)未来ネットから「宮崎正弘の生インタビュー」。第八回のゲストは広瀬陽子慶応大学教授。テーマは」「プーチンのハイブリッド戦争」のユーチューブは下記です。
https://www.youtube.com/watch?v=cX91Q2xrRX4
(未来ネット。旧「林原チャンネル」)
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「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和三年(2021)5月1日(土曜日)弐 通巻第6891号
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~「テンセントから出資を仰いで何が問題なのか」と楽天CEO
国家安全保障感覚がこれほど抜け落ちた感覚が日本の実業界
*************************************テンセントの子会社が楽天に出資する。
楽天の目論見は5Gの追加電波の割り当てを取得するために、自己資本率を高めるという条件をクリアする必要がある。楽天は電波企業の安定を固定化させるために自己資本比率を改善しなければならない。
したがって楽天は日本郵政やテンセント子会社などから、2400億円を出資して貰い、さらには外貨建ての永久劣後債を起債する。ドル建てで1900億円、ユーロ建てで1300億円。全額を資本として扱い、電波取得に必要な条件を満たす。
問題はテンセントだった。
前々から「テンセン・トリスク」は議論されてきた。
「ウィーチャット(微信)」におよそ十億人の中国人がアカウントを開設しており、当然、当局の監視の下にあり、データが蓄積され、国民の自由は発言が封じ込められる手助けともなっている。
米国はテンセントとアリババなどへの投資禁止を検討したが、バイデン政権になってアリババとテンセントが軍直結企業ではないとして制裁適用対象から外している。
依然として監視の対象ではあるが、トランプ前政権のTIKTOKの使用禁止措置くらいで、またTIKTOKのオラクルへの身売りも白紙となった。
「テンセントから出資を仰いで何が問題なのか」と。国家安全保障感覚がこれほど抜け落ちた感覚が日本の実業界である。
◎☆◎◎み☆◎□☆や□◎◎☆ざ◎◎□☆き◎☆◎◎
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樋泉克夫のコラム
@@@@@@@@ 【知道中国 2228回】
──英国殖民地だった頃・・・香港での日々(香港110)
▽
香港をギューッと小型にすれば九龍城に化け、逆に九龍城をガーッと膨らませれば香港に変身する──こう考えると、なにやら納得できてしまうから不思議だ。
香港には「小型香港」とも言える場所が3か所。九龍城(カオルンセン)と尖沙咀の重慶大廈(チョンキンマンション)、それに香港島北角の五洲大廈(ウンチョウタイハ)だ。この3か所をほぼ均等に、しかも存分に堪能した経験は、今となっては超貴重と自負する。「なんでも鑑定団」に無形文化財部門があったなら、我が体験は鑑定人背後のボードに「一、十、百、千、万、十万、百万、千万・・・」と8桁以上の数字が記されるはずとソロバンを弾いてみるのだが・・・香港生活における「至宝」と言っておきたい。
重慶大廈については2138回(2020年9月26日)を読み返して戴けたら有難い。中国語学習、露店の犬肉売り、それに乞食の生態と共に思い浮かぶ五洲大廈について記すのは、もう少し先に延ばそうと思う。ということで、九龍城の思い出を。
漢字では「九龍寨城」とも「九龍城砦」とも記す九龍城だが、城とは言うものの日本の城のように敵を防ぐための堀やら堅固な石垣やら、さらには豪壮華麗な櫓や天守があるわけではない。「城」は街を意味し、1998年まで国際空港であった啓徳機塲の空港ビルの目と鼻の先に位置していた高層雑居ビル群を指す。英語表記は「Kowloon Walled City」。
アヘン戦争前後まで遡って歴史を簡単に辿ってみると、清朝が築いた砲台から出発した九龍城は場所的にも住民の背景からも、さらには香港をめぐる内外政治力学の関係からも、いわば権力の「三竦み状態」のなかで時を送ってきた。
これが「三不管」の実態だ。
住民の反抗の完全制圧を狙って殖民地政府が影響力を及ぼそうとすると、清朝は反対する。だが、かといって清朝には殖民地政府の影響力を完全排除し、同地を自らの支配下に置くだけの実力はない。住民は殖民地政府にも清朝にも素直に従う、わけがない。
じつは日本占領期(1941年12月~45年8月)には城壁を取り崩し啓徳機塲拡張工事に使ったから、日本も九龍城に全く関わり合いがない、というわけでもなさそうだ。
大陸で国共内戦が戦われていた1947年、宗主国のイギリスは城内管轄権を持つことを宣言したが、これに中華民国政府が反発し外交問題化する。そこに国共内戦から逃れた難民が流れ込み住民人口が増加すると共に、居住が固定化してしまう。
いわば居座ったモン勝ち。上に政策があろうがなかろうが、ともかく下は対策を実行に移してしまうのだ。
1951年には火災を機に殖民地政府が強制的に区画整理を試みるが、住民の抵抗を受け事実上断念せざるをえなかった。
1952年前後を境に、殖民地政府(A)も強いて政治介入することなく、ましてや北京の共産党政府(C)の影響が及ぶわけもなく、かといって住民(b)が殖民地政府からも共産党政府からも独立した自治組織を持てるわけもない。AとCが強いて力を及ぼさないままにbがノビノビと、自由闊達(勝手?)に生存空間を拡充することになった。
この頃から麻薬、賭博、売春、いかがわしい医院などが目立つようになり1953年には脱衣舞(ストリップ)興行まではじまり、おどろおどろしきイメージが肥大化する。
これではマズイと、1963年には住民の手で相互扶助を目指した街坊福利会(城砦福利会/東頭村道・栄発楼16楼)が組織され、環境整備と治安改善へと動き出す。香港暴動が起きた1967年には、周辺に生まれたスラムの強制撤去をめぐり、住民と警察当局との間でひと悶着が起きる。2年後の1969年には九龍城民政区の整理が実施されている。
1971年には慈善団体が老人介護施設や幼稚園を開設する一方、最後まで残ったストリップ劇場「新華声」が営業を閉じる。
当時の人口は推定で5万人。高層ビル化が進んでいた。
かくて足?く通っていた頃の九龍城は、有終の美を迎えようとしていたのである。
☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆ 読者の声 どくしゃのこえ READERSOPINIONS 読者之声
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(読者の声1)「新しい歴史教科書・完成記念講演会」のお知らせです。
三月に検定合格となった新しい歴史教科書(自由社)を記念し、検定の実態、「従軍慰安婦」記述問題への取り組みなど最新状況を明らかにします。
記
とき 5月15日(土曜)午後四時(三時半開場)
ところ 品川シーズンテラス カンフェレンス会議室
(JR品川港南口、徒歩8分)
https://www.sst-c.com/access/index.html
基調講演 藤岡信勝「つくる会の教科書はみたびの危機を超えてきた」
ゲスト講演 竹田恒泰、齋藤武夫
参加費 1000円
予約制 事前申し込み
konshin@tsukurukai.com
電話(03)6912-0047
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(読者の声2)対外危機感が高まったので憲法九条を改めたいという声が高い。再軍備したいということなのだろう。気持ちはわかるが、問題のポイントが違っているのではないか。
日本人はまず、なぜ自衛隊に軍事抑止力がないのか、を考える必要がある。それは自衛隊に世界の軍隊の持つ軍法(戦闘管理制度)がないからだ。このため中朝露は平気で領土国民を侵害している。だから軍法がない自衛隊はいくら憲法に記しても張子の虎のままだ。日本の憲法など外国軍には何の意味もないからだ。ではどうすべきか。
それは自衛隊を憲法に記すことではなく、自衛隊に戦闘規則である軍法を付加することなのだ。
するとすぐに正規軍になり軍事抑止力が発生する。「寄らば切るぞ」だ。自衛は憲法が認めているから憲法改正は不要だ。憲法が禁止しているのは侵略だけで、それは外国に居座ることなのだ。この再軍備の論理は同じ戦争禁止憲法を持つ現代イタリアのものだ。真似しよう。問題ない。これは次の国会で可能だ。与野党に自衛隊の正規軍化を要求しよう。
なお憲法改正は絶対必要だ。蜃気楼のような占領憲法を民族の生存と生殖を支える力強い憲法に変える。ただこれは国防を固めてからだ。なぜなら国家がなくなれば憲法は意味がなくなるからだ。
(落合道夫)
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(読者の声3)貴誌6889号の書評(田中英道『新・日本古代史』、育鵬社)「泰氏はユダヤ人だった」について。
かつてイスラエル駐日大使であった エリ・コーヘン氏は、もともと空手・剣道などを嗜む親知日であったが、日本に滞在中にユダヤの残した多くの「証拠」を探し出した。それはユダヤ人本人でないと「見えない」わけで、言語の類似、神社の平面図、祭り、風習、山伏の意匠、などなど。ベン=アミー・シロニー氏も。日本が戦争中にユダヤ人を助けた、とか調べてみると日本人の国際結婚の相手の多くがユダヤ人である、とか、古代の日本から現代に至るまで尋常ではない深い関係がある、ようだ。
インドネシアで地元の少女たちの踊りを見て、瞬時に「歌舞伎の本家」を認識した経験もある。外交専門家の加瀬英明氏も東南アジアの影響を指摘されている。強い海流に乗れば自動的に到着する。海洋国家日本の遺伝子は彼らの海と生きる文化が元になっている、のかもしれない。
確かに日本の学界の閉鎖的・世襲的な制度・文化は、ちょうど政府の仕組みが一度固定すると永久に不変となるような、極めて非学問的な既得権益生態系が、今の教育、そして未来の日本人の頭脳・知識の劣化を保証する。
(KM生)
(宮崎正弘のコメント)コーヘン大使とは何回かお目にかかったことがありますが、なにしろ武士道、剣道、空手、そして日本文化と伝統。大使は基本的に武道家でしたね。
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「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和三年(2021)5月1日(土曜日) 通巻第6890号 <前日発行>
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ルーズベルトの「ニューディール」をなぞるバイデンの経済再生計画
増税を財源にする? さすれば、米企業はアメリカから出て行きますが?
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4月28日夜(日本時間4月29日)、バイデン大統領は上下両院議会で、就任後はじめての「施政方針演説」を行った。両院合同だから、議長席にはハリス副大統領と、ペロシ下院議長の女性二人が座った。議場はガラガラ、空城のようだった。
演説の大半は内政問題に絞り込まれ、「格差是正」「富裕層からの増税」「中間層重視」などを柱とする「米国雇用計画」「米国家族計画」を説明した。
バイアメリカンを基軸に雇用を創出する、企業と富裕層は公正な分担を、移民は米国経済に不可欠な存在である等と民主党左派の意見を多く取り入れた内容だった。
そのうえでロシアと中国に触れた。外交は後回しの印象がある。しかし、中国への対抗心を露わにして「米国が世界を主導する。米国は動き始めている」とした。
ロシアの選挙介入、サイバー攻撃を批判しつつも、バイデンはSTART交渉などでロシアとは、「話し合える相手」と認識している。イラン、北朝鮮の脅威に関しては付け足しの観が強い。
脅威の焦点を中国とし、「中国が技術力で米国を急速に追い上げているが、次世代技術で優位に立たなければならない」「安全と秩序を維持するために、日本、印度、豪と『クアッド』を地域安定の平和目的で構築しているのだ」。それゆえ「専制主義国家が未来を勝ち取ることはない。米国が勝ち取るのだ」と結んだ。
皮肉なことに29日、中国は海南島の文昌基地から宇宙基地建設のための基幹施設をロケットで打ち上げに成功した。打ち上げ基地に近い海岸には数万の群衆があつまり、望遠レンズなどでロケット発射を観察した。五星紅旗を振る人もいた。
中国の宇宙基幹施設は「天和」と名付けられ、大型ロケットの「長征5号」で打ち上げられた。これから10回ほど打ち上げ、大がかりな宇宙ステーションとする。
宇宙飛行士が長期の滞在ができるスペースが2022年には確保される予定で2021年内に宇宙補給線「天船」と有人宇宙船「神舟」をドッキングさせる。
中国は米国、欧州、日本、露西亜の加わった國際宇宙ステーション(ISS)には加盟せず、独自の宇宙ステーションを構築するわけで、戦場が宇宙にも移行しており、米国は対抗してトランプ時代に「宇宙軍」を創設した。
中国は既にキラー衛星を保有し、宇宙中継の通信網を破壊する能力をもつとされ、宇宙開発や火星探検の表向きの宇宙競争ではなく、中国が狙うのは宇宙戦争での主導権である。
▲まるで社会主義アメリカをめざすが如く
バイデン大統領の演説に対して反応は二つにわかれた。
ニューディールの再来を真摯に受け止める反応は、あまりなかった。バイデンは大統領執務室に大きなFDRの肖像画を掲げなおした。トランプのときは倉庫にしまわれていたアンドリュー・ジャクソン第七代大統領の肖像画を掲げたから、対照的である。
FDRは社会主義者に近く、喧伝されたニューディールが殆ど経済再生の効果をもたらさなかった真実の歴史は、現代の経済史家らの研究であきらかになっている。妖しげな社会主義団体などの巨額が流れたのだ。
同じ轍に嵌ろうとしているのがバイデンの経済再生計画である。
就中、「雇用計画」では、高速道路、橋梁などの改修、新築工事や老朽化した空港、駅舎など公共事業への予算配分は少なく、むしろ労組救済、少数コミュニテイィ支援、グリーンエネルギーの開発支援と、驚くほど左翼経済理論丸出しなのである。
財源を増税でまかなうとバイデンは富裕層と法人への課税強化を謳っているが、となれば企業の特性は労賃が安く、税金の優遇がある国や地域へ流れ出すのは明らかだろう。
煎じ詰めて言えば、この雇用計画では、中国へのシフトが起こる。
米国の技術的優位は、成立しにくくなるだろう。
いまでさえGAFAの多くが米国に税金を納めず、タックスヘブンへ本社登記をなして、課税から逃れている。
「(トランプが分裂させた)アメリカを団結される」と理想が述べられたが、中味をみるとさらなる分裂を助長するような政策が並んでいる。やはりバイデンがアメリカをもっと激しく分裂させることになりそうである。
FRBのパウエル議長は連邦公開市場委員会で「金融緩和」政策の維持を決めた。アメリカの第一四半期のGDPは6・4%成長だったと予想外の伸びを示したが、同時にインフレ懸念も高まった。
金融政策の緩和によってカネが市場にあふれている。このためマーケットは株価高騰がつづき、ランクの低い社債が金融緩和の恩恵で乱発されており、住宅価格が上昇を続けている。失業率は高止まりのまま、治安は悪化しており、要するに期待と不安が市場では交錯している。
バイデン演説を聞いて失望した人のほうが多かったのではないのか。
◎☆◎◎み☆◎□☆や□◎◎☆ざ◎◎□☆き◎☆◎◎
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(読者の声1)新しい歴史教科書をつくる会の「閣議決定に関する声明」は以下の通りです。(令和3年4月28日付け)。
「菅内閣は4月27日、日本維新の会の馬場伸幸衆議院議員から出された質問主意書に対し、「『従軍慰安婦』という用語を用いることは誤解を招く恐れがある」とし、「従軍慰安婦」の文言を不適切とする答弁書を閣議決定しました。また、先の大戦中に、国民徴用令による朝鮮から日本本土への労務動員を「強制連行」と表現することについても、同様に不適当としました。
今回の菅内閣の閣議決定は、長年にわたって続いてきた「従軍慰安婦問題」の局面を大きく変える転機となり得るものです。この問題に一貫して取り組んできた当会としては、この度の決定を心より歓迎し強く支持いたします。また、長年にわたってこの問題に関心を寄せ、当会の活動を支持していただいた多くの国民の皆様、国会質問や閣議決定に至る経過の中でご尽力いただいた与野党の国会議員の皆様に心より感謝いたします。
この閣議決定は、「従軍慰安婦問題」の解決に向けて大きな一歩を踏み出したものですが、今後直ちに取り組まなければならない課題が三つあります。
第一に、文科大臣は、中学校歴史教科書に「従軍慰安婦」を記述した山川出版社に対し、訂正勧告を出し、供給先の学校に対し、ページの差し替え等の措置を取るよう行政指導をするべきです。また、採択が進行中の高校「歴史総合」の教科書に対しても、文科大臣が訂正勧告をすることを求めます。
第二に今回の閣議決定の論理からは、教科書に「従軍慰安婦」を書くことはダメだが、「慰安婦」ならよいという議論になりかねません。一般の歴史研究の対象として「慰安婦」を取り上げる場合とは異なり、学校で使う教科書に「慰安婦」を取り上げること自体が、教育上意味がないだけでなく有害です。このことを広く明らかにし、「慰安婦」の記述そのものを中学、高校の教科書から一掃する課題があります。
第三に、この問題の根源となり、著しく国益を損ねた河野談話を撤回することが最終的な解決となります。
これら三つの課題の解決を目指して当会は、今後も各方面に働きかける活動を粘り強く続けていきます。国民の皆様のご支援を引き続きお願い申し上げます。
(新しい歴史教科書をつくる会)
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(読者の声2)突飛なことが頭に浮かびました。「日本にはなぜGAFAがうまれないのか?─その原因(元凶)は稟議書・提案書の存在ではないか?」というものです。
コロナの影響で多くが大きく変わってきました。
どうやらお寺も、人の集まる法事が出来ず、葬式もこじんまりとした家庭葬になり、お布施が減ってしまい問題になりつつあるようです。
私は以前からお寺は社会的貢献のリシャッフルをしないと大変なことになるとか、テレワークではないが、ネットを使った「平成万葉集」の編纂、「平成正倉院」の構築や「電子廟」の整備などの新しい精神・文化活動の取り組みを始めるなどしないと生き残れないと知り合いのお寺や日本仏教会に5年前に提案しましたが、彼らの頭は全く変わずに来ました。
仏教伝来以来お寺は社会構造の一部として重要な機能を担ってきましたが、今では「観光資源」以外の社会的存在意義は減耗しつつあり、特にこのコロナ禍では大きなダメージを受けるに違いありません。
お寺ばかりではありません。日本では相も変わらず、イノベーションの声が盛んです。本屋に行けばイノベーションの本でいっぱいです。でもその本の内容は大きな組織の中で、アイディアを下部組織で生み出しそれを上層部が待ち受ける体制・順序になっていることが前提になっているのです。
この実態は会社経験がある人なら気が付くことです。これに対して私の駐在経験からすると、アメリカではイノベーションの発端は組織で生まれるのではなく「個人」を起点として、(ガレージの中から)イノベーションが生れ、既存組織の「枠外」である、国家・社会全般の中で新しいイノベーションに賛同する一般の人々が「よってたかって」そのアイディアを育てるメカニズムになっていることです。
日本ではむしろGAFA的イノベーション誕生には既存組織は障害になっていると言えそうです。
「大組織ほど上層部が真の革新的アイディアを自分で生み出すのではなく組織内の下部層から稟議や提案書として整っているかたちが手元に届くまで、待ち受けている」というスタイルの組織が日本のおおよその形であるから、なかなかGAFAは生まれません。
実際のところ、組織と無関係の人物が自分で考え出したアイディアを、どこかの組織に提案してもほとんどは、内容を精査する以前に、受け取りを拒否されるのがオチであり、たぶん日本は多くの「斬新的アイディア」が生れても生かされることなく捨てられているのです。
それにも係わらず組織上層部はGAFA的なイノベーションを生むにはどうすべきかを稟議書や提案書の形で持ってくるよう組織内を「叱咤激励」しているのです。
換言すれば稟議とか提案書の存在は、肝心な組織の経営幹部が組織内で『待ち』の姿勢であることを「助長」しているのです。
そもそも真に斬新なアイディアにはその時点では「市場」は無く(収益予想を数字で表現できるような)稟議書も(美しく起承転結風に整った)提案書も書くことは不可能でありフェイクなのです。本質は、ただ何となく発案者と大衆の「このアイディはいけそうだ!」という(シュンペーターの?)熱意だけが推進力になるはずです。
しかし大きな企業ほど、稟議書や提案書を美しくスマートに書き上げる人やそれを待ち受けて{吟味?ケチをつける?}する人が出世をするような仕組みに日本の大概の組織は「定型化」していることが日本にGAFAが生れない要因なのです。
このコロナ禍ではガレージの中で生まれる「熱情」を「直感的に」見定めることができ、国家社会が「寄ってたかって」選択・育成できる社会構造の育成が求められていると思います。
(SSA生)
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(読者の声3)貴誌6888号掲載 (PB生、千葉)さんの「安倍晋三前総理、ツイッターでは相変わらずの元気さで靖国参拝や台湾パイナップルで中国を煽り台湾を応援している。安倍さんが発信すると台湾メディアがこぞって取り上げ、それを日本のメディアも報道する」
といふ嬉しさうな感想を拜讀して、納得し、やれやれと溜息が出ました。
PB生さんは、今の典型的日本人でせうね。安倍さんとぴつたりです。WGIPの猛毒に骨の髓までおかされた安倍さんと痲痺したままの國民と。だからこそ戰後70年談話だの9條3項だのと、奴隸の詫び證文、屬國宣言が平然と出て來るのでせう。安倍さんがイカレてゐても、國民の半分がまともなら。。。
「陸海空軍その他の戰力は、これを保持しない。國の交戰權は、これを認めない」といつた文言が自國憲法に這入つてゐると意識したら、屈辱にワナワナと揮へるのがまともな國民でせう。安倍さんは八つ裂きにされるでせう。そこに理屈はいりません。然るに、外から押し附けられただけならともかく、今や捨てようといふ意志すらない。國民總中毒、總發狂状態で、世界無比の現象でせう。
安倍さんに拔き難いのは、戰後70年談話に出てくる「普遍的價値」で、「日本人の價値」の上に、さういふ絶對的ものがあると信じ込んでゐて、一々そちらにお伺ひをたてなければ何も決められず、何もできない。それが憲法前文の「人類普遍の權利」からきてゐることは言ふまでもありません。
かういふ中毒患者に效く藥や治療法はないのでせうか。
覺醒劑中毒から脱け出すのが如何に大變か多少聞いてゐますが、あれ以上に難しいのでせうね。だつて、覺醒劑の方には患者として中毒の自覺があるのに、安倍さんには自覺皆無なのですから。
安倍政權が日本の國柄・傳統を破壞してきた例をいくつか竝べようかと思ひましたが、止めました。虚しくなるばかりですから。
かくて亡國へ、亡國へ。PB生さん、「なにはともあれ憲法改正とまともな軍事力の整備が必要でしょう」とは冗談がお上手ですね。
(池田 俊二)
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(読者の声4)4月29日は昭和時代の天皇誕生日。なので、それにちなんだ話。
ひところ中国がアメリカに太平洋を二分すると豪語していましたが、地図上ではとうの昔に日米で二分されている。
Google Earth などで太平洋を見るとハワイからミッドウェーまでのハワイ諸島が終わるとカムチャッカに向けて海底山脈が見える。これを Emperor Seamount Chain 、天皇海山群といい、天皇海山で検索するとムー大陸からキンメダイの漁場の話まででてくるので面白い。
天皇海山の名付け親はアメリカ人研究者のロバート・シンクレア・ディーツ。フルブライト基金による第1回派遣研究員として1952年11月からの1年間、東京大学客員教授として日本に滞在。どんな経緯で歴代天皇の名をつけたのかは不明ですが、主の海山としてつぎのようなものがある。
* 桓武海山(約4,000万年前)
* 雄略海山(約4,300万年前)
* 光孝海山(約4,800万年前)
* 応神海山(約5,500万年前)
* 仁徳海山(約5,600万年前)
* 推古海山(約6,500万年前)
* デトロイト海山(約8,100万年前)
* 明治海山(約8,500万年前)
https://cool-hira.hatenablog.com/entry/20180905/1536095066
https://blog.goo.ne.jp/spikyartshinya/e/50ecf3dd05362f39fad8de9d9d93d11c
海図の作成は昔から国防上の機密事項でした。ディーツが所属していた研究所も英語版Wikiを見ると海軍の研究所となっています。海上保安庁水路部に机をあたえられたディーツは当時38歳。海上保安庁水路部は元は海軍水路部。朝鮮戦争期の東京ですから米兵だらけのはず。日本軍の強さや恐ろしさは当然耳にしていたでしょうし、日本人の規律正しさや天皇陛下に対する態度を見れば日本の歴史は歴代天皇の歴史と考えたのかもしれない。
渡部昇一氏が日本を紹介するときに古代ローマの神話と皇帝がつながっている国、といえば皆すぐに理解し驚くとありました。進化論と創造論が対立するアメリカに対し日本人は素直に進化論を受け入れ、かつ皇室を敬い尊崇する。二千年の神話と科学が共存する驚くべき国に見えてもおかしくはない。
海底地形を見ることのできる日本近海の海図はネットでもいろいろありますが、世界レベルとなるとほとんどが有料サイトになる。スエズ運河の座礁事故で見つけた
https://www.vesselfinder.com/
というサイトでは、右上のアイコンから FlyToMap raster を選ぶと海図がでてくる。天皇海山群の北緯40~45°付近の仁徳海山から推古海山の東にはエンペラートラフがあり、日付変更線をこえるとチヌークトラフがある。トラフとは舟状海盆といい、いわば海底盆地です。
日本近海を見るとほぼ日本語のローマ字読みばかり。北朝鮮イカ釣り漁船で問題の大和堆も尖閣諸島や南シナ海周辺も海図で見るとおもしろい。日本海の竹島など通常の地図では発見困難ですが海図だとすぐに見つかる。台湾の台南西方には水深10m以下の台湾バンクがある。BANKは海底の浅堆、洲、浅瀬などの意味ですが通常そのままバンクと表記。
英国東方沖にはタラやニシン漁で有名なドッガーバンクがある。日露戦争ではバルチック艦隊が英国漁船を水雷艇と間違え発砲し死者まで出る騒ぎとなったいわくつきの場所。英国世論は激昂し日本勝利の遠因ともなった。
天皇海山はもちろん日本近海の名称はすべて国際的に認められたもの。日本は海洋国家であり、海洋権益の重要性を知らしめるためにも世界地図には重要な海底地形を表記すべきです。九州からパラオまでの Kyushu-Palau Ridge(九州・パラオ海嶺)など日本と太平洋島嶼国を結ぶ架け橋にも見える。
20世紀はタンカーもコンテナ船も高速・大型化でしたが燃料費の高騰で打ち止め。マラッカ海峡を通過できない450m級の超大型タンカーは不経済とみなされ、いまは400m級が最大。航空機でも B747と A380が経済的に限界サイズで生産打ち切り。
世界的に国のサイズもソビエト連邦が分裂したように適正水準までシュリンクしていくのかもしれません。
(PB生、千葉)
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大分裂するアメリカ、大停滞する中国。この危機が日本を覚醒させる
〔米中激突は新潮流を生み、世界地図は二極化する〕
第一章●欲望と貯蓄のマグマが爆発する
第二章●バイデンのアメリカは衰退へ
第三章●国際政治の同盟関係が組み替わる
第四章●GAFAの落日が始まった
第五章●中国経済は砂上の楼閣
第六章●日本再生への道のり
【日本は言葉の戦争に負けている】最近の典型例を挙げればキリがない。森喜朗元首相の発言を意図的に曲げて、イデオロギーではなくポリコレで攻めたように、トランプの不正投票提訴は証拠がないとか、福島産の農作物、魚介類は汚染されているとか。バーンズCIA長官は今後、このような情報戦がネット空間を支配すると警告している。言葉の戦争において日本は内外で敵対勢力に負けている。この方面での対応も喫緊事である。(エピローグ)
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■宮崎正弘の対談シリーズ■
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宮崎正弘 v 渡邊哲也 『迫り来るアメリカ 悪夢の選択』(ビジネス社)他四冊。
宮崎正弘 v 渡邊惣樹 『戦後支配の正体 1945-2020』(ビジネス社)他一冊。
宮崎正弘 v 石 平 『ならず者国家・習近平中国の自滅が始まった!』(ワック)
宮崎正弘 v 西部 邁 『アクティブ・ニヒリズムを超えて』(文藝社文庫)
宮崎正弘 v 田村秀男 『中国発の金融恐慌に備えよ!』(徳間書店。韓国語版あり)
宮崎正弘 v 川口マーン惠美『なぜ、中国人とドイツ人は馬が合うのか?』(ワック)
宮崎正弘 v 高山正之 『世界を震撼させた歴史の国 日本』(徳間書店)他一冊。
宮崎正弘 v 河添恵子 『中国、中国人の品性』(ワック)
宮崎正弘 v 宮脇淳子 『本当は異民族がつくった虚構国家 中国の真実』(ビジネス社)
宮崎正弘 v 藤井厳喜 『米日露協調で、韓国消滅! 中国没落!』(海竜社)他一冊。
宮崎正弘 v 室谷克実 『米朝急転で始まる中国・韓国の悪夢』(徳間書店)他三冊。
宮崎正弘 v 福島香織 『世界の中国化をくい止めろ』(ビジネス社)他三冊。
宮崎正弘 v 馬渕睦夫 『世界戦争をしかける市場の正体』(ビジネス社)
宮崎正弘 v 小川栄太郎『保守の原点』(海竜社)
宮崎正弘 v 佐藤 優 『猛毒国家に囲まれた日本』(海竜社)
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