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3カード連続勝ち越し。借金11でも、今のドラゴンズは面白い 6/1 ソフトバンク戦@福岡PayPayドーム

「ちょっと長い目で見ていこうと思います。守備面でいいプレーもしてくれましたし。ここのところ内野陣が乱れていたので。本人にも若い選手たくさん出ているので内野陣を引っ張ってくれと。これからに期待したい」

 5月23日、ダヤン・ビシエドが一軍復帰した試合後の立浪監督コメント。これを読んだ瞬間、ドラゴンズが変わるかもしれないと思った。

 監督自ら衰えを指摘するなど、ビシエドへの風当たりが例年になく強かった今シーズン。それを思うと、上記のコメントは異質に感じる。考え方が急に変わったのか、それともーー。

 発言があった23日以降の3カードはいずれも勝ち越し。鬼門の福岡ビジターで始まった交流戦も良いスタートを切れた。果たして、ビシエドの"再固定"はドラゴンズにどんな影響を及ぼしたのか。少しだけ考えてみたい。

 編成面では、一塁にビシエドが固定されることにより、落ち着きを取り戻した。細川成也が右翼、石川昂弥が三塁と、それぞれ本職に収まった。

 特に細川の活躍は目覚ましく、14試合連続安打を継続中。27日のDeNA戦でトレバー・バウアーから自身初の1試合2発を放ったのは、ご承知の通りだ。一塁に入った時も才能の片りんを見せていたが、守備の不安が無くなって、いよいよ本格化したように感じる。

 ここからは想像の域を脱しないが、定性面でも効果があったのではと考える。これまでの立浪監督はチームを抜本的に変えに行く姿勢が見えつつも、日々のコメントでは客観的な、評論寄りの発言を度々指摘されていた。

 それでいて、直接指導はしてもらっても、監督のやり方に合わない選手は容赦なく切られる。京田陽太のトレードはわかりやすい例だろう。選手は不安にならない方がおかしい。

 それが、合わないであろう選手に対して、背中を押すようなスタンスを示した。今までと異なる方針が、若い選手の多いチームに「思い切り」という一本の「筋」を作ったのではないか。

 気がつけば、初球から振っていく打者が増え、新人の村松開人は殊勲打を何本も放つように。同じく新人の福永裕基は、逆方向に長打を連発している。

 1日の試合はチームの地力が付いているのを裏付けるような展開だった。シーソーゲームは途中で力尽きて敗れるのが関の山なのに、ギリギリで踏みとどまり、最後は2死から四球→長打で勝ち越し。1点差で勝ちをモノにした。

 もちろん、荒削りな部分は多分にある。それでも今のドラゴンズは面白い。2週間前までの"0点地獄"のことを思えば、楽しくて仕方ない。勝ち負けもそうだが、これが続くといいなと願っている。

 明日からはオリックスと本拠地で3連戦。パ2連覇中かつ昨季の日本一チームに「思い切り」ぶつかる姿を見せてもらいたい。

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