見出し画像

腰仙関節のストレッチをするときは上位の腰椎の代償を防ぐことが大事

何だかすごく大事っぽいのに、あまり注目されてない腰仙関節

どう大事かというと、「身体の中心である仙腸関節より大事」と主張するひとがいるくらいです。

位置的にも「丹田」の場所にあるので、パワースポット的な何かを感じます。


身体の中心の骨、仙骨の関節は三つあります。

1、腰仙関節…第5腰椎と仙骨の間の関節。

2、仙腸関節…仙骨と骨盤の間の関節。

3、仙尾関節…仙骨と尾骨の間の関節。

このうち、腰仙関節と仙腸関節には、上体の重みがすべてかかって、負担がかかります。

そして、腰仙関節は仙腸関節に比べて、関節面が小さいため、ズレやすいのだそうです。

腰仙関節のズレはミリ単位で起こって、レントゲンには写らないそうです。

腰仙関節を「腰椎の関節の一部」だと思ってると、

腰椎には他にも関節あるし…特別なものではないと思うかも。

しかし、「仙骨の関節の一つ」だと思うと、いかにも重要っぽい感じがしてきます。


身体の中心にあって体重を支えてるという構造的な意味でもそうなのですが、

神経に及ぼす影響も特別なのでは、と思います。

私も過去に、

「第五腰椎を動かす練習をしてるとき、特別な安心感を感じた」

「セルフで腰仙関節の牽引を行ったあと、すごく眠くなった」

という経験があります。

これは腰仙関節が腰椎の特性よりも、仙骨の特性をもってるから起こることなのではないでしょうか

腰仙関節がわずかでもズレてると、膝、肩、首などの離れた場所に痛み(コリ)が出る

と「痛みの9割がたちまち消える10秒関節リセット」という本には書いてあります。

その仮説に含まれるニュアンスは、構造の問題、神経の問題、両方ある気がします。


また、「背骨の上のほうと下のほうはセットで動いてる」と考えるロベットブラザー(兄弟椎)でいうと、

腰仙関節に対応するのは、環椎後頭関節となります。

環椎後頭関節といえば、椎体がないため歪みやすく、歪むと、

延髄、脳神経、脳への血管等を障害する可能性があって、整体でとくに重要視される関節です。

環椎後頭関節の障害は、じつに多様な症状をひきおこすといいます。

この環椎後頭関節に、腰仙関節は影響力をもってる可能性があります。

私が今までいろいろ調べてみて、

環椎後頭関節のように「歪むとよくわからない全身症状の原因になりうる」ととくに思ったのは、

蝶形後頭底結合、環椎(環椎後頭関節)、第四胸椎付近、腰仙関節、仙腸関節です。


というふうに重要っぽい腰仙関節ですけど……

腰仙関節が多少ズレてもそこは痛まなかったり、

離れた場所に関連痛が出たりして、気づきにくいのではと思います。

腰仙関節が大事と一部でいわれながら、あまり注目されてないのはそういう理由があるかもです。



背骨の関節には、屈曲、伸展、左右の側屈、左右の回旋の動作があります。

腰仙関節も、左右の椎間関節からなるのは他の背骨の関節と同じです。

動作の基本も、他の椎間関節と同じだと思います。

屈曲、伸展、左右の側屈、左右の回旋です。


私がやった腰仙関節のストレッチ。


・腰仙関節の回旋。

仰向けに寝て膝は立てます。

お尻をしっかりマットにつけたまま行います。

腰の右側をマットからもちあげて浮かせます。

同時に、腰の左側をマットに押し当てます。

もし腰仙関節に回旋制限がかかってたら、

右側の背骨のけっこう上のほうまでもちあげないと、やりづらいと思います。

あるいは、お尻が傾いたり、膝が傾いたりするかも。

膝やお尻はまっすぐのまま、マットにつけたまま、にします。

その上で、右側の腰椎の下のほうをもちあげるようにします。

みぞおちの裏とか、右側の腰椎の上のほうはマットに近づけるようにします。

なるべく下のほうでアーチを作るということです。

左右を入れかえてやります。


・腰仙関節の側屈

仰向けに寝て膝は立てます。

骨盤の腸骨のすぐ上の横腹を、左右から手でつかみます。

横腹をつかんで(お肉をつまんで)動かないようにしときます。

そのまま、骨盤をちいーさく左右に傾けます。

右に傾けたときは、骨盤の右側が上がり、左側が下がる。

左に傾けたときは、骨盤の左側が上がり、右側が下がる。

という動作です。

腰仙関節(第五腰椎)よりも上位の関節で代償してしまわないように、横腹をつかんで腰椎を固定します。

なので骨盤はちいさい動作になります。

骨盤を右に傾けたときは、つまんだ横腹の右側を下げて、左側を上げる。

骨盤を左に傾けたときは、つまんだ横腹の右側を下げて、左側を上げる。

という風に横腹を骨盤と逆の方向に動かすと、腰仙関節がストレッチされやすくなります。

余計な力が入らないように、骨盤を左に傾けたときは左の背中の力を、右に傾けたときは右の背中の力を抜きましょう。


・腰仙関節の屈曲

ズレてる状態で屈曲させても、うまくいかなかったり、痛くなったりしそうなので、

先に左右の歪みを取るべきと思いました。

ふつうに腰を丸めても腰仙関節がなかなか丸まらない場合、

ストレッチポールを使ったりすると丸まりやすくなりす。

横置きしたストレッチポールの上にお尻を乗せて、

体重を利用して腰椎を丸めるとかです。

そのまま、膝をかかえこんで左右にゴロゴロしても効きます。


姿勢が悪いと、腰仙関節は伸展傾向になるようなので、伸展のストレッチはナシです。

例えば、骨盤を立てて座ろうとしたとしましょう。

腰仙関節が伸展傾向にあると、

仙骨に対して、下位腰椎は後ろに反ろうとします。

仙骨は立とうとしてるのに、下位腰椎が後ろに倒れるということです。

腰椎が後ろに倒れると、雪崩のように、仙骨も骨盤も後ろに倒れます。

背骨は後弯し、猫背になります。

仙骨を過度に前傾させたり、ムリをしないと姿勢維持できなくなるってことです。

腰椎の前弯を作るとき、上位腰椎は伸展するんだけど、下位腰椎(4、5番)は屈曲します。



関節ファシリテーション(腰仙関節を重要視する流派)のひとによると、

関節の回りの筋肉や靭帯が固くなる、だけではなくて、関節そのものも固くなるそうです。

関節が固くなる→その影響で、回りの筋肉や靭帯が固くなる。

という順番もあり得ます。

筋肉めっちゃこってるから筋肉ほぐそ!

とグイグイやってても、じつは、筋肉がこってるのは結果、

関節が微細にズレたり、滑走性が失われてるのが原因、ということもあるかもです。

そういう場合、筋肉をグイグイしてストレッチ感を出すようなのは要らないです。

とくに腰仙関節をピンポイントで動かしたいようなときに、

わかりやすいストレッチ感を求めてしまうと、動作が大きく雑になります。

回りが固いのはとりあえず無視して、特定の関節に集中します。

関節を適切に動作させると、軟骨から潤滑液が分泌されて、

徐々に、関節がスムーズに動くようになるそうです。



腰仙関節についての記述。

ここが肉体としてみたときには、生命力の源だと表現されていました。
腰仙関節の力が弱り始めると、姿勢が悪くなりはじめて、だんだんと首が前に出たり、猫背になったりと姿勢に変化が出てきます。
こうした姿勢は見た目の問題だけではなく、腰痛や肩こり、首の痛み、アトピーなどの皮膚疾患、うつ病などのメンタル的な変化などにも深くしています。

「腰仙関節」の重要性 | 整体庵大空 https://daikuu3.com/news/yousenkansetsu/


腰仙関節の「屈曲」について言ってるように思える記述。

臍下丹田の背中側、『腰仙関節』部位を「臍裏丹田」と、呼ぶことにしました。
「臍下丹田」は「小さく、柔らかく、凹む」のが正しい形。
凹んだ丹田の反対は「膨らみ」。
『膨らむ腰』が健常になるはずです。
『反り腰』の反対が『膨らむ腰』なのです。
ふっくらと盛り上がったお饅頭、のようなイメージがぴったり。
力みのない猫の腰のようなものです。
「圧迫のない腰」になり、腰痛を防止する形です。

「臍裏丹田」と「膨らむ腰」 | 臍下丹田研究室 https://ameblo.jp/he-so-tanden/entry-12674843930.html


関節ファシリテーションについて。

AKA(ArthroKinematic Approach;関節運度学的アプローチ)とは、物理医学の専門家である博田節夫医師が宇都宮初夫理学療法士と共同で1984年に開発した関節に対するアプローチ法です。
体の不調の多くは、主に仙腸関節の機能障害にあるとして、仙腸関節に対して独特なアプローチ法を開発しました。

AKAはとても素晴らしい技術です。
しかしながら、博田節夫医師と共同開発した理学療法士である宇都宮初夫氏は、問題の根本は「仙腸関節」ではなく「腰仙関節」にあるのではないか、という疑問を持ち始めます。
関節のことを研究すればするほど、腰仙関節の可動域の低下による関節機能障害の状態と、仙腸関節の可動域低下によるそれとはまったく違ってきたからです。
そもそも仙腸関節の可動域はそれほど大きくはなく、どちらかといえば、重力に対するせん断力を伝えるためにある程度強固である必要すらあります。
しかし腰仙関節の可動域は前後17度ずつ合計34度必要であり、その低下によって発生する関連領域の不調は明確でした。
そこで宇都宮初夫氏は、関節の適応を「滑膜性の関節」だけとしたうえで関節機能障害とそれに関連する症候領域を発見し、2000年代に入って新たな技術を開発しました。
それが関節ファシリテーション(Synovial Joints Facilitation; SJF)です。

AKA博田法と関節ファシリテーション(SJF)とかわむら整体院の整体技術 https://kawamura-seitaiin.com/?p=1128


上部頸椎との関係。

後頭下筋以外でも、この上部頸椎の動きに関連してくる部位をご紹介したいと思います。
私の経験側も入ってくるので、絶対とは言えませんが、
それは、ズバリ、腰仙関節です。
あまり聞きなれないかもしれませんが、L5と仙骨の間の関節の事です。
この部位にアプローチする手技としては、SJF(関節ファシリテーション)が有名ですね。
おそらくですが、ジンクパターンという概念から説明できるのではないかと思いますが、
事実、ここの可動性を出すことにより、上部頸椎のROM制限も取れるケースが多いと私は感じています。

この事実を知るまでは上部頸椎の治療が出来るなんて言わないでください - 金沢市の『慢性腰痛』専門 整体院 樹 https://blog.goo.ne.jp/takahisa0705/e/6ab2bf3b67750888ddccb5ec4be5fec2



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?