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(令和三年・2021/08/11〜08/20) 📚📚📚「宮崎正弘の国際情勢解題」 & etc., 💕🐧


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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)8月20日(金曜日)   通巻第7021号  
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~  華融の決算=1・7兆円の赤字はあまりにも少なすぎないか
  増資で当面のリスク回避。償還計画は無謀というほかはない
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 中国の不良債権受け皿機構「中国華融資産管理」は8月18日に2020年決算を発表し、最終損益は1兆7000億円だったとした。

 華融の最大株主は中国財務省。いってみれば国家ぐるみの不良債権処理機構だが、初代の董事長だった頼子民が巨額のごまかしをやってのけ、死刑判決。しかも死刑はすぐに実行された。死人に口なし、真相は薮の中。

 事実上デフォルト状態にある華融が、このまま破綻すると中国経済全体が大混乱に陥ることは必至であり、当面「再建」を目標に増資で乗り切るらしい。
 増資を割り当てられるのはCITIC、中保投資、人寿、遠洋資産などで、上場は継続するとしている。

 償還の迫った債務は表沙汰になっているだけで、2021年に40億ドル、22年が100億ドル、23年が40億ドル、この数字は向こう0年ほど続くうえ、恒久債券も40億ドルほどあるという。
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     樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 
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樋泉克夫のコラム 
@@@@@@@@   【知道中国 2264回】             
 ──英国殖民地だった頃・・・香港での日々(香港146)

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 思い起こせば今から65年ほどの昔、テレビで見たのが京劇との最初の出会いだった。
靠(よろい)を身に纏い、背中に三角形の靠旗(はたさしもの)を4本挿し、左手に長槍を、馬を表す馬鞭を右手で打ち振りながら登場した武生(ぶしょう)の颯爽とした立ち回に忽ち魅せられてしまった。かくて子供心に一度は京劇のナマの舞台を見てみたい、と。

 この時、「1本の靠旗は10万の兵を表す。4本の靠旗を背負っているから、この武生は40万の兵を率いている」との解説を聞き、中国人は面白いことを考えるものだと感心したことを覚えている。だが後に靠旗は武生が大軍を率いていることを表し、4本は左右対称を好む中国人の美意識に由っていると知り、その昔の専門家のデタラメさに呆れたもの。やはり専門家とはいえ彼らの説く「専門知識」を鵜?みにしてはイケナイ。

 最初の出会いから10年ほどが過ぎた1968年、大学3年生の夏だった。
縁あって台北郊外の淡水にあった淡江文理学院で実施された短期語学研修に参加した折、中国語の先生や宿舎で同室になった台湾の学生に「京劇を見たいのだが」「台北の京劇小屋を教えてくれ」と声を掛けはしたものの、誰もが曖昧な返事。さて台湾でも京劇は時代遅れで廃れる運命にあるのか、と納得せざるをえなかった。

 当時、中国大陸は文革の真っ盛り。文革推進の先兵であり、毛沢東思想宣伝の武器である革命現代京劇以外の公演は許されなかった。毛沢東が打破を叫んだ四旧(旧思想・旧文化・旧風俗・旧習慣)の最たるものとして位置づけられていただけに、古典京劇は死んだも同然。ならば旧い京劇のナマの舞台を目にすることなど完全に不可能と落胆したものだ。

 台湾滞在中、校外授業で政治工作幹部学校を見学した時のこと。大陸における庶民の苦しい日常生活から共匪(共産党)の極悪非道ぶりを教育するための品々が展示されている教室の片隅で、大陸製の古典京劇のレコード──たしか楊宝森の「文昭関」だったような──を目にした時には、さすがに感激した。早速、試しに聴かせてもらえないかと懇願したものの、係員は「不行(ダメ)」とつれない返事。せめて手に取って本場の京劇のニオイを嗅がせてくれと頼んだが、「展示品だからダメ」とにべもなく断られてしまった。

 やや大げさながら、これで古典京劇と接することは金輪際不可能になったのか。落胆頻りであった。
 ところが、である。
香港での留学生活を始めて程なく、童伶(こどもやくしゃ)ではあるが、京劇の常打ち小屋があることを知ったのだから、欣喜雀躍・感涙滂沱である。小躍りしないわけがない。かくて猫に鰹節の諺のように、当然の成り行きとして戯迷(しばいくるい)の道を一瀉千里と突き進むことになる。

 一時は明けても京劇、暮れても京劇。三度の飯を一度に、酒の誘惑をキッパリと振り切ってまで?園(2232回~2235回)のなかの第六劇場(京劇小屋)に日参し、至福の一刻に酔い痴れた。生活の一切を京劇につぎ込んだ、とは些か大袈裟か。

 ?園と第六劇場の両方の入場料を合わせたところでタカが知れた金額。とはいえ回数を重ねれば、財布に響く。そこで当然のように食費を切り詰めることになるのだが、これが暫く通ううちにどちらも幸運が舞い込んだ。
じつは?園の入場料がタダになる方法を顔馴染みになった常連の戯迷(オッサン)たちが教えてくれ、第六劇場の方は晴れて常連の仲間入りを果たしことから顔パスの栄誉を与えられたのであった。

 通常は夕方6時開演で10時前後に終幕となる。元旦や端午節、重陽節などの祝日には昼の公演もあった。
1日2回の公演などという絶好機を見逃すわけはない。そんな時は昼も夜も?園へ。という訳で、最も多く通った時には1年で365回は超えていたような。足繁く通ったのは3年ほどだから、単純計算でも相当な数の演目を観たことになる。●


★(宮崎正弘のコメント)そうでした。貴著『京劇と中国人』(新潮撰書)は、26年前の作品ですが、いまも拙書棚にあります。
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 読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)今回の「タリバンがアフガニスタン全土制圧」の関して、小生は当初、「タリバンが、新疆ウイグルのイスラム勢力を全力支援するはず」と期待しましたが、どうやらそうではなく、「共産党中国」とタリバンは、当面「手を組む」のではないか?と思います。
共産党中国は、アフガンへの「莫大なインフラ援助」を約束し、タリバンはお礼に「新疆ウイグル問題は、中国の内政問題ゆえ介入しない」と約束するのではないでしょうか? 
ある意味、「専制体制」という共通点を持っていますし、この互恵関係は容易に成立するのではと思います。
宮崎先生のお考えを拝聴し度く。
(KI生、尼崎市)
 

(宮崎正弘のコメント)当面、狐と狸のばかしあいが続くでしょうし、おたがいが口で約束したことは方便でしかなく、タリバンはしばし権力の構築に忙しくなるでしょう。

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(読者の声2)北海道の SH生様からの名指しのご質問(通巻第7020号)について。
1。NHK、他もTVはアメリカではワクチン接種進まない地域でコロナ感染増えていると報じますが、
2。バイデンが勝った事は事実であり、不正は無いとする米マスコミのコロナ感染に関する報道は本当なのでしょうか?
 回答;先日も寄稿しましたが、「コロナ感染者」とはPCR検査で陽性、という意味で、感染したわけではない。PCR検査とは、検査した場所の『空気」あるいは被疑者が吸っていたところの「空気」などの「汚染度」を計測するにすぎず、これをもって「感染者」と決めつけるのは、全く根拠がない。
 回答;トランプ氏が圧勝した、という事実が明らかになり、ほぼ全ての州で、大規模な計画的な投票の改竄が行われた事実が上がっているが、これを発表すると、言論封鎖されるばかりか、犯罪者、テロリストとして扱われる、という恐ろしい状況になっている。このドミニオン社の投票改竄機械が破棄される可能性はゼロ、依然として使われるので、次の選挙の結果は既に決まっている、と言って過言ではない。
そもそも検察も裁判所も腐敗しているので、犯罪を指摘しても無視される、制度を直す事もできない。全体主義国家では、正義も国民も法律も無力になる。
3。ファイザー等、ワクチン会社も支配利権階層のメディアの言うことでもこれだけは事実なのでしょうか? 
回答;昨日たまたま年に一度の身体検査に行き、医者、看護婦に武漢菌ワクチン、などを質問したが、彼らも洗脳されてか、不勉強なのか、真実がわかっておりませんでした。おそらく大多数の米国の医師も日本と同様に、政府、国連などの方針に順っているらしい。
製薬会社などは無論真実、つまりワクチンの危険性、を知っているが、政府が莫大な予算をつけ、しかも免責、つまり何が起こっても、責任を取らなくて良い、と法律が守ってくれるので、損なし、莫大な儲け、では仮に自責の念が生じても、止めるわけにはいかない。おまけに、現在のものが、効かないと、もっと予算がつき、既に第3、第4、の新しい商品が売れる、仕組みになっている。
 4。日本の現今のコロナ感染の急増振りを見るとワクチン接種か゜かなり進んだ時期と一致しているので ワクチン接種がデルタ株の原因のように思えるので。。。
 回答;ワクチンの専門家たちは1年も前から、アブナイからやめろ、と言っていますが、個人的な誹謗中傷に遭い、言論封鎖され、医学的な議論・反論は報道によって「嘘・デマ」と決められ、故に排除。そもそも武漢菌ワクチンは従来の定義ではワクチンではなく、新しい得体の知れない新薬であり、動物実験さえもされないまま、いきなり大規模に人体実験になり、しかも、負の結果、死者、副作用、などの資料は意図的に排除される、という極めて非医学的な治験が行われている。
 
 結論;1。ワクチンは打たない。特に子供を守ること。2。打ってしまったら、免疫が落ちた可能性が高いので、健康を維持する。3。感染したら、必ず早急に治療をすること。早ければ簡単に治る。4。何もしない医者だったら、違う医師をすぐに探す。下記の処方箋を印刷して医者に見せる。
 臨床医師会FLCCCAの処方箋などを参考されたし。資料の一部を日本語にも翻訳されている。信頼できると言える。
https://covid19criticalcare.com/covid-19-protocols/translations/
 ついでに言うと、現在、数年来計画されてきた隠れた静かなる無血の内乱、クーデターが成功し、米国はその性格が大きく変わった。
もはや民主主義制度は形骸化した。ソ連やシナでは政府の新聞、報道は嘘だと人民は知っていたが、今の米国民の半分以上は、嘘を真実だと信じている、のでより一層たちが悪い。
(在米のKM生) 


 
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(読者の声3)19日貴誌7020号に、「在米KM様」からコメントをいただきましてありがとうございました。
 ただ「SSA生様の貨幣論について。今では珍しい『反MMT論』」とありますが、この部分だけについて、ご説明申しますと、私は決して(いわゆる)『反MMT論』者ではありません。
私はむしろ「今までの経済学やすでに存在する世界中の経済体制からすれば、MMTで現況を『しのがざるをえない』のは理解できます。ただ私が指摘したいことは『MMTのメカニズムそのものがいかなる構造になっているか』であり、今の世界の環境下でのMMT路線の是非を言っているのではない」ということでございます。
どうかご理解のほどをお願いいたします。
(SSA生) 
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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)8月19日(木曜日)   通巻第7020号  
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~中国軍、タジク軍と共同軍事演習を展開。「反テロ協同作戦」とか。
  ETIMはアルカイーダとアフガニスタンの残存
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 8月18日から中国軍はアフガニスタンからのテロリスト潜入を防ぐための共同軍事演習をタジキスタンの軍隊と、タジキスタン領内で開始した。
タジキスタンは数千のロシア軍が駐屯しているが、中国軍が公然と姿を現したことに注目があつまった。

 アフガニスタン回廊はタジキスタンの南を中国へ繋げ、6000メートル級の高山地帯とはいえ、国境線はおよそ1300キロ。従来は、この回廊監視のために中国軍の存在が云々されてきた。

 欧米が脅威視するのはアルカイーダの動向である。
中国がとりわけ警戒するのがETIM(東トルキスタン独立運動)の武装グループである。ともにシリアで武闘力を発揮した仲間でもあり、現在はアフガニスタンに潜在している。

 アルカイーダは、アイマン・アル・ザワヒリがまだ存命しており、イランの情報機関では、後継はサイファル・アデルとみているという。
 ETIMはムハメド・アミンが率いており、軍資金を2500万ドルから3000万ドル。武器調達やテロ資金に充てている。ガニ前アフガニスタン大統領がUAEに逃亡の折持ち出した2億ドルの大金に比べれば「小額面」とはいえ、武装グループを当面養える。
 
 またアルカイーダとETIMは、アフガニスタンで協力関係にあり、アフガニスタン政府が二つの武装組織の存在を否定しているのは欺瞞だと、専門筋は見ているようだ。
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~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)貴誌7018号、SSA生様の貨幣論について。今では珍しい「反MMT論』
 貨幣の元になっているのが、「倉庫貯蔵の麦の預かり証」である。シカゴ証券取引所が周りの農家の需要に応えて始め、今でもあらゆる金融商品、金、石油、コメ、などを取り仕切っている。倉庫にしまってある麦などを動かす代わりに証書を手紙で送る便利さがある。この物理的なものから抽象的(デジタル)な概念に転換できたことは、ひとえに取引所の「信用」に掛かっている。
(ところが、現在膨大の金額の金、キン、の証券が売買されているが、その額は物理的に「金庫に保管」されているはずの金額を遥かに超えている。つまり、信用を破壊するかもしれない危険な運営をしている。会計や統計学の自信のある社員が会社から「借りた金」で馬券を買い、次の機会に儲けて返すつもりが、とうとう負けが混んで、という話になる。)
 1971年8月15日以前の世界では、世界の基軸通貨であるUSドルは「金と兌換性」を維持していた。35ドルは1オンスの金と交換できた。(国家間のみ、小売
はしていない)そんな公式の「裏付け、保証」があったので、ドルは世界中で信用されていたが、ヴィトナム戦争などで国の金融政策が破綻しインフレが
高まり、そんなドルを持っているとアブナイ・損する、と判断され、「ドルと書いた紙屑」を金と交換する国が現れ、金庫の物理的な金が千トン単位でどんどん海外に流失した。そこでニクソン氏は、この日、「暫定的に兌換性を中止」し、そのまま今日に至る。金のドルでの価格は突然に35ドルから800ドルに上がる、価値が下落する。今およそ1800ドル、つまりこの50年間で98%のドルの価値が消えた。(注。金を測る時に使うオンスはトロイ・オンスで、通常の16OZ=1lb、ではなく12OZ=1lb、騙されませんように。老婆心)
 
 貨幣の機能として
1、不変性、貨幣は「価値を計る単位」、つまり長さ、重さなどを計る基準、メートル、キロ・グラム、は時代、場所によって「変わらない」という性格を持たねばならない。関東と京都の畳の大きさが違っては不便である。この日々変化するドル、円、悠路などを対象にかつて必要で無かった、全く生産性の無い、巨大な金融市場・賭博場が生まれた。
2、価値の保存、せっかく保存していた貨幣の発行元、国などが破産しては、困る。インフレとは貨幣の富の部分的、継続的破壊、つまり政府による個人資産の窃盗。
  この二つの条件を過去の基軸通貨は満たしていた。それを管理運営するのは政府、中央銀行の重要な役割であるはず。(米国憲法にはそう書いてあるが、日本偽憲法には書いてない)ところが、無責任な政治家はズルをする。保守派であるはずのニクソン大統領が勝手に始め、以後全ての国の首長、中央銀行が、こんな便利な、楽な、懐が痛まない、特効薬を使う。実はこれは単なる「痛み止め」強い酒、麻薬の類で、世界の金融史によると、みんな必ず「薬毒で」死んでいる。
「赤信号、みんなで渡ると、恐くない」は嘘だった、とわかる秋が近づいている、と思ふ。(在米のKM生)

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(読者の声2)いつも時宜を得た情報を有難うございます。また「読者の声」欄のレベルも高く、とても勉強になっております。ところでコロナのワクチンについて、気になる情報があるので一枚の絵にしました。来週に出される6月分の人口動態統計速報で、一気に明確になるのではと思います。
https://twitter.com/elsh6dfsmft6xsv/status/1427445088892833793?s=21
  (令和晴耕雨読人)

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(読者の声3) 在米のKM生 様 に 教えて頂きたいのですが、NHK、他もTVはアメリカではワクチン接種進まない地域でコロナ感染増えていると報じますが、バイデンが勝った事は事実であり、不正は無いとする米マスコミのコロナ感染に関する報道は本当なのでしょうか?  ファイザー等、ワクチン会社も支配利権階層のメディアの言うことでもこれだけは事実なのでしょうか? 日本の現今のコロナ感染の急増振りを見るとワクチン接種か゜かなり進んだ時期と一致しているので ワクチン接種がデルタ株の原因のように思えるので。。。
  ( SH生 北海道 )

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(読者の声4)メルマガに書かれた訃報(メリー喜多川さん)の記事を拝読しました。宮崎さんとメリーさんが、藤島泰輔夫人として長い間付き合いがあり、また宮崎さんが藤島氏の選挙運動に参与したことも驚きでした。
訃報の記事は短いながらも、半世紀以上にわたった藤島夫妻との関わりを淡々と記述しながら、行間に哀痛の思いがにじみ出て余韻があとあとまで残る名文と思います。   (TC生)
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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)8月18日(水曜日)弐   通巻第7019号  
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ソロス、中国株投資から撤退か。百度、テンセント等全株を売却していた
  中国株の未来を世界一の投資家は、いかに判断したか
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 SECへの2021年4月から6月にかけての第二四半期の届け出で、ほぼ全容が分かった。
 アメリカの有力ファンドは同期に新東方教育科技の2500万株、アリババ206万株などを売却していた。ナスダック上場の「ゴールデン・チャイナ・ファンド」は、29%の暴落だった。時系列で考え直すと、米国のファンドは事前に中国の内部情報を掴んでいたのである。

 ウォーレン・バフェットと並んで、世界一の投資家と言われるジョージ・ソロスが率いるファンドは、同期に百度(パイドゥ)、TIKTOKのテンセントを手始めに、ほぼ全ての中国関連株を売却していた。
当初はバイアコムに絡んでのアルケゴス株売却、つづいて百度株を7700万ドル、唯品会株を4640万ドル。ほかにディカバー株なども含まれている。
 中国株の未来を世界一の投資家がどのように予測しているかが、こうした投資行為に如実にあらわれたのではないか。見通しは真っ暗と判断したのだろう。

 ところで中国には西側同様に「不正競争防止法」なる法律がある。
この法律は独禁法を管轄する中国国家市場監督管理総局が司る。具体的にはバイトダンスがテンセントを提訴したように、競合企業のサービスをブロックすることを違法とするのだ。

競合企業のアクセスを遮断すれば、ビジネスは独占的となる。俄然、競争が有利になるのは、アリババなどにも指摘されてきた。規制強化と当局の介入は、さらに中国株を押し下げるだろう。
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■ 訃報
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メリー喜多川さん(本名は藤島泰子)。享年93歳
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 振り返れば半世紀を超えるおつきあいになる。人生は波瀾万丈。どこで誰と知り合いになるかは予知できることではない。小生の場合、メリーさんが「芸能界の女帝」とか言われたエンタメ世界とは全く無縁で、最初から最後まで藤島泰輔夫人としてだった。芸能界のことは何も知らないし、興味がない。
 メリーさんは、我家の次女の名付け親でもあり、また藤島夫妻の婚姻届は小生が赤坂区役所へ届けに行った。半世紀近く前のことだった。
 訃報に接して、昭和初期に精神が形成されたメリーさんは、ロスの高野山真言宗別院の僧侶の長女として、そのうえアメリカで教育を受けた帰国子女第一号。昭和初期の「志操」を大切な価値観として、猛烈に、しかし爽やかに走りきった人生ではなかったか。
 ジュリーちゃんを生んだときもさらしをおなかに巻いて周囲は妊娠に気がつかず、出産後もすぐにオフィスへもどったというから、神功皇后伝説を思い出したのだ。
 いつぞや食事の折、「毎年、休みがとれると、ポッとひとりでトルコのカッパドキアの夕陽を見に行く」と何気ない台詞。意外だったが、彼女には浪漫的な側面があった。小生の出版記念会には御祝儀をもって駆けつけられたこともあり、そのお返しにイランに行ったときに購入したパーシャンブルーというペルシャ絨毯を贈ると、なんとすてきなんでしょう、場所と時間で色が変わるの、と感激された。
 ずばすばとモノを言い、即断即決。うじうじ人間を嫌った人の裏面である。
 昭和43年頃、藤島泰輔氏の保守的で愛国的な行動や発言の真意を聞こうと、当時、代官山にあった藤島邸にインタビューに行ったのが最初だった。上皇陛下の同級生として『孤独の人』で文壇デビュー、在米二世たちの苦闘を描いた『忠誠登録』がヒット、初見のおりは日本ペンクラブの理事も兼ねておられた。その後、藤島泰輔氏は三浦雄一郎のヒマラヤ・スキー滑降冒険に総隊長としてチベット現地へ乗り込んだ。
 直後に三島由紀夫事件。ただちに追悼会を開催することになるが、藤島さんは川内康範氏と司会を引き受けられた。そして日本にいささか絶望してアメリカへ移住し、『諸君!』に『アメリカ通信』を連載されていた。一年後、ふらり日本に来られると憂国忌。フジテレビが実況中継したので「藤島さん、日本に還っている」と電話が殺到したこともあった(このとき藤島さんは帝国ホテルに仮住まいだった)。
 そして或る日、小生が『青嵐会 血判と憂国の論理』を編集し、青嵐会の会合に頻繁に呼ばれた頃だが、京都市長選に青嵐会の独自候補を立てようとなってハマコーが藤島さんに連絡を取れ、という。
氏は当日、韓国にいた。その話は流れたが、政治への関心が高まり、福田派公認で東京四区から衆議院に立候補することに決まった。選対本部を渋谷の丘永漢ビルのワンフロアを借りての臨戦態勢を敷く。昭和四十九年だったと記憶する。
 『浪漫』編集長でもあった藤島氏、当時の小生は『浪漫』の企画室長。そのしがらみで選挙運動に巻き込まれ、一年ほどオフィスに泊まり込んだ。ところが衆議院の解散が延びてしまい、資金ショート。このときは、メリーさんのほうも某売れっ子タレントが独立して、悲壮な状況だった。乃木坂の小さなビルの一室に籠もった。どん底の日々、小生の方も貿易商社を営んでいたが、不意の円高で為替差損に悲鳴。共通の困窮状況が共通の境遇だった。
それでもまったく希望を失わずに楽天的に未来を見ていたのがメリーさんだった。
 泰輔氏が癌で入院、虎ノ門から黒磯の病院に転院したときに見舞いに行った。没後、通夜葬儀は近親者のみと伏せられたが、増上寺には二百人近い弔問客があった。そして一周忌は某ホテル始まって以来、コック長総出のセレモニーとなった。すべてはメリーさんの確乎とした意思の現れである。
 芸能プロのマスコミ対策では何回か相談を受けたが、適切な助言ができたかとうか。
その後、メリーさんは周囲に告げず、ひそかに七回忌、十三回忌、二十二回忌を増上寺の大講堂で行った。業界の誰にもメディアにも知らせず、参列者は選挙の裏方のときから尽くしたI氏、H氏と小生。メリーさんとジュリーさん母子。藤島事務所の秘書の六人だけ。法要のあと、雑司ヶ谷のお墓に詣で、それから六本木へもどって直会というパターンだった。
したがって最後に会ったのは2019年の初夏、増上寺で行われた二十二回忌だった。22回忌というのは、仏教にない習慣だが、メリーさんは運命の日が近付いたことを予知していたのだろう。
 合掌。
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 ──英国殖民地だった頃・・・香港での日々(香港145)

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 なにやら堂々巡りに終始してしまったようだが、香港が基本的に殖民地(イギリス→中華人民共和国)であることを踏まえない限り、一切の民主化論議は絵に描いたモチの味について喧々諤々の論議をすると同じだろう。
「地産覇権」という基本構造にメスが入った時に民主化論議は現実化し、新しい段階に進むことになるのではないか。だが現に伝えられる報道に由る限り、A+B>Cという構造に焦点を当てた議論は聞かれそうにない。

 おそらくAは香港、マカオ、広東の先進9都市(広州、深セン、仏山、東莞、恵州、中山、江門、珠海、肇慶)を包括する「粤港澳大湾区(グレーターベイエリア)構想」にBをからませることで、A+B>Cという構図の維持を狙っているはずだ。

 ここで疑問を1つ。
じつは2014年9月末、「雨傘革命」を叫ぶ若者は「占中」を叫んで中環(セントラル)と銅鑼湾を走る道路の一部、それに九龍の繁華街で知られた旺角のメインストリートを中心に広い範囲を占拠した。「占中」とは中環(セントラル)地区の占拠を意味し、占中によって国際金融センターとしての香港の機能をマヒさせ、共産党政権に打撃を与え、交渉のテーブルに引きずりだそう。可能なら共産党政権の傀儡ではない民意に沿って行政長官を選べるよう選挙制度を劇的に改変させよう、と狙った。
いわば香港住民が望む「港人治港(香港人による香港統治)」を制度面で実現させようとしたわけだ。

 だが、それは失敗した。
すでに見ておいたようにAとBが手打ちした以上、運動が始まる前から「港人治港」の願望は打ち砕かれていた。「のぉ、越後屋、身の程知らずはタップリと懲らしめておかぬとのう」「御意!」「ブハッ、ぶはッ、ブハハハハッ!」である。
 たしかに中環は国際金融センターとしての香港の心臓部であり、この街が機能不全に陥ったら共産党政権の国際社会における面子は丸潰れに近い。
だから「占中」の狙いは間違ってはいない。
だが、当時現地を歩いて気づいたことは「占中」とは名ばかり。実際に占拠したのは中環の外れでしかなく、当初目指したような国際金融センターの機能に壊滅的打撃など与えられるはずもなかった。他の2か所にしても幹線道路とはいうものの、A+Bの喉元に「匕首」を突き付けたとは思えない。極論するなら一種のポーズでありガス抜き。いわば大騒ぎした割には、予め掲げていたほどの効果は上げられるはずもなかったのだ。

 巧妙に「的」を外した運動。最初から失敗が仕組まれていた運動──これが「占中」運動の現場に立っての偽らざる感想だった。これが的外れではないとするなら、では誰が「占中」運動を仕掛けたのか。
1967年の香港暴動の例に倣うなら、背後に共産党最上層における権力を巡っての暗闘が絡んでいたようにも思われる。それは2019年6月の反逃亡犯条例運動以降を起点として、2020年6月に制定された香港国家安全維持法へとつながる一連の動きにも指摘できるはずだ。どう考えても民主を激しく希求する「純真な若者の熱情」だけでは解き得ない難問が、一連の運動の根底に潜んでいるように思えて仕方がない。

 香港とは、19世紀40年代前後から現在に至る中国の歴史が錯綜し、長年に亘って関係各国の利害が渦を巻いてきた。
香港は自らで自らの運命を決することができない「メビウスの環」のなかに置かれたままに過ぎてきた。その一方で、激動する中国の影響を避け難いだけに、その立場と役割を微妙に変化させざるを得なかった。
そして現在のみならず将来も、ほぼ確実にそうだろう。

 ──ここら辺りで固い話は切り上げることにして、本題の70年代前半の香港に立ち還ることにしたい。そこで綴らねばならないのが、我が香港生活そのものとも言える京劇との出会いである。
というわけで、これから始まるバカ話のテーマは「余は如何にして戯狂(きょうげきくるい)となりし乎」といったところ。内村鑑三の『余は如何にして基督信徒となりし乎』をパクったようで本当に、やはり、些か心苦しいところではあるが・・・。
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 読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)アフガニスタンの首都カブール陥落、予想通りとはいえあっけなかった。空港の映像を見ても1975年のサイゴン陥落時のような悲壮感はなくカメラに手をふる男までいた。
米軍の輸送機内の写真には子供を抱いた母親の姿もある。
https://pbs.twimg.com/media/E88CKg5XEAkfNen?format=jpg&name=900x900

 カブールは人口400万人以上、成金用の高級住宅やアパートメントが立ち並ぶ一角があったりアフガニスタンの中でも別世界。道路は右側通行、走る車は圧倒的に90年代のカローラ。右ハンドルと左ハンドルが混在している。
https://www.youtube.com/watch?v=eqaTp0ulL38


 1970年代はヒッピーの聖地と呼ばれたアフガニスタン。1975年の映像を見ると多くのフォルクスワーゲン・ビートルにインドのアンバサダー、3輪タクシーはインドのBajaj、バスはこれまたインドのTATA。日本車ゼロ、アメリカ車少々。
https://www.youtube.com/watch?v=KJJCN4mKIOk


 2020年の下町の様子。露天の市場の肉屋のテントは中国製。イラン系、トルコ系、などいろんな顔立ちがいるのは東西文明の十字路だけある。
ちなみにパシュトゥーンのユスフザイという氏族は古代ユダヤの末裔ともいわれる。
地方では遊牧民族らしく馬にロバ、羊と山羊の生活。欧米流の民主主義など大きなお世話なのだろう。
https://www.youtube.com/watch?v=gqTOJqXV6dE

https://www.youtube.com/watch?v=eALmoywVS58
 アフガニスタンの人口はソ連侵攻の1979年が1340万人。戦争で減り続け1987年に1160万人。それ以降は増え続け2020年には約3900万人。
https://graphtochart.com/population/afghanistan-transition.php#chartpopulationyearafg
 アフガニスタンの今後を考えると人口の急増が部族対立に火を付けるのではないか。アフリカの部族紛争の多くも元をたどれば人口急増による土地や水の争いだった。
人口過剰は戦争の火種となる。アフガン版国盗り物語をアメリカの会社がボードゲームにしたのがこちら。Amazonで1万4千円ほど。
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/y/yuishika/20200105/20200105222556.jpg
黒:タリバン  黄:アメリカ・EU多国籍軍 青:アフガニスタン政府 緑:地元部族
 タリバンが政権を握ったとしてもそれほどひどいことがない限り世界の多くの国はタリバン政権を承認するだろう。
ベトナムに負けた腹いせにカンボジアのポルポト政権を承認したアメリカはどうするのか見ものですが、アフガンは資源が豊富。10年前の記事では1兆ドル規模の鉱物資源があるとされた。
https://www.afpbb.com/articles/-/2736110
 中国が資源獲得に乗り出せば、インドも黙っていないだろうし、これまた内戦復活となりかねない。
シャーロック・ホームズのワトスンのモデルとなった博士が1880年に第二次アフガン戦争で負傷したとされるのですから、今後も戦争は続いていくのかもしれません。
  (PB生、千葉)


(宮崎正弘のコメント)数千年、民族戦争、軍閥戦争、宗教戦争を派手に残酷に繰り返してきた所ですから、今後も戦争は続くでしょうし、軍閥の内訌は果てしなく継続されるでしょうね。
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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)8月18日(水曜日)    通巻第7018号  
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(((読書特集)))
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福島香織『ウイグル・香港を殺すもの ーージェノサイド国家中国』(ワニブックス) リー・エドワーズ『現代アメリカ保守主義運動小史』(育鵬社)
読者からのご意見四本
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  書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 BOOKREVIEW 
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 無能でレベルが低く劣等感だらけの「いじめられっ子」だった習近平
  だから「ブタでも皇帝になれる中国」は、戦争をやらかす算段なのだ

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福島香織『ウイグル・香港を殺すもの ーージェノサイド国家中国』(ワニブックス)
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 本書は題名にあるとおり、香港における表現の自由の消滅とウイグルの民族浄化、身の毛もよだつ弾圧、およそヒューマニズムから遠い全体主義国家の内幕レポートである。
 数日前の華字紙を読んでいたら「政治犯の名門」=秦城監獄には嘗ての大物、薄煕来、周永康、郭伯雄、陳良宇、令計画らがずらり収監されていて、警戒が強化されたとかのニュースがあった。
いずれも本書の「主人公」たちである。
 と、ところが、福島さんは、薄は既に「出所している」と、裏情報をさりげなく挿入している(184p)。「えっ。本当?」
 しかし、その後の「音沙汰はありません」。
 俄然、こういう裏話のほうが面白くなってきた。
 ウイグル、香港の分析は、この書評では横に措いて、むしろ本書が暴露する、じつに興味深い中南海の舞台裏の逸話を拾い出してみよう。
 習近平の表情をみていると、独裁皇帝という割には、何かに怯えている。何かを懼れている風貌にふと変わる瞬間がある。幼年時代に彼はいじめられっ子で、いじめっ子が薄煕来だった。「自信のない、気弱なところがある」青年だったと、当時、習と会ったことのある日中関係者の証言がある。
 「習近平は無能だ。頭が悪い」と思っている中国人は山のようにいるが、沈黙している。ヒラメ官僚らは、腰巾着のように習を阿諛追従しているが、習近平のレベルは低く、それを公言していたのが李鋭(毛沢東の秘書、101歳で死去)だった。18年四月に李はボイスオブアメリカのインタビューで、公然と言いはなっているのだ。
 ならば何故、こういう無能人物が共産党の総書記になれたかと言えば、江沢民と曾慶紅が「わしらの言うことを聞く無難さ」を見込んでのことだった。
この程度の凡庸極まりなき無能男が果たしてつとまるのかと、福島さんが或る事情通に聞くと、こう答えた。
 「ブタでも猿でも皇帝になれる国、それが共産党体制の中国だ」
 習近平皇帝はそのうえ母に逆らえず、姉たちの言うことは聞くばかりか、夫人の芸能界と文化界掌握にも口を出さない。
娘の情報もさりげなく挿入されている。ハーバード大学留学から帰国した一人娘の習明澤は「相当気が強い女性」で、「インターネット音痴の習近平に替わり、インターネット世論誘導などニューメディアの宣伝政策で主導的役割を果たしている」とか。
習の恐怖心は暗殺、クーデター。そして軍と人民をひたすら懼れている。
実際にクーデター未遂は二回会った。薄護来と周永康が計画し、じっさいに戦車を動かした。
2012年3月19日、北京の町に戦車が出動しているという情報が評者(宮崎)のところにも電話で知らせがあった。その後、この情報はぷっつんとなったが、本書によれば、王立軍の亡命未遂事件でクーデター計画がばれ、薄失脚の跡、一か八かのクーデターを起こそうとしたが周永康だったという。
中国軍の「実力」に関しては西側軍事筋の評価が分かれるが、確実に言えるのは宇宙、サイバー攻撃、情報心理戦、法律戦を付帯する情報化戦争で、人材ならびし資金などの基礎資源と積極的に投入しており、大学の優秀な学生を高給で雇用し、ロケット開発部門を優遇している。
とはいえ、米国ランド研究所のアセスメントでは、「評価の高い部分と低い部分が混在している」とし、とくに「軍事人材が極度に欠乏している点です。これには、軍人の練度や『反腐敗キャンペーン』などの権力闘争に伴う優秀な軍人のパージ、軍内の腐敗なども影響を及ぼしている」(253p)。

さて最後に著者が力説しているのは日本のメディアの中国批判の弱さである。
「国力や政府や世論の意識」が重要であり、「英米の記者たちが果敢に取材して(高度の中国情報を)知るのはやはり英米政府の中国政府に対する政治姿勢、外交姿勢がはっきりしているからだ」(中略)欧米のメディアは、「報道に自由が損なわれることに対しても敏感に反応し」たが、日本政府は何もしなかった。
日本には外交力がなく、その裏付けとなる軍事力も情報力もない国ゆえに、無能男にさえ舐められているのである。

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  書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 BOOKREVIEW 
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FDRの社会主義の失敗。リベラリズムから政治の主導権を取り戻せ。アメリカの政治論争史を通じ、誰が保守思想を掲げ、どのような活躍をしたかを描く。

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リー・エドワーズ著、渡邉稔・訳・解説、江崎道郎監修
    『現代アメリカ保守主義運動小史』(育鵬社)
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 保守主義とひとくちに言っても多用な解釈があるが、歴史の浅い国であるアメリカではピューリタニズムの原理を守ることが保守の原点だった筈である。
 いまではリベラルの巣窟と化したハーバード大学は牧師養成の塾が出発だった。1930年代から「七つの海を支配した」英国が世界的パワーを大きく後退させ、新興勢力としてアメリカがのし上がっていた。
 しかし資本主義の発達と経済の急拡大、ドルの世界制覇などによってアメリカ社会が複雑化し、いつしか共産主義の猛威に曝されていた。
 静かなる浸透はFDRの周囲がソ連のスパイで埋め尽くされていた事実に象徴される。
 1930年代に経済恐慌に襲われたアメリカ。FDRが不況を克服するためのニューディールという妖しげな景気梃子入れを行って、左翼の温床とし、予算と恣意的に配分して意味不明な財団をつくり、『彼らの利権』とする一方で、日本を標的とする戦争陰謀にアメリカ全体を巻き込んだ。
 ソ連のスパイが暗躍した世紀の陰謀が展開された。
 こうした社会主義への急傾斜の反発から戦後アメリカでは古き良き保守主義が蘇生した。第一に反共であり、第二に社会主義的福祉政策との訣別であり、第三にキリスト教的価値観の保守であった。
 すなわち本書が説くように、「第二次世界大戦後、民主党ばかりか、共和党の一部さえも味方につけたリベラル派は、伝統的価値観やキリスト教道徳を軽視、または敵視する一方で、『貧しい人や社会的弱者を救うのは(自助の精神や家庭、慈善団体、地域共同体ではなく)政府の役割である』という社会主義的発想に立って福祉国家路線を推進した」のだ。
 こうした戦後の傾向はたしかに共和党の政権をもたらしたが、政治的にはアイゼンハワーもニクソンも伝統的保守主義思想とは距離があり、大きなうねりとしてのアメリカの保守思想の回復はレーガンの登場を待たなければならなかった。
 レーガンは1976年には党内予備選で現職のフォードに僅差で敗れた。フォード1187票vsレーガン1070票。
 支持者を前にして、レーガンは敗北の弁を述べたが、「この大義(保守の再生)は生き続ける」としてスコットランドの詩を引用した。
 「われわれは身を横たえ、しばしは血を流そう。我が身は傷ついていても、殺されはしない。やがて起き上がり、当たり前のように戦うのだ」
と。
 レーガンの保守革命の前の段階で、アメリカの保守主義を代弁したのはゴールドウォーターだった。
 共和党は保守主義の一枚岩ではなく、リベラリストと、リアリストが入り交じった政党であり、その党内の論戦のしこりはときに分裂を生む。1992年のブッシュの思わぬ落選は党内からロス・ペローが出馬しての分裂選挙になったからだった。
1996年のボブ・ドール落選は、党内がささくれだって候補者を一本化出来ず、あたかも、これなら総花的に候補となるという短絡的理由から大物で無害な候補者選びでバイデンを決めたように、ITネット化が進行中の急激な社会傾向と変化に、議会のベテランたるドールでは対応できなかったからだ。
アメリカで、保守の不満は鬱積していた。だからドナルド・トランプが2016年に党予備選を勝ち抜くと、リアリストやリベラル派は反対陣営のヒラリーに投票するという大混沌状況となった。共和党の分裂にもめげずトランプは草の根の保守の強い支持を得て大統領に当選した。
国際主義の行き過ぎや過度な介入をやめ、原点に戻る政治を呼びかけて次々と実践したトランプは確実に保守の復権を果たした一時代を築いたと言えるだろう。
 本書はFDRの社会主義の失敗とワシントンに跳梁跋扈していたリベラリズムから政治の主導権を取り戻した過程と、論争史を通じて、誰が如何様に保守思想を掲げ、どのような活躍をしたかを描く。日米の左派メディアが決して取り上げない、もう一つのアメリカである。
 
戦後、彗星のごとくアメリカの保守思想を代表したのは外国人のフリードリッヒ・ハイエクだった。
ハイエクの『隷属への道』は全米でベストセラーとなり、一世を風靡した。
徹底した自由を説いたハイエクはモンペルラン協会を創設し、日本にも支部が出来たし、香港の自由民主の闘士、ジミー・ライ(黎智英)は評者(宮崎)とのインタビューで、『ハイエクを尊敬している。かれの影響が大きい』と言ったものだった(余談だが、世界モンペルラン大会で来日されたおり、評者も木内信胤氏の紹介でハイエクに会う機会を得たことがある)。
 ハイエクの確信とは「個人と『自由意思によるグループ』の立場が、恣意的な政治権力の伸張によって、すでに蝕まれてしまった。思想の自由、表現の自由が、権力を追求する少数派によって脅かされている。『あらゆる絶対的な道徳的基準』を否定し、法の支配に疑問を呈し、しかも『私有財産と競争市場』への信仰を損ねる歴史観によって、こういった悲惨な現象が助長されてしまった」とし、モンペルラン協会がスタートした。多くの知識人が参集したのである。
左派系メディアは、この動きをまったく無視した。
 次に保守論壇には新星ラッセル・カークが登場し、英国の政治哲学者エドモンド・バークの影響を受け『保守主義の精神』を著した。
「祖先たちが築いてきた伝統的価値観を受け継ぎ、道徳的な秩序を維持していくことによってのみ自由で多少生ある社会生活を享受できる」と唱えた。
 当時のアメリカはフランス革命に繋がるリベラル思想が蔓延していたうえ、リベラル知識人らは「保守主義とは好戦的な体質、不合理な懐古の情、認知閉鎖に向かう心理的欲求と言ったことから生じる病理に過ぎない」と嘲笑っていた(11p、監修の言葉)。
 なぜ本書の翻訳本を試みたのか。監修者の江崎道郎氏がいう。
 「アメリカの『保守主義者』たちの動向は、日米戦争を含む歴史認識問題との関係で日本にとって極めて重要だ」。
尤も「日本には日本の保守主義があり、アメリカと同じである必要なないと考えるが、同時にアメリカの保守主義の基本哲学くらいは知っておくべきだ」から、本書の翻訳紹介を推進したと重要な動機を語る。
 原著者のリー・エドワーズはワシントンの保守シンクタンク『ヘリティジ財団』の専任特別研究員である。
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(読者の声2)貴誌の(KI生、尼崎市)様より、IMFのSDR一般配分に関する情報ソースの開示依頼がありましたので、以下のようにご報告申し上げます。
 https://www.imf.org/ja/News/Articles/2021/07/30/pr21235-imf-governors-approve-a-historic-us-650-billion-sdr-allocation-of-special-drawing-rights
   (匿名希望)

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(読者の声2)貴誌第7016号、IMFのSDR一般配分の「情報」について。
 このSDRなる、「貨幣の元」は世界の中央銀行の中央銀行であるIMFが、勝手に発行する実質上の貨幣で、その「権限」は極めていい加減であり、ほんの一握りのなんの責任ももたない役人が、今回は武漢菌被害を理由に、主に後進国に与える、とした。
こんな重要な仕組みに支那が正式に入り込んでいる事が問題である。
そもそも、国連の常任理事国に居座っている事も間違っている。日本は「蚊帳の外」から借金をして作った金をせっせと貢いでいるが、性奴隷の悪い国だ、と決め付けられる。トランプ氏が脅したように、日本政府は、もう金は出さないよ、と世界に宣言すれば、少しは尊敬してくれるかも(注。小生は投稿した「匿名希望者」ではありません)。
  (在米のKM生)

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(読者の声3)貴誌17日 通巻7017号の「在米のKM生」様の「世界の政治家・医師・学者・報道者は自ら信用を既に破壊し、金融・貨幣の信用も終わりに近づいている、と思ふ」や、通巻7016号の「匿名希望」様のIMFのSDR一般配分の「情報」は、経済のメカニズムの本質を探究する必要性を改めて認識させてくださいました。
長くなって恐縮ですが、以下は私の「メカニズム論」です。
特に「IMFのSDR一般配分」の「意味」をどう判断するかはさらなる考察のたたき台になり得ると考えます。
1.誰にでも、そして銀行員にも「銀行の基幹的ビジネスモデルってどんなもの?」と聞いてみてほしい。「銀行とは、預金を集めて原資とし、それを他者に貸し出し、その貸借の金利差で利益を得る業態」と答えるに相違ない。この回答は一般の人だけではなく、銀行員でさえも同様であろう。いや、ひょっとすると、頭取でもそう答える人がいそうである。ところが・・・・
 2.「イングランド銀行の説明によると、実際のところ、昔から民間銀行は融資をするごとに融資額に相当する『資産』を原資なし=無料にて『獲得』してきた」と経済学の本には書かれていて、これを支えているのが「内生的貨幣供給理論」であるそうな。しかし1.と2は大きくくいちがっているにも係わらず、経済専門家たちは疑問や反論を呈さずにきた。
私はこの理論が「正当化」の基になっているがために、民間銀行は「一種のトリック」を実行できているのだと推測しています。
 3.この内生的貨幣供給理論の主体者は民間銀行となっている。しかしこの民間銀行を国家に置き換えた理論こそが、コロナ禍で一挙に世界を覆い始めたMMTであることは容易にわかる。なぜなら狐が木の葉をオサツに変えるのと同じように、価値の裏付けのない通貨の「増刷」を「価値あり=価値の増加」と認めているという意味で、内生的貨幣供給理論とMMTは原理的には同根であるからだ。
 4.寓話の「猿蟹合戦」でサルは蟹にもらった「おむすび」と交換に「柿の種」を渡した。でも「おむすびは、柿の種とはイコールではない」。
なぜならば交換時にサルはおむすびで空腹を満たすことはできても、蟹は柿の種で空腹を満たすことはできないから。柿の種は時間をかけ、ちゃんとした土壌
に植えて育て、立派に柿を実のらさない限り単なるゴミに過ぎない。もちろん将来に柿の実をタワワに実らせるせることもできるかもしれないが、蟹は
それまでに多くのコストと労力を投入せねば、おむすびと同等の(空腹をみたす)価値まで到達できない。この寓話から学べることは、おむすびと柿の種が交換時には価値としてイコールではないことと、内生的貨幣供給理論やMMTも、その増刷通貨(柿の種)は首尾よく経済成長(=柿の実)をもたらす可能性は(努力次第で)ありうるが、それを実現できるのは稀であるということであり、柿の種(=例えばベーシックインカムや“奔放”な財政支出)が捨てられ続けたり、柿の実が実らならないとなると、それは恐慌や格差を生み出すことになる。
 5.この内生的貨幣供給理論の「正当性」を担保せしめてきたものは何かといえば、それは「価値イコール貨幣・通貨とみなす」「前提」だったのだ。この世は「価値イコール貨幣・通貨ではないカラクリ」から成り立っていることが明らかであるにも関わらず、この誤った「前提」に経済専門家も含め誰も疑問も異議も呈さず、ただダンマリを決め込んでことが、恐慌や格差などの資本主義経済体制が孕んでいる現代的諸問題を生み出す発端となっているのだ。
 6.前にも述べましたが、かってジョン・ローはミシシッピー会社の株式をフランスの債務と交換に販売する画期的なアイディアで債務削減に大成功
を収めたものの、国の借金を民間が肩代わりし、民間は大損した。しかし我々はこれと同じ現象・情勢を、内生的貨幣供給理論やMMTの中に抱えながら目の前
にしている。内生的貨幣供給理論やMMTのように『価値イコール貨幣・通貨とみなす』前提のもとに動いてきた資本主義経済社会は、『価値イコール通貨・貨幣
ではない』という現実(=真実)に「冷や水」をかけられ、その現実(真実)に即した「価値イコール貨幣・通貨ではない」とする前提での経済学や体制に、(「在米のKM様」や「匿名希望様」がお感じになっているように、)移行し始めざるを得なくなってきたのだと思う。異常にも見える富国強兵策・急成長や巨額の債務問題などに直面する中国ばかりか、世界中の姿は、まさにミシシッピー会社の顛末を見るようである。
  (SSA生)

  ♪
(読者の声4)バイデンの演説から汲み取らなければならないのは: 日本への皮肉と警告かもしれないぞ! この部分:
 「アメリカ軍はアフガニスタン軍が戦う意思がない戦争で戦うべきではないし、死ぬべきでない」“American troops cannot and should not be fighting in a war and dying in a war that Afghan forces are not willing to fight,”として軍の撤退の方針に変わりはないと強調しました。
 おんぶに抱っこの日本政府の尖閣列島防衛をアメリカが守ってくれるなどと甘い考えを否定しているのだ!
 日本軍がまっさきに不当な侵略に対して先頭にたって血を流さないならアメリカ軍の若者が何故血を流さなければならないのか? とまさに言っているように思えますがな。指桑罵槐っていう支那の諺みたいな意味に取るべきではないの?
https://www.yahoo.com/news/biden-defends-afghanistan-withdrawal-rejects-nation-building-213304363.html
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210817/k10013206911000.html
   (AO生、世田谷)
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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)8月17日(火曜日)   通巻第7017号  
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~カブール陥落と混沌、アメリカを襲う敗北の無力感
  中国『環球時報』が獅子吼。「台湾よ、このシーンを記憶し、学べ」
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 早々と戦勝国リストを作成したのはカタールのアルジャジーラだ。戦勝国はロシア、中国、トルコ、カタール、そしてイランだとか。

 カブールの大統領府をタリバンが占拠し、勝利宣言を出した映像はアルジャジーラの独占取材である。タリバンと深いコネがあるのは、ドーハにおける米国とタリバンの和平交渉の場所を提供したからでもある。しかしカタールにはハマスやイスラム同胞団の細胞がある。

 トルコとロシアは露土戦争の仇敵同士だが、シリアでは共闘した。戦術的に友好を演じ合っているのは中東における主導権確保が目的だ。トルコは空港警備に500名の兵隊を派遣しているが、16日の空港大混乱には対応力がなかった。
カブール国際空港へ数万のアフガニスタン市民が押しかけて、脱出しようと航空機にぶら下がり、離発着が不能の状態となった。
これでは救援機の着陸もできない。

 国連でロシアと中国は常任理事国としてタリバン国家の承認を急ぐだろう。今週、タリバンとロシアとの会談が開催され、ドミトリ・ジルノフ駐アフガン・ロシア大使は『隣接する中央アジア諸国との対応が喫緊の課題となる』としている。
 
 アフガン難民はことしに入ってからでも40万人。世界に260万人のアフガニスタン難民が溢れているが、この内の140万人はパキスタンにいる。
 イムラン・カーン首相は16日に緊急の国家安全会議を招集し、善後策を協議しているが結論は出なかった。カラチでは爆弾テロが起きた。

 中国は経済援助を餌に突如タリバンに接近し、東トルキスタン独立運動の『過激分子』を取り締まれとした。タリバンは中国共産党とう同様に約束を守らない。猜疑心の固まりであり、口では「テロリストをアフガニスタンは受け入れない」と発言するが、実際にはアルカイーダの拠点が構築されている。

 人民日報の代弁メディア『環境時報』は書いた。
 「台湾よ、このラストシーンを記憶し、学習せよ」。殆ど恐喝である。
     ☆▽□☆◎み☆◎□☆や□▽◎☆ざ▽◎□☆き◎☆◎▽
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)東京五輪は無観客で終わりました。高橋洋一氏によれば、IOCの収入の中でチケット代は全体の5%とか。
 であれば無観客で良いわけです。もっか、貴著『こんなに借金大国中国』(石平さんとの共著、ワック)を再読中ですが、石さんが指摘されるように中国人というのは宗族意識しかないのですね。
老生の大学時代の友人に在日韓国人がいます。彼の人生を横から俯瞰してみても、中国人と同じで宗族主義ですね。じつに良い勉強になります。こういう本をこれからもどんどん書いて下さい。
   (KN生、佐賀県鹿島市)

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(読者の声2)武漢菌と「PCR検査」の嘘について。
 8月15日は2600年続いた日本の命日であるが、戦争はGHQによって継続され、日本人の頭脳、知識、知能、そして皇室までもが破壊され尽くされてきた。
その歴史の最終章が今書かれており、既に日本国の全ての指導者たちは国民を裏切り、僅かな利己の利益のために売国奴となった、と国民は認識し、「自分で防衛」せねばならない状態に置かれている。
現在の緊急の「防衛」は、「生物としての日本人を自ら守る」。
過去1年の資料で判明した事は、武漢菌そのものは、特に日本人に対しては、医学的にはあまり害はない、甚大な人的、経済的被害は政府の命令、医学界の非医学的・非倫理的な行動、報道機関による「真実の隠蔽」などによって製造された。
 その一例として、PCR検査があるが、この唯一の検査の結果、統計が全ての政策の「判断の元」になっている。
ところが(1)これを発明した本人、ノーベル化学賞受賞者 Kary B Mullis氏は、不適当だ、と発言しているが、報道されない。
(2)この検査はウイルスなどを検知するが、それが武漢菌であるか、普通のインフルエンザなのか、風邪、その他であるかは識別できない(このため、科学者、医学者も、武漢菌に「遠慮して」今年はインフルエンザが消えた、などと勝手に推測していた)
(3)この検査は死んだウイルス、生きているもの、活発なもの、の区別ができない。ウイルスは母体がないと数時間、数日のうちに死んでしまう。
(4)ウイルスは非常に小さく、何処にでもいつでも空中に浮遊している。
(5)検査をする場所、例えば病院の中には、いつも沢山の種類、大量のウイルスなどが漂っている。
(6)無菌のきれいな綿棒が取り出され、「汚い空中」を通過して鼻にたどり着き、鼻毛などに付着している種々のウイルスなどを採取し、再び空中を飛んで、採集され容器に収まる。
(7)採取する者は、手袋を採取する度に変えないので、綿棒を扱う手袋が汚染されている。
(8)綿棒は喉、鼻の奥まで挿入され、その場所のウイルスなどを採取するが、それは本人が既に感染していて、自身の体内で生まれたものか、それとも本人は感染しておらず、外から運ばれてきたのか、分からない。
(9)こうして採取されたウイルスなどの「濃度」は極めて僅かで、機械が検知できないので、「増幅」して何度も増やして、初めてアリ、ナシの判定をする。
(10)どの程度「増幅」すべきか、の判断基準は決まっておらず、適当に決められている。つまり「好ましい正確な結果」は「科学的に任意に」製造できる。
(11)増幅度は30 から40ぐらいがいい、と言われるが、その基準は曖昧故に、その時、場所の政治家、製薬会社の都合・希望が反映される。
(12)つまり、PCR検査の結果が、「陽性」と出ても、被試験者が「武漢菌に感染してウイルスを発散している危険な患者」である可能性は、少ない、極めて少ない。つまり、このPCR検査とは、横浜中華街の高名な占い師の健康鑑定より劣る、と思われる。
占い師は常に顔色、吐く息、脈拍数などの生きた正確な情報を基に推測し処方する。
 世界の良心的な医学者は上記の論理的現実的な「反PCR論」を発表してきたが、最近になって、やっと「もうPCRはやめよう」と言う論調、動きが米国で出てきた。
日本の医学界は非倫理的であるので、いまだに知らんぷり。以前に投稿したが、武漢菌に対する確かな「予防策・薬」は既に存在し、かつ廉価であり、感染した後も、安全で確かに有効な手当て・処方箋は確立されているが、隠蔽されている。
感染したら、「必ず早期に治療」すべきで、何もしない「自宅待機」とは、最悪。生物として生き残るためにも、未来の日本のためにも、お上、お医者先生方に頼らず、各自努力されたし。それは戦後、食べ物も住宅も何も無い時代に政府からの「配給」に頼っていては餓死してしまう。
では、と法を無視して、買い出しに農家を周って、着物や時計を米と交換した。
インフレで円が暴落して、紙切れでは米を譲ってくれなかった。近年、世界中のMMT教徒が貨幣を乱発して、「一時的な」インフレがそろそろ本気に活動し始めたようだ。
世界の政治家・医師・学者・報道者は自ら信用を既に破壊し、金融・貨幣の信用も終わりに近づいている、と思ふ。
臨床医師会FLCCCAの処方箋などを参考されたし。資料の一部を日本語にも翻訳されている。信頼できると言える。
https://covid19criticalcare.com/covid-19-protocols/translations/
 (在米のKM生)

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(読者の声3)闇のくまさんの今日のユーチューブ
https://www.youtube.com/watch?v=5nxZ1Moksrg
に、朝日新聞は、「終戦記念日に考える。日本はなぜ負けたのか。自衛隊に日本のために戦って欲しい。今は自衛隊が戦うべき時」を配信した。朝日新聞さえ、中共が弱っていることを悟ったようだ。
日露戦争前に、七博士が今こそロシアと戦うべしと、滔滔と戦略論を述べた。時の桂首相は、「おいおい、私も戦略を知っている軍人だよ」と苦笑したという。
日本は昔から、政府は弱腰で、民間が好戦的だった。だから、緒戦から強かったのだ。日本も、ようやくというか、危ないというか、先祖返りが始まったようだ。
 (斎藤周吾)

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(読者の声4)アフガニスタンのアメリカ傀儡政権は、「早晩タリバンに攻撃されて潰えるだろう」
 と7月31日発行の貴著『中国の静かなる日本虐殺 2025』(徳間書店)で、予測してありますが、今日その通りに成りました。何時もながら宮崎先生の慧眼には恐れ入っています。ともかくアフガニスタンはタリバンが制圧しましたが、貴誌が予測されるように、2年も経つか経たないうちに、又、主導権争いの内部分裂が始まるでしょう。権力争いばかりせず、教養を高める活動に国力を注ぐべきと思うのですが、地域としては未だ未だ難しい話ですかね。
 日本人の性質を島国根性と見下げた感覚で揶揄する低俗な輩がいますが、陸続きで無かったお陰で、武士・農民をとはず学問を教え学ぶことが出来たのだと思っています。識字率は世界でトップクラスでしょう。日本人に生まれて最高の幸せです。
    (TK生、佐賀)

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(読者の声5)貴誌第7016号、「読者の声2」、IMFのSDR一般配分の「情報」ですが、情報ソースへの「リンク」をご教示、お願い致します。 
(KI生、尼崎市)

(編集部から)御投稿の方、差し支えなればご教示下さい。

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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)8月16日(月曜日)   通巻第7016号  
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~「その後の研究」。アフガニスタンがタリバンに制圧された。これから何がおきるか. 1949年中共、74年エチオピア、75年ベトナム、77年イラン。あの既視感
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 米国が支援した傀儡政権は、その他律的依存と汚職体質によって、モラルが確立されておらず武力闘争には脆弱である。
米軍が引き揚げるか、撤退姿勢をみせると、米国依存の傀儡的な政権は戦意を失い、モラルは忽ち消え失せ、武器の横流しをはじめ、密輸に精を出し、政府高官らは祖国と国民を捨てて脱出の準備に入る。

政府軍の軍人と言っても練度は低く、おおくは員数合わせ、あるいは失業対策で給与に群がってきた人が多く、組織的な行動は不得手であり、また軍事力を統率できる軍人は不在。軍閥のほうが機動力を発揮する。

15日、ガニ大統領はタジキスタンへ逃亡した。前日にジャラジャバードが陥落し、パキスタンとの国境がタリバンに抑えられた。陸路のすべての国境はタリバン支配下に入った。
命を捨てても祖国を守るという発想がないか、あるいは希薄である。寺山修司の詩が脳裏に甦る。「身を捨つるほどの祖国はありや」

 8月12日にヘラートとカンダハルが陥落、15日にマザリ・シャリフが陥落し、ドスタム将軍らは国境から先へ逃亡した。ヘリコプターによる米大使館員の退避が開始された。バイデンは急きょ派遣する米軍を五千名に増やすとした。

 そしてタリバンは無血でカブールへ入城し、大統領府を抑えた。カブールの幹線道路は駐車場と化し、一時間に1メートルも動かない。市民がパニック状態となって町を出ようとしているためだ。ATMには長蛇の列ができた。

 最後の日々を迎えたカブール。そうだ、既視感がある。
 サイゴン陥落前、南ベトナム政府の高官たち、グエン・バン・チュー大統領もグエン・カオキ首相みな、米国へ逃亡した。腐敗の体質に溢れていたが、急な脱出だったらしくせっかく蓄財した金塊を持ち出すいとまはなく、グエン・バン・チューは台湾へ逃亡、その後、ロンドンで清掃業をしていた画面が流れたが、最後は米国へ亡命し病死した。
グエン・カオキ将軍はいち早く米国へ逃げ、貿易で成功したうえ、アメリカ各地に講演旅行に呼ばれるほど一部に人気があった。マレーシアの病院で死去した。

 1949年、米国の誤断によって中国を失った。
ニクソンは言った。「WHO LOST CHINA?」
蒋介石から米国は毛沢東へ乗り換えた。この外交的誤断について、当時も盛んに議論されたが、率直に振り返れば米国の外交の失敗に起因する。
つまり「敵と味方を常に間違える天才」がアメリカ外交である。
 1975年にベトナムが失われ、79年にはイランが、そして2021年にアフガニスタンから米国傀儡政権は消え、タリバン主導の狂信的宗教カルト集団が国を乗っ取る。


 ▼米国を挑発し、泥沼に引きずりこんだのはアルカイーダだった 

 問題は「その後」である。これから何が起きるか?
 南ベトナム崩壊後、ラオス、カンボジアには共産主義が浸透した。そしてベトナムは反中国に、ラオス、カンボジアは中国寄りとなった。
 イランは狂信的カルトが政権を掌握し、すぐにイラン・イラク戦争を始めた。

 アフガニスタンは1989年にソ連が撤退し、それまで米国が支援してきたムジャヒディーンは忽ち反米となって、タリバンが政権を掌握した。

その後はカザフ系、ウズベク系がパシュトーン人と内ゲバを始め、爾来、アフガニスタンは軍閥が地域を統治し、中央政府の行政の及ばない地域ではアルカィーダ、ISが秘密の訓練基地を設営し、跋扈した。オサマ・ビン・ラディンらのテロリストたちを最初はCIAが育てたのだった。

 その後、タリバンへ武器を供与していたのはロシアとイランだった(ネリー・ラフォウド論文『フォーリン・アフェアーズ』2021年9・10月号)。猜疑心の固まり、日常的な裏切り、その残忍さはアレキサンダーが征服した古代から変わらないのである。

 1998年 アルカイーダはケニアの米国大使館を爆破した。224名が犠牲となり負傷者は四千名を超えた。2000年10月、アデンに係留中の米海軍艦船「コール」が爆破された。

 ときのクリントン大統領は報復にトマホークミサイルを50発、アルカイーダの拠点とされたアフガニスタンの基地へ撃ち込んだ。
 そして2001年9月11日、NYの貿易センタービルが、ハイジャックにより凶器と化けた航空機によって破壊され数千名が犠牲となった。


 ▼「テロ戦争」で対応した米国は国力を衰退させた

 この怒りを爆発させるためにアメリカはアフガニスタンへの空爆を開始して、テロ戦争は長引くとブッシュジュニア大統領は宣言した。
大軍をアフガニスタンへ投下し、二十年の歳月が流れた。米軍が駐留する限り、地域は安定し、イスラムの反中国集団が暗躍しても限界があり、むしろ安心していたのは中国だった。

 米国は過去二十年に亘って、およそ1兆ドルをアフガニスタンに投じ、インフラ建設を手助けし、戦闘では多くの犠牲を払い、そして得たものは何もなく、却ってNATO諸国などとの心理的溝が拡大した。
米国は肝心の国力を衰退させ、士気は低下し、疲れ果てた。この二十年に中国は経済大国として刮目するべきほどにのし上がった。

 これからどうなる?
 第一にタリバンを誰が率いるのか? オマル師はすでに不在である。タリバンを代表する幹部らはカタールに和平交渉のオフィスを構え、イラン、中国などと交渉をしてきたが、この協議機関は、これからどうなるのか。
 パキスタン情報に拠れば、タリバンを2016年以来、最高指導者として統率してきたのはハイバトラ・アフンドザタと言われる謎の人物。軍の最高司令官はオマル師の息子のヤクブとされるが、飾りでしかない。
 タリバンはカンダハルで誕生した。このカンダハル軍閥を率いるのはバラダール師で、カタールのタリバンオフィスを代表する。
 また自爆テロ、海外テロを行っているのは「ハカニ・ネットワーク」で、この集団をまとめるのが副最高司令官のシラジデン・ハカニと推定されている。
 
 第二に当面は連立政権が組まれることになると思われるが、軍閥の呉越同舟となり、いずれ内ゲバを始めるだろう。前政府はガニ大統領の逃亡によって、臨時代行を誰が務めるのか。引き継ぎチームを率いるのはアリ・アーマド・ジャラリ前内相と発表されているが、アブドーラ元外相(元副大統領、行政長官)が表にでてくる可能性もある。アブドーラは過去二回の大統領選挙でガニに僅差で敗れているが、不正投票だとして、現在も「影の大統領」を自認している。カルザイ初代大統領の影もちらついている。
 英国のジョンソン首相はタリバンを外交承認することはないと言明し、新政府の誕生を見守るとしているが、大半の西側諸国も、当面、タリバン承認はしないだろう。

 
 ▼中国はタリバンに大々的な投資を約束したらしい

 第三にタリバンが内部崩壊を防ぐには新しい敵が必要であり、それがイスラム弾圧の中国へ向かう公算が強い。中国は揉み手してタリバンに薄笑いを浮かべながらちかづくだろう。
 先月、中国はタリバン幹部9名を天津に招き、王毅外相と会談したが、ETIM分子の摘発をタリバンは約束したという。見返りに中国はどのような土産をタリバンに与えたのか。なにがしかの密約が成立した筈である。

 第四にイランは同じイスラムカルトの政権を歓迎すると予測する向きが多いが、タリバンはスンニ派である。アフガニスタン国内に少数のハザラ人がいるが、彼らだけがシーア派とされる。したがってイランとアフガニスタン関係は緊密にはならないだろう。

 第五にロシアは、隣国タジキスタンから動向を見極めつつ、有利と判断すれば介入するだろう。げんにロシア軍およそ七千名がタジキスタンに駐屯しており、また難民キャンプ設営を終えて、十万人収容と発表されている。

 第六にパキスタンは難民問題に悩まされ、また国内がスパイ合戦と代理戦争の基地化するだろう。パキスタン軍部はタリバンと舞台裏で緊密に繋がっているとされ、イスラン・カーン政権とは距離を置いて独自の諜報作戦を行使する。

 第七にインドの関心事はパキスタンの動向と中国国境での軍事対決にあり、アフガニスタンにチャンスがあれば介入するだろう。インド企業のアフガニスタン投資も目立つが、インドにとってアフガニスタンはパキスタン、タジキスタン、キリギス、ウズベキスタン、イランと国境を接する地政学上の要衝であり、国家安全保障上、つねに監視対象である。
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    樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 
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樋泉克夫のコラム 
@@@@@@@@   【知道中国 2262回】               
 ──英国殖民地だった頃・・・香港での日々(香港144)

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 民主派からすれば、弾圧の張本人の口から飛び出した「香港における民主法治の推進を断固として支持する」など片腹痛い、いや怒り心頭に違いない。
だが、ここで習近平の「民主法治」は習独自のものであり、一般普遍的なそれを指してはいないことに気づくべきだ。

 また習近平は自らの政治姿勢を「以法治国」で表現するが、この場合の「法」も「民主法治」と同じで普遍的な法を指し示しているわけではない。

 習近平の説く「民主法治」の「法」、あるいは「以法治国」の「法」を例えるなら、『三国演義』のなかで苦境に陥った曹操が口にした「寧可我負天下人、天下人不負我(オレは天下に背いても、天下をオレに歯向かわせない)」であり、大躍進失敗の責任を問われた時に毛沢東が傲然と言い放ったと伝えられる「私は人の話を聞かない」のそれである。

 もはや多くを語る必要はないだろう。香港から馳せ参じた越後屋を前にしてオ殿サマが口にした「民主法治」は香港でオレに背く行為は一切許さない。言い換えるなら究極の人治を指す。かくて上記の1と1を承認するなら、3を保障する。いわば「人治」の徹底を越後屋に申し渡したも同じであった。

 「香港の長期安定と繁栄」を生命線としている越後屋にしてみれば、オ殿サマに盾突いたってロクなことはない。それは80年代半ば以降の事実が物語っている。
オ殿サマの逆鱗に触れたことで「共産党政権御用達」のカンバンを取り上げられ、中国市場での動きを急激にダウンさせざるを得なかった胡應湘や田北俊のような企業家もいたわけだから、恭順の意を示しておくのが得策と言うもの。
やはり義侠心やら正義感、はては民主など越後屋に似つかわしくない。そこで、支配されながら支配するという越後屋の「常道」を突き進む道を選んだということだろう。

 かくて2014年9月22日に「雨傘革命」の命運は決まってしまった。北京におけるオ殿サマと越後屋の闇取引を知ってか知らずか、6日後の9月28日、若者は街頭行動に打って出た。
だが、オ殿サマと越後屋が手打ちを済ませてしまっているからには、どう足掻こうが「雨傘革命」の頓挫は始まる前から約束されていたも同然だった。

 ここで李嘉誠を筆頭とする「香港工商専業訪京団」の主要メンバーを拾っておくと、李兆基、郭鶴年、呉光正、呂志和、鄭家純、李国宝、黄志祥、陳啓宗、李家傑、陳有慶、馮国経、王冬勝、馬澄坤、楊?、霍震寰、楊孫西、何超瓊、梁振英、許栄茂など。

 彼らの多くは「過渡期」に設けられた各種委員会に名を連ね、香港明天更好基金会に大枚を持ち寄り、北京主導の返還作業に参画し、側面支援を尽くし、かくして中国ビジネスを積極的に展開させることができたわけだ。
 彼らが経営する企業の2014年10月前後の株式時価額を総計するなら、なんと香港の株式市場の3分の2前後を占めていた。

 ここで敢えて指摘しておきたいのは、彼らは例外なくオーナー経営者であると言う点である。
オーナー経営者であればこそ、所謂「モノ言う株主」なんぞ大して気にはならない。黙らせればいいわけだから、越後屋は自分の思うがままに商いに徹すればいいだけのこと。

 すでに記しておいたように、「地産覇権」の4文字で形容される香港社会は、中央の共産党政権(下請けとしての特区政府)=政治(A)、経済界(より直截に指摘すれば香港工商専業訪京団)=経済(B)、一般住民の意思=民意(C)の3者で構成されているわけだ。Aは強権を、Bは自らの企業収益を、Cは自由(=政治への民意の反映)を求める。
つまりA、B、Cの3者は「三つ巴」の状態にある。AとCとが同一歩調を取ってBに経済の、あるいはBとCとが協力してAに政治の、それぞれの独占状況の『革命的解体』を迫るとも思えない。
かくてA+B>Cという構図が崩せない。香港が抱える不都合な真実である。
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~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)8月15日の感想です。「日本人の歴史の思考停止からの解放」
 1.区切りをつける。毎年大東亜戦争の慰霊祭をやっているが、もう区切りをつけるべきだ。日本に新しい危機が迫っているからだ。これは危機に備えることが第一で慰霊は第二ということだ。英霊もそれを望んでおられる。目を覚まそう。
 2.日本が正しい。大戦の因果関係を整理すると、敗戦したが正しい戦争だった。戦争の勝敗は善悪ではなく強弱だ。その鍵は原爆だった。日本が原爆を開発していれば戦争は起きなかった(パキスタン大統領談)。これが結論であり対策だ。
3.原罪工作にだまされない。敗戦に善悪を持ち込むのは、敗戦を日本人の原罪とし、道徳的に上に立とうとする陰謀だから騙されてはならない。その証拠に彼らの歴史には大悪魔スターリンがいない。第二次大戦唯一の勝利者はスターリンだったと、米軍のシナ派遣軍総司令官ウェデマイヤー将軍が記している。日本は米ソの被害者だ。
 4.レバタラ歴史観は時間の無駄。相手もレバタラと気づくと白昼夢と分かる。時間の無駄だから止めよう。歴史は一回きりで再現されることはない。
 5.参考書紹介
近代史を知るには、大東亜戦争については、拙著「黒幕はスターリンだった」,シナ事変と中共は「中共の正体」が役立つだろう。既刊の歴史書にない新しい史料による合理的な歴史の因果関係が分析されている。
なお「中共の正体」は、アパの第三回日本最高大賞の優秀賞を受賞した。シナ事変の原因は満州事変ではなくスターリンの指示による毛沢東の西安事件だったのだ。
(落合道夫) 

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(読者の声2)[途上国の支那債務を先進国が大規模肩代りへ]
 支那は一帯一路の看板の元、莫大な資金を途上国に貸付けているのは、皆様、ご存じの通りと思います。悪辣にも、返済できなくなると港湾施設や鉱物資源を巻き上げていました。
昨今、ようやく、途上国の中には支那債務を踏倒す動きも出てきていると聴き及び、支那に打撃を与えられると、すこぶる喜んでおりました。
 ところが、途上国の支那への債務を先進国が中心になって大規模に肩代わりする仕組みが8月初めに承認されています。
 具体的には国際通貨基金(IMF)による特別引出権 (SDR)の一般配分のことです。IMFは過去最大となる6500億ドルものSDRを無償で途上国に配分することを決定しています。
 途上国に配分されるのはうち2740億ドル分で、何の貸付条件もないまま、ドルや円など自由利用通貨に交換し、こうしたハード・カレンシー通貨を0.05%の金利で借入れることができます。
 途上国が支那から借りている資金の金利は6%~2%ですから、途上国は配分を受けたSDRで支那への債務を弁済することはほぼ間違いないとみられます。支那に代わって途上国に融資の肩代わりをするのは日米などの先進国です。
 これにより、支那は途上国の踏み倒しリスクを先進国に押付け、財務も改善するので、踏倒されて困窮するどころか、ますます、悪辣な途上国融資を推進することができるようになります。
 今回のSDR一般配分の最大の受益者が支那であることは、拒否権を持ち、阻止できる立場にあった米国国内ではそれなりに議論されており、共和党を中心にした抵抗勢力も存在していました。
ところが、バイデン民主党勢力に押し切られたようです。
 SDR一般配分承認の事件は、バイデンがその息子ルートですでに買収済みとなっていることをはっきりと示す事件と言えます。
国際金融の枠組みの中でも、極めて技術的・専門的な支那支援手法であり、日本の新聞記者なんかにはチンプンカンプンなのでしょう。
それとも、オリンピックで忙しかったのか分りませんが、国内ではまったく報道されません。本件は実に腹立たしいことですので、皆様にはご報告させてもらいたいと思いました。
  (匿名希望)

(宮崎正弘のコメント)東京五輪とアフガニスタンの影に隠れましたが、たいへん重要な御指摘です。
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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)8月15日(日曜日。終戦から76年)
通巻第7015号  
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~パキスタンの中国人労働者標的のバス爆破テロは自爆テロだった
  背後にインドとアフガニスタンの情報組織が関与とパキスタン外相
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 8月12日にロイターのインタビューに応じたパキスタンのクレシ外相は「7月14日に起きたバス爆破テロは、アフガニスタンで訓練を受けた外国人であり、犯行声明を出したTTPがIS(イスラム国)ならびにアルカィーダと繋っている証拠が認められた」と発言した。ヴィデオや携帯電話の通話記録などから判明したという。
 さらにクレシは、「背後にはインドの情報機関RAWとアフガニスタンのNDSが関与している」と爆弾発言に及んだ。

なぜインドとアフガンが?
 インドのRAW(探求分析局)は、Reseach & Analysis Wingの略称で、植民地時代から強力な情報網で知られる。印度版CIAである。
 またアフガニスタンのNDS(国家保安局)は、戦争を遂行している国であるだけに、情報、諜報能力はそれなりに高く、最近の実績は中国人スパイ10名を逮捕したことだ。

 アフガニスタンにおける中国人スパイが何をしていたか?
 偽ETIM(東トルキスタン独立運動)を名乗って、戦士を募集し、地下組織へ潜り込ませる作戦など、巧妙な単位をアフガニスタンに構築し、ウイグルへ潜入を図る反中国活動家の洗い出しをしていたという(パキスタン英字紙『ドーン』)。

 バス爆破テロで殺害された中国人労働者エンジニアは9名だが、中国は特別調査チームを派遣していた。
現場は中国の国家プロジェクト「一帯一路」の目玉であるCPEC(中国パキスタン経済回廊)の一環としてのダス・ダム建設現場に近いところ。

 中国人労働者らは次のテロを懼れ、現在、飯場から建設サイト往復にしか就かないパキスタン軍の警備強化を要求しているという。
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  樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 
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樋泉克夫のコラム 
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 ──英国殖民地だった頃・・・香港での日々(香港143)

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「そうか、越後屋がのう。なかなかヤルわい」などと鷹揚に構える。
だから李嘉誠に向かっては、「貴公、白皮猪(イギリス人)なんぞとワルサをしておるのか・・・え~い、拙者の顔のドロを塗る気か」などとヤボなことは言うはずもない。なぜならオ殿サマと越後屋はワンセットであり、いずれの片方がいなくても、芝居は成り立たないからである。

かくて太っ腹に、「結構、けっこう。大いにやってくれ。ヤツラから巻き上げられるだけ巻き上げるがヨカロウぞ! グーの音の出ないほどに痛めつけてやってくれ。それこそがアヘン戦争以来わが民族が被った屈辱へのお返し。雪辱というものだ。倍返しだ!」と太っ腹。これが共産党得意の統一戦線工作のキモというものだろう。

 李嘉誠のみならず、ここに列記した企業家が返還バブルで資産を一気に増やしただけではなく、愛国商人の看板を背負って中国市場に雪崩れ込んだ。
 地方幹部が無理無体を押し付け、横暴に振る舞ったら、当然のようにオ殿サマの印籠を持ち出し、「え~い無礼者、下がれ下がれ、この印籠が目に入らぬか!」である。
 もちろん印籠にはクワにハンマーの共産党の「家紋」が記されていて絶対無敵。幹部とはいえ地方で燻ぶっているヤツなんぞ、しょせんは北京のオ殿サマには弱い。かくて越後屋はウハウハの大儲けとなるカラクリだ。

 ここで大川博(ひろし)チョフ全盛時代の東映映画「七つの顔の男シリーズ」で片岡千恵蔵が演じる多羅尾伴内の決めセリフに倣うなら、「ある時は実直な商人、ある時は血も涙もない守銭奴、ある時は全財産を投げうって困窮者・社会的弱者救済に尽くす全身慈善家、ある時は芸能人相手にスキャンダルをまき散らす嫌味な遊び人、ある時は国民党支援者、ある時はカジノの胴元、ある時は民主化運動に尽燃える若者のパトロン、ある時は祖国の繁栄への貢献を熱望する愛国商人・・・して、その実態は香港の企業家」となるような。

 このカラクリが分からない限り、香港における民主派弾圧に対する義憤は空回りするばかり。時に戯憤、あるいは偽憤、さらには擬憤で終わりかねないのである。

 さて軽口はこの辺で止めて、事実を示しておきたい。そこで時空を一気に飛び越えて、視線を2014年9月22日の北京へ・・・。
 ここで改めて確認しておきたいのは、この日は、「雨傘革命」を掲げた学生たちが街頭占拠行動に踏み切った6日前ということ。いわば学生たちが表明した実力行使開始予定日の6日前に、オ殿サマと越後屋は北京で「密談」を交わしていたのである。

 9月22日、習近平政権は香港の有力企業家で構成された「香港工商専業訪京団」──代表は経済人のトップである長江実業グループ創設者の李嘉誠。総勢で70人ほど──を北京に招き寄せていたのだ。

 一行の先導役を務めたのは初代行政長官で、2期目の途中で失政を理由に胡錦濤政権から詰め腹を切らされ、香港住民からは「デクの坊」と無能者呼ばわりされた董建華。この時の肩書は全国政協副主席だから、出世したものだ。

 一行を待ち構えていたのは北京のオ殿サマ、つまり習近平国家主席でなければならなかった。彼は中央政府部内の香港問題担当者──張徳江(全人代常務委員会委員長)、李源朝(国家副主席)、栗戦書(中共中央弁公室主任)、楊潔?(外交担当国務委員)、王光亜(国務院港澳弁公室主任)、張曉明(中央人民政府駐香港特別行政区連絡弁公室主任)、李飛(全人代常務委員会副委員長)──を従え、香港から馳せ参じた企業家たちの前に立ち、「雨傘革命」に対処するための次の「三大原則」を伝えたのである。

 曰く、中央政府は1「一国両制」を貫徹し香港基本法を断固として守る、2[香港における民主法治の推進を断固として支持する]3[香港の長期安定と繁栄は断固として維持する──である。

 これを言い換えるなら、香港における学生ら民主派の要求は一切認めない。彼らの「
策動」は断固として粉砕するという厳然たる決意の表明になったわけだ。
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~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)次回の『宮崎正弘の生インタビュー』(生放送、未来ネット)は8月27日1600の予定です。ゲストは静岡大学教授の楊海英先生です。ご期待下さい。
 番組見本 ↓
 https://www.youtube.com/watch?v=E_caRIzSJmQ


 (未来ネット。旧『林原チャンネル』)
         
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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)8月14日(土曜日)   通巻第7014号  
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~しびれを切らしたパキスタン。領事館から館員を減らし「カブールへ移れ」
  「ヘラートの獅子」イスマイリ・カーンをタリバンが拘束
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 パキスタンのイムラン・カーン首相は唸った。「バイデン米大統領からの電話を待っているのではない」。
 パキスタン外務省はマザリ・シャリフとヘラートに置いているパキスタン領事館の館員を減らし、カブールの大使館へ移動せよと命じた。

 パキスタンはタリバンと濃密な接触があり、ガニ政権との連立政権の提案も行ったらしいが、タリバンから拒絶されたことも明らかにしている。欧米はパキスタンが背後でタリバンを支援しているとみて、信頼していない。

 8月12日のヘラート攻防戦で、「ヘラートの獅子」とタリバンが一目置いたイスマイリ・カーンが拘束された。タリバンが正式に発表した。嘗て勇猛果敢な北部同盟の闘将として、無尽の武闘を繰り返した軍閥の首魁が、拘束されたことはカブール政権に甚大なパニックを運んだようだ。

 アフガニスタンとの国境クエッタの検問所は、7月17日に再開していたが、8月13日に再度閉鎖に踏み切った。パキスタンはアフガニスタン難民に対してIDカードと難民証明を発行しており、ヴィザ不要の措置を取っていたが、混乱を招きかねず、またスパイやテロリストの混入の可能性もあるとして国境門を閉めた。外国人ジャーナリストが逃げ込んだ場合は例外的措置をとるとした。

 あまりに迅速なタリバンの攻撃によりアフガニスタン政府軍はまともな反撃も出来ず、空爆の効果も挙げていない。米軍高官が懸念したように「飛行機をまともに飛ばせるか疑問だ」との予告は当たった。
 米国は過去二十年間に、のべ8300億ドルをアフガニスタン政府軍に供与し、訓練してきた。30万人もいるアフガニスタン政府軍は役に立たなかった。

 タリバンはアフガニスタン政府軍が残した米軍戦車、装甲車、M16、ドローンなどを次々と「ろかく」しており、さらにはヘラートとカンダヘルの刑務所を開放し、囚人を兵士として徴用しているという。

 また制圧した州の知事後者や公共施設を占拠し、陣地を構築している。政府および米軍に協力した者は銃殺されていると欧米メディアは伝えている。

 難民はすでにイラン国境に60万人と伝えられ、国際組織の救援の手は行き届いていない。

 
 ▼カブールへの戦略的要衝ガジニも陥落。カブールは目の前に

 8月12日にカブールの南西130キロにあるガジニが陥落し、タリバンの支配区となった。
これは首都カブールとカンダハルを結ぶ幹線道路の要衝にあり、米軍が一部空爆支援をしたというが、間に合わなかった。

 米国は、アフガニスタン在住の米国人は、政府救援機をたよらず、あらゆる手段で脱出せよと助言をだしている。
ドイツとオランダが同様な措置を取った。
 
英国も急きょ、600名の兵員を派遣し大使館徹底の支援を展開する。英軍は2014年以来、457名の犠牲を出したが、米に協力してきた。カナダも緊急に特殊部隊を派兵する。

 インドはアフガニスタンとの間にパキスタンが緩衝地帯のように横たわるため、多少のゆとりはあるが、懸念しているのはガニ政権下で合意し、インド企業が建設をすすめるサルマ・ダムの行方である。
インドは、このプロジェクトに3億ドルを投資している。
中国が開発していた鉱山は操業を停止し、中国人は殆どが帰国した。

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~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~この一年で9万人が香港を捨てて外国へ出た。人口は1・3%減った
  香港の図書館から自由、民主、法治、台湾の本が消えた
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 コロナ災禍で飛行機の欠航が多いにもかかわらず、香港から諸外国、とくに英国へ向かう便は満席状態が続いている。およそ9万人の香港人が、自由のなくなった香港を捨てた。

 空港には荷物を一杯にした若者、とくにカップル、子連れの姿が目立ち、積極的に香港市民を受け入れている英国に向かう。
 べつに英国で就職先が決まっているわけでもないが、ロンドンなどでは就労斡旋、住居支援などのボランティア団体が、到着する香港人も面倒を見ている。

 香港の図書館からは夥しい書籍が消えて、本箱はがらんどうになった。台湾関連本のみならず自由、法治、民主、人権を論じた書籍が消えたのだ。もちろんオーエルの『1984』は入手が難しくなっている。
 自主規制による処分なのか、展示禁止書籍リストが出回っているというが、言論弾圧もここまでくると陰湿である。
 
 まだ香港に留まっている外国企業も、近く撤退予定、いずれ退去などを含めて60%前後の企業は香港脱出を考えているとアンケートに答えている。 
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  読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)9月11日は米国の命日。20年前、極めて超厳選された超限戦が超超低価格で米国の都市が破壊された。その対効果比率はおそらく人類史上、最高だろう。何しろ民間企業の複数の飛行機を巨大な兵器に「易々と改造」して使い、脆弱な超高層ビルを、主に自然の何処にもある「重力」を使って「タダで」破壊してしまった。そのわずか1日、数時間の、数人の便衣兵による「勝利の戦果」その波及効果は凄まじく、数百兆円程度の被害となった。
 その卑怯な、(真珠湾攻撃の再来、と繰り返し報道された)開戦によって、誰が「敵」なのかよく分からないまま、政治家は「何かしない」と次の選挙が懸念され、「とにかく、とりあえず」アフガニスタンに出かける事にした。
またしても日本とドイツが良い生徒、「民主主義へ改心」した例として讃えられ、かなり耶蘇教的な、異邦人イスラム教徒に民主主義教信仰を広めに出かける。
そして米国史上最長の過去20年間、米国の若者2500名の命、2万人の負傷者、100兆円の軍事費、を無駄にした。大統領と自称するバイデン氏は、軍を来月の命日までに撤退すると宣言した。つまり、ベトナム戦争で犯した「同じ過ちを繰り返した」。
 米国の軍は極めて合理的近代的で多くの研究・軍事費が使われ、国民からも信頼されている。インターネットも宇宙産業も元は軍事から開発された。
なぜ同じ過ちが繰り返されるのか。
官民、大小を問わず、「組織の慣性」と「生態学的な生存本能」がその原因。
60年前に、軍人であるアイゼンハワー氏は退官にあたって、「軍産共同体」つまり軍の産業と政府の癒着・談合の文化の危険を長々と公式にテレビで、国民に直接訴えた。氏の解析と提言は無念にも実現するどころか、現在、教育、報道なども嬉々として参加して、ほぼ完璧な全体主義共同体を形成し、「静かなる反乱・浸透」によって大統領さえも潰してしまった。
腐敗・荒廃した国の代表が後期の認知症患者であることは極めて象徴的である。
 そんな国に日本の国防・存在・経済・外交を完璧に依存する。じゃあ、しょうがないけど乗り換えて、支那にお任せします、と言うのが自民、公明、その他の財界、経済界の指導者方の方針。
さらに、武漢菌という生物兵器が参戦してきた。今回はどんな「神風」が日本を救ってくださるのだろうか。待っていただけでは、祈っても、吹いてこない、と思ふ。
(在米のKM生)


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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)8月13日(金曜日)弐   通巻第7013号  
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~バイデンの周章狼狽、海兵隊歩兵大隊など急きょアフガニスタンへ派遣
  米兵五千はクエートとカタールに待機。最後の日が目の前にきた
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 アフガニスタンのカブール陥落はどうやら秒読みである。
 クンダスにつづき、ヘラートとカンダハルがタリバンに陥落した模様だ。軍閥を率いるイスマイリ・カーンとドスタム将軍の消息が不明になった(8月12日現在)。

 米軍は、梃子入れしてきたアフガニスタン政府軍で、半年はもつと予測したが、先週は「あと90日以内に陥落するだろう」と見通しを早めた。
 巨額を投資しアフガニスタン政府軍を育成したが、地方軍閥や官吏たちはタリバンと裏で繋がっているうえ、米軍から供与された武器を横流ししている。
このため、政府軍はまるで役に立たない上、すでにタリバンの迅速な進撃を前にして士気を失っている。各地の役所はもぬけの殻になっている。

 8月13日現在、アフガニスタンには650名の米軍が大使館、ならび国際空港の安全確保のために留まっている。
大使館員とその現地従業員、民間の下請け業ならびに米軍の通訳などで協力したアフガニスタン人の退避という作業が残っている。
 土壇場ではガニ大統領らも引き受けるのだろう。

 ペンタゴンは海兵隊の歩兵大隊と陸軍から戦闘団など、3000名を急派するとした。またクエートに3000から4000名の米兵を待機させ、カタールにも千名を派兵する。合計五千名だ。カタールではアフガニスタンからの米軍協力者を収容するためである。
ウォールストリートジャーナル(8月12日)は、合計8000名の米兵が最後の撤退作戦のために派遣されると報じている。

 また米国はトルコとカブール國際空港の警備、安全確保のための残留を要請してきたが、エルドアン政権は「財政的負担で折り合っていない」としている。土壇場の駆け引きも続いている。

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  読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)貴誌8月13日 通巻第7012号  「新任の秦剛(駐米中国大使)がワシントンで話し合いを始めたイエーレン米国財務長官が近く訪中の観測」を大変興味深く拝読しました。
記憶が定かではないのですが三年前に投稿した「フランスのルイ14世が莫大な借金を残して1715年に亡くなり、オルレアン公フィリップはジョン・ロー
のアイディアを採用し、借金の解消・軽減を図った。それは簡単に言えばミシシッピー会社の株式をフランスの債務と交換に販売するというモノ。これは債務を資産に転換する画期的なアイディアで大成功を収めた。しかし肝心のミシシッピー会社は全く投資に見合う利益を創出できるものではなかった。それ故結果的に国債所有者は、株価が暴落し、ルイ14世の生んだ借金を民間が肩代わりし、大損したことになった」
を想起しました。

 ジョンローのアイディアは「価値イコール貨幣・通貨であるとみなす」社会に「やは
り価値イコール貨幣・通貨ではない」を持ち込んだ、典型的というべきか、ジョンローがそれを理解していたか否かはわかりませんが、旧来の経済学が内包するその「怪しさ」(=「戦後支配の正体1945~2020」宮崎正弘・渡邊惣樹著、)を知り尽くしていた最初のヒトのような気がします。
そのからくりを端的に言えば「借金の解消を図るには、(価値のように)価格が常に定まらないことを当事者が認めている金融商品・理財商品・無形資産など
などを、貨幣通貨と交換してしまえば良い」ということ。もう少し砕いていえば例えば株式などは、ある時は高価であるが、人間の心の移ろいによっては 無料にもなり得ることを、「完全に承知している」ことを前提に存在しているのですが、この移ろいを前提とする根拠は、価値は決して固定化できないもの、つまり「価値イコール貨幣・通貨ではない」ということなのです。従い株を買う人は「価値はゼロにもなりうる」ことの世界に「価値イコール貨幣・通貨とみなす」世界から、「移り住んだ」ことを示しています。

ジョンローの場合はその対象が、ミシシッピー会社にかぎられていましたが、今の中国はトウ小平以来存在してきた資産が対象になっていると理解すれば、そのメカニズムのわかりずらさは氷解するとおもいます。
もっと簡潔に言えば「MMTのように『価値イコール貨幣・通貨とみなす』のもとに動いてきた資本主義経済社会は『価値イコール通貨・貨幣ではない』という現実(=真実)に「冷や水をかけられ」、その現実に即した経済体制に移行し始めざるを得なくなった、と言えるのだと思います。
(SSA生)

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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)8月13日(金曜日)   通巻第7012号  
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~新任の秦剛(駐米中国大使)がワシントンで話し合いを始めた
  イエーレン米国財務長官が近く訪中の観測
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 イエーレン米国財務長官が訪中する予定という。
 8月12日にブルームバーグが報じたが、財務省のリリー・アダムズ報道官は、「イエーレン長官が秋に中国を訪問する計画はない」と否定した。もし訪中となれば、現職閣僚だから、バイデン政権では最高位の訪問となる。
情報通が解説するには「長官訪中の場合、気候変動対策など米中共通の課題のほか、貿易などの協議が目的となる」とし、対談相手は劉鶴副首相だろうとした。

しかし、先のシェルマン国務副長官の訪中は中国側が罵倒を繰り返し、天津に留め置いて、文句ばかりを並べて追い返した。米国は相当の不快感を抱いたが、同時に中国はまったく譲歩する姿勢にないことを掌握した。

イエーレン米国財務省官はFRB議長を務めた金融、財務のベテランであり、現在のバイデン政権が進めているバラマキ路線の中枢にいる。
彼女が中国へ行って知りたいことは、第一にデジタル人民元の本気度と、その可能性、そして米国はいかに対応するべきかのヒントを得ることだろう。というのもブレトンウッズ体制下のドル覇権が何時まで維持できるかという米国の戦略に絡むからだ。
 第二に中国企業のウォール街への上場がピタリ止んでいることと、中国企業の社債償還、株式市場の下落予測などの参考となる実態を把握することだろう。二年以内に230兆円の償還がくる中国の債券市場はパニックを回避できるか、どうか。
 第三に中国共産党は教育産業の予備校や、ゲーム産業は不健全として市場介入を間接的に行ったが、この悪影響が中国国内ばかりか、すでに日本のソフトバンクGや楽天に甚大な悪影響が出ており、市場の今後の予測に繋がる。

 中国は世界に先駈けて「デジタル人民元」を普及せんと実験を繰り返している。そのうえで、潜在的な阻害要因を駆除しており、例えば、ビットコインなどの暗号通貨の取引所を閉鎖した。
 中国人はビットコインに集中的に投機してきたため、世界シェアは80%にも及び、同時にビットコイン現金化闇市場も出現した。顧客のなかにはハッカーで稼ぐ北朝鮮の集団があった。また電力消費が膨大なため、国内取引所を畳み、米国テキサス州へ移動する「業者」も目立つようになった。

 またアリババ、テンセントのモバイル決済は国民から支持されており、最初は奨励してきた中国共産党だったが、データ管理とデータ流失に問題があるとして、規制を強化した。デジタル人民元を世界市場に普及させ、国家がそのデータを管理すると中国の全体主義体制は、管理監査が完璧となる。しかし、そうした中国の目標は可能なのか、どうか。
 
 デジタル通貨は国際的流通性を獲得すれば、当該国の通貨管理、すなわち通貨発行という主権はどうなるか。
仮想通貨は、ドル基軸の世銀IMF体制と、どういう整合性を取るのか、デジタル人民元などの仮想通貨は、どうやってドルと交換できるのかという問題だ。こうした重要な問題で米中は突っ込んだ話し合いをしていない。

▼二年以内の中国国有企業の社債償還は230兆円
 
 昨秋から噂されたデベロッパー大手の「恒大集団」が債務危機に陥って中国の不動産業界は青ざめた。香港では開発中のマンション販売に関して、主幹事のHSBCは住宅ローンを停止した。広東省では広発銀行の要請により二軒のマンション開発販売を停止した。
 恒大集団は全物件を30%割引で販売して手元現金をかき集めた。償還の迫った社債のために急いだが恒大の社債は金利が14%に跳ね上がった。
 恒大集団の倒産が秒読みだということではなく、GDP躍進の基軸だった不動産ビジネスが本当に危殆に瀕しているのであり、値崩れのあと住宅ローン、個人破産のラッシュとなるだろう。

すでに北京大学系の方正集団や、鳴り物入り国策企業だった紫光集団が外貨建て社債をデフォルト(13億元)。王岐山系といわれる海南集団は事実上倒産している。
 ほかにも華夏幸福基業(157億元の債務不履行だった)、天津地産が社債デフォルト。
 2021年第一四半期だけでも格力電器などがデフォルトをやらかし、前期比で24・3%の増加、合計で61社の社債が紙くずとなった(2020年は通年で142社の社債が紙くずに化けた。このペースだと、今年は240社以上になる)。
 このため新規に社債の起債もしくはCP(コマーシャルペーパー)の発行を予定していた248社が社債発行を見送った。
 
 国有企業大手も債務不履行危機が近いとされ、国家鉄路集団が900億元、国家電網が140億元の社債残高を抱えるなど公的企業の債務は、6000億元とされる。
 23年までに償還時期が来る債務は邦貨換算で230兆円。このうちドル建て社債は1720億ドル(19兆円)で全体の8・3%。西側投資家の杞憂は後者のデフォルトだ。
 
 ▼ウォール街の関心事は中国の株価の行方だ

 イエーレンはFRB議長と財務省との格差をわきまえている。財務省はドル札を印刷し、そのグリーンバックにサインをするのは大統領ではなく財務長官の特権である。
 米国の投資家やファンド筋は、これまでにも中国株式で大いに潤ってきた。とくにゴールドマンサックスなど証券会社は、上場の主幹事となることで、巨額の手数料を稼いできた。だからこそ中国の最近の動きが気になるのだ。

 滴滴(DIDI)は6月30日にNY市場に上場し、予定価格14ドルのところ、初値が18ドル。時価総額はいきなり7兆5700億円となった。
四日後、中国はDIDIの審査に入ったため株価は暴落した。7月9日の時価総額はピークから2兆3000億円ほど減らして、5兆2000億円ほどになった。
 ついで7月26日、学習塾規制強化により、香港株式市場で中国教育銘柄の株価が半値以下に暴落した。新東方教育科技などはオンライン個別指導で業績を伸ばしたが、いきなり47%下落した。四日間続いた続落で中国の株式市場から6兆3000億円弱が蒸発した。
 中国当局は学習塾、補習斑、家庭教師センターなど「教育産業は利益追求であってはならない」とし、「免許交付を新ルールにかえる」とした。

 中国の教育産業界は大学進学率の急上昇(ことしの大卒は909万人)に伴い、たとえば、宿題アプリで急発展してきた「猿輔導」は、時価総額1・6兆円。昨年に猿輔導が上場した折には、2300億円をかき集めた。教育補習など広く利用されるアプリゆえに利用者は四億人を超えたという。
 この当局の措置により、大手のTAL(米国でも上場)の株価は71%の暴落、「GAOTU TECHEDU」が53%、新東方教育が41%の下落と、いずれも土石流被害は甚大。付帯して校舎賃貸オーナーから参考書出版社、流通など、猛烈な被害がでるが、じつは出資側のほうの被害がもっと大きい。

 補習産業の急伸ぶりをみてアリババ、テンセント、バイトダンスなど中国の大手ベンチャーはファンドを通じて教育産業に投資した。2020年だけで、この業界には100億ドルもの巨額が雪崩れ込んで、まるでマネーゲーム。教育者としてはふさわしくない行為に目が眩んでいたことも事実ではある。

 そして中国はセキュリティ安全法の観点から新規海外上場を規制するとした。上場に際して幹事行となると、膨大な手数料を手中にできるのが、ゴールドマンサックス、JPモルガンなどのウォール街の禿鷹金融軍団だから、錬金術の手伝いが出来ないとなれば、また次の手口を考えなければならなくなる。
 ラッキン珈琲の不正経理、水増し決算による上場は、投資家が大損をしたと言われ、中国企業への不信感の増大、中国企業の社債格付けの劣化などから、ファンドの投資マインド後退とともに、中国企業そのものが上場を延期、もしくは取りやめも目立つ。

 中国の習近平にとってみれば、中国のエクサレントカンパニィが、そろいもそろって自国では上場せず、中国を避けてNY市場で資金調達する行為そのものが、共産党統治を馬鹿にしている証拠だといきり立っている。しかしながら、それこそが中国の金融への国際的評価であり、客観的状況だといえる。中国側からみると、海外へ中国の情報が漏洩する安全保障上のリスクがあるとも考える。NY上場の中国企業は400社、これからの運命は? 
 7月29日、米上院議員らSECにNY上場のすべての中国企業を調査せよと要求した。

 正反対の動きがある。
 第一に米国企業の中国への直接投資は増えている。1160億ドルに対して中国の米国への直接投資は376億ドル。差引き874億ドルが米国からの流失だ。
 第二に証券投資はバランスが逆で、中国の米国再建保有は1兆960億ドル、米国のそれは3000億ドルである。
 第三に中国の対米貿易黒字は依然として2850億ドルである。最近とくに目立つ手口は「変動持ち分事業体(VIE)を通じておこなう「迂回上場」という巧妙なやり方で、アリババ、ピンドウドウ、京東集団、ネットイーズ、百度、滴滴などが採用した。

 ▼「宗教はアヘンだ」じゃなかった「ゲームはアヘンだ」

 ついで中国共産党は「ゲームは精神のアヘンだ」として規制に乗り出した。
 宗教はアヘンと早くから共産党は唱えて来たが、文字通りに受け取る向きは少なく、ようするに共産党独裁そのものが一神教だから、ほかのカルトの存在は認めない、抹殺の対象である、と宣言していたことになる。
 8月3日、共産党御用達の国営通信社・新華社系の『経済参考報』が「子どものオンラインゲーム中毒の蔓延に苦言を呈し、「ゲームの有害性が高まっている。まさに『精神のアヘン』、『電子薬物』という批判があるが、どのような産業であれ、スポーツであれ、社会をむしばむような発展は望ましくない」としたのだ。

 これによって中国最大のゲームソフト企業テンセントの株価が暴落、日本のゲーム業界の株価にも波及した。日本のゲーム大手はソニー、任天堂、バンダイナムコなどで、この業界の規模は5・3兆円(ほぼ日本の防衛予算に匹敵)、9・7%の成長率を誇った。地下鉄や電車に乗ると分かるが、90%近い乗客はスマホを見ている。その半分近くがゲームをしている。精神の荒廃が、ここまで来ている暗黒は、中国に限った現象ではない。

 テンセントは三月に日本企業「楽天」への出資をしている。「テンセント・リスク」と大騒ぎになった。楽天へ日本郵政が8・32%、テンセントは3・65%を出資したのだが、楽天の幹部は「なにも問題はない」と言い切った。ところが、市場では楽天の社債格付けがドカンとさげられてことに懸念が拡がった。

 8月12日、新任の秦剛(駐米中国大使)はワシントンで国務省高官らとの話し合いを始めた
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  書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 BOOKREVIEW 
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 オランダからやってきた東京裁判の若き裁判官は当初「ジャップ」と侮蔑していた
  次第に日本の指導者の無罪を信じ、鈴木大拙に教えを乞うた

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三井美奈『敗戦は罪なのか ──オランダ判事レーリンクの東京裁判日記』(産経新聞出版)
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 パル判事のことは、おそらく誰もが知っている。
 インドの法曹界を代表して日本にやってきたパルは、勇気のある司法家だった。日本のいわゆる「戦争犯罪人」は全員無罪という判決文を書いた。
 東京裁判は結審までに長い時間を要したが、オランダからやってきた若い判事は、そのパル判事ともっとも親しかった。二年九ヶ月に及んだ東京滞在中、レーリンクは日記を書き、そして家族や友人へ夥しい手紙を書いた。
 産経新聞のパリ支局長でもある著者の三井さんは、それらを集め、そして遺族へも取材し、本書を書き上げた。
 かれは東京裁判で、独自の見解を述べ、全員有罪ではなく、文民は無罪だと主張し、母国オランダからも圧力がかかったほどだった。九人の裁判官の多数派とも意見を異にした。レーリンクが無罪としたのは広田、東郷茂徳、重光葵、木戸幸一、そして畑俊六(陸軍大将)だった。
 事後法というべき「平和に対する罪」は、戦後の概念であり、その法的根拠に疑問を呈した。
裁判の過程で、山下将軍がマニラの法定で死刑を宣告されたとき「私は全力を尽くした。神の前で恥じることはない」と堂々と山下将軍が法廷で述べたことにレーリンクは衝撃を受けた。
「大いに尊敬すべき敵だと思った。アントニウスがブルータスに示した肝要を見出そうとした」と日記に残した。
日本側の弁護人・清瀬一郎は「この法廷は、『平和に対する罪』、『人道に対する罪』を裁く権限がない」と主張した。「清瀬の主張は、この二つの罪がポツダム宣言に明記されていないということだった」(83p)
レーリンクは途中から日本が好きになり、「判決を下すには、被告の社会的・政治的背景を知ることが大切だと考えていた(中略)。レーリンクが魅せられたのは日本の豊かな自然だった」。
そして「富士山は真っ白で日常にはない完全な純潔という理想の象徴だと感じていた」(140p)。
日記や手紙には明瞭に述べられているわけではないが、若きオランダ人は西洋人の日本理解がいかに浅薄であり、日本人の精神形成が自然を尊ぶという原始的な信仰心から来ていることに気がつき始めていた。
判決文は1500ページに及び、判決文朗読だけで一週間を要したほどの異常な裁判だった。
それはともかく、日本滞在中にレーリンクが付き合った人物に驚くべき人々がいた。そのことを本書で初めて知った。
裁判の過程でマッカーサーとも直接、何回も会見したレーリンクは、英国から東京裁判の取材に来ていたBBC記者のアイバン・モリスと知り合った。
モリスはそのころ、やや反日的で日本理解も中途半端だったとレーリンクは実直な印象を手紙で示唆している。
まさか、そのモリスが『枕草子』や三島由紀夫の『金閣寺』を翻訳し、かつ日本史の悲劇の英雄たち、ヤマトタケル、菅原道真、楠木正成、大塩平八郎、西?隆盛らの日本精神の軌跡を追求し『高貴なる敗北』を書くことになろうとは!
また休日を利用してよく出かけた鎌倉では、鈴木大拙と竹山道雄を訪ね、交流があった。来日当初、日記にもジャップと書いていたが、途中から『日本人』と呼び変えるようになり、日本人とは何か賢明に理解しようと悪戦苦闘した精神の履歴が書かれている。
 帰国後、大学で教鞭を執ったレーリンクは昭和天皇がオランダを訪問したとき、突如『時の人』となって、オランダのテレビや新聞に意見を求められ、信念を述べた。
 しかも「米国のベトナム戦争を厳しく批判した。東京裁判に鑑みれば、マクナマラ国防長官も、米軍の残虐行為に対する不作為責任を問われ、戦争犯罪人になると主張した」(250p)。
 かれは1985年に安楽死を選んだ。
レーリンクの「念願だった国際刑事裁判所は、2003年、オランダで発足した」。
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宮崎正弘の新刊   ◆宮崎正弘の新刊     ◆宮崎正弘の新刊案内  
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宮崎正弘『中国の静かなる日本虐殺 2025』(徳間書店、1760円)
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 ──中国共産党百年の式典で、独裁皇帝は言いはなった。「つぎの百年」だと。 
 日本をウイグルにと、ジェノサイドが始まっている。あの文化人もコメンティターも洗脳された。電波、新聞、そしてSNSの言論空間も中国のサイバー攻撃と操作で乗っ取られた!
 議論の前提を破壊する「認知戦争」とは中国オリジナルの「超限戦」のタクテック!
 中国軍は日夜、台湾と尖閣諸島侵略のための軍事演習を繰り返している。どうするのか、日本は!          ■ 
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  読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)貴誌前号リトアニアに関して。僕がソ連に奴隷化され、最後見事にその呪縛から解放されたバルト三国を訪問し、その強いアンチ・ソ連意識を感じた。
さらに当時話題だった杉原記念館をリトアニアで訪問したパイオニアの一人(宮崎先生とどっちが早かったかはわからない)との自己満足もある。10年以上まえだったと記憶する。
 リトアニアは元々大ポーランドだ!金髪のポーランド美女がうじょうじょ!
ラトビアのリガはナチスドイツに蹂躙された。エストニアはあのスカイプの生まれの地 当時世界の通信技術ソフトの先端だった。
とにかくもう一度行きたくなった北欧三国だ、ソ連共産党と徹底的に対峙したあのゴルバチョフ後、「人間の鎖」という歴史的な感動もあったなぁ!
こんな誇りとプライド。対して、日本の最低の支那迎合政治。
いずれその報いは日本人の奴隷化だろう。そして我々の子孫がウイグル・チベット地域で奴隷労働させられている世界。さらに日本が支那人の吐くペッツペッペの痰で道路が汚れ、あの美しい京都の寺社仏閣に色盲としかいえないドギツイ色のかざりものをつけチャルメラが鳴り響き、日本人を入れ替えた野蛮人が街に落書きをする世界最低の街と京都が化す。
  (AO生、世田谷)

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(読者の声2)アフガニスタン情勢で、貴誌はガニ政権の崩壊が近いと以前から予測されていました。米政府高官は「半年ではなく90日以内にタリバンがアフガンを制圧する」と予測しています。
 この予測を早めている要因は何でしょう。米国は30万人のアフガニスタン政府軍を育て、梃子入れし、高性能武器も供与しているのに、なぜ、こういう有様なのか、不思議です。
   (JJセブン)


(宮崎正弘のコメント)それはともかく、「以後」の問題に焦点は移行しており、バイデンはアフガニスタン問題には投げやりです。その最大の要素は、「以後」に起きる政治問題でパキスタンの扱いをどうするか、でしょう。
バイデンは就任以来まだ一度も、イムラン・カーン首相と話し合いをしていません。アフガン難民の大半を引き受けているのはパキスタンです。

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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)8月12日(木曜日)
通巻第7011号  
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 「リトアニア・ドミノ」が欧州全域に拡がりそう
   台湾がビリニュスに外交使節、中国は大使を召還
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 バルト三国の一番南はリトアニア(里都亜尼亜)。
かつて杉原千畝が、この国の古都カウナスの日本領事館で、数千人のユダヤ人に「命のビザ」を発給した。その場所には杉原記念館(スギハラハウス)が残り、当時使った机も展示されている。日本人観光客が多いので、同ハウスでは杉原チョコレートも売っている。

 8月10日、リトアニアの首都ビリニュスに台湾の外交施設がオープンした。
 中国はただちに大使を召還し、「台湾は中国の一部である」と抗議したが、リトアニアは意にも介さなかった。中国主導の17プラス1からも、リトアニアは脱退を表明しており、欧州の幾つかの国はリトアニアに続くとしている。

 リトアニアは誇り高い国で、中世にはポーランド、ベラルーシから露西亜の一部を領土としたほどの大国だった。ロシアとは独立戦争を戦い、もっとも戦闘的だったが、独立後は残留したロシア人に国籍を与えた。ことほど左様に主権意識は高く、軍隊は徴兵制で正規兵が一万5千人に加えて、十万の志願兵システムがある。北方クライベタ港にはわが海上自衛艦隊あさぎり等が寄港したこともあり、また琥珀の関係でクライベタと岩手県久慈は姉妹都市である。
 リトアニア出身の著名人には映画スターのチャールズ・ブロンゾン、イスラエルの前首相ネタニヤフなど。日本武道を好む若者が多い。

 中国が懼れるのは「リトアニア・ドミノ」である。
 ウイグルにおけるジェノサイドを猛然と批判し、制裁行動を取る欧米諸国のなかでも、気を吐くのがリトアニアだからだ。
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宮崎正弘の新刊   ◆宮崎正弘の新刊     ◆宮崎正弘の新刊案内  
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絶賛発売中! 「静かなる侵略」シリーズの決定版!  
宮崎正弘『中国の静かなる日本虐殺 2025』(徳間書店、1760円)
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 ──中国共産党百年の式典で、独裁皇帝は言いはなった。「つぎの百年」だと。 
 日本をウイグルにと、ジェノサイドが始まっている。あの文化人もコメンティターも洗脳された。電波、新聞、そしてSNSの言論空間も中国のサイバー攻撃と操作で乗っ取られた!
 議論の前提を破壊する「認知戦争」とは中国オリジナルの「超限戦」のタクテック!
 中国軍は日夜、台湾と尖閣諸島侵略のための軍事演習を繰り返している。どうするのか、日本は!          ■ 
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  読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)講談社「現代ビジネス」(ネット版)の8月10日号に近藤大介氏の、宮崎さんの新著『日本人が知らない 本当の路地裏中国──乗って歩いた! 全33省旅遊記』(啓文社書房)の書評が出ています。
 短い評とはいえ、本質を衝いていると思います。
 (引用開始)「10年ほど前、私が北京に住んでいた時、中国全省踏破の旅を不定期に行っていた宮崎氏と、一献傾けながら興味深い話を聞いたものだ。
地方で党の幹部に会うわけでもないのに、その地の要諦をピシッと掴んで北京に帰ってくる。本書は宮崎流の「中国の歩き方」で、コロナで海外旅行もまま
ならない夏休みを過ごすのに、絶好の書だ。「願はくは花の下にて春死なむ その如月のもちづきのころ」という、私も好きな西行の辞世の句から始まる。そして、「コロナ災禍が収束し、習近平政権が終われば、暴走老人はまたまた中国へ、早朝特急に乗って奥地へ向かう予定を立てている」という結語で終わる。山あり谷あり、捧腹絶倒の暴走老人(宮崎氏)の珍道中記。中国は底なし沼のように奥深い」(引用止め)。
    (DH生、茨城)


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(読者の声2)「皇統を守る国民連合の会 講演会」のご案内
「皇統(父系男系)を守る国民連合の会」の「第5回 講演会」を「新しい歴史教科書をつくる会東京支部」の後援により、ウイルス防疫要領に万全を期した上で、下記の要領で開催をいたします。<正統な皇統を死守しなければ、日本は「日本」でなくなる!>

とき   9月23日(木・祝)13時(12時30分受付開始)から16時30分
ところ  北区立「赤羽会館」 4階 大ホール
     (北区赤羽南1丁目13-1)(電話 03-3901-8121(代表))
     JR「赤羽駅」東口5分。メトロ 南北線「赤羽岩淵駅」下車 徒歩10分  
内容    (A)研修会  講演1 赤尾由美氏 (アカオアルミ(株) 取締役会長)
    講演2 新田 均氏 (皇學館大學 教授、神道學博士)
(B)質疑応答(新田講師、赤尾講師、葛城(守る会)会長
コーディネーター:池田前東京支部長
特記     聴講者は、お一人お一人マスクの着用をお願いいたします。
受付で、検温・消毒液使用のご協力をお願いいたします。
会 費    1,500円(ただし、大学生・大学院生は500円、高校生以下は無料 )    
       <主催> 「皇統(父系男系)を守る国民連合の会」
       <後援> 「新しい歴史教科書をつくる会東京支部」
      <申込先> 加藤幸太郎090-9244-2096
     FAX 03-5993-1287 MAIL  2740kxuy@jcom.zaq.ne.jp

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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)8月11日(水曜日)   通巻第7010号  
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ニューヨーク州知事が辞任、副知事のキャサリン・ホウチュルが昇格
  クオモを庇いきれなくなった民主党の牙城で何が起きたか?
*************************************

 クオモNY州知事が辞任する意向を固めた。
セクハラ疑惑が以前から燻っていたが、州議会が弾劾に踏み切る決議をしたため、辞任せざるを得ない状況となった。セクハラ被害を訴えていた女性は11名にのぼる。権力を嵩にして部下の女性に迫ったとされる。

 クオモは武漢肺炎の対策で先頭に立って指導力を発揮し、2020年五月頃には、瞬間的にトランプ大統領(当時)に代わりえる強力なリーダーだとNYタイムズが持ち上げたほど、支持率が高かった。
2022年の州知事選では四選が確実視されていたが、反面でスキャンダルが表沙汰になる。

 ニューヨーク州知事は過去233年間、男性が務めてきた。ニューヨーク市という極左、リベラルの巣窟をかかえるため、民主党の牙城といわれ、事実、州議会の三分の二が民主党員であり、くわえてニューヨークタイムズは、かれらの擁護者。
 それほど民主党のリベラル色に染まったところで、クオモ知事を庇えなかったのは何故か。バイデン大統領まで辞任を要求するにいたり、米国の雰囲気は女性差別の一環として捉え、一種魔女狩りである。民主党が自らを吊すロープを自らで作ったことになる。

 州法に従い、諸手続きを経て8月24日に、副知事のキャサリン・ホウチュルが昇格する。キャサリンは同州バッッファロー出身で、シェラキュース大学時代に政治活動に目ざめ、連邦議会下院議員をつとめたこともある。弁護士、62歳。NY州知事、初めての女性知事が誕生する。
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  書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 BOOKREVIEW 
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~人間として生きるか、現世の家畜となるのか
  葉隠の思想を体得し、実践する破天荒の人生からみえてきたもの

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執行草舟『超葉隠論』(実業之日本社)
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 武士道の極地「葉隠」を超越する。著者独自の「超葉隠」という哲学的な境地を拓く。
 執行草舟氏は明言する。「私は葉隠によって、現世を生きる脳髄を、確かに破壊した。そのゆえに人間としてのあらゆる歓びを手に入れて来た」。
なんだか、ニーチェ的な比喩で、思わず引き込まれる。
 しかし現世を生きるという現代人最大の問題点を、こうもさらりと破壊されては、困るという日本人の方が多いだろう。武士道が行方不明になってから戦後はやくも76年という歳月が須?の間に過ぎ去った。
山本常朝の説いた「武士道とは死ぬることと見つけたり」などという古風な思想は、この現代日本の軽佻浮薄な世の中から限りなく消滅した。だからいまの日本は滅び行くしかないのだ、と執行氏の見通しは暗い。
 本書のキーワードは、評者(宮崎)独自の判断で四つ。
 「葉隠十戒」。
 「暗黒流体」。
 「永遠燃焼」。
 「沈黙の忠義」(孤忠)。
これらの意味は本書で十分に味わっていただくこととして、氏はなにゆえにこうした考え方に達したかの人生経験を語りつつ、三島由紀夫の『美しい星』、宮本武蔵の『五輪書』にも触れる。
 氏の基本的な考え方はこうだ。
 「我々の生は、その本源的価値を発動することによって初めて永遠に繋がる魂をもつことが出来る。その結果として十全な死を迎えられる」のだが、現代人は、この大切なことを忘れて日々の享楽のなかに生を閉じこめてしまったかのようだ。
 「生きている人間の生が完全燃焼することによって、初めて真の人間の未来という時間と場所が拓いて来るということだ。動物の生に未来はない。動物は永遠に同じことを繰り返すだけのただの存在物なのだ」
 評者は、この箇所を読みながら村松剛氏が言った「人間は動物のなかで、唯一死ぬことを知っている」(『死の日本文学史』、新潮社)という箴言を思い出した。
 死の再認識が「いま葉隠が問う事柄」だと執行氏はいう。
 氏の解釈によれば「葉隠ほど、人間の生命燃焼を重んじた思想はない。逆説的に言えば、葉隠ほど人間を愛する思想はないとうことになるのだろう。死を教えることが、愛の根源なのだ」。(中略)それを「美学の位置にまで高めた」と断言する。
 そして「山本常朝は、宇宙生成の力を自己のものと成していた」のだが、今の世の中、「道徳と説教に覆われている」けれども、「他の武士道の書物から確かに葉隠は超越している」。
それは「道徳というものが、物質主義の思想によって成り立っているからに他ならない。物質とは、得するためにこの世に存在している」
だから現代人はさもしい、浅はかな日常しか送れないということになる。
 しからば執行流解釈の武士道とは何か?
 「武士道と騎士道は人類が築きあげた魂の文化の精華である」とする氏は、この日本における根源を天孫降臨に謳われた、
『海行かば 水漬く屍、山ゆかば、草むす屍。大君のへにこそ死なめ 顧みみはせじ』を、日本の武士道の期限」と考える。
 すなわち「天孫降臨のときにニニギノミコトに随伴し、その尖兵として一緒に降臨したのが天忍日命(あめのおしひのみこと)であり、天孫に対する忠誠の心として謳ったのが、武士道の魂となる海ゆかば」であうr。
 大伴家持が万葉集に選んだために大伴家言立(ことだち)と言われ、それが「江戸初期に葉隠に収斂した」
 山本常朝は、江戸時代の朱子学的忠義を求める、山鹿素行などの武士道を否定し、「もっと自由で、もっと縦横無尽で、もっと体当たりで生きるもの」であり、「革命思想もしくは無頼思想だった」と執行氏はまとめている。
 そういえば、三島由紀夫も『葉隠入門』を書いたことを思い出した。
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  読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)危険ではない武漢菌、危険な武漢菌ワクチンと「間引き」について。
医療関係者の憲法があるとすれば、その第1条には「患者を殺すなかれ(DO NO HARM)」であり、試験的な処方では、患者に危険性、副作用、などを事前に説明し、承認を得てから行う、尚患者が幼少、あるいは無意識、知能不全、などの場合には、正当な保護者の承諾を受けることという厳しい規約がある。
早くも1年になるが、初期の段階では、「ワクチンの開発には最低でも1-2年、その認定には数年かかる」と言われていた。
ところが「緊急事態」という理由で、医療の全ての運営規範・制約が大胆にも破棄され、1年未満で「完成」し、大規模に、全世界的に、医師、患者、国民にその危険性を知らせることもなく、半強制的に「ワクチンなるもの」を体内に打ち込まれている。このような事件は近年の「医学歴史上初めての超大規模な蛮行」である。過去においては、黒人や囚人やユダヤ人などを「本人の許可なく」使って危険な人体実験をしてきた。
しかしその数は少数であった。今回は「同時に」数十億人。
 もちろん、誰も「長期的な副作用」例えば不妊性はわからない知らない。
最近の統計では、「益よりも害」が大きい、という確かな結果が次々と報告されているが、それは「公にデマだ」と否定される。
真実と嘘が逆転し、医学の倫理も科学の論理も無視される不思議な時代が現れた。その上に言論統制、つまり「議論、反論、反証を許さない」という前近代のオゾマシイ社会が全世界的に広まった。
 この様な理不尽な不当な事件は、度々起こるがそれは地方的な小さな隠蔽であって、特に独裁的な国ではよくある。
米国でも日本でもそんな事はかなり頻繁にあるが、全世界的同時的なものはなかった、と思う。
では、何故今回?という疑問が残る。科学の世界では、真実、事実を否定してはその進歩が阻害されるので、「不都合な事実」でも、追試し確認し、嫌々ながらも事実として認める。
「最も簡単、単純な説明が、真実に近い、だろう」という「オッカムの剃刀」の論理が使われる。上記の「説明のつかない」奇怪な種々の現象の理由・説明を試みると、(以下と同様な結論を得た科学者、医師もいるが、たちまち封鎖される。)
 1。動植物全ての生き物は、種の保存に真剣に対応しており、個別の生き物を犠牲にしても、種の保存、家族の国家の繁栄を意図する。戦前まで日本でも飢饉が来ると、「間引き」胎児、幼児を犠牲にする行為、が当然とされていた。家族全員が餓死するよりはマシ。つまり、食糧の資源が限られており、人口を制限する必要があった。
  最近では、世界の人口が80億となり、僅か過去50年間に倍増している
2。しかも情報の拡散が進み、先進国の優雅な生活が後進国にも正確に動画で日々伝わってしまう。貧困も貧しい食も、比較されて初めて認識され、不満が募る。沢庵と飯で満足してきた日本人が明治に入って初めて「牛丼」の旨さを知り、以後果てしないグルメの追求が膨大な費用とエネルギーをかけて、世界中から美味しさを輸入する。世界人口の大部分が未だに「沢庵飯」を食べ、暖房も冷房も冷蔵庫も自動車も無い国に住んでいる。
3。ところが「牛丼も冷房も車」もみんなに与える資源も予定も世界にはない、
4。勇敢な飢えた人は当然「不法移民、難民」となって豊かな国へ移転する。その巨大な人の波が大きすぎれば、豊かな国もやがて自己崩壊する。という当然な解析が行われ、夫婦がやむなく「間引き」をした様に、世界的規模で、そんな不本意な、しかし論理的な秘密の「必要な合意」が生まれた、のかも知れない。
5。さらに、近い将来にAIが殆どの人間の労働を不要とし、単に「無駄飯を食う居候」が増える、
6。近年トランプ追放選挙で実験確認された「完璧に管理」された民主的な選挙制度では「有権者」さえも無用となった。映画『エリジウム』(Elysium、2013年)で予測された世界が早めに現実化してきた。宇宙船はまだ出来ていないので、金持ちは既に、遠い深い海に阻まれ隔離され独立存続可能な安全な人口の少ないニュージーランドへ逃げている。
 もちろん「真相はかうで」はない、かも知れないが、日本政府もNHKなども、そんな合意に参加している、らしい。

故に、間引きの対象にならないためには、各自が自己防衛を試みされたし。この状況は戦時中の日本とよく似ている。
大本営発表はいつも「連戦、連勝」だったが実際には「連戦、連敗」であった。それを知る少数の者は、なんとか徴兵を逃れ、生き延び、戦後の復興に貢献
した。その一人が「嘘を見ぬき」敗戦を認め、無駄な国民の犠牲を止めた昭和天皇であった。「、、、加之(しかのみならず)敵ハ新ニ 残虐ナル爆弾(注。武漢菌)ヲ使用シテ頻(しきり)ニ 無辜(むこ)を殺傷シ 惨害ノ及フ所 真ニ 測ルヘカラサルニ至ル。而(しか)モ尚(なお)交戦ヲ継続セムカ 終(つい)ニ 我カ民族ノ滅亡ヲ招来スルノミナラス 延(ひい)テ 人類ノ文明ヲモ破却スヘシ、、、1945年8月15日正午「終戦の詔書」」
「武漢菌ワクチン」について。結論から先に言うと、危険である。殺されたくないのならば、子孫を残したいのならば、特に子供にしてはいけない。
政府公式の宣伝文句として、打てば、1。感染しない、2。感染しても重症化しない、3。感染しても他人に遷さない、だからヤレと言っていたが、結果は全て「否」どころか、より頻繁に感染し、感染させる、と言う逆の結果が既に出ている、にも関わらず、反強制的、あるいは強制的に義務付けている。
 もっと恐ろしい事は、本来誰でも持っている「自然の免疫力が、長期的、恒常的に失われる」と専門家が主張している。
つまり、「百害あって一利なし」と言う。ワクチンのため、武漢菌のみに特化した免疫は、その他の普通の他のウイルス、バイキン、カビ、などへの攻撃力が減少し、インフルエンザ、風邪、などが重症化する。全ての普通の軽い病気が命取りになる。
 武漢菌に対する予防薬・方法も、感染してからの処方箋、それも安く非常に安全で効果的なものが臨床試験によって確かめられて、多くの命(トランプ氏もその一人)が救われているが、政府や正式の医療機関がこれを無視、あるいは隠蔽し、危険な嘘だ、とも言っている。
先日投稿した臨床医師会FLCCCAの処方箋などを参考されたし。
資料の一部を日本語にも翻訳されている。信頼できると思う。 
https://covid19criticalcare.com/covid-19-protocols/translations/
 いつの時代でもどこの国でも、自分だけが頼りだ。「私には、わかりません、知りません、あなたにお任せします」という礼儀正しい国民が日本には極めて多い。
 安心、安全、清潔、平和を当然とする信者の欠点。
    (在米のKM生)

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(読者の声2)古是三春_篠原常一郎 今日のyou tubeに、中国の戦狼外交は虚仮威しであるとある。中国は隋の文帝以来、強い小国である高句麗(日本書紀は高麗)に勝てなかった。
それは正攻法で攻めたからだ。高句麗が唐に敗れたのは、名将の泉蓋蘇文が死んで、その息子達の不和に乗じて反間工作で攻めたからかからだ。性悪説の中国は、正面戦争に弱いのは古代以来の定評である。
元寇だって北条時宗が総力戦で戦ったので、元軍は敗れたのだ。現代の日本も、中国の浸透工作に屈しなければ、中国は日本に侵攻して来ない。台湾も同じである。
 中国は今日、炭疽菌が発生したと中国から報道があった。これは北京五輪が開かれないと観念し、その理由付けに小規模の発生ながら公表したと言われる。
また今の中国は食料不足に陥っている。それでも外国から買い漁るどころか国外旅行を禁じた。
毛沢東の大躍進のように、面子を重んじて何千万人を餓死させるのであろうか。
   (斎藤周吾)
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  ◎ アンディチャンのAC通信 ◎ アンディチャンのAC通信
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家賃滞納と立ち退き命令の延期
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 バイデン政権の新しい危機は全国の家賃滞納と家主の要求する立ち退き命令を延期したことである。立ち退き命令の期限が切れるとアメリカの衰退が始まり、共和党や州政府、家主連合などさまざまな国民団体がバイデンを告訴することである。
 2020年春に発生したコロナウイルスの蔓延のためにアメリカは全国的に自宅自粛となった。各企業が閉鎖されると失業者が飛躍的に増加した。ホワイトカラーのサラリー階級は自宅勤務で仕事を継続することができたが一般労働者ブルーカラーは失業した。
つまり失業者の大半は低収入階級で、失業して収入がなくなると家賃が払えないから家主が法律で彼らを追い出すが、立ち退き命令を延期すれば滞納した人は続けて住むことができる。
家主だって借家人が家賃を払わないと収入が減って破産に追い込まれる。そこでCDC(疫病コントロールセンター)は2020年9月に違法を承知で「疫病のために失業した人々の家賃滞納と立ち退き命令を一時的に延期する命令」を発表したのである。
これは明らかな違法行為である。
CDCには法的命令を発布する権利はない。法的命令は国会が作って通してから効力を持つ。ところが国会は家賃滞納と家賃滞納の人の立ち退き命令を延期することを法律で通さず、ペロシ下院議長はバイデンが大統領命令で一時的延期に署名することに期待すると述べた。
だが大統領がこのような命令を出すのは憲法違反である。それで家主連合はこれを最高裁に持ち込んだ。
最高裁では「違法5対合法4」でCDCの出した命令は憲法違反であるという結果が出た。ところが憲法違反と裁定した五人のうちB.Kavanough判事があやふやな態度をとり、「CDCの命令は7月31日に期限切れとなるから」という理由でCDCの命令を違法と判定しなかった。
命令が7月31日に時間切れとなった途端に全国で家賃滞納者の法的立ち退き命令を要求していた案件が有効となって借家を追い出された人が出た。
するとCDCは8月3日にもう一度の延期命令を発布して家賃滞納と立ち退きを10月31日まで延期としたのである。
 最高裁は違法5対合法4で違法という判定結果が出たけれども実際に違法と判定しなかったのである。
 だからCDCは大っぴらに再度の延期命令を発表したのである。国会も大統領も最高裁もCDCもみんなサヨクの圧力に負けて違法を通したのである。
CDCはたとえ延期命令が家主側の連合によって法律沙汰になっても10月3日までに連邦法廷が違法判決を下すことはないとたかを括って延期命令をだしたのである。サヨクがバイデン政権を動かすことができる証拠である。
 これに加え、CDCが出した延期命令の2日後の8月5日にバイデンはCDCの延期命令を支持すると言う声明を出したのである。
バイデンはこれまで何度もトランプ大統領が憲法違反を犯したと攻撃して自分は憲法を遵守する大統領であると威張っていたのに、就任して半年で憲法を無視する発言をしたのである。
家主連合はすぐにCDCとバイデンを憲法違反で告訴すると発表した。
 コロナ疫病のため全国の工商業が停頓したため労働者階級が影響を受けて失業者が増加し、家賃を払えなくなった人が増えたのは確かである。
だがバイデン政権が失業者に毎週600ドルの救済金を出すようになると仕事につかず救済金で遊んで暮らす人が増えたのも事実である。
その証拠に最近数ヶ月は求人率が高いにも拘らず就職率は上がっていない。政府の支給する金で生活し家賃を払わない人が増えたのである。家主は彼らを追い出すこともできない。
CDCは失業者が住む場所を失えば疫病感染率が上昇するから立ち退き命令を一時的に延期したと説明したが、家賃を払わず遊んで政府の補助金で暮らす階級がいるし、家賃を滞納され、彼らを追い出して家賃を払う人を入れないと家主が破産する。
 報道によると全国に1800萬のアパート所有者がいるが、彼らは現金で買ったのではなく家賃収入の大半を毎月のモーゲージの家賃支払いに当てているのである。
借家人が家賃を払わなくなったら家主の収入がなくなって破産するのに社会主義政権は家主側の困難を無視している。
CDCの支払い延期命令は借家人の味方をして家主の職業収入を奪っているのだ。去年9月から家賃が滞納して家主が苦しんでいるのにCDCはさらに二ヶ月の延期を命令し、バイデンも賛成したのだ。
CDCの延期命令は憲法違反だけでなく左翼政権の命取りとなりかねない危機を作り出した。
家主はすでに去年9月から大量の家賃滞納で苦しんでいる。10月3日になるとCDCが再度の延期命令を出せる可能性はほとんどないだろう。
延期が期限切れとなっても借家人が滞納した家賃をまとめて払えるはずがない。
一年以上も滞納した家賃が払えないから破産を宣告して家主の損となる。だが家主は法律に従って彼らを追い出すことができるようになる。
家を追い出された破産記録のある人が新たに住む所を探すしても誰も貸さない。すると10月に全国各地に膨大な数のホームレスが出る。アメリカの歴史に無かった大危機である。
バイデンの失業者対策は国民の税金ばら撒きで貧乏人を助けると言いながら中産階級を破産させ国の衰退を招く大愚策である。
下層階級は政府から生活費をもらって働かなくなる。
働く人から税金をとって働かない人にばら撒くから働かない人が増える。働かない人は税金を払わない。国の税収が減り赤字が増大する。
明らかな共産主義の招く結果である。あと二ヶ月でこれが明らかになるだろう。
                   (アンディチャン氏は在米評論家)
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第二章 横行する「やりたい放題」 北京に迫る砂漠、だれも住まないマンション群……
第三章 辺境地、奥地を吹き荒らす中共の嵐
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