SQLは身につけるべきか？事業会社PMが思うデータ分析の考え方

プロダクトの企画検討やマーケティング施策、ビジネス戦略の様々な場面で、データ分析が求められるようになってきました。

「今のユーザーの状況はどうなのか？仮説と考えていることは正しいのだろうか？」プロダクトの事業会社にいると、B2B、B2Cどちらにおいてもプロダクトのデータと向き合うことが多くなります。さてプロダクトマネージャーやビジネス開発を主として活躍する方にとって、SQLは本当に学ぶべきスキルでしょうか？

はじめに

私は元々エンジニア出身のプロダクトマネージャーです。そのためSQLを書くことや、データ分析をすることは苦ではありません。年間で書くSQLは数百から数千近くに及びますし、データから自分だけしか知らない事実を見つけられるとワクワクするタイプです笑

そんなバックグラウンドもあって、これまで多くの方の分析に携わってきましたし、SQLを教えて欲しいという相談も受けるようになってきました。ただ個人的には、SQLはあくまで手法の一つに過ぎず、最も大事なのは、「なぜ分析をしたいか？」を考えられているかだと思っています。

これまで自分が相談を受けてきた体験を基に、これからSQLを学ぼうと思っている方や、プロダクトマネージャーでSQLを身につけるべきなのか？戦略や企画の検討でどのようなことを考えるべきなのか？を書いてみることにしました。この記事が少しでも参考になれば幸いです。

SQLは英語よりもコスパが良いとは本当か？

SQLは英語よりも簡単で、覚えるとコスパが良いとよく言われます。英語は覚えるべきものが単語、文法と無数にある一方で、SQLは「CREATE」「SELECT」「DELETE」「INSERT」の4つしかありません。

現場においてTableauやBIツールを導入する事が増えてきましたが、中身はSQLでしかありません。ものすごくひらたくいえば、初見で取っ付きづらいSQLを分かりやすく加工しているのがBIツールだと思っていただければ問題ありません。

SQLを覚えることの一番のメリットは、自分が出したいなと思っていることを、無数にあるデータからどう抽出し加工するか？を考えることができるようになる点だと思っています。これはデータベースからSQLを叩くだけではなく、エクセルでも応用が効く考え方になりますし、数字を扱うビジネスの現場では必ず求められるスキルセットになります。

そういう意味でも文法がシンプルで、一生応用が効くSQLはプロダクトマネージャーのみならずすべての人が覚えておくべき言語だと思っています。

プロダクトマネージャーが覚えるべきは、SELECT文で事足りる

さてSQLは4つしか文法（正確には宣言文）がない。と先ほど書きましたが、プロダクトマネージャーが覚えなくていけない宣言文はSELECTのみです。

データベースに対してどんなテーブルを作るべきか？どんなカラムが必要か？などデータベース設計やER図まで幅広くプロダクトマネージャーが担当する場合を除き、基本的にはテーブルからデータを抽出する為のSELECT文だけ覚えておけば問題ないです。

SELECT文とは、データが格納されているテーブルから欲しい条件を指定して、必要なデータを抜き出すための指示です。

分かりやすく言えば、AmazonのようなECサイトでセール中商品で、割引率が20％以上のペット用品が欲しい！と思った時、Amazonの検索バーで色々検索しますよね。それの指示となっているのがSELECT文になります。

ポイントとしては、「どこから、どんな条件で、何を」です。

SQLの考え方

最低限覚えておきたいSQL構文

実際にデータを集計してみると分かりますが覚えておくべき構文はそこまで多くはありません。今回の記事の本筋ではないので、需要があれば丁寧に解説していこうと思いますのであくまでさらっとご紹介します。

なにを？で使う関数
SUM（合計）、AVERAGE（平均）、MEDIAN（中央値）、COUNT（個数）

どんな？で使う構文
=（同じ）、in (x,y)（含む）、not in (y,z)（含まない） != （異なる）

あとは複数のテーブルを結合するjoinや、with句などを頭に入れておけばだいたいのデータ抽出に対応できます。

ちなみに構文はしっかり覚えなくても問題ありません。最近は生成AIでSQLのレビューもしやすくなりました。いちばん大事なのは「どこから、どんな条件で、何を」を言葉にできるかです。

ではここから本題のデータ分析の考え方について書いていこうと思います。これまで数千回SQLを叩いてきて、事業・マーケティング・プロダクト戦略に繋がる分析をしてきた体験から、SQLをどう覚えるか？ではなく事業に直結する分析の考え方についてまとめています。

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