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【本の紹介】『蔦屋重三郎とその時代』
いつまでも『光る君へ』ロスに浸っているのも面白くないので、次の大河ドラマ『べらぼう』で描かれるという蔦屋重三郎と彼の生きた時代について調べてみることにしました。
とりあえずKindle Unlimitedで探してみると、こんな本が見つかりました。
写真やイラストがふんだんに盛り込まれていて、その時代の雰囲気に触れることができます。
実は私、蔦屋重三郎は「TSUTAYA」の創業者だと思っていました。
「蔦屋」はあまりなさそうな屋号だし、同じ「本」関係だし、普通勘違いしません?(しませんか…)
それほど何も知らない私が、「へ~、そうなんだ~」と興味深く思ったことをいくつかご紹介します。
1 蔦屋重三郎は吉原生まれ
蔦屋重三郎、略して蔦重(つたじゅう)は、江戸時代最大の歓楽街だった「吉原」で生まれ育ったのだそうです。
吉原といえば、花魁(おいらん)に代表される絢爛豪華な世界の裏に、たくさんの遊女たちの悲しく辛い物語が満ちていた場所。そして、さまざまな身分、さまざまな職業の人間が入り乱れる場所。
『べらぼう』では吉原の世界も描かれることでしょう。楽しみです。
2 蔦重の初めの仕事は「吉原細見」
「吉原細見(よしわらさいけん)」とは、吉原の案内本です。どの店にどんな遊女がいて料金はいくら、というようなことが書いてあったのだそうです。こんな本があったとはびっくり。
蔦重はなぜ「吉原細見」を売ることになったのか、ドラマではどう描かれるのでしょう?
3 時代は田沼意次の時代
田沼意次といえば「賄賂政治」の印象があります。昔はそんな風に習っていたのです。
けれども田沼の時代は、自由な空気の中で江戸の文化が栄えた時代でもあったとのこと。
ドラマではどのように描かれるのでしょう?
4 寛政の改革
松平定信の寛政の改革については、「汚れた田沼時代を質素倹約で立て直した」というようなプラスのイメージで教えられていました。
けれども、「文化の発展」という面からみると、そうイイことばかりではなかった様子。
出版統制がされたり、「寛政異学の禁」が発布されたりと、蔦重にとっても災難の時代でした。
蔦重はその時代をどのように乗り越えるのでしょう?
5 春町・南畝・京伝に一九、歌麿・写楽・馬琴に北斎
蔦重は才能のある作家や絵師を見つけてはプロデュースし、世に出していきました。
恋川春町、太田南畝、山東京伝…。
「東海道中膝栗毛」の十返舎一九、浮世絵の喜多川歌麿などは、蔦重に生活丸ごと面倒を見てもらっていたのだそうです。
「八犬伝」の曲亭(滝沢)馬琴、絵師の葛飾北斎は、蔦重との重なりは短かったようですが、ドラマではどんなふうに描かれるのでしょう?
馬琴や北斎も出てきたら嬉しいなぁ。あ、この希望はただ、昨年公開の『八犬伝』の映画を観たからにすぎません😆
そのほか、蔦重が生きた時代には、「明和の大火」「浅間山の大噴火」「天明の飢饉」「米価の高騰」などがあったそうですが、ドラマでも描かれるかもしれませんね。
『べらぼう』楽しみになってきました。