入学式に行かなかった話。
私は横浜市に住む二児の母である。
娘はこの4月新一年生、息子は幼稚園年中に進級するはずだった。
緊急事態宣言が発動されたのは4月7日。
しかし横浜市の入学式はその前日の4月6日であった。
緊急事態宣言が出るとかなんとかの瀬戸際でありコロナについての意識もこの時はまばらであったように思う。
子供は重篤化しないし!とあまりコロナを気にしてない親3割、なんか怖いなぁと危機感を感じつつも普通に暮らす親6割、「コロナマジでやばい気がする」と強く警鐘を鳴らす親1割というような層に分かれる感じだった。
私は最後の「コロナマジでやばい気がする」層に属していたので、入学式前日に夫と話し合って入学式欠席を決めた。
欠席を決めたのにはいくつか理由がある。
まず4月5日時点で神奈川の病床74床に対し、すでに患者数が147名だったこと。
ダブルスコアで患者数が上回っていた。
ニューヨークの医療崩壊のニュースをみていたので、このままだと神奈川もニューヨーク化したっておかしくはないと直感的に思ったのだ。
娘は少しアレルギーの喘息があるし、息子は熱性痙攣持ちで解熱剤が使えないので、医療崩壊後に発病して自宅待機になると持ち堪えるのがつらいと思ったのだ。
子供は重篤化しないというが、5歳以下の子供は話は別だ。重症、重篤化する子供の大半は5歳以下というデータも出てきたのだ。
下の子は4歳だし、上の子はひ弱めの6歳なので、油断はできない。
次に入学する小学校がかなりのマンモス校だったということだ。
例年、児童と保護者が集まると500人を超える人数になる。
学校も対応を考えてくれていたが、
(マスク着用、体育館には保護者1名のみ参加、時間を縮小して実行など)
都内の会社に通う保護者もたくさんいるし、自分達がかかっていないという保証もないので、クラスタを作らない為には集まらないに越したことはない。
娘も「喘息あるからこわい」と行きたがらず、
私も夫も「入学式って子供ってより子供の成長をみたい親のためのもんだろ。命をかけて行かなくてもよし」という考えだったので欠席を決め、ささやかに家でケーキを食べたりして過ごした。
その翌日は始業式だったが、そんな考えなので当然行かず。
始業式の午後、私一人で学校へ教材を受け取りに行くと、出迎えてくれた担任の先生が
「娘さん、入学式と始業式どちらも居なかったのでみんな会えるのを楽しみにしていましたよ」
と教えてくれた。
入学式も始業式も出なかったのは30人ほどいるクラスの中で我が娘だけだったようだ。
内心「おおう。みんなマジか」とびっくりしつつも娘の様子や本人も学校を楽しみにしていることを伝えて帰ってきた。
私が神経質過ぎるのだろうか?悶々と帰宅し、家事を済ませ、夕飯を食べる頃に緊急事態宣言が発動された。
コロナの渦中にいる間は、それぞれが最善の方法を考えて子供を守るしかない。
5日時点、神奈川で147名だった感染者が、18日の今602名となった。
欠席という決断をしたことは、後悔していない。