音楽レビュー『Offramp』Pat Metheny Group(1982)ギターとシンセで奏でる不思議な世界観
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パット・メセニー・グループ
3作目のアルバム
のっけから予想もしていなかったリズムマシンの音色にビックリさせられました。
これまでにもパット・メセニー・グループの'80年代の作品は、いくつか聴いてきたのですが、これほどハードなリズムマシンの音色が鳴っている曲は、なかったんですよね(そもそもリズムマシンのイメージがない)。
かと思えば、2曲目になると、リズムをグッと落として、ラテン風のリズムとマイナーコードが絡み合う不思議な世界観を感じさせます。
先頭の2曲でわかるように、
このアルバムは相反する曲調が混在
ゆえに本盤の印象を一言で表すのは難しいのです。
敢えて表現すると、人生の明暗の両極を流れのままに表しているといった感じでしょうか。
③がまた不思議な感じで、明るくも暗くも聴こえる不思議な曲なんです。
パット・メセニー・グループが本格的にブラジル音楽の要素を取り入れるのは、もう少し後の時代のことですが、この曲では既にそれっぽいリズムやコードが散見されます。
一番聴きやすいのは④、⑥
この辺りの曲は明るいフュージョンで、どんな人にとっても聴きやすい感じではないかと思われます。
そんな聴きやすさとは、まったく逆なのが⑤です。
以前、ECM の解説本を読んでいる時に、パット・メセニーがオーネット・コールマンに影響を受けていると書いてあり、意外に思ったのですが、この演奏を聴いて納得しました。
⑤はハードなフリージャズになっていて、他の楽曲で聴けるパット・メセニーのギターとはかなり趣きが異なります。
激しい音楽が好きな方には、こちらがオススメです。
⑦がまた変わった感じで、こちらはシンセが主体の曲になっています。
奥行きのあるサウンドで紡がれる荘厳な雰囲気は、アンビエントが好きな方にオススメです。
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