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ikuyori
2017年1月12日 23:22
午後六時。学校の最寄り駅への帰り道を、体を縮めながら歩く。早く風をよけられる屋内に入りたい一心で、自然と速足になる。(センター試験まであと二日!) 頭の中で黒板に書かれた文字が躍る。(あと少し、みんなで頑張ろう!) 帰り道を急ぐ私の前には、同学年の女の子が四、五人、連れ立って歩いていた。 後ろからも、楽し気にしゃべる声が聞こえる。 学校の図書室で、一緒に受験勉強をしてきた
2017年1月8日 12:55
新春の陽光が差し込む電車の中、デートの移動中。 冬にしては暖かいその陽気についうとうとしていると、ふと、正面から差し込んでいた陽がかげって目を開ける。もたれかかっていた彼氏の肩から顔を上げると、正面に、おなかの大きな女性が立っていた。 右手はつり革を持ち、左手には買い物袋。そしてそのわきに、三歳くらいの男の子が母親につかまって立っていた。 私はすぐさま、彼氏の手を引く。無言でその意味