コーム型人材のすゝめ
T型人材を目指せ
新卒時代の社長に「まずはT型人材を目指せ」と言われたことをよく覚えている。広告デジタル制作会社だったので、どの職種においても幅広いスキルと業務理解が求められた。
上流となるクライアントの課題解決へ繋げる戦略・企画のフェーズから、顧客へ届けるためのマーケティングや広告知識、そしてソリューションとなるUX・デザイン・開発・QAまでやることは沢山だった。
我々はデジタルのプロフェッショナルとして、クライアントや代理店に対して向き合っていたので、幅広いスキルセットの習得は必要不可欠だった。社長が言いたかったことは、そんな環境なので幅広くスキルを身に着けながらも自分の武器とするスキルを磨いていけということだ。横に広くスキルを身に着け尖ったスキルを持っているということでT型だ。
社長のアドバイスを受けて、エンジニアとして幅広いスキルを身に着けつつも、新規事業開発という軸でスキルを伸ばしていった。結果転職時も良いオファーに巡り会え、今ではそれなりの年収にも繋がった。
コーム型人材が求められていくのではないか
ただ最近はコーム型人材の方が重宝されていくのではないかと思っている。ちなみにコーム型人材は私が作った造語のため、検索しても出てこないが考え方はパイ型、トライアングル人材に近いものだと思う
コーム型人材は、幅広いスキルを持ったゼネラリストでありながら専門性や強みが複数ある人のことを指す。
ゼネラリストは、特定スキルにおいてスペシャリスト集団に負けてしまうのは分かる。一方で専門性が高いスキル1つだけで勝負する場合、自社から出た時に同じフィールドの人とぶつかり合ってしまいスキルが活かせない可能性も高い。
事業全体を見渡し、上流から下流工程まで要所要所で活躍できるスキルを伸ばしていけば活躍の幅も広がり、スキルが活かせないことも減る。
ちなみに得意なスキルが多い(もしくはゼネラリスト)は一歩間違えると「便利やさん」にしかならない。なので複数の自分のスキルや強みを活かして、最終的にどういう成果をあげたいかの意思は大事にしたい。
私の場合、事業戦略や事業開発、プロダクトマネジメント、エンジニア知識など複数スキルに強みを持っているが「事業を成長させるための一つのピースとしてプロダクトを中心に考えられる」ことを忘れないようにしている。事業だけを考えれば営業推進などのスキルもあるし、戦略だけであれば経営戦略などの道もあるが、あくまで根っこはプロダクトであることを大事にしている。
生成AIやプラットフォームサービスの台頭でプロダクトマネージャーに求められるスキルも今後大きく変わっていくだろうが、呑み込まれないように色んなスキルを伸ばして、目の細かいコーム型人材でありたいなと思う。
ご支援ありがとうございます!これからもがんばります!