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【本の紹介】『独身の生き方を選んだら心底ホッとしました』(内向型の頂点)

以前、『億り人のひきこもり生活(内向型の頂点)』という本をご紹介したことがあります。

とても面白かったので、同じ著者のこちらの本も読んでみました。

Kindle版のみで、紙の本はありません。

私もひとりが好きな内向型ですが、著者「内向型の頂点」さんは輪をかけて内向的で繊細な人のようです。

著者は他者に依存したくないのでなんでも自分で解決したい人です。たとえば心が傷ついたり病気になったときなどは、誰かに面倒を見てもらうよりもひとりで静かに治したいタイプです。(私もです)

そして世の中のルールを大事にする人です。
たとえば遅刻は絶対にしません。遅れるぐらいなら20分前に着いておきます。(同じです)

そんな著者は、「成人したら結婚しなければならない」「弱者は助けなければならない」というルールにがんじがらめにされています。

この本は、著者を縛っていたその2つのルールを、ご自身が手放すに至った物語(ノンフィクション)です。

著者は職場で一人の女性に出会います。
彼女は非常に依存心が強く、感情の起伏が大きい人です。
何十万円もするプレゼントを要求し、それを拒めば大声でキレる。
徹夜の電話。切ろうとしたら携帯電話をへし折る。
人前で著者をこきおろす。
気に入らないことがあれば所かまわず暴言、暴力。

普通なら即刻お別れすることでしょう。
けれども著者は、「弱者は助けなければならない」「結婚しなければならない」ルールに縛られていますから、別れることができません。

彼女から「わたし心臓が悪いので長く生きられないの」と聞いていたからです。結局「心臓病」はウソでしたが。

しかし、我慢強い著者も心身ともに壊れていきます。
ネットで調べるうち、「境界性人格障害」ということばを知ります。

著者は、彼女がそれに当てはまることに気づきます。
初めは「自分が責任を持って彼女を支えなければ」という思いもありましたが、次第に「自分という依存先があるから彼女は余計に症状が出てしまう」ことに気づきます。

著者は彼女から「逃げる」ことを決めます。話し合いでは先にすすめなくなっていたからです。

この経験を経て、著者は「結婚しなければならない」「弱者は助けなければならない」というルールから解き放たれます。

境界性人格障害であろうと思われる彼女さんとのあれこれには心が痛みますが、いろいろ考えさせられた著書でした。

結婚してもしなくてもどちらでもいい。
自分の生きたい生き方をするのがいい。

弱者は自分一人で無理をして助けようとしないほうがいいこともある。
自分にとっても相手にとっても。


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