『Ivana&Jitka / イヴァナとイトカ』ができるまで
この曲では大好きなチェコの映画『ひなぎく』の世界観を再現させたいと試みました。名前は『ひなぎく』の主人公の2人の本名からとってイヴァナとイトカ。
この映画は実験的で社会への皮肉やメッセージも込められています。しかし、それはひとまずおいておきます。可愛い女の子ふたりが大人達相手に悪戯三昧してはしゃいでいる様子がとてもお洒落で愉快なんです。この曲でイヴァナとイトカにも自由奔放に遊んでもらいました。
イヴァナ↓
イトカ↓
この曲はトラックを作っている段階からラップみたいな歌になるだろうなという感覚がありました。ヒップホップを聴くのは高校生の頃から好きで、心の中にはB-BOYイズムが流れています。すきあらば韻を踏んだりしたラップの曲をやってみたいなあと思っていました。今回それが出来て楽しかったです。
秘密結社を ふみつけちゃう ワンダーランドの お姫達ちゃん
「秘密結社」と「踏みつけちゃう」で韻を踏んだのが個人的に一番のパンチラインです。
※パンチラインはヒップポップ用語で曲の中における「印象的な一節」みたいな意味です。
PEIACOは「ヴォドニーク会いに行くがほとんどつっけんどん、おう」の所が気に入っている模様(笑)
ちょっとだけ登場するヴォドニーク。やんちゃなお姫達ちゃんと彼女たちを憧れの目で見ているヴォドニークの恋の行方は次の曲『Vodník / ヴォドニーク』で。
出だしの耳慣れない単語の羅列はチェコの伝統的なお菓子の名前です。
トゥルデルニーク ヴィェトゥルニーク メドブニーク 右に行く 左に行く 右に行く? ヴィェネチェック コシーチェック ラクヴィチュカ
右チェック 左チェック 右チェック
この写真がそのお菓子たち↓
イジー・トゥルンカ イジー・シンドレル イジー・シャラモウン
ヨゼフ・パレチェック ヤン・クビーチェク ヤン・クドゥラーチェク
2番に出てくるこれはチェコの有名な絵本作家の名前です。
トラックに関して。
スペイン土産にカスタネットを貰ったので遊びながら色んなリズムをレコーディングしているうちにアイデアが浮かびました。tUnE-yArDsの『Water Fountain』とか水曜日のカンパネラの『シャクシャイン』のようなリズムと歌だけで成立するような曲に影響を受けました。
水曜日のカンパネラに関してはラップのようなラップじゃないような歌詞にも影響を受けています。
ところで、イヴァナとイトカのキャラクターは私の周りにいる何人かの仲の良い友達も少しずつ投影しています。魅力的な彼女達は日本に留まらず海外の色んなところに出かけていきました。この曲はストーリー上迷路に迷って行き止まり!みたいなことにしてしまいましたが実際の彼女達は各地で活躍されています。
そんな彼女たちを憧れの目で見ている私はヴォドニークなのです。おう。