彼を知り己を知れば百戦殆からず【うまい棒殲滅大作戦1】
その数、総勢80の軍勢の奇襲。
最前線で自分を魅了しようと猛攻を仕掛けてきたは24本のうまい棒であった。
これはある日、自宅に大量の駄菓子が届き、嬉しい悲鳴と奇声を上げて迷走しはじめた自分と80個の駄菓子との約3ヶ月の戦いの話だ。
いままで幾度も社会の荒波に揉まれながら戦闘力を高めてきたが、駄菓子相手にいきなり無計画に素手で突っ込んで戦うほど自分は愚かじゃない。
戦において真っ先にすべきことは「敵を知ること」だ。
かの高名な孫子もこう言っている。
百戦する気は毛頭無いが(やったら確実に健康面で負ける)、何事もまずは敵情視察が重要だ。
さぁ、敵陣の中を覗いてやろうではないか。
胸ぐらは掴まずに強烈なパンチを
ここで頭の中で喧嘩にはうってつけのカッコいい系のBGMが流れ始める。
胸ぐらを掴むことはできないが、
強烈なパンチをくらわすことはできる。
いざ、尋常に勝負!
うまえもーーーん!
このうまい棒のキャラの名前は「うまえもん」。
ちなみに妹はうまみちゃん。
ドラえもんや天才バカボンを遥かに凌駕する兄妹格差に驚愕せざるを得ない。
ぜひその差は公式サイトでご確認いただきたい。
敵陣のステータスを確認
繰り出したパンチで敵陣に穴をこじ開け、24本の精鋭を取り出す。
敵の布陣はこうだ。
コンポタージュ味 4本
チーズ味 4本
めんたい味 4本
なっとう味 4本
やさいサラダ味 4本
シュガーラスク味 4本
「うまい棒、24本なんて一気食いできるぜ」
そんな声が聞こえてきそうだが、それは考えが甘すぎる。一気食いで体力ゲージを減らしてしまっては、後衛の布陣にタコ殴りにされてしまう。
このうまい棒24本の後には、キャベツさん太郎やあたり前田のクラッカーをはじめとしたスナックの軍勢に加えて、瓶入りのラムネ菓子と金平糖の砂糖菓子の軍勢が控えている。
特に、ラムネ軍勢の圧力はかなり強烈だ。
スナック軍とは密度が違う。
小さいボトルだと舐めてかかると、中に詰まった大量の粒がマシンガンの弾丸のごとく降り注いでくる。
それだけではない。
何よりも、開けたら最後。
ヤツらには、フタがないのである。
食べきるか、しけるか、溶けるか。
一体もう自分は何と戦っているのかわからなくなってくる。
「1.5リットルコーラ買ってすぐにキャップを捨ててやったぜぇ〜」のスギちゃんの気持ちが今ならありありと分かる。
そういう訳でなかなか強烈な布陣なので、うまい棒だけに体力をすり減らされてはならない。
そう強く思い、お料理ギルドで手に入れたメモを片手にキッチンに向かうのであった。
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