萎縮した多裂筋を伸ばしながら使うトレーニング、ストレッチ
多裂筋は、「横隔膜、腹横筋、骨盤底筋」とともに、
身体のコア=インナーユニットを形成する重要な筋肉です。
ハの字型の小さな筋肉の集まりが、仙骨から頸椎までついてます。
背骨に多大な影響力をもつ筋肉です。
多裂筋は一度衰えたり、カタマったりすると、回復しづらいといいます。
背中の奥のほうにあるインナーマッスルなので、
脊柱起立筋のようなアウターを固めてると使えない問題もあります。
四つんばいになって、片足をもちあげたり、片手をもちあげたり。
すると、多裂筋のトレーニングになるはずですが、上手くいかないことも多いようです。
私が以前に、多裂筋トレーニングについて考えたこと。
ピーンを避けるために、意図的に背骨を丸めてバックキックやってみたりもしました。
脊柱起立筋の代償は起こりにくくなりますけども…それで十分に多裂筋に効くかは疑問です。
伸び感が足りないというか。
最近新しく考えた多裂筋のトレーニング、ストレッチ方法!
萎縮した多裂筋を伸ばしながら使う。
すごーく効くやりかただと思うんですけど……
他人がやって、再現性あるのかは疑問です。
多分、運動って基本的にそんな感じ。
良い立ち方なら「ただ立ってるだけ」でも効果はあるのに、
それは再現性がないから、「ただ立ってください」とは言えないのですよね。
「ああします、こうします、これはすごいメソッドです。」
でも、真似して、ほとんどのひとは何も変わらない。?!
ならば、運動のやりかたに求められるものは、
とにかく形をやってみて、最低限のやった感は必要、みたいな。
このやりかたにそれはないかもです。
多裂筋を伸ばしながら使うやりかた
みぞおちのちょい上あたりを中心に考えます。
みぞおちのちょい上より、上の多裂筋(第二頸椎まで)をコントロールして、上方向にひっぱります。
みぞおちのちょい上より、下の多裂筋(仙骨まで)をコントロールして、下方向にひっぱります。
すると、多裂筋が全体に伸長します。
多裂筋の伸び感を感じましょう。
その状態で、屈曲、伸展、側屈、回旋の入った背骨のストレッチや体操をやります。
トレーニングのときは収縮させる。
ストレッチのときは伸ば「される」(受動的)。
ではなくて、伸ばしながら使う、感じ。
ピラティスのエロンゲーション(背骨の伸長)を筋肉に応用したものですが、
背骨は伸長しようとしなくて良いです。
他の筋肉を使ってしまうかもしれないので。
多裂筋を「能動的に」伸長させるだけで良いです。
結果的にエロンゲーションが起こるかも、くらいで良いです。
多裂筋のあるレイヤーを的確に意識することが必要です。
仙骨に近い腰部以外は、棘突起の左右に入り込んでる小さな筋肉であることを意識します。
首の意識も大事だと思います。
多裂筋は、腰多裂筋、胸多裂筋、頸多裂筋に分けられます。
頸部多裂筋は、環椎(第一頸椎)以外の頸椎についてます。
環椎以外、多裂筋は背骨の上から下まで、全部についてる感じです。
なので、頭に近い上のほうまで多裂筋をシッカリ伸長させます。
中心はみぞおちではなくて、みぞおちよりちょい上です。
なぜ「首がこってるひとは骨盤も歪んでる」と言われるのか。
それは上下でつながってるからだと思います。
首の筋肉で、自律神経症状をともなう首こりに関係あると言われるのは、
後頭下筋群、頭板状筋、頭半棘筋、僧帽筋、胸鎖乳突筋など。
ですが、頸部多裂筋を見落としてはいけないと思います。
身体の中でとくに大事な筋肉、横隔膜ラインの筋肉。
その中で首に含まれるのは、頸長筋、頭長筋、だけではありません。
頸部多裂筋(および胸部多裂筋上部)も首に含まれます。
そして多裂筋は腰から首までつながってるので、全体を意識したほうが良いと思います。
多裂筋の基礎知識
理学療法のひとがいってた多裂筋の特徴。
・腰のところの腰部多裂筋が、大きくてとくに大事。
・多裂筋は萎縮しやすい。筋肉が縮んで、脂肪と置き換わったりする。
・多裂筋は意識的につかわないと回復しづらい。
・多裂筋が萎縮してると固く感じられるけど、だからって、ストレッチやマッサージで伸ばしても逆効果のこともある。「使う」ことが必要。
・多裂筋には浅層と深層がある。
多裂筋の浅層と深層ってなに?
情報が少なくて、ハッキリしたことは言えませんが、
浅層は、脊柱起立筋と協調して働く。
深層は、腹横筋と強調して働く。
らしいです。
使い方次第で「浅層は使えてるけど、深層は使えてない」
あるいはその逆が起こるかもしれません。
・多裂筋と自律神経の関係
ホットフラッシュ(気が上に上る、のぼせ)は、胸部多裂筋の異常緊張が原因、って話もあります。
・多裂筋と他の筋肉のつながり
多裂筋は、胸腰筋膜を介して、腹横筋とつながってるといいます。
また、仙結節靭帯を介して、大腿二頭筋とつながってたり、大臀筋上部とつながってるという話もあります。
背中には脊柱起立筋という大きな筋肉がありますが。
それはスーパーフィシャルバックラインという筋膜ラインにつながります。
腕の深層筋膜ラインも含めて、背面の大部分とつながってるといえます。
それら広範囲な背面の筋膜ラインと多裂筋は、感覚的にも別です。
多裂筋はもっと深いレイヤーにあります。