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強くなりたい

「強くなりたい」

昔からよくそう思う。

なので、大変わかりやすく「強い」のイメージがあるマイクタイソンが好きだったり、固いものをバキバキ食べたりするのが好きなのかもしれない。

痛みにだいぶ強いのも、強さへの憧れからかなりの部分は気持ちで乗り切っているかもしれないとすら思う。

ただ、そういう自分の思考があさーい表面的なことなのもわかっていてもどかしい。

”強い生命”

というのは、どういう存在のことを言うのだろう。

病気をしないとか、メンタルが強いとか、危機管理能力が高いとか、環境因子が良いとか。

いろんな面から想像してきたけれど、ある時しっくりいく言葉を聞いて強さとは何かというのを素直に納得した。

遺伝子解析サービスを手掛けていらっしゃるジーンクエストの高橋祥子さんが
 
「結果的に生き残った生命が強いということ」
 
というようなことを、書籍や鼎談でおっしゃっていたんです。
 
私はなんで今までそれに気づかなかったんだと空を見つめるほど、しみじみ、本当にそうだなと。
 
じゃあ、亡くなった人はみんな弱いのかというと、それは違うと思うんですよね。
 
そこまではちゃんと強かった。
 
それだけのことなんじゃないかと。
 
よく、生まれただけですごく選ばれているとか、生きているだけで価値があるとか、人間そのものを肯定するような言葉で人を励ますシーンを見たり、教育の中にそういう内容が組み込まれていたりすることがあるけれど、全部なーんかしっくりこなかった。
 
そんな中、シンプルに「結果的に生き残った生命が強い」という言葉の感覚は私にはすごくぴったりきた。
 
そこには優劣も良い悪いもないし「事実なだけ」という純度がある。
 
そしてその
 
“結果的に生き残る”
 
というのは、すごい才能であり、毎日常にその恵まれた才能の中で私たちは生きている。

そのことにコツコツ気づき始めると、私ほどひどく自己肯定感が低い人間でも、目の前の景色が明るくなり彩度が上がったような体感になることがある。
 
これが何か大イベントをきっかけに気づいたとかではなくて。
 
とても些細な日常の中に、おもしろいように隠れているので、最近それをみつけるのが楽しいです。
 
これは、無理に幸せを探すとか、どんな時も頑張ってポジティブでいようとかいうものではなくて「気づく」とか「パズルをはめる」というような感覚に似ています。
 
パズルがはまるとなんともすっきり心地いい感覚にもなるし、ひとつひとつに気づくと無理に宗教じみた感覚にならなくとも自然に感謝は湧いてくるし、もしかして、これを探しているだけで一生の暇はつぶれるのではと思うことすらあります。

趣味なんてなくたって、わかりやすくやりたいことなんてなくたって、人生って面白いんだな。

そんなことを思える時さえあるお話を今回は綴りますね!

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