あまりにも春

concertâ de mode
日曜日の朝にコンサータを飲み忘れそのまま一日過ごす。意識がぼんやりしたまま食欲だけが暴走し昼食を二回摂る。
その後妻の家に行く。歩いている時に物音やすれ違う人に意識が向いてしまう。意識をフォーカスすることができない。すべての情報が並列処理されるように感じる。
結果、脳味噌がオーバーフローしてとてもぼんやりする。
この状態で30年くらい生きていたと思うとハードモードだった。コンサータを飲むようになって楽になったのだと再認識する。

ディレクションされたい
周期的になにかに没頭する癖があって何年か前はそれが小説を書くことだった。箸にも棒にならずだったのだけど。
しかし読み返してみたら面白かった。もちろん自分が面白いものを書いたのだから当たり前だ。
小説に限らず私は自分が面白いと思えるものなら作ることはできる。それを他人がどう思うかは別として。
このスタンスがいけないのだと思う。他人の目線を意識できない。結果歪なものができあがる。
ディレクター付きでやったこともあるがそれはきちんと他人に見せられる形になったし私も面白かった。
人に見せるものを作ろうと思ったら私にはディレクターが必要だ。できれば有能な。

春うつつ
春はうつつうつら。大体眠い。だるい。ぼんやりした希死念慮未満の憂鬱が花粉のようにそこらを舞っている。
スマートウォッチの革バンドが臭くなったので洗剤で洗った。時計を見る度に饐えた匂いとフローラルが立ち上がり妙な気分になる。
定期的に買って活けている百合の花はなぜか猫の小便のような匂いがする。季節のせいだろうか。
なんとも冴えない春である。

小幅前進
調子が良い日は少しずつ読んだり勉強をする。良くない日はショート動画を眺めるしかできない。
良い日と良くない日の割合はゆらゆらとする。

人間最後は殴り合い
突如思い立ちキックボクシングジムに入会する。
体験レッスンでは全くついていけなかった。体力はそれなりにあると思っていたが打ち砕かれる。ミットを打つのがあんなにもハードな運動だとは!
しかし人間関係は詰まるところ殴り合いなのだ。いざという時に殴り合えば勝てるという自信がほしい。let's get PHYSICAL PHYSICAL.
スポーツ経験ほぼゼロの三十路の格闘地獄変、始まる。

人間なんだかんだ学力
思い立って高校の参考書を取り寄せる。
先日共通一次を解いてみて国語と社会科系はぼちぼちだったが英語と数学が全く太刀打ちできなかったのでそこをやってみようと思う。
頭も体も使わないとどんどん衰える。衰えるとなにもできなくなる。勢いで乗り切れるほど若くない。
私は自分で言っちゃうけどそれなりに知的水準が高いほうだ。知能検査でも出てたし。しかし付け焼き刃なところがかなり多い。勉強らしい勉強をしてこずに読みかじった知識ばかりだ。
ここらでひとつ勉強してみよう。

笑って読める福音書
福音書で面白いのはイエスの家族や地元からの冷遇ぶりに尽きる。
宣教で名前が売れてきたころに家族から発狂を疑われて無理やり連れ戻されそうになったり、地元で説教したら「お前、大工の息子のイエスじゃねーか」と野次られたり。
そのたびにいじけた言葉を吐くあたり、やたらと人間臭い救い主だなと面白く読む。
あと喩え話をちゃんと解説してくれるところもいい。ギャグが伝わらなくて説明しているみたいで良い。

数学野郎
テキストが届いたので数学の勉強を始める。分配法則とか式の展開といった中学の内容からおさらいをする。ベクトルや三平方の定理くらいなら辛うじて高校でやったことを覚えている。
趣味としての勉強は案外楽しい。

知られざる名作

大杉漣の遺作ということで観たら傑作だった。派手さはないが行き届いた演技、演出。そして見事だったのは拘置所内の圧迫感を表すためあえて画面の横比を短くいる点。これを巧みに活かしたラストの演出は見事。

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