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人体力学の体操やってみました

井本邦昭さんの人体力学の本を買いました。

井本邦昭さんとは、井本整体を主催する整体師さんです。

「人体力学の体操」「腹部十二調律点」「蒸しタオル健康法」などを広めてる方です。


人体力学の体操の特徴

人体力学の体操の本を読んでみると、最初のほうに「上胸部三角点」というのが出てきました。

左右の肩甲骨の間にあるポイントで「肩甲骨の上角と胸椎5番を結ぶ三角形」と説明されてます。

身体のどこに問題があっても、問題は連鎖して、やがてこの三角形に現れると言います。

他には「呼吸法では胸椎の8番を意識する」と言ってます。

また、いろんな体操のポイントで「腰の反りを作るように」と指導されてます。

肩甲骨の間・胸椎8番・腰。

このへんの背中のラインが大事っぽいです。

人体力学の体操をやってみると、背中のラインをロックする動きが多いと感じます。

それだけではなくて、肋骨とか骨盤をロックすることもあります。

寝ながら身体を伸ばすストレッチみたいの多いです。

体力ほとんど使わないしラクです。

けど、ただグデーとやるのではなく、ロックする部分、ゆるめる部分の緩急を大事にしてる感じです。


やってて、人体力学の体操はけっこうむつかしいんじゃないかと思いました。

だから、ためしに「これやってみて」と人体力学の体操をヒトにやってもらったところ。

全然できてませんでした。

本を見て2回くらいやっただけの私も、もちろん正しくはできてないと思いますが……

そのヒトは、それ以前の、フォームぐだぐだ過ぎて「ストレッチ感すら得られない」状態になってました。

姿勢が悪すぎて、胸を張らずに肩甲骨を寄せるのできてません。

それだとストレッチ感でません。

つまり、運動にこだわりないひとが本だけを見て、

人体力学の体操を適当にやると、良さがわからない可能性があります。

ヨガブログのうちこさんは人体力学の体操の本を絶賛しまくってましたけど。

それはヨガとか運動をやりまくってるから、すごさがわかるわけです。

誰でも簡単に効果を実感できる体操、とは言いがたいかも。

べつにむつかしいことをやるわけじゃないですが。

カンタンな体操。

でも、ひとによっては「あまり効かない」「よくある体操」って感想になりやすいのかもです。


私が感動しやすい性質なので、新しいものに触れると「すごーーい❤」ってなりやすいのあるとはいえ、

人体力学の体操は、裏にある理論みたいのが優れてると思います。

理論は大事。

すごーーいってなる運動は、よくよく聞いてみると理論が異次元だったりします。

井本邦昭さんの理論は、内臓を重視してるみたいです。

それから、骨格や筋肉のつながりです。

でも「骨格を整えよう」「筋肉のつながりを伸ばそう」じゃないです。

「身体の不調」と「内臓」の関係。

「内臓」と「骨格や筋肉」の関係を重視してるみたいです。

例えば「胸椎の何番が動かなくなると、内臓のここがおかしくなる」

みたいのを、ひたすら考えてる感じです。

中国医学の経絡やツボの発想ともまた違ってるようで、日本の伝統的な整体の技術をベースにしてます。

日本の伝統的な整体とは?

井本邦昭さんのお父さんも整体師だったそうです。

井本邦昭さんのお父さんは、野口整体の野口晴哉さんの弟子でした。

野口晴哉さん(明治生まれ)とは、日本の整体の「元祖」みたいなひとです。

大昔から民間で伝承されてた、身体の不調を治す知恵や技術をまとめたひと、と言われてます。

何でそうなるのかはよくわからないけど、

木槌で背骨をコンコンッて叩いて病気を治してしまうような不思議なひとは、昔からいたそうです。


井本邦昭さんの弟子の方が、人体力学の体操について解説してるのを見っけました。

少し長いですが引用します。

早川:そして、人間の体は「意識的な動き」だけで体を鍛えたり、悪い部分を直そうとしても、なかなか効果が現れないばかりか、かえって逆効果になってしまうこともある、と井本整体では考えます。
――「肩凝りよ、治れ、治れ」と意識して働きかけても、肝心の肩は言うことを聞いてくれない、と。
早川:はい。この問題を解決するために、井本整体には人体力学という理論があります。その中の“連動性の活用”について説明しましょう。体の中では臓器、骨格、筋肉が密接に関連していて、1つの臓器だけが単独で悪くなることはあまりありません。例えば、心臓に問題が起きる原因はいろいろありますが、現代人に多い原因の一つが「胸椎の3番」の硬直です。胸椎3番、すなわち呼吸器を司る箇所に問題が生じて、そこから“連動”して心臓に負担をかけることがあるのです。
――きょうついのさんばん?
早川:人間の背骨は24個の椎骨でできていて、中央には脊髄という神経の束、その横には自律神経が通っています。椎骨からは、特定の臓器や筋肉につながる神経が出ています。そのため、特定の椎骨が硬直すると、そこから神経が通っている臓器や筋肉も弱っていくのです。この因果関係は逆でも成立していて、特定の臓器や筋肉の働きが鈍ると、該当する椎骨が硬直してきます。井本整体ではそのような連動性を読み解きながら、たとえば呼吸器の負担が原因で2次的に心臓の問題を抱えているならば、胸椎3番を緩める体操をすることで、心臓の負担を取り除く、といったアプローチを取ります。こちらが背骨と関連臓器・筋肉の関連図です。
――ええと、胸椎の3番は…ありました。これが心臓と…。じゃ例えば、腎臓に関連するのは…。
早川:腎臓に影響を及ぼしている椎骨の一つは腰椎の5番です。ここを刺激することで排尿に関係する障害を改善し、膀胱の負担を軽くし、その連動性を使って腎臓から泌尿器、膀胱、前立腺にかけての流れをよくする事ができるのです。こうした連動性の活用こそ、井本整体の「人体力学体操」の醍醐味の1つです。
――でも、ですよ。胸椎や腰椎を刺激しようと「意識」して体操するわけですから、結局、先ほどお話された「意識的な運動・働きかけ」になってしまいませんか。
早川:実際にやってみましょう。(聞き手を指導しながら)腎臓を強くする腰椎5番の体操はこうします。ここが腰椎5番です。足をこうして、腰を少し浮かせる。ゆっくりです。そして少しずつ、小さく動かす。小さく、小さくです。
――ううう。結構、効く…。
早川:どうです。腰椎5番に力が集まるのを感じられますか。
――はい。たぶん。腰椎5番に力が集まっていると思われます。ううう。
早川:腎臓はどうですか。
――腎臓? 知りません…。自分はただ腰椎5番に力を集めているだけで…。「人体の連動性」とやらで、腰椎5番から腎臓に何らかの働きかけはあるのかもしれませんけど、それは私のあずかり知らぬところで、その先は「腰椎5番に聞いてくれ」としか…あっ、無意識だ!
早川:これが井本整体の人体力学体操です。意識的に直接、臓器への働きかけをするだけでなく、その臓器と連動する運動系、つまり骨格と筋肉に働きかけます。
――それによって、「意識の外からの働きかけ」を可能にする、と。なるほど。

https://business.nikkei.com/atcl/interview/15/238739/102600214/



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