苦手な情報発信を楽しく継続するためにやめたこと
情報発信苦手系人事が、5年近く迷走を繰り返しながらなんとか情報発信をたのしく続けられるようになった話です。
※この記事は「HR Community ひつじんじ Advent Calendar 2024」の21日目の記事です。
「思いつかない」「反応がない」「楽しくない」のトリプルコンボで苦手意識が強化
わたしが情報発信をしようとTwitter(当時)アカウントを開設したのが2018年の4月、人事になりたての頃です。
きっかけは当時の人事マネージャーが人事としての情報発信の大切さを教えてくれたことでした。
そのマネージャーは情報発信力がとても高い方で人事界隈でも広く認知されており、情報発信力は採用での応募獲得・人事仲間とのつながり・言語化やアウトプット力の向上などに有効だと近くで見て感じていました。
「人事ってこれくらい情報発信力が求められているんだ」。
それまで情報発信を全くしてこなかったわたしは危機感を覚え、見よう見まねで情報発信を始めました。
しかし。
わたしのような情報発信初心者には以下の壁が待ち受けていました。
書くのは嫌いではない(がさほど得意でもない)ので、短文よりは文字数が多いほうが合っているかもとnoteをはじめてみたりもしましたが、結果は同じでした。(マネージャーや社内の方からは反応をいただけていた気はしますが、社内を除くとほとんど反応はなかった気がする...)
何回か奮起するタイミングもありましたが、気づけば何週間・何ヶ月も投稿しない期間が続き、さすがにまずいと義務感から再開するも、すぐにまたブランクが...
そんなことをおそらく5年ほど(長い)繰り返していましたが、発信力云々の前に継続すらままならない事態に再度危機感を持ち、思い切ってハードルをガクンと下げ、「楽しく続ける」に振り切ることにしました。
楽しく続けるためにやめたこと
前置きが長くなりましたが、まずはとにかく続けなければ意味がないと思い、義務感ではなく前向きな気持ちで継続していくために以下のことをやめてみました。
目的を「認知」や「知名度」にする
スタートが「マネージャーのように、発信力を高めて採用への効果や人事仲間の方とのつながりを獲得するぞ」的な動機だったため、自分の中では「認知されないと意味がない」と思っていました。
もちろん最終的には認知もしっかり獲得していきたい気持ちはありますが、義務感から絞り出される発信には魅力がなさそうですし、なにしろ発信を継続できなければ認知は絶望的です。
そこで、「認知を得る」をいきなり目指すのではなく、ハードルを下げに下げて「自分らしく発信を楽しむ」ことを目的に変えてみました。
認知目的だとどうしても、フォロワー数の増加やインプレッションが気になり、発信するたびにプレッシャーになります。
いきなり認知を狙うのは、今の自分にとって楽しめる活動ではないと考え、「いずれ認知がついてきたらラッキー」くらいの気持ちでまずは楽しく続けることを優先しました。
ただ、将来的には自分のキャリアにプラスになる発信ができるようになりたいので、あくまで仕事やキャリアと関連のある発信をメインにしつつ、考えていることをうまく言葉にできたり、1人でも共感してくれる人がいたり、他の人の発信に反応して交流してみたり、そういったささやかな「やった!」を感じながらのんびりやっています。
非常にフツーですが心持ちとしては大きく変わりました。「今は自分が楽しむのが優先なんで」と開き直るスタンスです。
インプレッションやエンゲージメントを目標にする
Twitter(当時)のアナリティクスが無料アカウントでも利用できた頃、結構インプレッションやエンゲージメントとにらめっこしながら、「一か月でこのくらいのインプレッションは出さないとな」などと無意識に目標にしていた時期がありました。
しかし、純粋に情報発信を楽しめていないフェーズでそのような成果目標が先に来てしまうと、到達しなかった時に「結構イイこと言えたんじゃないかな」と思っていた自分が恥ずかしくなってしまい、次の発信のハードルになってしまうんですね。
続けられなくなるくらいなら、いさぎよく「今は読まれなくても反応がなくてもOKということにしよう」とこれまた開き直ることにしました。
ただ、そういった成果目標は置かないかわりに、「毎月note更新できたらめっちゃ嬉しいだろうな」「X経由で気の合う仲間と出会えたら楽しそう」など、純粋に自分が「こうなったらいいな」と思うことについては、明確に言葉にしておくようにしています。
それによって、純粋なワクワクも感じながらコツコツ続けられるようになりましたし、リアクションの多寡に心がざわつくことも減りました。
xは直近1年半(出産前後の休業期間を除く)ほどゼロ投稿期間はほぼなく、noteは開設から4年ほど年2-3投後だったのが、今年は復職後から9ヶ月連続投稿中です。
誰かの「タメになる」発信を目指す
先に断っておくと、タメになる発信ができたほうが当然ながら多くの人に読まれますし、発信力が高いと言えるでしょう。
ただ、わたしの場合タメになる発信をしようと思うほど、内容やテーマが思いつきませんでした。何か思いついても、「そんなの当たり前だ」「ありきたりだ」と脳内でツッコミが入り、いつまでもアウトプトできないのです。
それだとやはり「楽しくない→続かない」のおなじみパターンなので、タメになりそうな内容を考えるのは今のところやめています。
そのかわり、「自分だから言えること」にはこだわることにしました。
たとえば、マネージャーになりたての頃の試行錯誤や、妊娠して初めて知ったこと、転職したばかりの立場でこそ気づけたことなどです。
Xもnoteも人事アカウントではありつつ、もはや人事以外の内容も多いですが、「人事の人が読みたそうなこと・共感してくれそうなこと」を直球で狙おうとすると手が止まるので、等身大に語れることからテーマを選んでいます。
もちろん組織や人事に関する話題も当然出てきますし、それが結果として誰かのタメになっていれば嬉しいですが、今は気にしていません。
そんなに「ユルい」情報発信って意味あるの?
認知も狙わないし、成果目標も置かないし、タメになる発信も目指さない。
ここまで書いていて、自分でも「こんなユルユルな甘ったれスタンスで情報発信って意味あるんだろうか」と思ってしまいましたが、ふりかえると個人的には非常にプラスでした。
今のスタンスでやりはじめてからの変化です。
発信内容は格段に思いつきやすくなった。タメになるかどうかは気にしないので、意外となんでもテーマになり得る。
発信に反応がなくても「はい次〜」と切り替えられるし(これホントなんですが、伝わらなさそう… )、「読まれるかな… 」というプレッシャーもなくなった。
いろいろ気にしなくなった結果、発信のハードルが下がり過去最長で継続ができている
ちゃんと数字は追えていないが、体感としてXの反応はいただけるようになった気がするし、いつのまにかフォロワーさんも増えた
何も気にせずノリで書いたことで、はじめて多くの人に読まれるという経験ができた
何より明らかに今の方が楽しめていますし、出産というライフステージの変化も経て時間制約が厳しくなりながらも、結果として続けることもできています。
いつまでこのユルユルスタンスを続けていくのかは決めていませんが、もう少し発信継続の土台ができてきたあたりで、少しずつ「共感される」「読まれる」なども意識した発信に挑戦していくかもしれません。
お読みいただきありがとうございました!