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春はぜんぜんダメだの巻

春が季節の始まりって、誰が何を理由に決めたのでしょう。

芽吹く時期だからだけでは、なんというか

「そうか! なるほどね」

と思えないまま年月が経ちます。

「春は明るい色の服が着たくなって、うきうきして、そわそわして、お出かけしたくなる。希望いっぱいの春!」

そんなふぁああっと軽やかで明るい背景をまとっている季節に、正直なことをお伝えしますと。

そんな春を体験してみたい。

という感じ。

これは、あまのじゃくを気取りたいわけでも、人の楽しい春に水をさすつもりで言っているわけでも決してない!

ほんとうなら私も春を楽しみたいので、憧れすらある。

なのに、いつもその真逆。

「ううっ。もやもやの春に今年もなってしまった」

毎年そう思う。

花粉症でもないし、何か大きな理由があるわけでもないけれど、毎年春は気持ちの底近くをふよふよと漂っている。

時々浮上して、明るい光をみてみたり、みなかったり。

子供の頃に入学卒業などでまわりから「楽しみだねー」なんて言われる時ですら、力の入らないもやもやは常にあったし、人生を通して春はそんな感じ。

街を歩いていてキレイな色の服を着ている人を見て「私も何か着るか」とちょっと反省しながら少しだけ意識してみたりはする。

もともとそんなしょっちゅう出かけなくても大丈夫派なので、いよいよ春だから張り切っていろいろ出かけようという意気込みもない。

それを言うと、けっこう意外だと言われる。

それは、あんまりどんよりした様子を外で披露することないというのがひとつある。

あとはハワイが好きなことがかなり印象を決めているよう。ハワイ本も書いたりハワイ動画も出したりしているので非常に活発に思われがちで、太陽の下でわーいわーいとはしゃいで過ごす人間に思ってもらえているみたいで嬉しい。

本質はわりと違うので、その誤解が嬉しいのだ。

もちろん嘘をついてそれをやっているわけではなくて、その時はそれで楽しい。

普段のちょっとしたお出かけが町内会の祭りだとしたら、旅行は1年を代表する大祭みたいな感じ。

だから全力で楽しんで、鼻血や熱を出したりする。

もっと平均的に生きたいが、これが習性のようなのでひとまず今はいいとしている。

その習性のひとつに「春に落ち込んで、もやもやする」というのがある。

今日なんでこんな話をしているかというと、春に落ち込む人が実はけっこういるという話を聞いたことがあるからだ。

それにはもっともらしい理由がついていて、生活環境の変化や気候の変動があるから自律神経がどうこうとかそういう話。

でも個人的には、そんな外的要因の大小ではなく、もっと人間の本質的な部分が関係しているように感じる。

春になるたびにそれについて考えるのだけれど、表立って「今、落ち込む季節なんだよね」とわざわざ言うことでもないと思っていた。

べつにかっこつけたいわけでもない。でも、弱った自分や動かずだらしがない自分をわざわざ見せる気もないというだけ。

あとは「これはたまたまで、次の春こそは世に言われる春めいた素敵感覚を味わえるのではないか」と希望を持っていたり。

去年そう思っていたと思ったら、あれからあっというまに今年の春が来た。

さて、今年はどんな春か。

春もやもや仲間の皆様がもしいらっしゃれば、届くといいなと思いながら綴ります。

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