![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/156916761/rectangle_large_type_2_0664dce77832d0e752d073312f8f22b8.jpeg?width=1200)
ヒップアップや腰痛の緩和には、筋トレだけじゃなくて、仙腸関節を動かすこと
仙腸関節は、仙骨と骨盤をつなぐ関節です。
![](https://assets.st-note.com/img/1728181281-qKQskEOx0gNdpLBTf6lmaVrD.jpg?width=1200)
仙腸関節の動作については、諸説あります。
「動かない(昔の発想)」
「ほとんど動かない」
「ミリ動く」
「かなり動く」
あと、「自分の意思では動かせない」「ゆっくりしか動かない」とも聞いたことがあります。
私の体験感覚的には、
「ミリ動く。」
「自分の意思ですばやく動かせる」です。
ドアの蝶つがい(金具)を想像してみます。
蝶つがいの部分だけに注目してみると、小さくて、動作も「チョイチョイ」って感じです。
でもドアは大きく動きます。
ブオーン。バターン!って感じです。
それと似た感じで、仙腸関節自体はミリしか動かなくても、
骨盤全体で見るとけっこうダイナミックな動作をすると思います。
わりと明瞭です。
仙腸関節の動作で有名なのは、ニューテーションとカウンターニューテーションです。
ニューテーションは、骨盤に対して仙骨が前にうなずくこと。
カウンターニューテーションは、骨盤に対して仙骨が後ろに起き上がること。
骨盤の前傾、後傾にも似てますが、イコールではないです。
骨盤の前傾、後傾は、股関節や腰椎の運動も含みます。
ニューテーション、カウンターニューテーションは股関節や腰椎の運動を含みません。
が、ニューテーションと骨盤の前傾は相性が良く、
カウンターニューテーションと骨盤の後傾は相性が良いです。
ニューテーションは仙骨の前へのうなずきと言いましたが、
それだけではなくて、複合的、立体的な動作が起こります。
仙骨が前にうなずくとともに、
骨盤の上部分が狭くなる。
骨盤の下部分が広くなる。
のがニューテーションです。
カウンターニューテーションはその逆です。
骨盤の上部分が広くなる。
骨盤の下部分が狭くなる。
のがカウンターニューテーションです。
ニューテーションとカウンターニューテーションは、
例えて言うなら、背骨の伸展と屈曲をイメージすると良いです。
背骨の伸展は、まっすぐな姿勢。
背骨の屈曲は、丸まった姿勢。
それのお尻バージョンみたいな感じです。
伸展に相当するのは、ニューテーション。
屈曲に相当するのは、カウンターニューテーション。
なので、ニューテーションのほうがカッコいいです。
アスリートのお尻って感じです。
がんばってお尻の筋肉つけなくても、
ニューテーションすると、骨格だけでお尻の上がった状態にできます。
ウエストがキュッとして、お尻がツンと上がって、腰が高くなるのがニューテーションです。
カウンターニューテーションはその反対です。
というと、カウンターニューテーションは悪いものにも思えます。
けど、「背骨が丸まってるのはカッコ悪いし機能的じゃない、良くない!」とか言って、
ひたすら背骨をピーーン!としてたらどうなるか、わかりますね。
身体がカタマって背中が痛くなります。
むしろ、上手に背骨を丸めるストレッチできることが、身体をラクにしてくれることがわかります。
カウンターニューテーションができなかったら、腰椎もうまく丸められません。
背骨を丸めることができなかったら、腹筋運動で起き上がることもできません。
なので、ニューテーション、カウンターニューテーション、どっちも大事だと思います。
仙腸関節がカタマってるひとというのは、
ニューテーションできない。
カウンターニューテーションもうまくはできない。
どっちかといえば、カウンターニューテーション寄りでカタマってる。
という風になると思います。
背骨が猫背気味でカタマってるけど、
「背骨を丸めて」と言われてもうまくできなくて、
ムリに腹筋運動とかすると腰が痛くなってしまう、そんな感じです。
ニューテーションの練習は、片足立ちして、前に重心をもってくと良いと思います。
後ろ重心でお尻が下がってると、片足立ちしても意味がありません。
「これから一歩を踏み出す直前のように」グッと前に乗り出して、
姿勢を良くすると、ニューテーションしやすくなります。
軸足の骨盤で地面をグッと押し込む感じです。
カウンターニューテーションの練習は、腰を丸めると良いと思います。
骨盤をつかんで、後ろ回転、後ろ回転、ってやると、カウンターニューテーションしやすくなります。
ニューテーションとカウンターニューテーションを切り替える練習は、
仰向けに寝て、股関節のつけね大転子の辺りを両側から触ります。
ウエストをしぼって、大転子を外に向かって広げる意識…ニューテーション。
ウエストをゆるめて、大転子を内に向かって狭める意識…カウンターニューテーション。
手で確認しながら、気のせいレベルでもいいので、とにかく広がりや狭まりを感じます。
以上が仙腸関節の有名な動作、ニューテーションとカウンターニューテーションです。
しかし、これが仙腸関節の動作の全てというわけではないです。
骨盤にはインフレア、アウトフレアという運動もあります。
インフレア…骨盤が閉じる。
アウトフレア…骨盤が開く。
中心の仙腸関節を蝶つがいとして、両側の腸骨が、扉のように閉じたり開いたりするイメージです。
他にも、ヨガでは「仙骨を下げて」という表現がされます。
姿勢を良くしようとして、仙骨が上がってしまうと、グッと骨盤や腰が緊張してしまうので、
下げてリラックスする、そんなニュアンスです。
反り腰を防止する意識にも近いです。
悪い身体の使い方では、
仙骨を上げることは、ニューテーションと混ざりやすいです
仙骨を下げることは、カウンターニューテーションと混ざりやすいです
なので、「仙骨を下げると、腰が丸まって姿勢が崩れちゃうんですけど!」みたいなこともあります。
ちょっと混乱しますね。
他にも、古武術とかで「仙骨を入れる」という表現があったりします。
仙骨全体を、前に押し込むような感じです。
また、背骨コンディショニングという体操の理論では、
「筋力不足や不良姿勢で、仙骨は後ろにズレます。だから、前に押し込みましょう。」
と説明してます。
これらのことを総合してみると…
結局、仙腸関節ってどういう動作をするの??
ってなります。
私が以前に考えたのは、
仙腸関節は「上下」と「前後」の組み合わせで動くという仮説です。
![](https://assets.st-note.com/img/1728181635-54AOErixq8sXtHlopeNZzRMc.jpg)
…仙骨が前に移動すると、骨盤がインフレアします。
仙骨が後ろに移動すると、骨盤がアウトフレアします。
ニューテーションは、仙骨上部が前に行って、仙骨下部が後ろに行きます。
だから、仙骨が前に傾くとともに、骨盤の上がインフレアして狭くなって、骨盤の下がアウトフレアして広くなります。
それとは別に上下のスライドもあるので、
「仙骨を下げながらニューテーション」することもできます。(コツがいる)
…という考えです。
これが答え!みたいのでは全然ないです。
イメージに過ぎません。
腰仙関節や下位腰椎とのかねあいもありますし。
「仙骨を下げる」とか「仙骨を入れる」が、文字通り仙腸関節の動作だけを指してるとは限りません。
力の入れ方、方向性の話をしてるだけかも。
でも、「仙腸関節の動作はニューテーションとカウンターニューテーション。おしまい。」
みたいな簡単な話ではないと思います。