小さな英雄の大きな一歩
今日は、息子が新たなステージに突入した日だ。大人ベッドデビュー。始めは、妻と壁の間で小さくまとまって眠っていた息子だったが、夜中に目を覚ますと、彼はもうベッドの中心に君臨していた。妻をひっそりと押しのけ、その場を自分の物にしている。彼の大胆さと愛らしさには、思わず微笑んでしまった。
昼間には、友人とその娘(息子と同級生)とランチに出かけた。始めの頃は、息子とその娘は見知らぬ顔を見つめ合って緊張気味だったが、徐々に心を開き、互いに激しく動き回って遊んでいた。その子どもらしい純真さに、こちらまでが癒された瞬間だった。
夜は妻の家族と一緒に焼肉パーティーだ。焼き肉の匂いが部屋に満ち、ビールの泡が舌をくすぐり、笑い声が宙を舞った。そして、体調も思ったより悪化せず、一瞬、お酒が健康に良いと思う自分がいた。酔っ払って、「医者も薬もいらないんだ!」と豪語するほどの開放感だ。だが、僕はよく知っている。お酒が体調回復に効くなんて、そんな都合のいい事は起こらない。朝になれば僕はそれを実感するだろう。
それでも、今日は愛おしい瞬間が詰まった一日だった。息子の成長を見守る喜び、友人の子供との新たな交流、そして家族との温かな食事。酔っ払った豪語とは裏腹に、その一つ一つが僕にとっては無くてはならない一日を形作っていた。このエピソードこそが、僕の生活そのものなのだ。