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(令和三年・2021/03/14〜03/20)📚📚📚「宮崎正弘の国際情勢解題」 💕🐧


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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)3月20日(土曜日)    通巻第6835号  
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(休刊のお知らせ) 明日(3月21日)。小誌、休刊です
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~オースチン国防長官はインドに現れた。中国はロシア外相を招待
  アラスカ米中対話は、両陣営に負のリアクションを運んだようだ
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 アラスカで米中の外交トップが言葉の激突を繰り返したことは、別の反作用を産む。中国は近日中にロシアのラブロフ外相を北京に招いて懇談する。中露同盟強化を表向きの看板とするだろう。ロシアにとって、絶好の演出効果をあげる政治舞台だ。

 バイデンはまた耄碌が進み、ハリス副大統領を「大統領」と呼びかけ、プーチンを「殺人者」と罵倒した。プーチンは「自分の鏡を見てから言え」と反撃した。またプーチンは生中継で、米露首脳会談を行おうではないかと提案した。ホワイトハウスは、「大統領は忙しい」と理屈を述べて、この生中継懐疑を逃げた(本当は閑なのにね)。

 米国の外交的失敗は目に見えている。戦略的思考に立てば、中国を包囲するのだから、ロシアを味方にするのが軍略である。中国の背後をつけるロシアとは多少の譲歩をしても、とりこむ必要がある。しかし米国の歴史を鑑みれば、いつも敵と味方を取り違えてきた。

 米国は新たにロシア高官の何人かを制裁し、在米資産を凍結するとした。無論、中国に対しても香港弾圧に関与した中国共産党の幹部を米中会談の直前に追加制裁している。

 さて日韓歴訪を終えたブリンケン国務長官一行はアラスカへ向い、ここにサリバン大統領補佐官とカート・キャンベル(インド太平洋調整官。元国務次官)が加わった。ちなみに大統領専用機は、アンカレッジからただちにワシントンへ引き返し、ジョージアの銃撃事件慰問のためにバイデン大統領を運んだ。

この搭乗の際に、バイデンは階段で二回も転んで、失態を演じたことをワシントンタイムズが写真入りで報じているが、他のメディアは黙殺した。耄碌の度合いが一段と進んでいるようである。

 もう一機の大統領専用機は、どこへ?
 オースチン国防長官は、ソウルでブリンケンらと分かれ、ニューデリーに飛んでいた。オースチン国防長官は、インドのモディ首相らと会見し、同盟関係の一層の進展と日米豪印の「クアッド」の強化などを話し合った。
インドは歓迎ムードに溢れたが、インドとの軍事的絆の強いロシアは、これを警戒した。
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~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~<速報>
 中国国家市場管理総局、テスラの使用を禁止
  絶好調、66億ドルの売り上げを示したテスラの墜落の始まり
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 ウォールストリートジャーナル(2021年3月19日号)がすっぱ抜いた。
 中国の国家市場管理総局は、テスラの軍ならびに国家公務員、国有企業従業員の使用を禁止すると通達した。

 おりしも米中対話決裂、米国との政治衝突で、米国への報復措置かと想われがちだろうが、表向きの理由はバッテリーの火災事故だった。昨年、中国で14万台を販売したテスラのモデル3のバッテリーが出火。車体が燃える事故が起きた。

 中国とは蜜月関係、上海浦東地区に巨大な敷地を提供されたテスラは、ハイテク・ロボットを導入した最新鋭工場を建て、中国の国策でもあるEV自動車の先頭を走ってきたが、出火事故がもたらした悪影響は底知れない近未来の挫折を予感させる。

 ところがウォールストリートジャーナルは、別の理由をあげている。 
 それはテスラに内蔵されたカメラ(録音機能を兼ねる)が収録するデータが米国に漏洩しているのではないかとする疑問で、それゆえに軍と国家公務員の使用を禁止する措置にでた、と分析しているのである。

            ☆

  書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 BOOKREVIEW 
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~世界もドイツも女傑メルケルを自由主義の政治家と誤認してきた
  彼女はトンデモナイ伝統破壊の全体主義者だった

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川口マーン惠美『メルケル 仮面の裏側』(PHP新書)
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 副題に「ドイツは日本の反面教師である」とあって、ナルホド、日本も間もなくドイツの轍に嵌りこんで全体主義国家に転落する危険性を、本書を読むとひしひしと感じる。
 最初は「肝っ玉母さん」のたのもしい映像がメルケルだった。その虚像が大きく流れたので、日本でも期待した人が多かった。ところがメルケルの実像は「はてしなき陰謀家」であり、「陰湿な策士」だったというのが本書の描き出す、本当は危険な女性宰相の真相である。
 プロテスタント牧師の娘として育ったメルケルは、寡黙な目立たない女性だった。両親の社会主義的性向の影響を受けて、東ドイツの極く小さな政党(DA)で活動を開始した。その党があまりにも小さな規模だったゆえに、メルケルはスポークスウーマンとして瞬く間に頭角を表した。
東西ドイツ統一を絶好のチャンスと利用して西ドイツ与党(CDU)と組んで、いきなり全ドイツ的政治家としてのデビューを飾った。
 小さな東ドイツの社会主義政党が、西ドイツの最大与党の庇を借りて母屋を乗っ取った。そんじょそこらの凡人がなしえる芸当ではない。
 たまたまベルリンの壁が壊れ、東西ベルリンの行き来が自由になって、通貨統合までの激動の時期に、評者(宮崎)も何回か、ドイツに取材に通った。当時、東ベルリンへの直行便があって、ソ連製のボロ飛行機だったが、乗客は少なく、通関もラクだった。通貨統合の前夜はお祭り騒ぎで、明け方まで町中は騒然としていたことを思い出す(拙著『新生ドイツの大乱』、学研)。
メルケルは東西ドイツ統合があったがゆえに、その機会に功利的に便乗して、政治の中枢に躍りでたのだ。
以後、何時の間にか身につけた策謀、陰謀、多数派工作、偽情報などを駆使してコール側近となり、やがては与党の顔になってゆく。その間に友人も同僚も上司も利用し尽くすとバッサバッサと切り捨ててきた。だからメルケルを恨むドイツ人政治家は多い。
 そして「CDUと連立を組む党が、あたかもメルケルに精力を吸い取られるかのように、次々と落ちぶれていく」(173p)。
 「メルケルにとっての脱原発は、一時の保身であると同時に、本来の信条であった」(183p)
 かくしてメルケルは選挙でつねに苦戦しつつも、「第三次メルケル政権が成立した時、ドイツの国会からは保守リベラルというべき経済政策を推す政党が、事実上、消滅していた」(194p)
 なぜなら保守政党であるCDUは左翼政党の政策をちゃっかり吸い上げてきたからだ。
 メルケルはいまや「民主主義の擁護者」でもなく「人権の擁護者」でもなく「環境の保護者」でもない、と著者は「日本人の誤ったイメージ」を根底的に転覆させる。
 その実態を、在独作家の川口マーン惠美さんは、繊細な観察とダイナミックは筆圧で活写している。
 メルケルの実像をしったら驚く読者が多いだろう。しかしながら、これはドイツだけの問題ではなく、EU、ユーロを牽引する欧州経済のエンジンはドイツであり、なおかつ中国との蜜月を続けており(表面的に「人権」とか言っているが)、トランプ路線とは鮮烈に距離を置いた。なぜならメルケルは心底から「社会主義」の信奉者なのである。
 人道主義を装っての難民受け入れも、本年は安い労働力確保を狙うドイツ財界の意向に沿ってのことで、大量の難民は多文化共生というグローバリズムに直結するが、同時に民族的アイデンティティは喪失する。こういう左翼の理想とする地球はひとつ、という「左翼思想を資本家の利益と絡ませたこと」がメルケルの凄いところなのである。
 まして政敵を潰すにあたっての陰謀たるや、マキャベリもびっくりの狡猾さを発揮する。つまり引退を表明しているとはいえ「メルケルのあとも、メルケル」の可能性が高いのである。
 「首相となったメルケルは、2011年の福島の原発事故の直後に、突然、22年までにドイツのすべての原発を止めると決めた。それを知った国民は狂喜し、世界のお手本になるのだと胸を張った。15年、メルケルが中東難民の無制限の受け入れに踏み出したときも同様だった。国民はそこに自分たちの高邁なモラルを投影して高揚した(中略)。いずれの時も、国民の熱狂はあっというまに冷めた」。そして昨師走、EUは、背後にメルケルの工作があって、欧州と中国の投資協定を拙速に締結してしまった。
ウィグル問題も香港の人権抑圧も、わすれたかのように。
 しかしさすがのドイツのメディアも人道主義と人権を忘れてはいなかった。声高に投資協定の停止を主張し始めた。なぜなら協定には「人道に対する犯罪や奴隷労働の中止を保証するために有効な義務をもとめていない」からだ。
 中国が約束を守るという幻想は錯覚でしかないことに、ようやくドイツ社会が気づき始めた。
 九月、ドイツ総選挙。メルケル時代は本当に終わるのか?
           ★★☆
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☆ 霊魂の不滅、輪廻転生を信じない人は読まないでください
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電流に撃たれるような、霊魂に溢れる神秘な場所が日本全国にある。それも歴史と密着した現場にあることが多い。
 いずれもスピリチュアルな雰囲気のなか、瞑想に浸れる場所がある。英霊に鼓舞される聖域がある。日本中にある世俗的なパワー・スポットより、あまり知られていない、都会から離れた、淋しく忘れ去られた現場を廻ってみた。
テーマに沿って系列的な霊験の地を捜しあてようと、パワー・スポットを求めて、近代から近世、中世、古代へと歴史を溯り、霊的な体験をもとめる旅に出た。

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(内容の一部)
●「鬼滅の刃」はなぜブームとなったのか?
  ──鬼退治の源流は桃太郎、金太郎、そして渡邊綱の酒呑童子退治
●飯盛山 白虎隊墓地:自刃した少年兵の霊魂がわたしを激しく揺さぶった。無数の光りの球が、夜、私の身体を揺さぶるのだ。光りの弾丸が脳裏を選挙して「悔しい。書いて欲しい」と訴えるのだった。
●市ヶ谷台 講堂(三島事件現場);刀の傷跡の残る総監室で、当時ガイドをしていた葛城奈海さんは三島の透明な霊位を見たという
●南洲神社と西?墓地:戦陣ならぬ西?軍の墓陣はのっしのっしと行軍しているかのごとしと江藤淳も書いた
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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)3月19日(金曜日)弐   通巻第6834号  
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~米中戦略的対話というよりは、罵り合戦。アラスカの寒気より冷たい雰囲気
  客をもてなすには失礼、外交礼儀にかなっていないと中国が先に大声で喝
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 中国共産党百周年を間近に控えて、中国外交トップは京劇の役者を演じなければならない。アラスカ州アンカレッジのホテルで開催された米中高級レベル対話は、冒頭から大荒れとなり、中国が「客をもてなすには失礼、外交礼儀にかなっていない」と先制攻撃の口火を切った。

 ブリンケン米国務長官は「新疆、香港、台湾問題に加え、米国へのサイバー攻撃、同盟国への経済的な強要行為を含む中国の行動に対する米国の深い懸念」を表明するや、楊潔チ・前外相(政治局員)はひとり二分の発言という規則を最初から大幅に無視して15分の演説、「内政干渉するな。米国でもマイノリティー(少数派)の扱いがあるではないか。米国は軍事力と金融における覇権を用いて影響力を広げ、他国を抑圧している」とし、「国家安全保障概念を悪用し、貿易取引を妨害し、ほかの国々が中国を攻撃するよう仕向けている」と続けた。
 
 冒頭から喧嘩腰の乱雑な言葉が中国側から発せられ、対話と言うより罵り合戦、ま、予測されたこととはいえ、中国側の楊潔チと王毅外相にとっては京劇の見せ場なのである。楊は嘗て国連演説で日本を激しく罵って習の歓心を買い、政治局員に出世した。
そのやり方をじっと見てきた王毅・外相(元駐日大使)も、俄然張り切って演ずる。夏の共産党創立百周年大会と秋の第六回中央委員会総会で、さらに出世階段を登ろうとしているからである。

 なお米中戦略対話という位置づけは米国が拒否し、中国側が国防トップを参加させず外交のトップを二人出席させたため、オースチン国防長官は欠席、かわりにサリバン大統領補佐官とインド太平洋担当のカート・キャンベルが同席した。
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(読者の声1)垂大使頑張っておられますね。以下は時事通信の記事です。(引用開始)「垂秀夫駐中国大使は18日、天津市を訪れ、トップの李鴻忠・市党委員会
書記(党政治局員)と会談した。李書記は日米外務・防衛担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)が16日発表した共同文書について「公然と中国の内政
に干渉し、中国の顔に泥を塗るもので、遺憾だ」と抗議した上で、「(日中の)友好関係を破壊した形だ」と強い不快感を表明した。これに対し、垂大使は沖縄県・尖閣諸島沖への公船侵入を繰り返す中国の動きを念頭に「海洋において一方的な現状変更を行うことは許されない」と強調。さらに、「問題があれば意思疎通を通じて解決すべきだ。李書記の『遺憾だ』との発言は全く受け入れられない」と反論した。共同文書は香港や新疆ウイグル自治区の人権状況について「深刻な懸念」を示」した(引用止め)。
 垂大使はチャイナスクールとはいえ外務省内のタカ派、言うべきことをちゃんと言う人と聞いておりましたが、さらに突っ込んで発言して貰いたいと思いました。
   (TY生、茨城)


(宮崎正弘のコメント)李鴻忠は遼寧省生まれ、吉林大学卒で、広東から湖北省省長を歴任後、汚職で失脚した天津書記の後釜ポストに異例の出世を遂げ、一時注目された政治家です。
 ですから党中央の顔色を見て、得点稼ぎの為に、或いはアリバイ証明のために、言うことは言わなければいけないというわけでしょうね。

   ♪
(読者の声2)貴著新刊『バイデン大統領が世界を破滅させる』(徳間書店)を興味深く拝読しました。就任1ヶ月まえに早々と彼のスタンスを見通しされたので、最近彼が進めている政策と若干乖離がありますが、ともかく読んで啓発される点が多大です。
ところで、韓国政情はいま激動の真っ最中です。4月7日ソウル、釜山市長選挙で野党候補の当選が確実で、これは来年3月の大統領選挙の前哨戦です。文在寅はあと一年で任期が終わりますが、退任後は歴代大統領のルーチン・コースである刑務所入りは不可避です。
 宮崎さんは朝鮮半島情勢にほとんど言及されていませんが、これからレパトリーに韓国
まで含めることを期待します。
  (韓国の一読者)

  ♪
(読者の声3)西村眞悟氏は未だに「無効なものは無効なんだ」と主張される数少ない「日本国憲法」無効論者であるが、戦後にはかなりのマトモな論者がおられた。
故渡部昇一氏も無効論者であった。戦後GHQによる占領は、「無血」の脳外科医として日本人の頭を根本的にわずか7年間で改造してしまった。GHQが去った後でも、米国の忠実な家来として左翼の「有用なバカ」が日本解体作業を引き受け、今その最終工程を進めている。
 3・11の10年紀を迎え、あれだけの巨大な災害を経験しても、その解析、反省、改善が全く放棄されている。GHQによる日本解体実験に対する研究はごく僅かに最近行われ始めたが、それは保守・軍国主義者による「歴史改竄」という非難を受ける。「正しい」歴史教科書は未来の非日本国民を製造し続ける。
 世界のほとんどの国、その文化、過去、言語などが西欧によって物理的に制覇・破壊され、未だに植民地的な支配を受けている。
正義の味方日本はそれに抗議し、多大な犠牲を払い、アジアの植民地を解放した。皮肉にも、その日本は「内部の敵」によって、70年かけて自らの手で国体を壊しつずけた。この巨大な犯罪、日本の衰退・滅亡。 
 全く正統性のない、占領下の敵国に押し付けられた条約である「ニセ憲法」を破棄するのが、緊急の課題。同時に、GHQによって改竄された「皇室典範」も破棄しなければ、日本は消えてしまう。
(KM生)
  

(宮崎正弘のコメント)現行のいわゆる「憲法」廃棄論者は、くわえて西部遇、石原慎太郎氏らがいますね。

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(内容の一部)
●「鬼滅の刃」はなぜブームとなったのか?
  ──鬼退治の源流は桃太郎、金太郎、そして渡邊綱の酒呑童子退治
●飯盛山 白虎隊墓地:自刃した少年兵の霊魂がわたしを激しく揺さぶった。無数の光りの球が、夜、私の身体を揺さぶるのだ。光りの弾丸が脳裏を選挙して「悔しい。書いて欲しい」と訴えるのだった。
●市ヶ谷台 講堂(三島事件現場);刀の傷跡の残る総監室で、当時ガイドをしていた葛城奈海さんは三島の透明な霊位を見たという
●南洲神社と西?墓地:戦陣ならぬ西?軍の墓陣はのっしのっしと行軍しているかのごとしと江藤淳も書いた
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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)3月19日(金曜日) 通巻第6833号 <前日発行>
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~EUも中国制裁を決断。ウィグル人権弾圧で89年天安門事件以来
  日本は何故、欧米の制裁に同調しないのだろう?
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 札幌地裁は同性婚を認めないのは違憲だとする判決を出した。皇室問題有識者会議は半分が女性、五輪委員長も女性、ついでにいえば都知事も女性。そして週刊誌は「愛子天皇」特集と来る。

 これらすべては欧米の論調に阿った結果である。
日本の伝統に背を向けても平然としているのは社会の風潮が、国家の根幹に関して無関心だからだ。

 EUは3月17日に開催した大使級会談で「中国制裁」を決めた。
理由は明瞭であり、中国共産党のウィグルに於ける人権弾圧である。「人権侵害」に拘わった四人と一つの団体を対象とする。EUが中国を制裁を発動するのは1989年の天安門事件以来である。

 欧州議会はすでに昨師走にウイグル族への弾圧、強制労働に対して非難決議をしており、またオランド議会は米国同様にウィグル族弾圧を「ジェノサイド」と認定した。
ポンペオ前国務長官がバイデンの就任式直前に駆け込みで声明したが、その後のバイデン政権は、このトランプ政権の「ジェノサイド」認定を取り消していない。
ブリンケン国務長官は、ジェノサイドであることに間違いはないとして、継続姿勢を明らかにしている。

 さて不思議である。男女同権、差別反対、キャンセルカルチャーで欧米の流行に同調する日本が、なぜ、この中国制裁には同調しないのだろう?
     ◎☆◎◎み☆◎□☆や□◎◎☆ざ◎◎□☆き◎☆◎◎    

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(読者の声1)皇室典範の改正を視野に入れて、男子相続、女性宮家創設などを議論する「有識者会議」がちかく開かれ、「いそがない」ことを前提に皇室のありかたを討議するとか。
メンバーを見てびっくりです。誰一人、専門家がいないじゃないですか。かつて小泉政権のときはロボット工学の専門家が座長でしたね。天皇はロボットですか。なぜこの問題の専門なら小堀桂一郎先生とか大原康男先生とかを選ばないのか、管政権の側近には、まともなブレーンが不在のようです。
  (JJセブン)


(宮崎正弘のコメント)議論をしてますよというジェスチャーでしょう。とくに六人のメンバーを男女同数にして財界代表とか法律学者、女流作家とバランスをとるあたり、欧米世論への迎合です。
個人的な関心事ですが、前回の会議でも宮崎緑女史が、天照大神のファッションに似た服装で現れました。アマテラスは女帝でした。
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★西村眞悟の時事通信 ★西村眞悟の時事通信 
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  ★
生物学的に日本を滅ぼす判決
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令和3年3月18日(木)

 三月十七日の札幌地裁の三人の裁判官が壇上で雁首並べて言い渡した判決は、この裁判官達の頭(おつむ)の中が、占領軍が仕掛けた「日本の伝統破壊というシナリオ」通りに機能していることを示している。
裁判官である彼らは、男と男、また、女と女の「結婚」は、男と女つまり両性の結婚と同様に扱う訳にはいかないという「我が国の公序」は「憲法違反」だと言ったのだ。
 では、その「憲法」とは何か? 誰が書いて、何時公布され施行されたのか?我が国を占領していた占領軍が書いて、その占領期間中の昭和二十一年十一月三日に公布し翌二十二年五月三日に施行した。
そこで言う。
このような無効な代物(しろもの)を「憲法」だと大真面目に奉って、我が国の公序を断罪することが裁判だと思い込むのは一種のカルトだ。
 男と男、または、女と女が「夫婦」のようにして人生を過ごすのは勝手だ。しかし国家と社会が、男と女の夫婦と、同じように扱うべきだとは、道理が通らない。
 ピアニストのレロ・シロタは、キエフ生まれのロシア系ユダヤ人で、ハルピンで山田耕筰と出会い、妻と五歳の娘ベアテ・シロタを連れて一九二八年に来日した。
そして東京音楽学校の教授として乃木坂に住み、ハイソサエティとの多彩な付き合いをしながら快適に戦中から戦後まで日本に滞在した。娘のベアテ・シロタは家庭教師について英語やフランス語を習い、六カ国語を母国語のように話すようになって十五歳まで日本で過ごし、単身渡米してサンフランシスコのミルズ・カレッジに入学した。そして戦争末期には日本人と同じように日本語を話せるので、アメリカ政府の日本向けプロパガンダ放送を手がけ、終戦直後の昭和二十年十二月、日本にいる両親に会うために、占領軍の要員として、来日し、
二十二歳で、二十一年二月の占領軍民政局の最大の仕事である「日本国憲法」の草案作りにおける人権条項を担当した。
 そして、一年あまりで、敗戦国を離れてアメリカに移住した両親のあとを追って日本を去る。しかし数年前に八十余歳で亡くなるまで、自分は、「日本国憲法」の人権条項を担当し、日本の女性の権利を向上させたと胸を張っていたという。
さらに亡くなる前に、死後に集まった日本で言う「香典」は、日本の「憲法九条の会」に寄付してくれと言い残したと聞いている。
 この二十二歳のベアテ・シロタという娘が書いた「日本国憲法の人権条項」を七十五年後に、札幌の三人の裁判官が、神のお告げのように奉って「両親と子供がいる家庭」が社会の重要な要であり国家存続の根本的要件であるという我が国の普遍的な公序よりも優先させたのだ。
占領軍・GHQが「日本国憲法」に仕掛けた日本崩壊の時限爆弾は軽薄な裁判官を産み出しながらまだ生きているということだ。
 ここでアメリカ流の違憲審査度を導入している「日本国憲法」による違憲訴訟の実態を概観しなければならない。まず、憲法九条の解釈を巡る問題は砂川刑特法事件第一審違憲判決(東京地裁、一九五九年)長沼ナイキ基地訴訟第一審違憲判決(札幌地裁、一九七三年)等々多数で跡を絶たない。
 さらに憲法二十条三項の「政教分離原則」を巡る問題も、津地鎮祭事件違憲判決(名古屋高裁、一九七一年)愛媛県玉串料違憲判決(最高裁大法廷、一九九七年)と我が国の歴史と伝統を否定し続けている。
以上の訴訟の本質は、反日政治行動である。左翼・リベラルは、反日運動、日本弱体化運動にアメリカ流違憲訴訟を利用しているのだ。
そしてこの度の憲法十四条に基づく同性婚否定違憲判決(札幌地裁、二〇二一年三月十七日)である。これ、明らかに、必然的に、生物学的に、日本消滅への道ではないか。
 もう、ええ加減にせえ!
 無効なものは無効なんだと言い切る時が来ている。
我が国は、「無効な日本国憲法」に依拠する國ではなく、歴史と伝統の中にある「不文の憲法」の國だ。
「不文憲法」ならば、アメリカ流違憲訴訟の問題を生じる余地がなく法的安定性が確保される。GHQの思惑通りに反日報道をするマスコミが、違憲判決が出る度に、この度のように、鬼の首を取ったように騒ぐこともなくなる。
    (にしむら・しんご氏は元衆議院議員)


 ●アンディ・チャンのアメリカ通信 ●アンディ・チャンのアメリカ通信●
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民主党独裁が招いた二つの危機
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 バイデン政権が発足して二ヶ月足らず、既にアメリカは社会主義独裁が進んでアメリカの衰退が始まっている。
バイデンは就任して一ヶ月足らずで40通以上の大統領命令を発布したが、その殆ど全部がトランプ政権の政策を撤去するための命令だった。これが失業率の増加とアメリカ社会の不安定化を招いた。
バイデンがメキシコ国境の開放と未成年者の入境を受け入れたため、テキサス州とアリゾナ州の国境で違法入国者が急増した。
またバイデンがカナダから輸入するパイプラインの工事をストップしたため失業者が急増した。
さらに共和党議員の賛成がないままコロナ対策と称する1.9兆ドルの予算を通した。コロナ対策と称しても実際にコロナ対策は9%だけである。

▲今のアメリカは習近平独裁とあまり変わりはなくなった

 これが可能となったのは民主党の行政と国会と司法の完全独裁で社会主義政策を推進するからである。
アメリカの三権分立は三権行使の独裁となった。行政権は大統領命令の濫発を可能にした、立法権は国会が勝手な法律を通した、司法権は民主党の仲間の犯罪を無視し政敵は無実の罪をでっち上げて裁く。三権から独立しているはずの最高裁も憲法の正義を守る義務を行使しなくなった。
今のアメリカは習近平独裁とあまり変わりはない。バイデンが大統領命令を濫発し、国会は民主党の議員が一人の反対票もなく、シャンシャン拍手で憲法に違反した法律を通す。裁判所は法律を振りかざして政敵を有罪判決を下す。唯一シナと違う点はバイデンが無能で社会主義者のサンダースや強引に独裁を目指す国会議員の言いなりになっていることだ。バイデン政権は二ヶ月だけで二つの民主主義の危機を迎えている。
 
 第一の危機は、急激な違法入国者の増加でテキサス州やアリゾナ州が対応に悲鳴を挙げていることだ。バイデンがメキシコ国境の塀の工事ストップを命じ、未成年者の違法入国を許可したため違法入国者が一週間で1000名から4000名に急増した。1日に数千名の未成年と自称する若者が国境を越えてくる。アメリカは彼らを収容しなければならないが、1日に数千名だから二月の一ヶ月だけで10万人以上が越境し、収容所は超満員となった。越境者は中南米だけでなくシリア、アフガン、中国などからきた越境者もいる。この中にテロやスパイ、犯罪者などがいる。

 麻薬の密輸も増えたし越境者の20%がコロナ感染者であるという報告がある。彼らが収容所から国内に出れば感染者が増えるのは間違いない。せっかく空港では
入国者のコロナ感染を調べているのに越境者の感染を調べない。国境警察は越境者を収容するだけで忙しく、犯罪者やテロ分子、スパイ、コロナ感染者、麻薬密輸などに手が回らない。いまでは民主党贔屓のCBSやワシントンポストなども違法入国は20年来のピークを越えたと報道しているのにバイデンは間違いを認めず、国家安全局(DHS)のAlejanndro Mayorkas局長もこれは危機ではないと強弁した。CBSは「いまでは国家安全局は違法入国者招待所になった」と報道した。

 未成年者の越境入国が一ヶ月で10万人を超えるなら一年で百万人以上になり、バイデン政権の2024年までに千万人以上になる計算だ。彼らは技術者でも労働者でもない。国家がこれから数年から数十年にわたって衣食住の提供をする必要のある違法入国者である。それを国民の税金で賄うのである。バイデンと社会主義者の決定が経済悪化と犯罪増加、社会不安の増加を招き、米国の衰退が始まる。

 ▲不正投票を合法化したバイデンの売国

 第二の危機は国会が共和党総反対にも拘らず民主党議員がシャンシャン拍手で通したH.R.1法案である。
H.R.1とはこれまで憲法で定められた選挙法を完全に覆す「新選挙法」のことで、共和党のマッカーシー議員が「天秤に指をつけたと同じ」法案と批判し、マイク・リー上院議員が「これは悪魔が地獄で書き上げた文書だ」と嘆いた法案のことだ。
これは徹頭徹尾、民主党に有利な法案でこれを通せば共和党がいくら努力しても勝てないようになっている法案で、選挙が本当の選挙でなくなる法案だ。

 この法案の内容をいくつか挙げると、
(1)戸籍登録のない有権者を名乗る者が投票所でドライバー・ライセンスを示せば投票ができる。
(2)投票者の身分と署名の確認をせず投票できる。
(3)有権者の戸籍確認と身分確認をしないでも不在投票を取得できる。
(4)不在投票日をさらに延長する。
(5)疫病がなくても今後は郵便投票を許可する。(不在投票は投票所に行く必要がある)
(6)不在投票と郵便票の有効性を投票日後10日まで延長する。
(7)各州の州務長官、州長、投票所は投票日の数日前まで投票法を変更することができる。

 お分かりだろうか?
ここに挙げた新法令というものは去年の総選挙で違法として告訴されたにも拘らず、地方法廷、連邦法廷、最高裁が審査を拒否した憲法違法なのだ。
つまり民主党が作り上げたH.R.1とは去年の選挙で告訴された全てが違法だったと認め、その上で今後は永久に合法化しようとしているのである。正に悪魔が地獄で書き上げた「法とは言えない文書」だ。
それを下院は議会の合法的討論もなく通したのである。
 上院がH.R.1を通して合法化するには議員60票の賛成が必要である。上院議員は50対50で共和党員が賛成する可能性はない。
すると民主党のシューマー議長がこの法案を憲法で定められた60票でなく、過半数で通すと提案した。踏んだり蹴ったりではないか。
H.R.1が合法化すれば民主党完全独裁となり共和党は永久に勝てない。アメリカ有史以来の危機である。
アメリカが民主主義、三権分立を遵守するならありえないことだが、国民は今後の発展を見守るほかに何もできない。
                    (アンディ・チャン氏は在米評論家)

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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)3月18日(木曜日)弐   通巻第6832号  
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~LINEの情報が中国に漏れていた、なんという無防備
   ようやく政府は「千人計画」に対応し、技術流出防衛に
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 LINEの情報、データの保護はまったく無防備だった。中国の関連会社で閲覧が可能だったと親会社の「Zホールディング」が認めた(3月17日)。
 上海の関連会社と業務委託先の大連の現地法人が、名前や電話番号、トーク内容、書き込みにアクセスできたが、法律的には「データの海外移転」扱いで済まされてきた。

 日本国内に8600万人が利用しているのがLINEネットワークだが、一部自治体では住民票、給付金の申請窓口である。またワクチン予約システムを提供し、その情報の漏洩に不備があったことは大問題である。

 この大事件は第一にシステム開発を中国に委託するという基本的な誤り、第二にデータ管理を韓国に保管させてきたという安全感覚の欠如。第三にこれほどの現実を前にしても責任者は「日本国内のユーザー情報に(中国の委託先従業員が)アクセスできる状態になっていた」と説明しただけで、「データはまるごと盗まれていました」という可能性を認めないことだ。

 日本政府はアメリカからの要請もあったのだろうが、ようやく重い腰を上げて中国への技術流出を防ぐために科技基本計画を改める。
管首相を座長とする「科技イノベーション会議」は、2021年から五年間の方針を示す基本計画をまとめたが、総額30兆円で、「国際共同研究を進める」としながらも研究環境の透明性を高めるために指針を示した。

 とくに中国の「千人計画」は、欧米ならびに日本の研究者をつぎつぎと籠絡して、間接的にハイテク情報が流出している。
就中、ハーバード大学の有名教授が中国の技術スパイだったことが判明し、米司法当局は中国からの資金提供を申告しなかったとして、虚偽申告で起訴したが、これは氷山の一角に過ぎない。

 日本のエンジニアは国家安全保障の感覚に乏しく、老後の収入が魅力的だったり、研究費がふんだんに着くというのでせっせと中国にわたる日本人科学者、教授、技術者の夥しいこと!
 かれらは戦後教育と風潮の所為で、自分のやっている行為が売国に相当するのだ、という認識がない。

 日本国内の孔子学院も規制なし、日本には中国のスパイがうようよしていても野放し状態である。
 したがって、決め手となるのはやはり予算だろう。
日本学術会議にしても予算を劇的に削減すれば済むことであり、こういう政策転換には米国のように予算を武器に遣うことが有効である。 
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(読者の声1)16日の参議院文教科学委員会で、松沢成文氏が「従軍慰安婦」が中学校教科書に復活した問題で文科省を問い詰めました。
その質疑の様子を再生しつつ、背景を解説する緊急特番をyoutubeで放送しています。
https://www.youtube.com/watch?v=MSC-n818u3Q&t=950s
 必見です。お見逃し無く。
-   (藤岡信勝)


(読者の声2)「霊魂の不滅、輪廻転生を信じない人」のために。西風の強い所に住んでいるので, 木が風になびくように変形して成長するのが散見される。
風は常に一定方向でもなく、その強さも季節に応じて常に変化している。「正しい」変形・成長を生み出すには、1。かなりの期間、風の平均値的な観測と、記憶をも維持する、2。そのデータを元に木の成長、地下の根の構造をも含めての計画・設計を作り、3。それを元に、常に施工するという解析になるが、木のあらゆる部分を解剖しても、そんな複雑な機能を受け持つ「脳」の部分は見つからない。
ということは、木の本体から離れて、上記の仕事をしている、今の言葉で言えば、クラウドからの指示を受けている、らしい。
それを「霊魂」と名付けても間違いでは無いだろう。しかも、個体の木とは独立して継続しているのであれば、それを「輪廻」と呼ぶのも問題ではない。
(KM生)
    ◎☆◎◎ド☆◎□☆ク□◎◎☆シ◎◎□☆ヤ◎☆◎◎  



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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)3月18日(木曜日)通巻第6831号   <前日発行>
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~日米2+2会談で分かったのは「引き籠もり大統領」=バイデン
  そういえば選挙中も地下室で居眠りしていたっけ
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 ブリンケン国務長官とオースチン国防長官がそろって来日し(3月16日)、日米2+2が、実に七年ぶりに東京で開催された。メディアは大物閣僚二人の初めての歴訪先が日本であり、アメリカは日本をそれほど重視していると手を叩いて喜んでいるが、本当か?

日本のあと、ふたりは訪韓し、かえり道にわざわざアラスカに寄って、中国の外交トップ二人を呼びつけ米中外交首脳会談を「附録」として行う。
中国は楊潔チ国務委員と王毅外相がアラスカに飛ぶが、中国の外務官僚のトップには最終決定権はなく、軍の代表が来ないのは鼎の軽重を問われるだろう。

しかも三月の全人代で事実上の制服組のトップである許基亮(軍事委員会副主任。空軍上将)は「ツゥキジデスの罠」に言及しているが、昨秋の五中全会でも、許基亮は、「能動的な戦争立案」と発言し、台湾、ならびに尖閣、南シナ海をめぐる緊張に直面した中国人民解放軍が「戦って勝てる軍隊」の実現を目指すと発言している。

 バイデン大統領は人前にでたくないのだ。「引き籠もり老人」の耄碌と認知症がばれるからで、なんと外国首脳との電話会談はハリス副大統領が代行しているのである。
むろん、挨拶程度の電話会談は欧州首脳、日本などと行ったが、実質の詰めをおこなった電話会談はハリス副大統領で、英国、カナダ、独・仏のほかイスラエルなど六ヶ国首脳と就任から五十日での記録である。

ルーズベルトは死にいたる病にあっても、当時はテレビがないので新聞発表の写真で健全さをアピールしたが、事実上アメリカ政治を牛耳っていたのはFDRを囲んだ左翼の側近たちだった。まさにFDR末期に酷似するバイデンの引き籠もり、アメリカは大丈夫か
     ◎☆◎◎み☆◎□☆や□◎◎☆ざ◎◎□☆き◎☆◎◎    

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(読者の声1)「脱炭素の動き」に、風力発電や太陽光発電が巷間言われておりますが、欧州の場合は、メキシコ暖流とグーンランドからの北風により風が一定で風力発電に向きますが、日本は複雑な地形や台風の影響で地理的に向きません。
太陽光発電も平野が少なく向きません。日本が世界最先端技術を誇る「マグネシュム発電」を推進すべきです。
世界の全エネルギーの1億5千万年分の1800兆トンの埋蔵量があります。日本は二度と同じ間違えをしてはいけません。八木秀次先生の八木アンテナを無視して聴音機に飛びつきレーダー戦で負けました。
欧米がやらないからやらないではなく、欧米がやらないからやるべきです。
ご参考にPHP新書「マグネシュウム文明論」矢部孝東京工業大学教授をお読みください。
(林文隆)

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(読者の声2)未来ネット(旧「林原チャンネル」からユーチューブ収録のお知らせです。
「いわんかな#45- その1 異様!日本のメディア!」
https://youtu.be/9CCzt0d07xs
 高山正之(司会)。出演、馬渕睦夫、福島香織、宮崎正弘、塩見和子、川口マーン惠美、ゲスト門田隆将。
「いわんかな#45- その2 情報戦は超限戦!」
https://youtu.be/rJaKkyvq1ds

 なお、次回は4/1(木)16:30スタート(16時集合)となり、生放送でお届けしたいと思います。

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 いずれもスピリチュアルな雰囲気のなか、瞑想に浸れる場所がある。英霊に鼓舞される聖域がある。日本中にある世俗的なパワー・スポットより、あまり知られていない、都会から離れた、淋しく忘れ去られた現場を廻ってみた。
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(内容の一部)
●「鬼滅の刃」はなぜブームとなったのか?
  ──鬼退治の源流は桃太郎、金太郎、そして渡邊綱の酒呑童子退治
●飯盛山 白虎隊墓地:自刃した少年兵の霊魂がわたしを激しく揺さぶった。無数の光りの球が、夜、私の身体を揺さぶるのだ。光りの弾丸が脳裏を選挙して「悔しい。書いて欲しい」と訴えるのだ。
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 電流に撃たれるような、霊魂に溢れる神秘な場所が日本全国にある。それも歴史と密着した現場にあることが多い。
 いま若い女性は御朱印集めやら、近年は細分化が進んで「縄文女子」「土偶女子」、そして「古墳女子」というブームがある一方で、もっと細分化したのはカルタの伝統「近江神社」、連句会は俳句の愛好家があつまる「酒折宮」などへの参拝が静かなブームだ。
 いずれもスピリチュアルな雰囲気のなか、瞑想に浸れる場所がある。英霊に鼓舞される聖域がある。
 日本中にある世俗的なパワー・スポットより、あまり知られていない、都会から離れた、淋しく忘れ去られた現場を廻ってみると、由緒正しい沿革と意外な歴史を知ることも出来る。
それゆえ本書は従来から出回っている現場一覧的な記述や紹介をさけ、それぞれのテーマに沿って系列的な霊験の地を捜しあてようと、パワー・スポットを求めて、近代から近世、中世、古代へと溯る順番に霊的な挑戦をもとめる旅に出た。

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 (海竜社、1650円税込み)


(内容の一部)
●「鬼滅の刃」はなぜブームとなったのか?
  ──鬼退治の源流は桃太郎、金太郎、そして渡邊綱の酒呑童子退治
●飯盛山 白虎隊墓地:自刃した少年兵の霊魂がわたしを激しく揺さぶった。無数の光りの球が、夜、私の身体を揺さぶるのだ。光りの弾丸が脳裏を選挙して「悔しい。書いて欲しい」と訴えるのだ。
●市ヶ谷台 講堂(三島事件現場);刀の傷跡の残る総監室で葛城奈海さんは三島の透明な影を見たという
●南洲神社と西?墓地:戦陣ならぬ西?軍の墓陣はのっしのっしと行軍しているかのごとしと江藤淳も書いた

第1章 ポピュラーなパワー・スポットにて
●伊勢神宮 バイブレーションを感じる聖域
●近江神社 カルタの聖域となって女性が推し帰る
●京 晴明神社はブームの割に霊感がない

第2章 維新前夜、吉田松陰、西?隆盛の足跡
●水戸 天狗党墓地(不気味な怨念が支配する)
●西?隆盛んと西南戦争
●奄美、徳之島、そして沖永良部
●神風連墓地 桜園門下。
 
第3章 信長と戦国時代、明智光秀の「復活」

第4章 後醍醐天皇前後

第5章 ヤマトタケルの遠征(さらに東征、そして西征)
  
第6章 神武天皇東征ルートを辿る(神武東征へ)
●宮崎神宮(神武東征の出発地)
  (神武以前)
 ●三内丸山遺跡の六本柱(暦と時計か)
 ●尖石縄文遺跡(黒曜石の本場でもある)
●天の岩戸(高千穂。天照大神)。天孫降臨は霧島あたり
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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)3月17日(水曜日)   通巻第6829号  
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~馬雲(アリババ創始者)は依然として『失踪』中だが
  中国共産党、アリババに資産、とくにメディア売却を要請
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 3月17日付けの『多維新聞網』がまとめた。
 15日に米国『ウォールストリート・ジャーナル』が報じた内容は、中国がアリババに対して『メディアの売却を要請』しているという観測記事だった。
その狙いはずばり、アリババが保有する英字紙『サウスチャイナ・モーニングポスト』(南華早報)である。中国共産党に楯突くメディアは発行を許さないという一神教的なドグマの露見である。

 当初、アリババが同紙を買収したとき、ペゾスがワシントンポストを買収したように、老舗有力紙を駆使しての影響力の浸透が狙いといわれ、しかもアリババは中国共産党の婉曲的な指令にもとづいてのM&A作戦の行使と推測された。

 ところが、その後の『サウスチャイナ・モーニングポスト』紙の論調はといえば、中国共産党に批判的であり、経済政策に関しては鋭い分析を続ける一方で、香港の民主化運動にも理解を示してきた。中国共産党の間接支配という狙いがはずれたのである。

 昨秋の上海での経済フォーラムで中国共産党の経済政策を批判して以来、アリババの馬雲は「失踪」したままである。
前掲『ウォールストリート・ジャーナル』は、馬雲は依然拘束されたまま取り調べを受けており、昨年11月のアント(アリババの金融子会社)の上場延期以後、アリババの資産売却を強要し、つまりは馬雲の財産を身ぐるみ剥がし、使い捨てる。
圧倒的な金融界の影響力を誇る庶民銀行=アントを国有化する腹づもりではないかと分析した。

 冒頭に掲げた『多維新聞網』は、これらの資産売却のなかに、アリババが保守する『サウスチャイナ・モーニングポスト』が含まれる観測があがっているとしている。

      ◎☆◎◎み☆◎□☆や□◎◎☆ざ◎◎□☆き◎☆◎◎    

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(読者の声1)私は1998年から、深セン市福田区に居住しております。樋泉先生のコラム知道中国の中に、記述されております「新田の文さん」ですが、私の家の近くに福田区でも歴史の古い客家人の崗廈村(地下鉄駅名も同じ)が在ります。
 当村は文姓だらけの同族村で、御先祖の偉人には、「正気の歌」でも有名な文天祥がおります。村の門牌(入口の石柱の鳥居)の横には、文天祥と正気の歌の石碑や客家人の絵物語が彫られた一画が有ります。
 なを私は昨年の2月に、CCP Virusにより国際航空路線が中断される直前、深センからの最終便にて日本に帰着しました。よって現在はVirus被害でのテレワークでシノイデおります。
  (相澤生) 

   ♪
(読者の声2)「インド・ロシア太平洋戦略」 対中国覇権枠組の拡大必要性
◆コロナ一人勝ちの中国◆
 現在コロナ一人勝ちの中国の、アジア進んでは世界覇権獲得への勢いが止まらない。強権で新型コロナを抑え込みに成功(と発表されている)すると共に、ワクチン外交で、世界に味方を増やそうとしている。
 その勢いで、尖閣、台湾、沖縄を獲りに来ることは、当然の可能性として警戒しなければならない。
 対する西側は、インド太平洋戦略の下、日米豪印のクワッド会議を開き、これを牽制しようとしている。
 しかし、盟主であるはずの米国バイデンは、大統領選挙前から中国の脅威を軽視した発言をしており、それはトランプに対抗するための方便の面と捉える向きもあったが、以下の発言によりやはり本音だった事が白日の下に晒された。
 「バイデン氏は2月16日、米CNNがウィスコンシン州ミルウォーキーで主催したタウンホール(対話集会)に参加、司会者のウイグル問題についての質問に対し、次のように語っている。
 『習近平の主要原則は、厳しい支配によって統一された中国でなければならないというものだ。そして彼はそうした行為(人権侵害)に理論的根拠を示す。私が彼に指摘したのは米国の価値観を反映しなければ米大統領として居られないと。その意味で彼が香港で行ったこと、ウイグル西部(自治区)、台湾で何をしているのか、といったことについて私は一つの中国政策を強化することに声を上げる(反対する)つもりはないと言った』。」(3/13 歳川隆雄氏の記事より引用)
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/81130


 ブリンケン国務長官は、トランプ政権の対中牽制の引き継ぎを明言し実際そう動こうとしているが、親方のバイデンがやる気が無いのだから、実効性はないだろう。
 EUも中国の脅威を意識し始めているが、同時に盟主ドイツのメルケルは対中経済協力強化を打ち出し、「命は惜しいが河豚は食いたし」の構えで、中国覇権の抑えは米国にやってもらいたいと言うのが本音だ。
 日本でも国際政治学者の三浦瑠麗氏の他、中山俊宏、鈴木一人氏等が、バイデンの国際協調路線によって中国を牽制がトランプ時代よりも高まる可能性に期待を寄せていたが、早くも希望的観測に終わりつつある。

◆「インド・ロシア太平洋戦略」◆
 米国の中を覗いてみると、ウォールストリート・国際金融資本は中国の市場が欲しいし、軍産複合体は中東での管理された永久戦争・準戦争状態により兵器弾薬が消費されるビジネス・モデル継続を望んでおり中国との覇権争いには必ずしも乗り気でない。
 一方、民主党議会は、ウイグル人権問題に目覚め始めており、対中強硬路線を打ち出しつつある。しかしバイデン本人は、スキャンダルで中国に弱みを握られているのを一旦脇に置くとしても、前述のように「対中平和主義者」なので、議会の関心を逸らすだろう。
 具体的には、「困ったときのロシア頼み」で、ロシアを悪魔化しその脅威を喧伝する事で中国の脅威を相対化する。
 ちょうどタイミング良くロシアのプーチンは、反体制派リーダーのナワヌルイ氏を毒殺しようとし未遂に終わると逮捕した。一方の中国の習近平は、ウイグル人を百万人以上人権侵害している(共に報道される所による)。
 報道を基にする限り、習近平はプーチンの百万倍の大悪魔、プーチンは小悪魔でなければならないが、米左翼は特に戦略性がなく優先順位と事の大小軽重の感覚が狂っているので、今回も向かう相手を間違える可能性、少なくとも中露を同列に見る可能性が高い。また、EUは前述の商売っ気からロシアを主敵と見做すだろう。
 これにより、行き場を失ったプーチンを習近平の方へ押しやり、事実上の「中露同盟」の紐帯を強くしてしまう。
 現在、第一位の軍事大国である米国が、第二位、第三位の「中露同盟」に対抗すれば勝ち目はない。中露の間に楔を打ち込み「米露・その他 vs 中国」の構図にする事が、古今東西からの戦略の常識である。だが、冷戦頭が抜けきれない米国・欧州は中々この常識が通用しない。
日本でも大河ドラマでも見ていれば高校生でも分かりそうなこの常識を分っている識者が少ない。
 トランプは、「マッドマン・セオリー」で通商問題と人権問題の併せ技により習近平を土俵際まで追い込んだが、いや強力に追い込み過ぎたためか期せずしてコロナに足元を掬われた。
 だが今必要なのは、融和政策でヒトラー・ナチスドイツの台頭を許したチェンバレンではなく、その野望を食い止め打ち壊したチャーチルである。
 もしトランプが次期大統領選への出馬を見送れば、後継者は国務長官だったポンぺオが有力だろう。
その思考言動は平明だがスクウェアであり中国人と中国共産党を切り離し、中国包囲網構築に積極的外交を展開した。ただ、共和党が選挙をするには福音派の票が必要であり、副大統領候補を誰にするかが問題となる。そのためユダヤ教徒であるイバンカが浮上して来るかも知れない。
 日本としては、何れにせよ自主防衛を拡充すると共に、盟主の米国がお花畑の夢想から完全に覚めるのを待つ間、門前払いされ続けるセールスマンとなるだろうが、「中露vs米・その他」の必敗の構図を崩すべく「中露同盟」に楔を入れ、現行のインド太平洋戦略にロシアを加えた「インド・ロシア太平洋戦略」への拡大に向け、地道に尽力して行くべきだろう。
(佐藤鴻全)

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(読者の声3)貴誌前号の投稿にあった「十年目の真実の教訓、その後10年経った現在でも、危機対応への体制整備は、ほとんど進展していない」と言う歴史は古く、対策はいずれれも「外圧」のおかげで行われ、自ら「改善、改革」する仕組み・能力が日本には無い。
 国家規模のみならず、大企業、大組織・役所なども同様。
 徳川幕府の末期、日本が植民地化される寸前に「黒船の外圧」によって始めて目覚めて対応した。
第2次大戦も米軍のお陰で「一億総玉砕」つまり国家の消滅から「外圧」によって免れた。故山本七平氏も故堺屋太一氏も組織・文化・宗教(日本教)からの観点によって「教訓が生かされない」体質を再度指摘されてきた。いわば船長・指導者のいないエンジンの切れたぼろ船が大海を漂うような状態が続いている。
 かつて日産自動車が破産し、東大出の重役どもが何も出来ず、外人・外圧・カルロス・ゴーン氏に拠って再建していただいた特例があった。幸いトランプ氏は暫時暇であろうから、この際、総理大臣として、かつてGHQ総司令官マッカーサー的大規模な改革案で日本を立て直す、のはどうだろうか。
氏は4年間無給で働いていたので、年俸100億円程でお迎えしても、100兆円ぐらいのお釣りが来るだろう(しかしゴーン氏に対して、恩を仇で返したので、虎さんは拒否される、かもしれない)。
(KM生)


(宮崎正弘のコメント)嘗ての李登輝閣下への熱狂的信仰、それがトランプへの哀切感情となって、日本の保守陣営も外国の指導者に、リーターシップを仮託しているのです。
それもこれも激動期にあらわれる西?、大久保、木戸、伊藤といった英傑が不在だからでしょう。安倍さんは、ちょっと小型でしたが、指導力には恵まれたと思います。
 しかし本当の狂瀾怒涛がやってくれば、草もうの志士がいずれ輩出すると信じております。
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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)3月16日(火曜日)弐  通巻第6828号  
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ミャンマーで反中暴動が発生、32ケ所で放火、略奪、暴行
  日本企業は高々と日の丸を掲揚し、防戦
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 クーデター騒ぎで治安悪化のミャンマー。ヤンゴン北西部のラインタヤにある中国企業の工業団地が襲撃され、工場や倉庫が放火された。
とくに繊維工場が狙われ、中国人従業員が負傷した。工場付近の商店も襲撃され、在庫だけで20万ドル分が失われたという。

このラインタヤ地区は、15日のデモ、抗議集会で多数の死傷者がでた場所であり、抗議集会の一部が中国系工場に乱入した。

 ミャンマーでは1967年にも反中暴動が発生し、中国系商人は消えたはずだったが、いつのまにかマンダレーなどはチャイナタウン化していた。
 現在、ミャンマー在住の中国人は40万人といわれ、各地に工業団地を建てて、人件費の安いミャンマー人と酷使するので、評判が悪かった。

 日本企業はおよそ400社、ヤンゴン南西部のティラナ工業団地を開発造成し、この団地に集中している。起工式には安倍首相が飛んで、当時のティンセイン大統領との歓迎式典に臨んだ。

 ミャンマーで暴動の標的となっているのは、いまのところ中国企業だけ。
日本企業は日の丸を掲揚して国籍を明示しており、台湾、韓国、シンガポール企業もこれに習っている。
このパターン、先年のベトナムに於ける反中暴動と酷似している。ベトナム人と同様にビルマ人の心底にあるのはアンチ・チャイナ感情である。
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過去十年で最悪の黄砂が北京、天津を襲っている
  斯界ゼロ、交通渋滞、日常生活が成り立たず
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 週末から北京、天津を黄砂が襲った。
モンゴルからの風が猛烈な黄砂を運んだ。「過去十年で最悪の黄砂」と各紙が写真入りで伝えているが、斯界ゼロだと交通事故も多発するだろう。 

 北京、天津では空港も閉鎖され、数百便が欠航となった。ハイウェイも渋滞が各所で発生し、混乱に拍車を掛けた。

 この黄砂は日本に偏西風によってやってくる怖れが高い。
 昨年も、日本各地で中国からの黄砂被害が確認されており、奈良県の山麓では稲作が全滅だった地区がある。

 いまひとつの被害想定だが、この黄砂によって被災地の太陽光りパネルが壊滅する怖れがある。

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樋泉克夫のコラム 
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【知道中国 2212回】                    
 ──英国殖民地だった頃・・・香港での日々(香港94)

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 ロンドンの中華料理店の同じ文一族の店主から賃金の前払いの形で旅費を受け取り、新田村の若者たちは勇躍として香港を離れる。こうして移住関連事務手続きなどの経験を積み重ね、そのノーハウが一族に蓄積され、一種の財産として一族内で独占的に共有される。これが、いわば門外不出の一族繁栄の「原資」というわけだ。

 もちろん、汗と涙で積み上げた一族の宝を他の一族に伝えることはない。これを裏返せば、他の一族も同じようにして移住やら職業斡旋に関する独自の情報やネットワークを持っていて何らの不思議もない。
新田村の文氏一族だけが特別というわけではないのだから。

ロンドンのチャイナタウンでの中華料理店が飽和状態になるや、ロンドン以外の都市に商売を広げようと動き出し、イギリスの地方都市に一族系列の中華料理店が展開される。ビジネス・ネットワークが張り巡らされ、結果としてイギリスの全土の中華料理店業界は文氏一族が独占的に経営することになる。

 やがて文氏一族による中華料理店ネットワークは、ドーバー海峡を越えてヨーロッパ大陸に進出するまでに成長する。かくて新田村の若者は、イギリスを中心にしてヨーロッパに張り巡らされた一族の就職ネットワークを頼って香港を離れるのであった。
一族の店舗で人手が不足したら、経営者は新田村の一族──つまり《自己人》──に関する法的な身分保障をし、イギリスに呼び寄せることになる。
 
 香港新界の貧しい農村に過ぎなかった新田村の文氏一族が生きていくために香港を飛び出した結果、ロンドン、イギリス全土、ヨーロッパ大陸を繋ぐビジネス・ネットワークを築き上げるのであった。
中国大陸であれ海外であれ、移り住んだ先で漢民族が生きていくことができるのは、文氏一族にみられるように、血縁(文氏一族)と地縁(新田村)と業縁(イギリスの中華料理店)とが強固に合体した相互扶助組織があるからこそ、ということになるだろう。

 殖民地化前後にイギリスが建設した香港最古の西洋式道路で、香港島をヴィクトリア湾沿いに走る皇后大道(クイーンズ・ロード)のうちの西環(サイワン)、湾仔(ワンチャイ)、銅鑼湾(トンローワン)、北角(パッコ)などの地区で老朽化したビルの上層階の窓や壁に某々宗親会とか、某々同郷会とか、某々同業会などの文字を目にする。
この種の民間の相互扶助組織がまるで毛細血管のように張り巡らされ、彼らの社会を支えてきたのだ。

だが、古くから続く民間における相互扶助の仕組みは共産党統治下の大陸でも認められるのだから、なんとも不思議だ。政治とは別次元の民族的体質とでもいうのだろうか。

 その典型とも思える1990年代末の北京に出現した「浙江村」と呼ばれる地方出身者の集団居住地区について、ある日本人記者は次のように記した。

「長江下流域の南側にあたる浙江省の出身者が固まって寝泊まりしているところから、この名前(「浙江村」)がつけられた。〔中略〕多くの住人は(浙江省の)
農村部から一家ごとに上京し、北京で商売をはじめた「にわか商人」だ。〔中略〕『都会で商売をして一旗揚げよう』と人々が農村を後にする。〔中略〕もうけの
大きそうな北京に流れこんできたのだ。浙江村の男は絹などの繊維産業の盛んな浙江省の各地から布を仕入れ、女がミシンで洋服に仕立てる。出来上がった洋服を男がまた売り買いする。浙江村には、こうしてできた格安の洋服が路上で売られている。村には自前の学校から理髪店、浙江料理の店まで生活に必要なものは何でもある」(村山宏『異色ルポ 中国・繁栄の裏側 ──内陸から見た「中華世界」の真実』日本経済新聞社 2002年)

 香港新田村の文氏一族にとってのロンドンの中華料理店、浙江省の農民にとっての北京の浙江村・・・異郷で生き抜くための草の根のカラクリに、やはり違いはない。


      ♪
(読者の声1)貴誌連載、樋泉克夫氏のコラムに出てきたロンドンのチャイナタウン。岡田英弘氏はソーホーのチャイナタウンは客家系でまずい、と書いていたと記憶します。英国では広東・客家系中心に1990年代に福建系が増加、21世紀の新移民はどうなっているのか、時代により出身地も変遷し味も変わっていくのかもしれません。
 中国人はなんでも食べるといわれますが日本でも中国珍味・ゲテモノが食べられるという。
 「辺境メシ」(高野秀行著 文藝春秋 2018年)には歌舞伎町の「上海小吃」という店での体験記が出てきます。珍味類が異常なほど充実した店で、ムカデやペニスは女ほしい人、ホストに人気と美人店長。注文に迷っていると「虫の盛り合わせ」を作ってくれるという。
 バッタ、セミの幼虫、巨大ムカデ、タランチュラ、サソリの5点盛り。早稲田の探検部出身でサルの脳みそまで食べた著者がたじろくインパクト。まず無難なバッタから。味は薄く「中華には珍しく素材感がありますね」、続いてセミの幼虫。外は殻が固いビニールのようで、中はぐじゅぐじゅ。どう考えても味が薄すぎる。店長にいうと「それ、料理してないよ!」
 調理前の状態が見たいと生で出してもらいながらすっかり忘れていたという笑い話。あらためて調理したものを食べるとバッタはスナック菓子、セミの幼虫はカスカス、一番美味しかったのは巨大ムカデ。
 日本の食材では「クジラ食文化を守る会」理事長を務める小泉武夫先生による食事会でのクジラ料理が絶品。土浦でとれたツチクジラをお土産にもらい、鯨パーティーを開催。みなこんな美味しい鯨肉は食べたことがないと驚く。同じクジラと言っても、鯛とサンマ、牛肉と鶏肉ほど違うという。
日本人はクジラのことを本当に何も知らないと呆然とする著者。世界や日本の食文化を知る上でも興味深い本でした。

 ところで、アメリカのLGBT関連の話題にはことかきませんが、バイデン大統領の就任式で詩を朗読した黒人作家の作品をめぐりカタルーニャの白人翻訳者が契約解除。翻訳者の能力ではなく「女性で、若く、活動家であることが必須で、黒人が望ましい」とのくだらない理由。オランダでも翻訳者が辞退に追い込まれている。
https://www.afpbb.com/articles/-/3336122?cx_amp=all&act=all


 アメリカではアニメの声優も黒人役は黒人が演じるべきなどメチャクチャな議論が行われている。
アメリカは自分の価値観に合わないことには文句をつけずにいられないどころか時として価値観を強制しようとするから世界中で嫌われる。
 そんなアメリカのマンハッタンに30年も住む日本人女性のツイートがあまりに痛すぎてトレンド入り。アメリカでは馬をペットとして飼う人が多いため馬のCTも珍しくないという獣医師さんの投稿に対し、「あの写真は即消してください。馬にも基本的馬権あると思う。」
https://twitter.com/satoshi07qb/status/1370494479535247363


http://crx7601.com/archives/57811573.html
 さらに獣医師の反論に対し「あの獣医の大股びらきの馬の写真、青少年もツイッター見てるんだし、あんまりだから通報した。」
 「カイジ」というマンガ作品では主人公のカイジが隠していたエロ本のタイトルから獣姦疑惑を持たれる話がありましたが、まさか馬の大股開きの写真から性的連想をするとは。
クジラを殺すなとか原発反対を叫ぶ人たちと同様のニオイがしますが「基本的馬権」を大真面目で主張するような人たちとは近づきたくないですね。
   (PB生、千葉)

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(読者の声2)「あれから10年」ということで、3月11日の前後、TV、新聞、雑誌すべてが震災関連の記事で一杯でした。その中で、読後、あらためて慨嘆の念を禁じえなかったのは、その内容は想像していたとおりだったとは言え、月刊文春4月号の「その時米軍は『日本占領』に動いた」(麻生幾)です。 
 この中で、「日本は情報を把握できていないのではないかという疑心暗鬼がひろがりました。そして、もはや菅直人首相率いる日本政府に原発対処を任せられないとの雰囲気がアメリカ軍内で高まっていったのです」
という米軍幹部の言葉が紹介されています。
 また、ある駐留米国軍幹部が、「現地調整所」で、自衛隊が原発事故対処についてのすべてを仕切っていない、ということについて、「この手の危機管理は軍がやることに決まっている」として、最後まで「日本の事情」を理解できないと言っていたという話も述べられています。
 神戸震災においては、放射能のような深刻な問題はなかったものの、当時の社会党首相、当時の県知事が、即時、敏速に自衛隊の協力を求めておれば、かなりの人命が救われたのではなかったか。
 上記の記事は「十年目の真実の教訓、が日本の未来に役立つことを願わないではおられない」と結ばれていますが、その後10年経った現在でも、こうした危機対応への体制整備は、ほとんど進展していないのではないかと危惧されます。
 尖閣を侵犯され、竹島を実効支配された日本国、経済力においても、あっという間に中国に凌駕されてしまった現状のなか、さらなる大震災、財政破綻が何時起こっても不思議ではない日本社会。
 堕ちるところまで堕ちて初めて、我が国民は目覚めるのでしょうか。
「日本もまた堕ちることが必要であろう。堕ちる道を堕ちきることによって、自分自身を発見し、救わなければならない」という安吾の言葉を虚しく思い起こします。
  (椿本祐弘)

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(読者の声3)東京商工リサーチの調査では、百年以上続く老舗企業は日本には三万数千社、これに対して支那では四社(北京の茶舗)、韓国はゼロである。なお別の調査(韓国銀行)では、AD705年(文武天皇八年・群馬の温泉景雲館創業)からAD1851年(ニューヨークタイムス創刊)までの約千百年の間に創設されて二十一世紀の現在まで持続している主要産業国の企業は全世界で2393社あるが、日本は1106社あり、ドイツ476社、支那3社、ロシア3社、韓国0社である。
日本は全体の46%でのあり、ドイツを加えると日独で約59%を占める。日独の、老舗企業の力は恐ろしいのである。
イギリスやアメリカはそれぞれ221社と276社であり、リカードの資本の循環の理論で30年が限度である如く、株主主体の資本主義では老舗企業は成立せず、持続しないのである。余談であるが、ロシアの三社の一つは、1770年創設のボリショイ劇場である。
 日本の老舗企業の強さは圧倒的である。これを何が支えているかと言えば、日本の万世一系の皇室の安定性が支えている。
  (YK生、愛知県)
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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)3月16日(火曜日)通巻第6827号  <前日発行>
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~インド中央銀行、暗号通貨取引、保有禁止を依然として考慮中
   通貨発行は主権行為である。民間の通貨業務参入は許されない
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 いちど2018年にインド中央銀行は「暗号通貨の取引、保有禁止」を通達した。ところが2020年3月ににインド最高裁は、この通達を無効とする判決を出した。

中央銀行(正式には「インド準備銀行」と呼称し、東パキスタンがバングラデシュとして独立するまでも、同国の中央銀行として機能した)は、民間が通貨を発行することは主権を脅かす脅威であるとして、依然として暗号通貨の取引と保有の禁止を考慮中であることが分かった(『ザ・タイムズ・オブ・インディア』、2021年3月15日)。

「安全保障の見地から考えても、暗号通貨はテロリストの軍資金の移動や暗黒街の資金洗浄に使われており、不正な資金移動が世界的規模でおきる(げんにおきている)」
「そうした暗黒ル-トを突き詰めることは不可能といってよい」と国家安全保障上のリスクをあげ、中央銀行は最高裁決定を不服として、インド政府そのものに最終決定を迫る手筈という。

この背景にはデジタル人民元のアジアへの浸透を脅威視している心理的背景があるが、コメントには中国の名指しはない。
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 西村眞悟の時事通信  西村眞悟の時事通信  西村眞悟の時事通信 
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硫黄島摺鉢山に翻る「日の丸」を忘れるな
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 東日本大震災から十年を経る三月十一日が迫る日々は、連日、津波の状況や、その中での人々の苦難の様子が報道され、その度に目頭が熱くなった。そして私も、日本の國體、則ち、天皇のしらす國の顕現という観点から、東日本大震災のことを記した。
 同時に、我が国の現代史において、寒中から時に春風を感じ始める三月という時期が、我が国にとっても、世界にとっても、重大な意味をもつことが起っていた時であることを感じた。
「記憶としての過去」ではなく「現在を決定づけた過去」=「現在とともにある過去」として大観すれば、平成二十三年(2011年)三月十一日の東日本大震災と巨大津波。昭和二十年(1945年)二月十九日から三月二十六日までの日米の硫黄島の戦い、さらに、明治三十八年(1905)三月十日に終結した日露戦争の奉天大会戦は、総て、過ぎ去さった日付のところにあるのではなく、現在の我々と共にある。
 よって三月は東日本大震災に加えて、日米の硫黄島の戦いと日露の奉天の戦いにおける日本と日本人を語ることが自然で普通でなければならない。そこでこれから、昭和二十年二月十六日の、アメリカ軍の艦砲爆撃の開始から同年二月十九日の、アメリカ軍上陸そして、同年三月二十六日の、栗林忠道中将と市丸利之助少将の戦死推定日までの硫黄島の戦いのなかで、忘れ難いことを記しておきたい。

 アメリカにおいては、硫黄島の戦いは、日本軍の凄まじい死を恐れない勇戦奮闘に驚愕し惨憺たる苦戦を強いられ六千八百人の戦死者と一万九千人の負傷者という膨大な犠牲を強いられながら、遂に、日本本土に始めて星条旗を立てることができた戦いとされ、アメリカが今まで経験した最も激しく厳しい戦いであった一八六三年のゲティスバーグの戦いに比肩されている。
 それ故、アメリカは、ローゼンタールが撮影してピューリツァー賞を受賞した硫黄島の摺鉢山の頂に五人の海兵隊員と一人の陸軍兵士の六人が、星条旗を掲げる写真に映った情景を高さ二十五メートルの巨大なブロンズ像にして、アーリントン墓地の北側にあるポトマック川とワシントンDCの中心部が見渡せる高台に立てている。「合衆国海兵隊記念碑」である。
 では、日本において、この硫黄島の戦いは、祖国を守るために、命をかけて全力で戦った将兵の愛国の至情を賞賛し尊敬の念を以て記憶せよと教えられているのか!
明治三十七・八年、観戦武官として来日し、日露戦争の戦場における日本軍将兵の勇戦奮闘を目の辺りに見たイギリス陸軍のイアン・ハミルトン大将は、日本から学ぶべきものとして兵士の忠誠心をあげ、「子供達に軍人の理想を教え込まねばならない。自分たちの先祖の愛国的精神に尊敬と賞賛の念を深く印象づけるように、教育のあらゆる感化力を動員して、次の世代の少年少女たちに働きかけるべきである。」と語り、エディンバラ大学の名誉総長になってイギリスの教育改革に取り組んだ(平間洋一著「日露戦争が変えた世界史」)。
もしハミルトン大将が、大東亜戦争の観戦武官となって日本軍将兵の戦い、特に硫黄島の戦いを観たら、同じことを言うだろう。またその日本軍将兵と戦ったアメリカ軍将官も自身の体験に基づいて痛切な思いでイアン・ハミルトン大将に同意するに違いない。
 それ故、想定を遙かに超えた戦死者を出した硫黄島と沖縄での戦いの後に、日本の占領統治に入ったアメリカは、日本の強さの根源を封印するために日本から「戦史」を奪い、大東亜戦争という名称を奪い、大東亜戦争は日本の軍閥(軍国主義者)が起こした不義の侵略戦争だと日本人の頭に刻み込んだ(WGIP)。これが刻み込まれた体制を、戦後体制という。よって、先ず、封印された戦史を回復するために、日本軍将兵の心と姿を取り戻したい。

 まず甦らせるべきものは、摺鉢山の頂に翻る日の丸、「日章旗」である。
 アメリカ軍は、昭和二十年二月に入り、硫黄島周辺海域に空母十六隻、艦載機一千二百機、戦艦八隻、巡洋艦十五隻、駆逐艦七十七隻、人員十一万人を集結させ、二月十六日から上陸する十九日まで激しい艦砲射撃と空爆を実施した。上陸するために艦上で待機している海兵隊員には砲爆撃に包まれた硫黄島は噴煙のなかで海に沈んだように見えそこに日本兵が生きているとは思えなかった。しかし、栗林忠道中将(戦闘中に大将に昇進)が断固として構築した硫黄島の地下要塞はアメリカ軍特有の物量にものをいわせた砲爆撃にびくともしていなかった。
 第一次世界大戦に従軍し、タラワ、サイパン、テニアン、グアム等々の上陸作戦で海兵隊を指揮してきたアメリカ軍司令官ホーランド・スミス中将は、その回想録に次のように記している。
「太平洋で戦ったすべての敵の中で、栗林は最も手強い相手であった。」
「栗林の個性は彼の構築した硫黄島の地下防備に深く刻み込まれていた。」
さらに、
「それは、第一次大戦中にフランスで目にしたものより遙かに優れていて第二次大戦におけるドイツ軍の地下防備をも凌ぐものだ。」
この地下要塞を構築した上で、栗林中将は、地下要塞から飛び出して敵に向かって突撃することを禁じ、全将兵に「敢闘の誓」と書いた紙を配布し、
・我らは全力を奮って本島を守り抜かん
・我らは敵十人を斃さざれば死すとも死せず
・我らは最後の一人となるとも「ゲリラ」に依って敵を悩ません
と命令していた。
 この硫黄島にアメリカ軍は、二月十九日に上陸してきた。そして二月二十三日に要衝の摺鉢山の頂上に「星条旗」を掲げた。すると後からカメラマンのジョー・ローゼンタールが登ってきて、もう一度やってくれと要請し、海兵隊はもっと大きな旗を軍艦から降ろして持ってきてローゼンタールのカメラの前で星条旗を掲げ直した。つまりあの写真はヤラセなのだが、最も素晴らしい戦場写真として有名になり、「合衆国海兵隊記念碑」という巨大なブロンズ像となった。

我々日本人が、歴史を回復するとは何か!
摺鉢山のここに、その大きな実例があるので指摘する。それは、我々日本人は、あの「海兵隊記念碑」のポールに翻る日の丸・「日章旗」!を見なければならないということだ。確かに、アメリカ軍は、二月二十三日、摺鉢山に星条旗を掲げた。しかし、翌二十四日の朝、摺鉢山の上に翻っていたのは日章旗だった。それを見上げたアメリカ兵はビックリし腰を抜かし、海と空からの猛烈な砲爆撃の後に摺鉢山に登って星条旗を再び掲げた。そして、彼らは翌日の二十五日の朝、摺鉢山を見上げた。するとそこに、星条旗はなく、再び日章旗が翻っているのを見たのだ。
このこと、生き残った十七歳の通信兵が確認している。現在、アメリカの国立海兵隊記念館に、風で外縁部がちぎれた星条旗があり、摺鉢山に掲げられた「二枚目の星条旗」との説明がある。しかし、これは間違いだ。一枚目と二枚目の星条旗は、夜間、日本兵が下ろしたので存在しない。現存するのは三枚目だ。ローゼンタールの写真にある星条旗を掲げる六人のアメリカ兵のうち、三人が戦死した。その星条旗を下ろして二度も日章旗を掲げた日本兵は全員戦死した。我らは、彼らを忘れてはならない。
私は、衆議院の安全保障委員会委員として、平成五年に沖縄から自衛隊輸送機に乗り、始めて硫黄島を訪れた。硫黄島上空にさしかかり、硫黄島の摺鉢山を眺めた時、鬼気迫る思いがして、鬼が慟哭している!と直感した。そしてコックピットの機長に、翼を振って島を一周回ってから着陸して欲しいと頼んだ。慟哭の鬼と英霊に着陸の挨拶をするべきと感じたからだ。その後に、栗林中将の大本営に宛てた訣別電を読んだとき、私の直感と符合する「将兵の敢闘は眞に鬼神を哭しむるものあり」という壮絶な一文があった。
 硫黄島を守る日本の陸海軍将兵の総数は2万2786人。生存者は、負傷して動けなくなり捕虜となった1023名に過ぎない。彼ら生存者は次のような情景を伝えている。摺鉢山の日の丸のことは既に記した。
 以下、留守晴夫著「常に諸子の先頭に在り 陸軍中将栗林忠道の硫黄島戦」より。
○海軍指令部付士官だった松本巌は、夜、海軍司令部守備隊の全滅を知らすために本部豪を目指して月明かりと照明弾の明かりを頼りに北地区を歩きようやく豪の入り口を見つけて入り込んだ。しかし、そこは本部豪ではなく中隊豪だった。目が慣れてくると、その豪には陸軍の大勢の負傷兵が横たわっていた。
そして、突然、一人の負傷兵が松本の足を掴んで、
「水があったら飲ましてくれ、もう四日も何も口に入れてない」と言った。
松本が水筒を渡そうとすると、入り口近くにいた下士官が松本に言った。
「海軍さんやめろ、あと二時間もすれば、俺たちは皆、火炎放射器で焼き殺されて仕舞うんだ。死にかかった者に飲ます水があったら、その水をあんたが飲んで戦ってくれ。あんたは手も足もまだついている。やってくれ、我々の仇をとってくれ。頼みます。」
 ○戦闘が最後の局面にさしかかり、大本営宛て訣別電を打電したあと、栗林中将は、
地下の広い一室に幹部を集め訣別の宴を開き、淡い蝋燭の光を囲み談笑した。そして中将は、階級章を外し重要書類の焼却を命じ、次のように訓示した。
「只今より、兵団は反撃のため出撃する。たとへ、草を食み、土をかじり、野に伏すとも
断じて戦うところ、死中自ら活あるを信じる。ことここに至っては、一人百殺、これ以外にない。本職は諸君の忠誠を信じている。私のあとに続いて下さい。」
そして、部隊八百を従えて司令部壕を後にした。
 以下、この部隊に参加した龍前進也の回想。
 一行が一夜を明かすことになった天然豪は重傷者が充満していた。火炎放射器で真っ黒に焼かれ目ばかり光らせ涙を流している者もいた。見習いの軍医が重傷者に次々に注射を打って安楽死させていた。注射を打たれた一人が、「軍医殿、泣いておられるのですか」
と言った。涙が彼の顔に落ちたらしい。
軍医は答えた。「俺は、治すことは教わったが、こんなことは習わなかった。あとからすぐ行くよ。」
が、兵隊はもう死んでいた。

 ○作家で「ベ平連」の代表を務めた小田実が、昭和三十年の半ばに「何でも見てやろう」という留学記に次のことを書いるのを西村は読んだ。
 アメリカ留学を終えてフランス経由で無銭旅行をして帰国の途についたとき、パリでアメリカ人の作家がいると聞いて、会いたくなり、彼に電話して、翌朝彼のマンションを訪ねることになった。翌朝、訪問すると、彼は、朝からぐでんぐでんに酔っぱらっていた。そして小田実に言った。
 俺は、硫黄島で日本軍と戦ってから、日本人に会うのは君が初めてだ。俺達は陣地を構築して機関銃で日本兵を撃ちまくっていた。すると一人の日本軍将校が刀を振りかざして陣地に飛び込んできた。彼は、俺には目もくれず、刀を機関銃に振り下ろした。すると機関銃が真っ二つに斬れた。そして彼は、満足そうに俺を見つめた。恐怖にかられた俺は、夢中で彼を拳銃で撃ち続けた。彼は斃れた。それから、日本人に会うのは君が始めてで飲まざるをえなかったんだ。
(この記述があるのは初版だけだと思う)

硫黄島戦、追憶の最後に、海軍守備隊を率いていた市丸利之助海軍少将(後に中将に昇進)の「ルーズベルトに与ふる書」と栗林忠道中将の大本営への訣別電と辞世。さらに、平成六年に硫黄島を行幸啓された天皇皇后両陛下の栗林の訣別電「散るぞ悲しき」に明らかに応答された御製と御歌を記しておきたい。
 市丸少将は、アメリカ軍は必ず戦死した将校の所持品を検分するのを知っていて、「ルーズベルトに与ふる書」の英文と日本文の二通を作成し、それぞれ通信参謀と航空参謀に所持させて共に戦闘に向かった。案の上、戦闘終了後、アメリカ軍は戦死した将校の懐中から同書を発見した。この書は、四月十二日にルーズベルトが死去したため、彼は読むことはできなかったが、七月十一日のアメリカの新聞に掲載され、その後、ニミッツ太平洋軍最高司令官によりアナポリス海軍兵学校海軍博物館に提出された。
☆市丸利之助少将の「ルーズベルトに与ふる書」
日本海軍〓市丸海軍少将、書を「フランクリンルーズベルト」君に致す。
貴下は真珠湾の不意打ちを以て、対日戦争唯一の宣伝資料と為すと雖も、日本をして其の自滅より免るるため、此の挙に出ずる外なき窮境に迄追ひ詰めたる諸種の
情勢は、貴下の最もよく熟知しある所と思考す。・・・我、今、我が戦いを終えるに当たり、一言貴下に告ぐる所あらんとす。我ら今、物量を恃める貴下空軍の爆撃
及艦砲射撃の下、外形的には退嬰の已むなきに至るも、精神的には弥豊富にして心地益明朗を覚え歓喜を禁ずる能はざるものあり。之天業翼賛の信念に燃ゆる日本臣民共通の心理なるも貴下及び「チャーチル」君等の理解に苦しむ所ならん。今茲に卿等の精神的貧弱を憐れみ、以下一言以て少しく悔ゆる所あらんとす。卿等のなす所を見れば、白人殊に「アングロサクソン」を以て世界の利益を壟断せんとし、有色人種を以て其の野望の前に奴隷化せんとするに他ならず。
 之が為〓奸策を以て有色人種を瞞着し、所謂悪意の善政を以て彼らを喪心無力化せしめんとす。近世に至り、日本が卿等の野望に抗し、有色人種殊に東洋民族をして卿等の束縛より解放せんと試みるや卿等は毫も日本の真意を理解せんと努むることなく、只管卿等の為の有害なる存在となし、嘗ての友邦を目にするに、仇敵、野蛮人を以てし、公然として日本人種の絶滅を呼号するに至る。
 豈神意に叶ふものならんや。大東亜戦に依り、所謂大東亜共栄圏の成るや、所在各民族は、我が善政を謳歌し、卿等が之を破壊することなくんば、全世界に亘る
恒久平和の将来、決して遠きに非ず。卿等は既に充分なる繁栄にも満足することなく、数百年来の卿等の搾取より免れんとする是等憐れむべき人類の希望の芽を、何が故に嫩葉に於て摘み取らんとするや。只東洋の物を東洋に帰すに過ぎざるに非ずや。卿等何すれぞ斯くの如く貪欲にして且つ狭量なる・・・。卿等の善戦により克く「ヒットラー」総統を仆すを得るとするも、如何にして「スターリン」を首領とする「ソビエトロシア」と協調せんとするや・・・。
卿等今、世界制覇の野望一応将に成らんとす。卿等の得意思ふべし。然れども、君が先輩「ウィルソン」大統領は、その得意の絶頂に於いて失脚せり。願くば本職言外の意を汲んで、その轍を踏む勿れ。 市丸海軍少将

 ☆栗林忠道中将訣別電 宛大本営  昭和二十年三月十六日十六時過
戦局最後の関頭に直面せり。敵来攻以来麾下将兵の敢闘は、眞に鬼神を哭しむるものあり。特に想像を超えたる物量的優勢を以てする陸海空よりの攻撃に対し、宛然
徒手空拳を以て克く健闘を続けたるは、小職自ら聊か悦びとする所なり。然れども・・・此の要地を敵手に委ぬる外なきに至れしは、小職の誠に恐懼に堪へざる所
にして幾重にも御詫び申し上ぐ。今や弾尽き水涸れ全員反撃して最後の敢闘を行わんとするにあたり、熟々皇恩を思ひ粉骨砕身も亦悔いず。特に本島を奪還せざる限り、皇土永遠に安からざるを思い至り、縦ひ魂魄となるも誓って皇軍の捲土重来の魁たらんことを期す。茲に最後の関頭に立ち重ねて衷情を披瀝するとともに只管皇国の必勝と安泰を祈念しつつ永へにお別れ申し上ぐ・・・終りに左記駄作御笑覧に供す。何卒玉斧を乞ふ。

國の為重き務を果し得で矢弾尽き果て散るぞ悲しき
仇討たで野辺には朽ちじ吾は又七度生れて矛を執らむぞ
醜草の蔓る其の時皇国の行手一途に思ふ

 天皇皇后両陛下、平成六年二月、硫黄島に行幸啓される。
御製
精魂を込め戦ひし人未だ地下に眠りて島は悲しき
御歌
銀ネムの木木茂りゐてこの島に五十年眠るみ魂悲しき
慰霊地は今安らかに水をたたふ如何ばかり君ら水を欲りけむ
                (にしむらしんご氏は元衆議院議員) 

   ♪
(読者の声1)貴誌前号書評欄に関連して「ロシアの対日役務代金未払いについて」。
 高田先生のソ連抑留による日本人捕虜の犠牲関連ですが、米国の学者がロシアの日本人捕虜の役務代金が未払いではないかと指摘している。時給4ドルとして、60万人が一日10時間、年間300日、平均5年とすると金額はどうなるか。そして死者数万人への補償だ。これは数兆円規模になるのではないか。
 この支払いがなければロシアとの国交は回復出来ないだろう。日本人は戦争の被害者である事をしっかり自覚する必要がある。
   (落合道夫)

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◆編集後記◆ コロナ禍のため長らく自粛してきた取材旅行を再開しました。先週は八日間に亘り、撮影を兼ねて南九州から静岡までの大旅行となりました。
●まずは宮崎空港へJALで飛んで日南の鵜戸神宮(神武天皇の父、ウガヤフキアエズを祀る)へ。折り返し美々津港(神武東征の出港地)。無人駅でタクシーなく往復テクシーで日没。そのまま延岡まで北上し、宿泊。
●二日目。高千穂往復。あまてらす鉄道は区間運転のためバスで往復し天の磐戸神社。延岡へ戻り、別府へ北上して竈門神社。夕方、北九州まで強行軍で北九州市の副都心・黒崎泊。
●早朝、神武天皇が一年滞在の岡田宮を見学し、その足で福岡へ移動。香椎宮と宇美神社。またも強行軍で広島へはいる。広島で埃宮跡(神武天皇が七年滞在)、広島駅前ビジネスホテル。
●四日目は岡山へ向かい、早朝に吉備津神社のあと、岡山駅へ戻り、山陽本線に乗り換えて高島宮跡。駅から徒歩で30分ほど、まわりは老人ホームが多い。道に迷った。
 地元の老婆いわく。「あれ、もうないと思うわ」。うろうろと探すと石門を発見。おりしも地元町内会がボランティアで清掃作業中。「ここが高島神社ですか?」。「そうですよ」。地元民も知らない場所だったが、丘上に神武天皇を祀る小祠と石碑を発見した。
午後、こんどは新神戸へ移動。ホテルに荷物を置いて、バスで三木方面。志染小学校前で下車。歩くこと四十分ほど、あちこちを捜しながら、なにしろ歩いている人もいないのだ。
ようやく小高い雑木林の丘を下ったところに「志染の石屈」を発見した。これは神武天皇から第二十三代のはなし。イチベオシハノミコトの御子二人が、雄略天皇の暗殺を怖れ、二十年隠れ住んでいたという伝承地。ここからローカルバスと電車を乗り継ぎ、新神戸へ戻ると夕方になった。ガラーンとした駅ビルでトンカツ定食。
●第五日目は早朝に新神戸駅から和歌山まで移動し、兄のイツセが戦死した亀山神社奧の御陵。東大阪へもどりニギハヤヒとナガスネヒコが神武の生駒越えを妨害した場所。ニギハヤヒを祀るのは石切剣箭神社(通称「いしきり」さん)。
午後、奈良の樫原へ移動し、ホテルに荷物をあづけるや葛城の一言主神社、角刺神社と飯豊天皇の御陵。さらに欲張って郡山の売太神社(稗田阿礼)。
●やはり早起きし、奈良の郊外にある太安万侶の墓地(茶畑の急坂を登る)、ここは遠いためタクシーで。ついで「まほろば鉄道」を南下し、崇神天皇と景行天皇の陵を山辺に道をあるき、桜井へ。
ここで談山神社と朝倉宮をそれぞれ往復。昼食後、飛鳥へ戻って大化の改新の現場、板葺宮跡、蘇我入鹿の墳墓、聖徳太子の産まれた橘寺、甘樫丘から藤原京跡。ここで力尽き果てホテルで爆睡。
●七日目は午前中に松阪へでて宣長の奧墓(郊外妙楽寺の裏山のてっぺん、これもミニ登山だった)。午後は静岡に移動し、古事記とは無関係だが、静岡時代の渋沢栄一のゆかりの場所を四箇所。久しぶりに食事らしい夕食をとって爆睡。
●夜半から強い雨となったため撮影不向きと判断。ここで今回の旅行は打ち止めとした。
で、何をもとめての旅かと申せば夏頃に予定の『古事記を紀行する』(仮題。版元未定)の総仕上げでした。
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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)3月15日(月曜日)   通巻第6826号 
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~香港からの頭脳流出がさらに深刻化
  35歳以下の若者は四分の一が海外永住を希望
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 香港政庁が補助金を出している「香港若者連盟」(仮訳)が、今年の1月16日から、2月2日まで、メンバーの1135名を対象にアンケート調査を行った。会員は24万人が登録されている。

 とくに調査対象は35歳以下で、大学教育を受け、高給をはむ「エリート層」が中心だった。回答した三分の二が香港ドルで四万ドルの高給取りだった。

 その結果、全体の四分の一の若者たちが海外への永住を望んでいることが分かった。人気国ランキングでは英国、豪(オーストラリア)、NZ(ニュージーランド)、欧州、そして米国。(え? 日本は香港の若者からは対象外である)。
下記の理由をしれば納得できるだろう。

 海外永住の動機を問うと複数回答で、高給を得られるが42%、自由な個人として生活できるが38%、そして人生の可能性が広がるチャンスが多いが36%となっていた。
 もっと詳しく見ると、海外永住を希望する若者が全体の16%で、つぎに当該国の国籍を取得したら帰国することもある、としたのが12・6%だった。

 こうした傾向が続くと2017年に香港では3500名の頭脳労働者が不足すると予測されており、深刻な問題となっている。
 シドニーやオークランドの町を歩くと、現地人大学生より、殆どが中国人の留学生であることに驚いたことがあるが、やはり若者達の意識の変化が如実にあらわれている風景なのだ。
       
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  書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 BOOKREVIEW 
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ソ連抑留元日本兵のうち、二万人が核実験施設建設に投入され、誰一人帰国していない。中国の核実験場所は少数民族の放牧地、汚染は奇病をもたらした

高田純『脱原発は中共の罠』(ハート出版)
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 反原発を叫ぶ人たちは中共の「トロイの木馬」である。
 福島原発事故の低線量放射線では「十年間にひとりの犠牲者も出ていない」。ところが中国の核ミサイルが東京に撃ち込まれると、380万人が犠牲になる。
 おかしくないか。自国では核ミサイルに核弾頭をじゃかすかと生産し、実戦配備している中国が、日本の平和利用に限定された原発さえ封じ込めるためにそそっかしい日本人に「反原発」「脱原発」運動をやらせている。
 脱原発トカを唱えている日本人の第五列のなかには元首相たちもいるから、中国の洗脳、諜報工作は、とうとう日本の脳幹を破壊したことになる。
北京の高らかな嗤い声が聞こえないか。
まさにオルテガが言ったように「大衆とはモノを考えない人たち」である。
 さて本書では幾つかの重要な情報と分析がなされているが、とりわけ注目するべきポイントの一つは旧ソ連に関する箇所である。
ソ連抑留の元日本兵の二万人が核実験施設建設に投入され、誰一人帰国していないという知られざる事実を高田氏は暴露する。
 高田純氏は現地へ調査に赴いた。大事な指摘は次の通り。
 1946年のソ連内務省報告では、ソ連への(日本人の)移送は49万98907名だった。ところが翌年の捕虜抑留者業務管理総局報告では捕虜総数が61万6886名となり、ソ連移送が53万3325名に増えていた。
 歳月が流れ、ソ連が崩壊した。ロシアとなって、帰還者などの登録ファイルならびに死亡者名簿が日本政府に提供された。
 「(日本の)厚生省は、各収容所の抑留日本兵の人数、死亡者数、地名(カタカナ)をまとめた後、米国、英国ならびにソ連において発行されたソ連地図を参照し、
その地名を特定した」(中略)「ロシアより提供された約4万1千人分の名簿と日本側資料とを照合し、約3万2千人については、死亡者が特定されている。しかしながら、厚生労働省推計の抑留中死亡者約5万3千人(モンゴルを除く)と比較すると、いまだ約1万2千名の名簿が提供されておらず、また提供された名簿の中で特定できなかった約9千人を併せると、約2万1千名が死亡者の特定に至っていない」(112-114p)
 そこで著者の高田氏が推理する。
つまり「人数の辻褄が2万人規模で合わない」のは何故か?
 彼らは核実験場の建設に投入されたのではないのか。それゆえに地図を精密にトレースした結果、「二つの核施設の周辺に一万人前後の日本人収容所が配置されている」。(この精密な地図が本書の116-117pに挿入されている)
 日本人捕虜は酷使され、「死ぬまで強制労働をさせ、死体を秘密裏に埋葬したに違いない。その埋葬地は、ポリゴン内にあるはずだ。ソ連が強力に推進した核武装の秘密を知った抑留者や囚人達を、ベリヤたちは解放するはずがない」からである。
 ところが日本は、脱原発を叫ぶ人たちの動静が大きくメディアに報じられることがあっても、ロシアはもとより、中国の核武装に関しては沈黙するのである。
 結論はこうだ。
 「日本の軽水炉は安全性能が格段に高い。そもそも軽水炉は暴走しにくい原理である。しかも既に、日本の原子力発電所は、世界一の耐震、対津波技術を目指して改良されている(中略)。高速増殖炉技術もんじゅの廃炉決定を撤回しないといけない。日本のガラス固化体地層処分技術は安全に実現できる。日本は核エネルギーを手放してはならない。しかも、技術の完成は近い。独走の技術は古来、日本の宝」である(218p)。
 だからこそ「トロイの木馬に騙されやすい」とうい日本の弱点を克服しなければならないのだ。こうした真実を告発する本書のような労作が、しかしながら大手メディアで紹介されることはないだろう。
それが日本の知的貧困と情報空間が左翼の独断場という、悲しむべき現実である。
冷戦終了直後に上梓した拙著『悲しき大国』(イーストプレス、絶版)のタイトルを思い出した。
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樋泉克夫のコラム 
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【知道中国 2211回】             
 ──英国殖民地だった頃・・・香港での日々(香港93)

   ▽
 新界の新田村の住人である文さん一族が目を付けた先が、ロンドンだった。
 聞いてみると、文さん一族の大部分はロンドンにあるチャイナタウンに親戚を持っていた。現にロンドンで稼いだ財産で悠々自適に暮らす者もいれば、一時帰郷者もいた。
肉親や友人を頼ってロンドンに出かけ一旗上げようと考えている若者も少なくないとか。言い換えるなら、ロンドンのチャイナタウンは「第2の新田村」ということになる。後年、ロンドンで知り合ったチャイナタウンの住人は「自分は新田村の文氏一族出身だ」と。

 ロンドンのチャイナタウンに遊んだ時、ふとパン屋さんを覗いてみた。ガラスケースの上に積まれた焼きたての菠羅包(パイナップル・パン)を見つけた時は、思わず歓声を上げた。
それというのも、菠羅包こが香港を象徴する食べ物と確信しているからだ。雲呑麺でも飲茶でもない。断固として菠羅包。たかが菠羅包、されど菠羅包、だから菠羅包。

さて唐突だが、菠羅包にまつわるホロ苦い話を。香港生活が4年を過ぎた頃、寺子屋式教育閉鎖となった。それというのも、父親の数学教授が新しい研究の場を得て香港を離れることになったからだ。となると収入激減は必至。ならば徹底して生活費を切り詰めるしかないだろう。かくて勢い皺寄せは食生活に。

 当時は朝食抜きで、昼は新亜書院近くのパン屋で買った菠羅包を1個(たしか、香港島・九龍間フェリーの安い方の料金と同じ20セントだったはず)を手に九龍城に向かい、近く屋台でコップ1杯の豆醤(とうにゅう)を買って・・・これが昼食。夜は缶詰のオイルサーディンを食パンで挟んで・・・。
いやはや悲惨と言うのか。というわけで否応なくダイエット。当時は175センチ、45キロだったような。菠羅包が命を繋いだ・・・大袈裟か。
 
 毎回、菠羅包しか買わないから、そのうちにパン屋のオヤジがこちらの顔を見ると、黙って菠羅包を紙袋に入れて渡してくれるようになった。ある日、懐具合が少し良かったから少し値の張るパンを注文したのだが、オヤジは「お前はコレダ」と菠羅包入りの紙袋を目の前に突き出す。オヤジは頑固なのだ。
「今日は違う」と抗弁するも無意味。こちらの注文をハナっから聞き入れる風でもない。だから菠羅包を受け取って、引き下がるしかない。

 閑話休題。ロンドンのチャイナタウンで食べた菠羅包は、香港の街場で売っている小ぶりの、小じゃれた菠羅包と違い、デカい上に粉っぽく、元朗の菠羅包の味を思い出させてくれた。どうやら菠羅包の製法も元朗郊外の新田村の文さん一族と共に海を越えたらしい。

 さて文さん一族がロンドンのチャイナタウンに住み着くまでの経緯だが、香港でマトモな仕事が見つからなかったことから海外航路の水夫になった者、あるいは英国殖民地住民に与えられた法的立場を利用して職を求めてロンドンに移住した者、船から飛び降り(船抜けし)てロンドンに住み着いた元水夫などがいた。

 彼らを新田から押し出したのは香港に居てはマトモな仕事は見つからないと言う切迫した事情であり、ロンドンに引き寄せたのは就労の機会、それが中華料理店だったわけだ。じつは第2次大戦が終わって50年代に入ると英国の経済が上向き始めると、英国人も些かの贅沢を味わいたくなる。これが文さん一族にとって千載一遇の商機となる。

 しょせん相手は海賊の子孫である。微妙な味が判る訳がない。香港の農民が作ったチャーハンだって華麗な中華料理だ。新界の田舎料理だって、単調な味のフライド・フィッシュより数段も豪華で美味いに違いない。こうして新田村出身者が作った料理が評判を呼ぶ。

客が押し寄せるようになれば、人手が足りなくなる。そこで故郷でクスぶっていた若者に声を掛かる。それというのも信用できるのは、同じ中国人でも出身地や姓が違う者ではなく、やはり新田の文さん一族。そこで《自己人(なかま)》を頼ることになる。

  ★★☆
(宮崎正弘のコメント)ロンドンのチャイナタウンが新田邑出身とは知りませんでした。いまやロンドンのど真ん中、金融街に近い一等地ですから英国人も、観光客も立ち寄りますね。
中心部の人気店は満員なので、すこし離れた場所で二回ほど食事したことを思い出します。
また香港の中国との国境に近い町が「元朗」ですが、一昨年の香港大乱での暴動拠点、地元ヤクザが民主派を襲撃した場所でした。あそこは新興住宅地となって、現在も大陸からの移住者が多く、駅周辺を除いて北京語がほとんど通じない所ですね。
      ○△□◇ヒ◎○△□イ○△□◇ズ◎○△□ミ△□◇◎   

   ♪
(読者の声1)国際的に誤報された森元首相の「女性蔑視」発言ですが、騒いだ連中は、「民族蔑視」「民族浄化」の北京政権には何も言わない。
日本ばかりか欧米のメディアもこぞって二重基準です。自分の立ち位置より、「共産中国」礼賛なのです。そのうえ、上から目線で偉そうなことこのうえなし。
 完全に狂っているというしかありません。
   (FG生、川越市)


(宮崎正弘のコメント)日本の防戦態勢が出来ていないことが問題です。問題が発生すれば、ただちに世界の通信社、新聞、テレビほかの大手メディアに「あれはフェイク」と発信できる即戦能力が備わって居ない。官房長官は何のために記者会見を開いているのでしょうか。この点では北京の即応態勢を参考にするべきかも。

  ♪
(読者の声2)先日、メリック・ガーランドについて投稿しましたが、正式に司法長官に承認されたようです。トランプ支持派に対する弾圧が始まるのでしょうか?
下記、ブルームバーグからの記事を少し割愛しました。
 (ブルームバーグから引用)「米上院は10日、ワシントン連邦高等裁判所のメリック・ガーランド首席判事を司法長官に起用する人事を賛成多数で承認した。採決の結果は賛成70、反対30。ガーランド氏(68)はバイデン大統領やホワイトハウスから独立した意思決定や捜査を行うと表明しており、マコネル上院院内総務を含む多くの共和党議員が支持に回った」。
  (佐々木章)


(宮崎正弘のコメント)バイデン政権は「オバマ3・0」ですから、閣僚の殆どがリベラルの仲間、かれらは舞台裏でトランプが復活できないように、あらゆる陰謀を廻らすでしょうね。

  ♪
(読者の声3)貴誌前号に「スイス国会は51%の賛成で、ブルカ禁止に踏み切った」とありましたが、スイスの「覆面禁止」は国民投票で決定したもので、スイス政府と議会は反対を推奨しました。
 ブルカ禁止ではなく、「覆面禁止」です。イスラム過激派、極左過激派、フーリガン等に対する治安維持の目的での覆面禁止です。
 スイス国民はこれら勢力に相当な危機感を抱いている結果です。
   (在スイス読者より)


(編集部から)御指摘有り難う御座います。スイスにも小誌の読者がおられることを知りました。詳しい議会の情報が把握できました。
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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)3月14日(日曜日)弐   通巻第6825号 
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~スリランカ政府、ブルカとヒジャブ着用を禁止へ
  「イスラモフォビア」が再び、イスラム学校1000校も休校
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 イスラムの女性が顔を隠すブルカ(完全な覆面、アフガニスタンに多い)、ヒジャブ(顔を出すタイプが多いが、目だけを出すタイプもある)。世俗的なイスララム国家のインドネシアなどは、頭巾という感じでファッション化しているが。。。。

 最初に禁止したのはフランスだった。
2011年に厳格に法適用に踏み切り、ブルカ、ヒジャブの公共の場所での着用を禁止した。違反したイスラム女性1600名を逮捕。罰金刑が課せられた。

 つぎにスペインへ飛び火し、2013年には「公共の場所」での着用が禁止された。
 いずれもイスラム系過激派のテロ事件が頻発し、社会的にイスラムへの脅威が声高に語られていた。イタリアも続いて禁止したが、一部の都市では地方議会が反対し、実施されなかった。

 現在、欧州に吹き荒れるイスラムの脅威論によるブルカならびにヒジャブ禁止国は、ベルギー、オーストリア、ブルガリア。部分的な規制を課している国は英国、ドイツ、スウェーデン、デンマークである。
 そして最近、スイス国会は51%の賛成で、ブルカ禁止に踏み切った。
 全欧のイスラム人口は2500万人。しかも失業が夥しいため、犯罪に走りやすい若者が目立つ。

 一方、ブルカ着用を解禁している「寛大な」国もあって、ノルウェイ、オランダなど。
 欧州ではイスラム過激派のテロを目前に見ながらも、女性の権利、人権、服装の自由などを擁護する団体が多い。

 さてスリランカである。
ラジャパカス政権は近く、ブルカ禁止令の発令に踏み切るだろうと、パキスタンの有力紙『ドーン』(3月13日)が報じた。同紙はカラチが拠点の英字紙である。
https://www.dawn.com/news/1612294/sri-lanka-to-ban-burqa-shut-many-islamic-schools-public-security-minister

 そのうえスリランカ政府は、イスラム系の学校およそ1000校を休校する計画をしている。
イムラン・ハーン(パキスタン首相)がスリランカを公式訪問したとき、例外的にブルカ、ヒジャブ着用が一時期、解禁されたことがある。

 スリランカは仏教徒が大半だが、北西に盤踞したイスラム系住民との「タミル戦争」で数十万が犠牲となり、その戦争を指導したラジャパカス(兄)が大統領となった。ところが中国との黒い関係、とりわけハンバントラ港が中国海軍の軍港に化けたため落選し、四年後に弟が大統領となって治める。何のことはない、首相は兄であり、事実上ラジャパカス(兄)政権の復活である。

 スリランカでは2019年4月21日にコロンボなど八ケ所で爆弾テロ事件が発生し、259名が死亡、数千が負傷した。なかに日本人が五名(このうち一名が死亡)。直後にブルカ着用が禁止された。

 このテロはキリスト教の復活祭を選んで、キリスト教会や西洋人の多い高級ホテルが狙われた。犯人は全員が逮捕されたが、いずれも富裕層の子弟が多く、日本人のJICA関係者が銃殺されたバングラデシュでのテロ事件でも犯人の若者らが富裕層の子弟であった。

 富裕層として貧困を目撃して自責の念が、短絡的に、そして直線的にイスラム過激派の洗脳に引っかかるのだ。

 仏教徒の国ミャンマーはイスラム教徒のロヒンギャをバングラデシュへ追い出した。
これが国際批判を浴びて、ノーベル平和賞を返せと言われたスーチーは孤立した。国軍のクーデターでふたたびスーチーへの同情論もおきているが、スリランカは人権擁護団体やリベラルなメディアがいかに報道しているかを分析しており、この動向に注視しながら慎重に手を打っていることになる。

     ◎☆◎◎み☆◎□☆や□◎◎☆ざ◎◎□☆き◎☆◎◎    

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樋泉克夫のコラム 
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【知道中国 2209回】                 
 ──英国殖民地だった頃・・・香港での日々(香港91)

 ここで普慶戯院についての思い出を少し。
 文革以前は、中国から錚々たる京劇役者がやってきて、北京の舞台をそっくりそのまま移したような豪華・華麗・絢爛な公演をしている。
最後の輝きは『趙氏孤児』で、文革発動直前ではなかっただろうか。舞台の中軸は、京劇のうちの生行(たちやく)の宗家とも形容できる譚一族の当時の少爺(わかだんな)だった譚元壽が務めていた。

 普慶戯院に通い出した頃は文革真っ盛りで、全面否定されていた古典京劇の公演など望むべくもなかった。よく見たのは『智取威虎山』『紅灯記』『海港』『龍江頌』『沙家濱』『紅色娘子軍』などの革命現代京劇映画版で、劇映画では毛沢東思想の偉大さを描いたに『金光大道』『艶陽天』など。やはり記憶に残るのは、新疆の砂漠における原爆実験、ヴェトナム人民の側から捉えた反米民族闘争、それに1972年から74年にかけて湖南省長沙で進められた漢代の墳墓(「馬王堆漢墓」)の発掘──の3本の記録映画だった。

 原爆実験では、「白いものを身に着けていると放射能被害は防げる。放射能は怖くない。放射能を恐れるな」と激越なナレーションが流れる。すると白いマントに身を包んだ夥しい数の解放軍兵士が、白馬に跨った同じく白いマントの指揮官の右手が振り上げる軍刀を合図に、あろうことか砂漠の先にもくもくと盛り上がるキノコ雲に向かって突撃したのである。
 茫然、慄然。もちろん、吶喊直前に全員声を揃えての『毛主席語録』の学習を怠ることはなかったような。おそらく死の灰を浴びたであろう白いマントの兵士たちに、ほんとうに後遺症は発症しないのだろうか。他人事ながら、心配した記憶がある。

 ヴェトナム戦争の記録映画で最も印象に残っているのが、ラオスとカンボジアの鬱蒼たるジャングルをヴェトナムとの国境沿いに縫うように設定された北から南への支援ルート(「ホーチミン・ルート」)における物資輸送シーンだった。輸送に当るトラックは、米空軍の爆撃を避けるため深夜の真っ暗闇のなかをライトを消して移動する。だが、それでは運転手は盲目状態。
そこで車列の前方に立った兵士が小さな懐中電灯を手に、後ろ向きに歩く。先頭の運転手は、懐中電灯の微かな光を頼りに車を進める。後続の運転手は、前を走るトラックの小さなテールランプを目印にハンドルを操作する。

 木々でトンネル状に覆われたジャングルの泥濘の道を、車列はソロソロと進む。上空の漆黒の闇空に米軍機の爆音が鳴り響く。このシーンに人民の創意工夫、「人民解放戦争」の意義、ヴェトナムにおける反米闘争の崇高さを讃えるナレーションが重なる。

この映画を見終わった当初は「人民戦争とはこういうものか」と甚く感心した。だが、考えてみれば、こんな非効率な方法で大量の支援物資が運べるわけがないだろうに。記録映画を装ったプロパガンダ映画ではないか。呆れ返ったものだ。

 馬王堆漢墓発掘の記録映画では、手術台のようなものに横たえられた墓の主の遺体の各部位が映し出される。
2000年余りも土中に置かれていたとは思えないほどに原型を留め、指で押せば反発をみせる筋肉を捉えたシーンには、さすがに驚愕である。その時、大陸の土中には盗掘を免れた墳墓が少なくなく、やがて社会が落ち着きを取り戻したら、古代の様々な文物が飛び出し、歴史の常識を書き換えることになるのでは、などと考えたものだ。
 それにしても1974年の始皇帝兵馬俑、1975年の湖北省雲夢睡虎地秦墓に埋まっていた秦代文書(「竹簡」)の発見には驚かされたが、2002年に湖南省湘西にある古井戸での膨大な量の秦代文書(「簡牘」)が発見されたのには唖然の2文字だった。
2200年ほどの間、誰にも見つけられず眠っていたとは。まさに秦代社会の実態を物語るタイムカプセルだ。

 昨今、大陸の各地で古代の文物が次々に発見され、遺跡の調査も格段に進んでいる。
こういう地道な作業が習近平式「中華民族史観」にどのような作用を及ぼすだろう。

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【知道中国 2210回】                 
  ───英国殖民地だった頃・・・香港での日々(香港92)
 
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 政治とは関わりのないものの、ある面では香港社会の本質にかかわるような思い出を。
新界の林村の山中で、4人の子供を相手の寺子屋式授業を始めてから3か月ほどが過ぎた頃だろうか。子供たちの父親である中文大学の数学教授から、「教える時間をもう少し増やし、土曜日は朝から始めて夕方まで教え、夕食を食べて、ここに泊まり、日曜日の朝に帰ったらどうだ」と提案があった。
そのために庭の隅の小さな家を整備し、シャワー設備とベッドを新調したというのだ。なんと手回しのいいことかと感心したが、さらなる栄養補給も可能になることだし。有難い限り。かくして、もちろん答は「はい」である。

 朝9時頃から始めて、家族全員(両親に4人の子供)と一緒に昼食を。簡単な内容で終わることもあれば、豪華なフルコースの時も。

 とにかく教授は好奇心が半端ではなく、時にその辺の葉っぱに蹲っている青虫を捉まえ、水に漬け糞を取り除いた後に油でカラッと揚げる。塩をパラパラと振り掛けて、目の前に差し出される。
躊躇していると、「葉っぱは葉緑素。コイツは葉緑素の固まり」と。そういわれて尻込みしているわけにはいかない。そこで口に放り込む。不味くはないが、そう旨いものでもない。とはいえ食べられないわけでもない。事実、食べたのだから。

 昼食の後は小休止。それから寺子屋再開。夕食が終わると子供たちは自分たちの寝室へ。席を変えて居間で教授と酒を飲みながらの興味深い話が、次から次へと飛び出す。
 夜も更けると、そろそろお開き。漆黒の夜空を眺めながら、庭を流れる小川に架かる橋を渡り、小さな家でシャワーを浴びて、それから熟睡。

 翌朝起床したら、そのままバスで大埔墟に向かい下宿に戻った。タイミング好く逆方向の大埔墟発元朗行の路線バスがやって来た時は、日曜日で時間もあり新界でも探索しようかと、それに乗ることにした。
もっとも日曜日でなくとも暇は有り余っていたわけだが。

 大埔墟方向は下り坂だが、元朗行はしばらくは上り坂が続く。バス停で数えて3つほど先には、半島酒店(ペニンシュラ・ホテル)や中華電力を経営するユダヤ系財閥の嘉道里(カドリー)一族経営の有機栽培で有名な嘉道里農場があった。牛?公司の生産拠点だ。

 坂を上り切った辺りで視界が360度大に開け、目の下前方の遥か遠くに滑走路を備えた軍事施設が見える。
石崗の英駐留軍基地で、ここを守っていたのは勇猛果敢を誇るグルカの傭兵だった。いまは人民解放軍の香港駐屯部隊基地となっている。
 英駐留軍基地を迂回して進めば元朗だ。当時の元朗は、300メートルほどの直線道路の両側に小さな店舗が並んだだけの田舎町然とした佇まいだった。街の中央部でバスを降り、近くの食堂で遅い朝定食を食べる。コンソメスープにマカロニとハムの細切りが浮かんだ伊太利粉を注文する。食事が終わる頃、適温の?茶(ミルクティー)が出される。
皿にこぼれた分をフチが欠けた分厚いカップに戻し、ゆっくり飲む。さて、時間もあることだし。

 商店の裏手は一面の田圃や畑であり、遠くで農夫が水牛に鞭を入れて農作業中だ。商店と商店の間の路地を抜け、トラック改造のバスで農道を中国との境界を流れる深?河に向かって進むと、文氏一族の住む新田村に至る。

 新田村という名前からして、ここが新しく開けた村であることは判る。ここの住民はほとんどが文さんである。いつの頃かは知らないが、文さん一族は故郷の汕頭を離れ、新天地を香港に求め深?河を越え、新界に移り住んだ。肥えた土地は、すでに先住者のもの。だから文さん一族は勢い無主の痩せた土地に住み着くしかない。
新田村の周囲の田圃は潮を被るから先住者が見向きもしなかった土地であり、思うように収穫量が得られない。

 九龍やら香港島の街場で仕事を探そうにも他の一族や他の集落出身者に押さえられていて、ロクな働き口は見つからない。そこで一気に香港の外に飛び出すしかなかった。 
   

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(読者の声1)「ぐだぐだのコロナ対策で、変異株を乗り切れるのか?」
◆医療キャパと水際対策◆
 政府が1都3県への緊急事態宣言を延長する一方、医療キャパの拡大はぐずぐずとしており、入国者の水際対策もザルとなっている。
 医療キャパは徐々に増え現在、昨秋に比べ軽症者用で20%、重症者用で30%程度は増えてはいるようではある。また厚労省は先日、これらをピーク時の2倍に増やす方針を発表したが遅きに失した感がある。
 なお1ベッド増床につき、15百万円程補助金が付くようであるが、院内でクラスターが発生すれば閉院となるリスクがあり民間病院はなかなか踏み出せないだろう。
ここは前々から言われていたように受入れ病院への損失補償による大幅なキャパ拡大が必要である。
 更に進んでは、緊急時の民間病院の接収をも伴う準公立病院化のようなフレキシブルな仕組みも準備して置く必要がある。これらは、無症状者や軽症者用の療養ホテルについても同様である。
 一方、入国者の水際対策については、変異株発生の入国規制強化対象国が狭く限定されている上、いわゆるビジネスマンを対象とした「ビジネストラック」及び技能実習生等を対象とする「レジデンストラック」共に、緊急事態制限下ですら「特段の事情」により陰性証明及び入国時の検査とお願いベースの14日間のホテル・自宅での隔離期間を経る事により許されている。
 ビジネストラックについては、テレビ会議で多くは補えるため当面全面的な渡航禁止とすべきだし、レジデンストラックについても厳罰付きの強制隔離による水際対策強化が必要だろう。

 ◆国の舵取り◆
 筆者には、現行のこうした、ぐだぐだの体制でいる政府の姿勢は理解し難いものが在るが、どうやら季節要因が和らぐ冬季が去り、ワクチン接種が広まればコロナは抑えられるとの目論見でいるようである。
 しかし日本でも、感染率が高く現行のワクチンの効果が確実ではない変異株の陽性者が増え始めている。
ウイルス全般の特性として、中長期的には今後新たに現れる自然変異による変異株は徐々に弱毒化して行くはずではあるが、少なくとも短期ではそうは言い切れない。また次の冬季の流行に対してもこの体制では危機管理として体を成していない。
 その一方で、1都3県への緊急事態宣言は3月21日まで再延長され、経済特に飲食店及び関連事業者を疲弊させると共に財政を悪化させており、政府の対応は頓珍漢なものと映る。
 この宣言延長は、病床占有率等のデータを軽視無視して、延長を利用し求心力拡大を図り総理の座を狙おうとする小池都知事に対して、菅総理が機先を制し言わば両者の駆け引きよって決まったものである。それは菅総理の曖昧模糊とした延長理由説明を見れば明らかだ。これはコロナが権力闘争の道具となっている由々しき事態であり、国民は両者に厳しいジャッジを下すべきである。
 ところで、今夏に控える東京オリンピック・パラリンピックについては、コロナの状況によっては無観客でも開催は難しいかも知れない。しかし仮にその場合でも日本の追加費用負担を最小限にする交渉とマネージメントが必要とされる。
 なお、ウイグル人権問題で北京冬季オリンピック開催への国際的非難が高まれば、中国は東京五輪を開催/中止の両方向で道連れにし利用して来かねないが、日本はその何れの場合でも「国際的大義を伴う長期的国益の追及」を腹中に置き、干渉を排し主体的な判断を下す必要があるだろう。
    (佐藤鴻全)

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(読者の声2)(超)インフレーションの可能性・必然性、について1920年代のドイツの超インフレについての比較が最近注目されている。当時の状況と現代が酷似している、と言う。
ドイツ以外の国では、金融についての常識が維持されインフレの被害を免れたが、現代では日本を初め、支那、米国までも「日本化」が進み、いわばゼロ金利という無重力状態のエレベーターの中で貨幣の価値が同時に下落する中で、お互いに顔を見合わせても危機感はない。
もはや日本化もMMTをも揶揄したり批判する経済学者はいなくなった。
墜落し始めて危険な下降であったと認識するが、時既に遅し。
 津波の恐ろしい点は、まず海岸の砂浜から潮が引き、多くの逃げ遅れた魚を取りに漁夫ばかりか素人もみんなで広い安全で「簡単に大変儲かる作業」に参加する。
この時点で動物たちは既に高地に避難している。そして沖から不気味な振動が高速で伝わってくる。
 2007年の世界金融危機を予測し、映画「『マネー・ショート 華麗なる大逆転』(原題:The Big Short)にもなった主人公、しばらくなりを潜めていた本人Michael Burry氏が、ハイパー・インフレ、つまり貨幣の崩壊を予測している。
 今回は、ドイツ・マルクだけで終わる話ではない、と言う点が恐ろしい。氏はいわば敏感な動物の代弁者。
(KM生)
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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)3月14日(日曜日)  通巻第6824号 
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~〜<< 日曜版 読書特集 >>
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朝香豊『それでも習近平が中国経済を崩壊させる』(ワック) 
宮崎正弘 v 渡邉哲也 『南北戦争か共産主義革命か』(ビジネス社)
樋泉克夫のコラム二本ほか
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  書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 BOOKREVIEW 
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~中国の負債はとうとう1京円をこえて制御不能状態に陥った
  失業は20%の1億4000万人。GDPはフェイク数字だ

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朝香豊『それでも習近平が中国経済を崩壊させる』(ワック)
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 全人代を前に習近平主席が会見し、「中国から貧困はなくなった。極貧層はいなくなった。この僅かの期間で、極貧を無くしたのはわが中国共産党だけだ」と豪語した。
 「裸の王様」の寓話を思い出すが、側近に真相をつげるブレーンは不在のようだ。「2028年に中国のGDPはアメリカを超える」って、ほとんど嘘である。あらゆる経済統計はフェイク数字で、実態はどうか、
 外貨準備はからっけつ。一流といわれた国有企業が連続デフォルト、名門も倒産。GDP統計は三割水増しが常識。地方政府の赤字は天文学的。
 トここまでは小誌の読者にはお馴染み。ところが本書は、その先を走って、中国の負債はとうとう1京円をこえて制御不能状態に陥ったという。評者(宮崎)はこれまで、「およそ9900兆円の負債合計があり、まもなく一京円を超える」と言ってきたが、「超えた」というデータは本書が初めてである。
 これは朱容基元首相の息子でアメリカ帰りの朱雲来が非公開の会議で報告した数字だそうな(234p)
 著者の朝香氏は詳しく最新のデータを並べて、実際の失業率は20%、1億4000万人。中国経済は満身創痍。しかし強気でイケイケドンドンを強硬突破しようとしているのが中国共産党だから、それなら破産まで突っ走りなさいよと言わんばかりだ。
 統計数字の出鱈目ぶりは、先月発表された新生児の数でも当該官庁の保険衛生部が発表したのが1003万、国家統計局が発表したのが1340万だったか。三割も違うのだ。もとより国家統計局は汚職の巣といわれ、いつぞや局長が愛人と海外逃亡をくわだて四通の偽造パスポート、その偽名のファーストクラスの航空券が四枚。逃亡寸前に逮捕された。なぜ、統計を司るポストの長が、これほどの大金を得たかといえば、地方政府、市レベルの幹部らが「水増し発表」を要求し賄賂を渡すからである。
 失業率統計も「都市戸籍の保有者」に限られ、殆どが正社員を対象としている。農民工は失業しているが、ハナから統計データには加えていない。
 そのうえ失業保険の申請手続きがが煩瑣、「長期休暇扱い」で処理されている例もあり、これほど大量のレイオフ、倒産があるのに、つねに中国の失業率が4%台というのは可笑しいと指摘する。
 「農民工も失業者として捉えた場合には、失業率は20・5%にとどくのではないか」(28p)
 地方政府の「融資平和台」が2019年だけでも新規発行債券が70兆円。累積残高は630兆円を超えて、「地方政府のその他の債務と1100兆円に達する」(86p)
 新幹線の赤字に関しても、小誌は従来、公式発表数字の83兆円が累積赤字だと紹介してきたが、本書では「地方政府が負担する部分などをすべて併せると、2018年末で1829長元(290兆円)になっている。(中略)「おそらくは国家秘密になっている本当の数字はさらに大きい」(97p)
 「ジニ係数」にしても、小誌は西南財経大学研究チームの推計である0・61説を紹介してきたが、「北京大学が発表した『中国民生発展報告2015』によると、資産のジニ係数は0・73%に達しています。これは上位1%の層が社会全体の三分の一の富を保有する一方で、下位25%の層は社会全体の1%の富しか保有していない」(193p)。
 それにしても中国経済の悲惨さを物語る未曽有の数字、これぞ人類史始まって以来の「快挙」(?)かも。
 負債の対GDPは300%ではなく、800%ではないか、等々。驚くべき数字が羅列されていて、本当の中国経済の姿が具体的な数字で疲れ、その異常ぶりが満天下に暴露された。
 この稿の冒頭部分を繰り返す。
 「全人代を前に習近平主席が会見し、『中国から貧困はなくなった。極貧層はいなくなった。この僅かの期間で、極貧を無くしたのはわが中国共産党だけだ』と豪語した」。
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  書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 BOOKREVIEW 
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~日本の戦略無き甘えの構造を打破し、ヴィジョンを指し示す
今でもトラウマとしてあるこの占領狂態の現実に呆然

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宮崎正弘 v 渡邉哲也
『南北戦争か共産主義革命か! ? 迫りくるアメリカ 悪夢の選択』(ビジネス社)
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 武漢ウイルス・パンデミックによる世界のパラダイム激変、米国トランプ政権からバイデン政権の偽善的衆愚主義の文化大革命、支那におけるアリババ帝国崩壊による大波乱、日本経済五大リスクさらに日本の大危機をどう乗り切るか等、常に魚眼的かつ立体的に分析する二人の賢者の対談である。
題名も意味深であり格別の期待もあり読了した。
<悪夢の選択>という言葉は京都大学・大阪大学で教授を歴任した井上俊(桑原武夫・鶴見俊輔らとの現代風俗研究会などがある)の『悪夢の選択──文明の社会
学』,筑摩書房という書物があるが、この書は<文化とコミュニケーションの隘路 不可視の内部を持つ者同士が頻繁に接触し,さまざまの関係を取り結ぶ複雑で流動的な現代社会では,コミュニケーションは見せかけや偽装などのレトリックを必要とする.しかし,このような社会を思想史的に展望するならば,超越的な理念,懐疑と自省を無視できなくなるだろう>の帯にあるように、宮崎・渡邊対談本を暗示する意味合いも深読みできる。

 さらに僕や宮崎先生の同世代に圧倒的人気があった、東西冷戦時代のベストセラー作家のフレデリック・フォーサイスの<悪魔の選択>という東西陣営の戦術的・戦略的騙し合いを暗示する、意味合いもあるだろう。
 まさにこの書はいつもの宮崎先生の絶賛すべき<同時性と瞬発力 さらに近未来予言>能力を渡邊氏とともに遺憾なく発揮した書であると感服する。
ちょうど親子の年齢差である二人の対談は全く期待通りのもので、臨場感にあふれる武漢ウイルスの世界のパラダイム変化の現実さらにトランプ後のアメリカの反動、それは世界の平和などに資するどころか混迷が予想され、日本の国益に真っ向から不利な世界の政治・経済の組み替えが予想されるなかで、その問題点をIT産業の行方と方向性など、丁寧に展開してくれている。
フォーサイスのタイトルにある悪魔という言葉において、選択肢の中で見かけ最も魅力的なものが、じつはその複雑系のなかで利害に反する裏目(back fire)になりうる結果を念頭において・・・・

 残念ながら日本では、宰相たる器量も能力も期待はずれで、なかった人間が総理となり、いきなりアメリカニズムの権化竹中平蔵やアメリカ人の<ブレーンとやら)を置き、特に真正・保守陣営の期待は裏切られ、まさにそこにある混乱に面して居て、希望もない。トランプ・安倍なき後の(ロス・トランプとロス・アベの)ショックは日本にとって大きいと二人は語る。
思うに菅が悪い、いや二階が癌だと行っても物事は解決しないが、下手をすれば我が国は覇権主義支那帝国の元に沈没(精神的かつ物理的にも)する恐れもある。
そのなかでオバマの第三幕(version 3)を演じるバイデンがまさに偽善と欺瞞にひそむ暴力的な衆愚主義の必然というパラドックス、支那との対決をさけて支那を増長させたオバマの悪夢の再現(トランプはまさに平和を保ちながら、紛争地帯制作に見事なバランスをもたらした功績とは反対に偽善を唱えるエセ平和主義の欺瞞性と暴力性を語っている)希望的な材料はない。宮崎氏は岸信夫氏にほのかな希望を寄せている。
最後に渡邊氏が日本の施策を語っているが、<強いアメリカの秩序のなかで自発的な思考の停止を続けてきた日本の甘えの構造>まさにそれを捨てる勇気と気力がないかぎり、日本に未来はない。
具体的施策より以前にあるはずの政治的国際的な基本理念、つまりはっきりとしたビジョンがない甘えの構造を打破することこそが、もう70年たった今でもトラウマとしてあるこの現実を思うと呆然たる思いだ。誠に近未来を見据えた必読の書といえる。 
(評者 奥山篤信)
    
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樋泉克夫のコラム 
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【知道中国 2207回】          
 ──英国殖民地だった頃・・・香港での日々(香港89)

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 なぜ、日本人観光客が到底足を運びそうもない地域に、日本人専用としか思えない小じんまりしたホテルがあるのか。その理由が分からなかった。それというのも金門酒店では、日本からの観光客らしい観光客を見掛けたことがないからだ。
 当時、日本では1955年にはじまった高度経済成長が続き(~73年)、団体による海外旅行が盛んで、「夢に見た憧れの国ハワイ・・・海外旅行はJALパック」の時代だった。
香港でも、街を歩くと日本人団体観光客を乗せた大型バスを見かけることも少なくなかった。
 
尖沙咀の先端近くに威風堂々の構えを見せていた格式高い半島酒店(ペニンシュラ─・ホテル)など超一流のホテルを除いた多くのホテルの周辺には、日本人観光客相手のブランド品の偽物(「偽のホンモノ」ではなく、「本当のニセモノ」)やイカガワシイ品物を扱う土産物屋が軒を連ねていたものだ。ところが金門酒店の周囲には、その手の店は皆無。だから不思議。

 だが、ロビー右手の日本料理レストランに通っているうちに、聞くともなく聞こえてくる客の会話からなんとなく分かってきた。どうやら金門酒店は、日本から中国に派遣される友好商社員向けのホテルのようにも思えた。

 当時、正式に国交がなかった日中両国の間では、「日中長期総合貿易に関する覚書(通称「LT協定」)と呼ばれる「民間協定」に基づいた貿易取引が行われていた。
この取引を担っていたのが友好商社で、特に「友好」の2文字が冠されていることからも分かるように、中国側の言い分をほぼ全面的に認める──中国政府の言いなりになる、いや唯々諾々と従う、いやいや「拝跪」する──ことを条件に中国との貿易に参画できた。極論するなら「友好」の2文字には「採算を度外視」してでも、という意味が秘められていたはず。

 それもこれも、中国の秘めた経済的可能性──膨大な人口と豊富な天然資源──を考えてのことだったに違いない。であればこそ大商社も将来を見据えてダミーの形で友好商社を傘下に置いていたが、やはり大部分は中小規模だった。弱小なればこそ、中国政府の意向のままに動かざるをえなかっただろう。

 当時、大学といわず語学学校でも中国語学習者は少なく、中国語を武器にした就職口は限られていた。その限られた就職口の1つが友好商社であり、中国語がデキた先輩の何人かは勇躍と友好商社入りしたものだ。そんな先輩の姿を、友好商社に入れば中国に行ける。中国の土を踏めると、羨ましく思ったことを覚えている。

 当時、外国人バイヤーは春(4月)と秋(10月)の年2回、広州で開かれる「広州交易会(正式名称「中国進出口商品交易会」で、第1回は1957年春開催)」に参加していた。中国が外の世界に向けて開いていた窓口は、ここしかなかった。だから当然のように、毎年春秋の2回、金門酒店も日本人客で賑わいを見せるようなる。

 金門酒店と同じように比較的安価な日本料理を口にできるホテルをもう1軒、偶然に見つけた。富都大酒店(フォーチュナ・ホテル)である。
夜店が並ぶ廟街(既出)の近くにあり、弥敦道(ネーザン・ロード)に面し、隣が豪壮な意匠の普慶戯院だった。国慶節などの祝日には特別な催しがみられたから、中国系の劇場だったに違いない。この劇場での思い出は、また別の機会に。

 富都大酒店の日本料理レストランは金門酒店と同じで、ロビー右手に在ったような。ここでも日本の新聞や雑誌が読めたが、新聞は最大で10日ほどの遅れ、『文藝春秋』などの雑誌は数か月遅れ。それも手垢に塗れていたところを見ると、ここに泊まった多くの日本人客によって幾度となく繰り返して読まれたに違いない。

 正直なところ、味も客筋も金門酒店の方が上だったような。とはいえ、どんぐりの背比べに近かったようにも。

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【知道中国 2208回】              
 ──英国殖民地だった頃・・・香港での日々(香港90)
  
       ▽
 中島健蔵は元来がフランス文学者・文芸評論家ではあるが、1950年代末期辺りから文革期まで「日中友好運動活動家」としての活動が主だったような。日中友好運動における日本側仕切り役とでもいったところではなかったか。文革期の国慶節の記録映画に映った、天安門楼上で海外からの招待客と共に“並び大名然”とした立ち姿が印象に残る。

 この時、中島の隣に『中国の赤い星』のエドガー・スノー夫妻が映っていた。スノー夫妻を招いたのが毛沢東であり、それが1972年2月のニクソン訪中受け入れのサインだったらしいから中島は国際政治の生々しい現場に居合わせたことになる。

 中島は、「一九五七年の一一月六日夜、自分としてはなんの屈託もなく、羽田空港から日航機で出発し」、香港に向う。香港から中国入りする目的は、当時の親中派文化人──かの「進歩的文化人」たち──の取り纏め役として日中文化協定を結ぶことだった。
 この時の中国旅行の顛末を綴った『点描・新しい中国 一九五七年晩秋』(六興出版部 昭和33年)を読んでいると、突然、「ゴールデン・ゲート・ホテル」が登場し驚いた。

「はじめ、香港で一夜を明かしてから国境にはいる予定だっただったのだが、朝七時半に九竜の空港におりて、ゴールデン・ゲート・ホテルの一室に落ちつくひまもなく、北京から『今日のうちに国境を越えて、入国してくれ』と、電話連絡があったから、と中国旅行社から電話がかかって来た」と記されている。

 前後の事情から判断して、ここに見える「ゴールデン・ゲート・ホテル」が金門酒店であり、あらかじめ中国側から指定された宿舎──妄想を逞しくするなら、中国政府が香港に設けた対日工作の最前線の1つ──と考えて強ち間違いはなさそうだ。

 中島に先立つこと2年の1955年4月、第6回芥川賞受賞者で『糞尿譚』『麦と兵隊』『花と龍』などで知られる火野葦平は、ニューデリーでのアジア諸国会議からの帰路に中国政府からの招待を受けて中国入りすべく、香港に降り立った。
 
 この時の中国旅行で戦時中の自らの体験を苦悩のなかで吐き出す一方、同行した進歩的文化人たちのノー天気・無反省・偽善ぶりを赤裸々に綴った『赤い国の旅人』(朝日新聞社 昭和30年)には、香港で宿泊したホテルについて、「いったいこの新楽大酒店(SHAMROCK HOTEL)は九竜の目抜き通りにあるので、一晩中、自動車やトラックが通い、暴風のような音を立てるためおちおち眠れない」と記している。

 火野が記した「九竜の目抜き通り」は弥敦道(ネーザン・ロード)で、じつは新楽大酒店は金門酒店から歩いて2分ほど。香港到着当初、映画を見て中国語を身に着けようと通った倫敦戯院(ロンドン・シアター)の並びにあった。

 中国政府から招待された火野ら一行の28人を前に、団長は「われわれは香港滞在中からすでに中国政府から招待になっている。先方はそれだけ鄭重にやってくれているのであるから、こちらも十分にそれにこたえたい」と訓示している。それだけではない、一行は中国滞在中の小遣い銭の類までも渡されているのだ。

 金門酒店、新楽大酒店、それにヒョットして富都大酒店まで、『そういう施設』だったようにも思えてくる。
 もう少し付け加えるなら、第一日文で教えて半年ほどが過ぎた頃、高級班学生の卒業式があり、終了後の謝恩会が開かれたのが新楽大酒店だった。記念写真撮影シーンを思い出すと、前列に並んだ7人の先生のうち6人はすでに鬼籍入り。つまり生き残っているのは小生のみ。
8人ほどの卒業生はニューヨーク、シカゴ、ヴァンクーバー、メルボルン、ロンドン、台北、上海、それに香港──香港の小さな日本語学校の卒業生が歩んだ半世紀だ。
 昨秋、香港での久々の同窓会を願ったが、「苦難の香港」がそれを許さなかった。
    

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(読者の声1)トヨタが最後の生き残り。脱炭素、温暖化、などの政治判断は枝葉末節。かつての馬車が自動車に変わったような根本的な変換が、現在の「ガソリン車からEV」になるらしい。
馬は生き物であつたので世話が大変で、餌、怪我や病気などのコストが高かった。ガソリン内燃機関も馬と同様に複雑で壊れたり寿命がきたり、オイルを変えたりと、EVの電気モーターと比べると重く高くつく等の機械的な理由があるが、根本的な違いは、自動運転にある。
現在では大会社の社長、政治家など以外、運転手を使う楽しさを享受出来ないが、普通の人、子供、老人が昼でも夜中でもいつでも気軽に安く、この便利さを受けられる、と言う利点がEVの要になる。
テスラの全製品には必要な装置が既に組み込まれており、「全自動」のアプリは100万円余分に払うと付いてくる。このアプリの価値は2000万円以上あると言う。つまり、テスラがタクシー的な会社を始めると、従業員・運転手ゼロで、車は勝手にお客さんを拾って仕事を24/7こなす。EV車は半永久的に仕事をする。
故にテスラは車を客に売るよりは、自分の「使用人」として運用した方が遥かに儲かるので、将来市場には出回らなくなる。云々。そんな論理の展開で、マスク氏は世界一の資産家になった。
 しかし、そんな氏の最大の敵は中共政府であり、EV車製造業が600社もあり、熾烈な競争をしている。
車の製造・物作りの秘密は日米独が最先端をセッセと自ら寄贈してきた。自動運転の要はAIの運転「経験」であり、多少の事故など無視できる人権法律環境では、人体実験が毎日行われAIは急速に「自己学習」している。
つまり明治の日本官僚指導の成功を見事に模倣し改善したが、一方日本の全官僚は「ノーパンしゃぶしゃぶ」と劣化し、親中・媚中として国賊になった。トヨタさんがいくら努力しても勝ち目は無い。
(KM生)
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「コロナ以後」中国は世界最終戦争を仕掛けて自滅する』(徳間書店)
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『中国解体 2021』(徳間書店) 
https://www.amazon.co.jp/dp/B08LGGJV5P/
『WHAT NEXT(コロナ以後大予測)』(ハート出版)
https://www.amazon.co.jp/dp/4802400993/

<歴史シリーズ>
『こう読み直せ! 日本の歴史」(ワック)
https://www.amazon.co.jp/dp/4898314988/
『一万年の平和、日本の代償』(育鵬社)
https://www.amazon.co.jp/dp/4594086195/
『神武天皇以前(縄文中期に天皇制の原型が誕生した)』(育鵬社)
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『明智光秀 五百年の孤独』(徳間書店)
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宮崎正弘 v 渡邊惣樹 『戦後支配の正体 1945-2020』(ビジネス社)他一冊。
宮崎正弘 v 石 平  『ならず者国家・習近平中国の自滅が始まった!』(ワック)
宮崎正弘 v 西部 邁 『アクティブ・ニヒリズムを超えて』(文藝社文庫)  
宮崎正弘 v 渡邊哲也 『迫り来るアメリカ 悪夢の選択』(ビジネス社)他四冊。
宮崎正弘 v 田村秀男 『中国発の金融恐慌に備えよ!』(徳間書店。韓国語版もあり)
宮崎正弘 v 川口マーン惠美『なぜ、中国人とドイツ人は馬が合うのか?』(ワック)
宮崎正弘 v 高山正之 『世界を震撼させた歴史の国 日本』(徳間書店)他一冊。 
宮崎正弘 v 河添恵子 『中国、中国人の品性』(ワック)  
宮崎正弘 v 宮脇淳子 『本当は異民族がつくった虚構国家 中国の真実』(ビジネス社) 
宮崎正弘 v 藤井厳喜 『米日露協調で、韓国消滅! 中国没落!』(海竜社)他一冊。
宮崎正弘 v 室谷克実 『米朝急転で始まる中国・韓国の悪夢』(徳間書店)他三冊。
宮崎正弘 v 福島香織 『世界の中国化をくい止めろ』(ビジネス社)他三冊。
宮崎正弘 v 馬渕睦夫 『世界戦争をしかける市場の正体』(ビジネス社)
宮崎正弘 v 小川栄太郎『保守の原点』(海竜社)
宮崎正弘 v 佐藤 優 『猛毒国家に囲まれた日本』(海竜社)
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