恋愛モノを書いてわかった、これさえ押さえとけばある程度大丈夫の3か条
本業は放送作家をしているのですが、たまに脚本のお仕事をやらせていただくこともあります。
そのほとんどがコントやコメディーなのですが、そんな私の元に先日、恋愛ドラマの脚本の話をいただきました。
恋愛ドラマといってもテレビドラマという映像作品ではなく、声だけで演じる最近はやりつつあるボイスドラマです。
実は作家人生で恋愛モノなど、一切タッチしていなかった私。
こんな私に恋愛モノなど書けるのだろうか? ヤバい、どうしよう? しかも高校生の恋愛だってよ……。俺オジサンだし。
と考えあぐねているうちに締め切りがどんどん近づき、試行錯誤の末になんとか形にすることができたのですが、そこで恋愛モノにおけるキュンキュンポイントがいくつかあることに気づきました。
オジサン脚本の恋愛モノにも関わらず多くの女子中高生から、キュンキュンした、感動した、泣いたとの意見をいただけました。
当然、出演者の演技力によるものが9割なのですが、それでもそれを邪魔しなかった、ポイントをきちんと踏まえていた展開だったからなのではないか? と思いました。
ということで、これらのポイントを押さえておけばある程度のものは書けるぞ! という3つを今回は紹介したいと思います。
当然ですが、初めて書いた恋愛モノなので完全に理解した訳ではありません。
技術的にもかなり劣ってるとは思いますが、ある程度の形にはなるのでは? という意味ですので、大真面目に否定、誹謗中傷などはしないで暖かい目で一読していただけたらと思います。
もしも初めて恋愛モノを書こうと思ってる方がいたら、参考にしてもらえれば幸いです。
ポイント① 導入はクスッ
恋愛モノの最初って、なんとなくですが最初のウチはクスっと笑える展開があって、そこから急展開する流れ多くないですか?
察するに、このオモシロ部分で視聴者に感情移入をさせているのだと思います。
単純につまらなかったら離れてしまうし、めちゃくちゃ面白すぎてもコントになるだろうし。なので、クスッくらいがちょうどいいのかもしれないです。
この「クスッ」にはリラックスさせる効果もあると思います。
『どんなものなのか見てやるぞ』という人にまずは肩の力を抜いて、というメッセージでしょうね。
このクスッを抜かしてトップスピードで恋愛してもいいんでしょうけど、自分的にそっちのほうが書きやすかったというのもあります。
結局は人それぞれなんでしょうけど、自分にはこのやり方があっていたので挙げてみました。
ポイント② たちはだかる壁
これは王道パターンだと思いますが、必ずといっていいほど主人公たちの前にたちはだかる壁が存在しています。
ケンカをしてしまったり、ライバルの出現や境遇の違いなどパターンはたくさんあると思いますが、恋愛モノはこうした壁によって物語を深めていくことになります。
先述した通り、導入のオモシロ部分で視聴者はリラックスした状態で感情移入しています。そこに、困難があるとつい応援したくなるのでしょう。
また、導入のオモシロから壁が立ちはだかることで…
『最初あんなにニヤニヤできる展開だったのになんでケンカしちゃうの!』『あんな仲良しの二人がなんで引き離されちゃうの!』
と見てる人が応援しやすくなるんでしょう。
ちょうど今Netflixで「愛の不時着」を見ているのですが、38度線という超壮大な壁が二人の前に立ちはだかっています。
これくらいの設定を見つけられたらきっと、とんでもなく良い作品に近づけるのでしょうね。
あんな設定を思いつきたいもんです。
ポイント③ ツールは今を映す鏡
恋愛は普遍的なモノです。
私のようなオジサンでも高校生の恋愛が書けたのは、学生時代に私も恋愛していたから書けたのだと思います。
あの時、どんな感情だったっけ? 電話を待っていた時、どういう気持ちだったっけ? どういう時にドキドキしてたっけ? そんなことを思い出しながら書いていきました。
ただ、ここで注意しないといけないのが私の学生時代のことをそのまま書いてしまうと、それはオジサンの恋愛になってしまうということです。
もしも今ポケベルが出てきたら途端に昭和の恋愛になってしまいます。
逆に今のツールを積極的に取り入れてさえいれば、今の恋愛へと勝手に変化してしまいます。
例えばTikTokを使って告白をするのであれば、今の若者の恋を描けていると思います。おじさんはTikTokで告白をしないですから。
連絡方法もメールじゃなくてインスタのDMにしてみるとか。それだけで今っぽい若者になる気がします。
他にも細かいポイントはあるのでしょうが、今回実際に書いてみてパッと思いついたのがこれらの点です。
これさえ踏まえておけば、きっと恋愛モノがある程度形になるのではないでしょうか。
でもやっぱり、恋愛モノを書くには自分があの時どういう気持ちだったか? を思い出せるといいでしょう。
ということでオジサンからのメッセージ
若者よ、たくさん恋をしろ!