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「中秋の名月」  月がきれいな季節になりましたね。

朝晩、少し涼しくなって過ごしやすくなってきました。
こちらは夏が短いので、すぐに冬がくるなぁと少し憂鬱になります。
ただ、秋は食べ物がおいしく、涼しくて過ごしやすく空気が澄んで星や月がきれいに見えるので好きです。

そんな秋の夜長に読んでほしい1冊がこちら
『おつきさま こんばんは』
です。

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ご存知の方も多いと思いますが、改めて紹介させてください。

あらすじ

静かな夜。
ゆっくりとお月さまが登場すると、あたりを優しくあわく照らします。
屋根に寝そべったネコも照らされ、お月さまとともに金色に輝いてみえます。
「おつきさま こんばんは」
あいさつをかわしますが、そこに黒い雲がやってきてお月さまを隠してしまって・・・。

おつきさまの泣きそうな顔がなんともいい表情。
見ている子どもも同じ表情になります。

月のきれいな夜には、この絵本を思い出します。
お家の窓からお月さまを眺めながらこの絵本を読み聞かせてはいかがでしょうか。

本との出逢いと、おすすめポイント

子どもの頃から読んだ記憶はあったのですが、本当の出逢いは司書という職業についてからでした。
英語と日本語でこの『おつきさま こんばんは』を読み聞かせするイベントがあり、それの見学&お手伝いに行ったことがきっかけです。
英語でも日本語でも、優しい語り口、子どもたちが集中して静かに見守る様子、お月さまと感情を共有する感覚が読み聞かせにピッタリだと思いました。

おすすめポイントは、個人的に好きな部分ですが、

「よるになったよ ほら おそらが くらい くらい」

「おや やねのうえが あかるくなった」

「おつきさまだ」

おつきさまこんばんは | 林 明子 | 数ページ読める | 絵本ナビ:レビュー・通販 (ehonnavi.net)

と、同じ言葉を繰り返したり、短い言葉でわかりやすく、でも温かい雰囲気を感じさせる文体です。

作者である林明子さんは、数々の子ども向けの絵本を描かれていますが、この優しい文体が赤ちゃんから大人まで惹きつけるのだと思います。

作者紹介

作者は林明子さんです。
私が林明子さんを最初に知ったのは『こんとあき』という絵本でした。

「あき」という名前の女の子が、「こん」という名前のキツネのぬいぐるみを持っているのですが、これはおばあちゃんが作ってくれたとても大切なぬいぐるみです。
毎日一緒にいたのですが、ある日「こん」の腕がほころんでしまいます。

「こん」をなおしてもらいに、おばあちゃんの家へと向かうのですが、道中「こん」の尻尾がはさまれてしまったり様々な困難に行く手をはばまれます。果たして二人は無事におばあちゃんの家へたどり着くことができるのでしょうか?

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こんなお話なのですが、以前紹介した『童話物語』と似た部分を感じていて、冒険を通して「あき」が成長していく物語です。

小さな子が一生懸命に頑張っているところも応援したくなりますし「こん」もちょっとお笑い要素を含んでいてまた応援したくなります。
こちらも是非、手に取ってほしい一冊です。

次回は『ルリユールおじさん』を紹介します。
こんな風に生きたいな、と思った本です。
「ルリユール」
さて、なんでしょう?

<参考文献>
・『おつきさま こんばんは』(著:林明子/福音館書店/1986.6)
・『こんとあき』(作:林明子/福音館書店/1989.6)


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