松本 真

京都の南部で、レストラン・カフェ・パン屋を運営しながら、葡萄・ワイン作りに奮闘しています。地方で飲食業を通じて夢を追いかけるリアルなストーリーを中心に、様々な情報発信をしていきます。このブログの収益はすべて、『城陽ワイナリープロジェクト』の運営試金として活用させていただきます。

松本 真

京都の南部で、レストラン・カフェ・パン屋を運営しながら、葡萄・ワイン作りに奮闘しています。地方で飲食業を通じて夢を追いかけるリアルなストーリーを中心に、様々な情報発信をしていきます。このブログの収益はすべて、『城陽ワイナリープロジェクト』の運営試金として活用させていただきます。

マガジン

  • ワイナリー設立までの物語

    田舎町で馬鹿みたいに夢追っかけて。 そこに何があるんだい。 行ってみなきゃわかんないから、 ただがむしゃらに進むだけ。 なんもなかったら笑いましょう。 笑ってもっかい走りましょう。 そうすりゃあ、ずっと楽しいまんまだ。

最近の記事

ブロッコリーのような曖昧な緑

『たいそう不思議に思われるかもしれませんが、 こればっかりは仕方ありません。 聞くだけは聞いて頂きます。 聞いているのかは別として、私はお話します。 それは生と死の真ん中の空間です。 薄気味悪いくらい整然とした美しい真四角の白い部屋でした。そこで私は数種類のカードを選びます。』 私の目の前に座った無精髭の男はそうやって、 おもむろに話し始めた。 私はというと、大切な約束をすっぽかされた。 待ち人は来ない。 その代わりに何故だかこの男が座った。 男は、アイスコー

    • ルート24

      京都と奈良の丁度真ん中あたりの小さな街では、新名神高速道路の工事が昼夜を問わず行われていた。 とかくこれといった特徴もない、形容することが難しいなんの変哲もないこの街を、今はおびただしい数の工事車両がひっきりなしに行き来をしている。車両たちは列を成して、排ガスと砂煙とけたたましい騒音をあたりに撒き散らしいて、それがある意味での活気をこの街にもたらしていた。 名古屋や神戸へと伸びる新しい高速道路を造るため、様々な政治家や役人達が希望と欺瞞の議論を繰り返して繰り返して編み込んだ

      • エラーコード

        携帯電話を見ていると 、何か違和感がある。 あったはずの、何かのアプリが、なくなっているのである。 確かにそれはそこにあった。けれど今はない。 今はそこにないのだけれど確実にそこにはあった。 けれどそれが何のアプリだったのか、僕にはどうしても思い出せない。 なぜ消えたのかそれも僕にはわからない。 じっと携帯の画面を見るが薄っぺらい喪失感があるものの、機能的に、特に問題が起こったわけでもない。携帯電話は普通に使えるし、SNSも普段通りに使える。お気に入りのゲームも稼働するし、友

        • 小から中に移すメソッドに挑戦中④+α『なぜできない人が重要かを考える』

          前項で【飲食業】の現状を理解するべきという文章を書きましたが、少し誤解が発生している点がありますので、追記説明させていただきます。 基本的に私のスタンスは、こちらが間違っていて、こちらが正しいということではありません。どちらも正しいし、あるいはどちらも間違いがある。 という哲学の元に、『どれを選択しますか?』という問いかけを自分に課している。というのが近い感覚です。 今の【飲食業界】というのは、社会の情勢や国家の道筋とは明らかにちぐはぐに進んでいます。経済は発展していない

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        • ワイナリー設立までの物語
          7本

        記事

          小から中に移すメソッドに挑戦中④『人事採用はできない人を想定する』

          以前にも紹介しましたが、武田信玄の有名な格言の一つで 『人は石垣、人は堀、人は城なり』という言葉があります。 人を大切に考えた信玄公らしい言葉で、この通り、信玄公は生涯 大きな城郭を構えることはありませんでした。 この言葉を現代風に置き換えるとしたら 『設備や建物が会社ではなくて、人そのものが会社なんだよ』 って意味になります。沁みますね。沁みます。 ここからは私がなぜ小から中に向かうことを選んだのか?という 大前提にかかわることなので、少しばかりご説明しておきます。

          小から中に移すメソッドに挑戦中④『人事採用はできない人を想定する』

          小から中に移すメソッドに挑戦中③『経理や事務作業はITやクラウドサービス』

          先日、我が社の前期決算が終了し、決算書が仕上がりました。まあこれはまさに、経営者の通知表みたいなもので、そこに表れる数字に残酷なほど、嘘や偽りがございません。 良くも悪くも、その数字が今の会社の状態を表す『リアル』です。 経営者はそこから目を背けることはできません。 私たちはというと。。。 今年は…正直なんとか乗り切ったな…という感想。 決して良くはないけれど、やれることを懸命にやった。 といったところでしょうか。 そうして仕上がった決算書を持って、各金融機関様に今期のスケ

          小から中に移すメソッドに挑戦中③『経理や事務作業はITやクラウドサービス』

          小から中に移すメソッドに挑戦中②『移行するための経営者のメンタルと行動』

          皆さんこんにちは。松本です。 今からスタッフの悩み相談のために軽く一杯行ってきます。 スタッフのモチベーションキープとアップは、私の最重要事項の一つです。 そんなスタッフにもこの項目に準ずるようなことを伝えるつもりでして、 ちょうどよかったのでしっかりと書いておきましょう。 小規模から中規模と単純に申しあげても、個々によって基準や感覚が違うのかもしれませんので、この企画内で通用するような共通事項を作っておきましょう。 小規模 5人から15人のスタッフ 年商1億円まで 中規

          小から中に移すメソッドに挑戦中②『移行するための経営者のメンタルと行動』

          小から中に移すメソッドに挑戦中①『小から中への移行時が一番儲からない』

          全国津々浦々、飲食店経営者の皆様こんにちは。 いかがお過ごしでしょうか? あまりに久しぶりでアカウント消滅してもうたかな、 と心配している松本です。 さて、コロナとの激闘が始まり、もう2年半が過ぎようとしています。そしてまた、大国の独裁者がみなの想定を超えた侵略戦争を勃発させ、世界の混沌は収まりそうにはありません。 私たち経営者は、いわば日々世界を動かし、日々世界と対峙に、大切な人や自分の思想を守らねばなりません。このような想像もできない困難にも、思考して立ち向かわなけれ

          小から中に移すメソッドに挑戦中①『小から中への移行時が一番儲からない』

          始まりの準備

          新年あけましておめでとうございます。 本年も宜しくお願い申し上げます。 今現在、役員を務めております(株)simpleplanでは、 様々な業務を担っています。 事業計画、新商品の開発、人事、経理、営業活動などの経営の根幹的な部分はもとより、 もちろん、いちスタッフ・料理人・パン職人・パティシエとしての仕事。あるいは、写真撮影やデザイン業務や補助金申請にいたるまで、『自分ができると感じた』業務は一旦自分でやってみます。(その後はアウトソーシングするなりで、外していくのですが

          始まりの準備

          ルールとインセンティブ

          人は堀、人は石垣、人は城 かつての戦国最強武将の一人であった、 『武田信玄』は、巨大な天守をもつ城郭を生涯築く事はありませんでした。 人こそが自分の財産であるので、 大きな城を持つ必要など無いという、かの武将らしい格言です。 ちなみに居住館である、『躑躅ヶ崎館』は、もちろん、とんでもなく広大な土地に建てられた館で、質素…というわけではないので、納得いくかいかないかは…それはまた別のお話。 信玄公の言うように、 結局組織において最も重要なファクターは、 言うまでもなく[

          ルールとインセンティブ

          定説からの脱却

          これは前々から計画している事で、 そろそろだなと思っているので、別会社にするのか、今の法人内で部署を立ち上げるのかわかりませんが、まぁやろうと思う事がありますので、 皆様にもご報告です。 簡単に言えば『コンサルティング業務』 なんですが、僕なりにこれなら皆様のお役に立てるのではないかという形を具現化したいと思っています。 世の中には、津々浦々、規模は違えど多くの『リーダー』が存在します。 もちろん、社長さんやらオーナーさんやら、 経営者の皆様がそうです。 あるいは、部署

          定説からの脱却

          脳内葛藤

          クリエイトの苦しさ楽しみ楽しさ マネージメントの難しさと孤独さ 最近仕事の9割はマネージメントに費やされています。 もちろんマネージメントは事業構築する上で、必要不可欠なものであり、それをする人がいないと、スムーズな運営が難しくなるわけであり、 しかしながら、 マネージメントに費やす時間が多くなればなるほど、クリエイトに使っていた脳みそが何か眠ってしまったように機能していない感覚に陥るのです。 まどろみというかモヤモヤ…の感情。 例えばの話。 『趣味のガンプラをいっ

          経緯

          芥川も太宰も三島も、 一体どんな勇気を持って自決にいたるのか。 絶望でもあるし或いは希望? もしくは、戦略的なものなのか。 他人と見える世界が違う非凡というのは、 残酷なリアリティをその人に押し付けるのだろうか。 実態的に話すと、まぁわたしの場合は極めて小さなお話でありまして。 コロナ禍においての飲食業というものは、 実に何というか、くだらない。 文字通り「実態がない」 ですから辞めてる。ってのはまぁかっこつけのセリフで実のところ、 2020年の年末、決算書をみて

          理由

          無気力に陥る事の原因を探るほど、無駄な事はない。 無気力であるのにその原因を知る事に、気力を燃やす事などそれこそ、本末転倒である。 むしろ考えてみたら、無気力な自分の方が本来の自分に近しい気がしてならない。気力を振り絞って生きてきたからこそ、なんだかそんな風にすら感じている。 書き出したという事は、活力が戻ったのかと言えばそれも少し違う。書く事が自然になればそれでいいと感じるだけの話で、その方が良い方向に行く気もする。 個人としての発信をセーブする事で、『全体主義』こそ

          100年続く産業を。『城陽ワイナリーへの軌跡』その8

          2021年から100年後の未来(2121年の誰かへ) 正直なところ。今まで5年間やって来た畑がなくなることがわかった時、なんだか一瞬目の前がカメラで連写したみたいに、白くなったり黒くなったり。 歩んできた過去と行こうとしていた未来の画像が、 フラッシュのように頭を通り過ぎて気分が悪くなりました。 しばらくは喪失と虚無に心をもたげられたような気分でした。 もちろん、なんとか残せないかと自分なりに動いてみたけど、影さえも踏めないような大きな動きに僕の意思は無力でしかありませ

          100年続く産業を。『城陽ワイナリーへの軌跡』その8

          100年続く産業を。『城陽ワイナリーへの軌跡』その7

          2019年〜2020年 それから2年。 様々な人たちの関わりと 何よりも家族の協力のおかげで。 生産量は安定し、 畑は素晴らしく美しくなり 様々な人たちの笑顔の中で、 少しずつ少しずつ。その広がりを感じ。 なんだかもしかしたら、 凪の海に辿り着いような感覚の松本号。 ひょっとしてひょっとして、 これはこのまま安定していくのかなと… けれども。 本当に人生は難しい。 時に予想だにせぬ、とんでもないことが起こってしまいます。 来年2021年を持ちまして…

          100年続く産業を。『城陽ワイナリーへの軌跡』その7