通常の文字を「飾り文字」に変える3つのポイント
インパクトのあるアーティスティックな飾り文字が書けるようになりたい。
そう気づいたものの、その書き方がわからない。
今までのカリグラフィーの練習の時に使っていた「書き方お手本」のようなものは無い。
「通常の文字」とインパクトのある「飾り文字」との違いとは何だろうか?
自分の嗜好にあった飾り文字や気に入ったフォントと通常の文字を比較しながら「飾り文字の必要要素」を洗い出してみることにする。
1.Khinta Scriptフォントのサンプル画像との比較
現在、筆ペンカリグラフィーで練習しているKhinta Scriptフォントの使用サンプル画像を見たとき、すごくいいなと思った感覚があった。だが、実際に書いてみるとなんとなくインパクトがなく物足りないと思ってしまった。
そこで「サンプル画像」と「通常の文字」をを比較し、違いを探す。
重ね合わせてみると一発で違いが明らかになった。
左がサンプル画像そのまま。
右はサンプル画像の上に、ダウンロードしたフォントの文字を青色にして、重ね合わせている。
若干のズレはあるがそこは誤差として許容しても、明らかに違う部分がある。
赤丸をつけた部分だ。
こんな線は普通にパソコンで文字を入力しただけでは出てこない。きちんとPhotoshopなどで加工したのだろう。
ただ、こういう「ちょっとした加工」が飾り文字としてのおしゃれさをグンと上げてくれている。
この比較でわかる通常の文字を飾り文字に変えるポイントは「文字に躍動感を出す」ことのようだ。
■文字に躍動感を出すポイント
(1)書き始めの文字、書き終わりの文字に「流れるような線」を追加する
細く長くゆるく続く線や、くるんとカーブした丸みも動きや流れがあるように思わせてくれる。
(2)「H」「t」「f」のような横に抜ける線がある文字は「思いっきり突き抜ける」
突き抜ける時は線の強弱やメリハリをつけると流れの勢いを表現できる。
この2つを加えるだけでも大分雰囲気が変わる。
別フォントだが、上記2点を踏まえて書かれたHappyBirthdayの飾り文字を見ると明らか。
少しやりすぎ感はあるものの、躍動感あふれる飾り文字になっている。
2.Hatachiフォントのサンプル画像との比較
カリグラフィー練習当初、15分で挫折に追いこんでくれた因縁のHatachiフォントのサンプル画像も同様にみてみる。
当時「まさにこれぞカリグラフィー!」と感じたのはなにかを考える。
これも躍動感を与えてくれる書き始めと書き終わりの「流れるような線」が、結構やんちゃしている。
さらに単語の最初の大文字「T」や「Y」が少し加工されている。
他よりフォントサイズが大きいのかと思いきや、実はフォントサイズは同じで「Y」は10度ほど傾いており、「T」は縦横の線を誇張するようにアスペクト比を固定せずに拡大されている。
ここらへんはWEBデザインやポスター制作をしている人は詳しいところだろう。きっとセオリー的なものがあるのだろうが、デザイナーでもないカリグラフィー初心者の自分がたどり着くには少し時間がかかりそうなので、今回は割愛。
着目すべきは、線の端にある丸ポチ●である。
この「文字の飾りの丸ポチ」が、案外いいアクセントになってるように感じる。
少し調べてみたところ、どうやらTimes New Romanのような文字の先端の装飾を「セリフ」と呼ぶらしく、文字に装飾がある欧文フォントはセリフ体と分類されるそうだ。
欧文フォントの分類については、こちらのサイトでわかりやすく解説してくれていた。
ただ今回の場合、セリフ体ではなく、スクリプト体と分類される手書きフォントなので、この「文字の飾りの丸ポチ」が「セリフ」なのかはわからない。
なのでここでは「文字の飾りの丸ポチ」を勝手に「文字のアクセサリー」と呼ぶことにする。
なんとなく丸ポチが文字にピアスが付いているように見えるのと、「飾り文字」と「文字の飾り」と混同しそうなので、便宜上。
さて、話を「飾り文字の作り方」に戻すと、この「文字のアクセサリー」の丸ポチは使用するフォントとの相性がありそうだ。
当然、サンセリフ体(線の太さ一定の欧文フォント)とは相性は良くないだろう。スクリプト体(手書きフォント)でも、蛍光ペンのような先端の縦横の長さが違うペンで書いたフォントには丸ポチはあまり似合わない。
その点を踏まえて、丸ポチをつけても違和感がないフォントならば、目立たせたいところに少しだけアクセントのつもりで丸ポチを付け加えてみるといいのかもしれない。
さり気ない小さなピアスこそ魅力的なのと同じだ。
逆に、ピアスと同じで丸ポチのつけすぎは不自然になるので注意しないといけない。むしろヤンキーっぽい強さや威圧感をアピールしたいならありかもしれない。
■文字にアクセサリーをつけるポイント
・文字の先端に丸ポチをさり気なくつける。つけすぎ厳禁。
実際にアクセントになる丸ポチがあるHappyBirthdayの飾り文字から、丸ポチを取ってしまうと途端に派手さがなくなり地味になる。
たかが丸ポチ、されど丸ポチ。意外にも効果がある。
3.文字の周りに飾りがある文字と普通の文字だけの比較
これはシンプル。メッセージカード等のカリグラフィーには月桂樹のリースがついていることがよくある。
ほんの少しワンポイントでアクセントになる葉っぱ飾りがあるだけで、全然雰囲気が変わる。グッとしまる感じが並べて比較してみるとよくわかる。
この葉っぱ飾りの他にも、矢のような線などバリエーションは多数あるので状況に合わせて全体を整えるつもりで少し加えると良さそうだ。例えば下の絵のようなもの。
こういう小さな飾りや絵を、単語の間の隙間に入れたり、全体の形状を円形にしたり、長い文の仕切りにしたりするとカリグラフィーがグッとしまると思う。
■文字の周りにアクセントをつけるポイント
・文字(単語)を全部書き終えた後に、小さな絵や飾りを書き加えて、全体のバランスや雰囲気を整える。
まとめ
ここまでをまとめると、飾り文字を作るポイントは以下の3つ。
■飾り文字をつくる3つのポイント
(1)文字に躍動感を与える線をつける
・書き始めの文字、書き終わりの文字に「流れるような線」を追加
・横に抜ける線がある文字は「思いっきり突き抜ける」
(2)文字のアクセサリーをつける
・文字の先端に「丸ポチ」をさり気なくつける。つけすぎ厳禁。
(3)文字の周りにアクセントになる飾り・絵をつける
・文字(単語)を全部書き終えた後に、アクセント感覚で小さな絵や飾りを書き加えて、全体のバランスや雰囲気を整える。
もちろん他にも飾り文字の作り方のポイントはたくさんあるだろう。
フォントの専門の方やWEBデザインやっている人からは甘すぎると言われそうだが、ひとまずすぐに手書きの筆ペンカリグラフィーに使えるこの3つのポイントを今回は実践してみることにする。
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