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おじいちゃん、出番ですよ!

私はスピリチュアルな仕事を生業としているが、特に霊感があるとかお化けをよく見るなどという体質ではない。(というか見えない)

ただ、見えないものの存在は信じているし、なんだったらものすごく身近に感じている。
感覚としては一緒に生活し、対話しているような感じ。

では小さい頃からそうだったかといえばそんなことはない。
きっかけは30歳前の黒い恋愛をした時だ。

この時、ハッキリと自覚する出来事があったのだ。

この時の恋愛は、周りの親族一同皆に心配をかけたが、一番心配してくれたのは母方の亡くなったじいちゃんだったようだ。

ちょっと霊感のあった彼が、どうも寝ている間に首を絞められるような悪夢を見ると言い出した時、どういう訳か伏線が繋がって小さな美容室に辿り着いた。

ここは別にメニューとして宣伝しているわけではないが、姉妹で霊感がありそういった霊障?に困った人の相談に乗っていると。

その彼は自分で行けばいいものを、私にその美容室に行ってきてと頼むのだ。
確かに、美容室の中でも昭和の老舗感があり、男の人は行きにくい店構えでもあった。

仕方なく初めての店に行き、特に何も言われずカットをし、向こうから何か言ってくれるのを待ったが何もなく、カットが終わろうとしていた。

これは自分から言うしかないのだな、
と腹を括った。
この美容室の話を聞いた先輩の名前を言えば事はスムーズに行くと言う安心もあった。

50代くらいの姉妹で、先輩から聞いてきた旨を伝えたところ、すんなりとソファーを勧められた。

自分達はお金をとってやっってるわけではないので特に宣伝していないが、たまにこうやって人が来るとの事だった。

私は通り一遍の説明をして、よくある怪奇小説的に「悪い霊の仕業です。」なんて言葉を予想していたが、

「おじいちゃんかな?あなたを心配しているわよ」と。
背が大きく、一升瓶を持って、お酒が大好きな人でしょ?と。

じいちゃんは母が14歳の時に亡くなったので私はもちろん会っていない。
しかし、母から聞いて育ったじいちゃん像がある。
それは、私を心配してくれていると言うそのじいちゃんと同じ人だった。

そして、「早く押し入れから出してって言ってるけど?」という。

瞬間、涙が溢れた。

彼とは半同棲のようになっていたが、なぜか私の家を勝手に模様替えして写真立ても押し入れにしまったのだ。

この写真は、若き日のじいちゃんとばあちゃんが、肩を組んで笑って映っている。

帰省時、母親の若い頃のアルバムからたまたま見つけ、6人の叔父叔母や従兄弟に引き伸ばして額に入れプレゼントしたものだった。

もう疑いようはなかったし、初めから疑ってもいなかった。

私はこの日から亡くなっているじいちゃんの存在を感じながら生きてきた。

今では少し迷ったり、間違った選択をしようとすると家が鳴る。
ただの家鳴りだよと言われればそうかもしれないが、私はじいちゃんだろうなと思っている。

最近ではじいちゃんの人間味がすごい。

昨年のいとこの結婚式前夜、(この結婚式はコロナ禍で、初めて我が親族が集まることができない華燭の典だった。)

私は仕事中にばあちゃんの命日をふと思い、
「いつだっけ?」と実家に聞いた。
すぐに「今日です」との母の返事。

仕事帰りに、
「せっかく思い出した命日だしなあ」
とおはぎを買い写真の前に供え、
「明日の結婚式頑張ってね」と一言添え二人の写真と一緒にLINEを送った。

親族一同のグループLINEに。

すると従兄弟から
「ばあちゃん達にもお祝いされた。嬉しいです。」と返事が来た。

そうか。
じいちゃん…
アピールすごいよ!

じいちゃんが亡くなった時、末娘は1歳だった。
その娘の長男が、1年延期の念願の結婚式を挙げる。

これは偶然だよと言われればそれまでの話。

けれど私は、なんとしてもお祝いしたかったじいちゃんのメッセージなんだろうと思っている。


先日、夫といつものように噛み合わない会話をしていた。
夫の口癖は「怒らない怒らない」だ。

長い結婚生活の中で、何度か聞いた。
「寝てる時首絞められた時ある?」と。
夫曰く
「いや、ないけど?」らしい。

おじいちゃん、そろそろ、出番ですよ‼︎



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