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小から中に移すメソッドに挑戦中④+α『なぜできない人が重要かを考える』
前項で【飲食業】の現状を理解するべきという文章を書きましたが、少し誤解が発生している点がありますので、追記説明させていただきます。
基本的に私のスタンスは、こちらが間違っていて、こちらが正しいということではありません。どちらも正しいし、あるいはどちらも間違いがある。
という哲学の元に、『どれを選択しますか?』という問いかけを自分に課している。というのが近い感覚です。
今の【飲食業界】というのは、社会の情勢や国家の道筋とは明らかにちぐはぐに進んでいます。経済は発展していない、原価材料の高騰は止まらない。
そのうえで国家は最低賃金の上昇や、働き方改革を強引に進めてきます。
(良い話だけを羅列する議員様は一度現場の経営状況を学ぶべきです。)
例えば、最低賃金の上昇や働き方改革の施行でどういった歪みが生まれるのでしょうか?
当然そのお店の人件費は高騰します。継続経営の為には商品に、上がる分のコストを転嫁して上乗せしないといけません。しかしながら、日本の経済はデフレを脱しているとは言えません。おいそれと商品の値段を上げると競争に負けてしまします。とはいえ国家の道筋や社会の情勢を鑑みて、今までのある意味、無茶苦茶な働き方の飲食店は変わらなければいけません。
変わらないといけないけれど、変わることが難しい。
となると、どのような現象が発生するでしょう。
答えは
『効率の悪い人件費は削らなければならない』というメンタルが今まで以上に経営者に発生します。
できる人は残る。できない人や効率の悪い人はますます生き残れない。
恐らく料理人なる人の数はどんどん減少するでしょう。
と。。。皆さんこれは当然やんけ!!と思われるかもしれません。
プロの世界やねんから、できないやつはやめていけや。と。
しかしながら違うのです。これこそ文化の衰退の序章なのです。
素晴らしい文化を構築するためには、『できる人の集団だけでは成り立たない』のです。むしろ『できない人たちが文化を支えている』のです。
お笑いを例に出します。
その世界には天才『松本人志』がいます。天才が作った世界で多くのその他の天才や秀才が活躍しています。しかしながら、このお笑いを活性化させているのは、上部の天才ばかりではないのです。天才にあこがれる、天才を目指す多くの売れない芸人でこの世界は成り立っています。
その地盤を崩さないために、吉本興業は多くの売れない芸人の活躍できる可能性がある舞台を作り運営し続けているのです。ここに、例えば[芸人の権利を守れ!]と舞台の出演料は最低『10000円』みたいな「働き方改革」を導入しようもんなら、たちまち、売れない芸人の居場所はなくなります。効率よく稼げる売れてる芸人を会社は使わなければいけません。売れない芸人は、芸事をやめていくでしょう。お金がもらえないからではありません。挑戦する場所がなくなるからです。
売れない芸人の分母の減少は、やがてお笑いという文化の衰退を生み出すのです。
もう一つ例を出しましょう。
サッカーというスポーツ。
サッカーでは世界共通的に【カテゴリーピラミッド】というヒエラルキー制度が採用されています。日本でいうと[J1・J2・J3・JFL・地方リーグ1部・地方リーグ2部…]といった感じです。このヒエラルキーには必ず、上へに繋がる希望がちりばめられています。
サッカーが世界で最も人気になり、最も文化として育った遠因はここにあります。様々な人がサッカーに触れる機会がそこにあるのです。
メッシやクリスティーナロナウドやネイマールが、燦然と輝く舞台で多くの人たちを魅了しているあのシーンは、実は、スーパースターを目指す地方リーグでバイトしながらサッカーを一生懸命にトライする、そういう多くの選手たちの情熱が創り上げているのです。
昔ある料理人と議論していて、喧嘩になったことがあります。
料理の文化はできる料理人が作っている。とそのかたはおっしゃいましたが、私は上記の意見のような理由で真っ向から逆説を述べました。
喧嘩はしたけどノーサイド。意見は交わることはありません。
どちらが正しいとは言えませんから。
ただし、僕は証明する必要があるし、今の料理業界にはかなりの危機感を持っています。
『やろうとしている人間が輝ける場所をつくる』。このことが
『天才たちの煌びやかな世界を創り出す土台』であると。僕はこのチームをもって料理業界に恩返ししていきたいのです。
現在スタッフ25人。目標の100人までは遠い遠い。
まだまだ増やせる場所を作ろう。
それではまた。アディオス。