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映画レビュー『東京公園』(2011)秋の公園の美しさ

今日、7月18日は、
三浦春馬の命日です。

その日にちなみ、
今日は過去に私がブログで
書いた映画のレビューをアップします。

※この記事は、
 2020年7月26日に書いた記事に
 加筆修正をしたものです。


何気ない日常と
いびつなアクセント

9年も前の作品ですが、
これまで本作のことは知らず、
この度、主演の三浦春馬が逝去したのが
きっかけで知りました。

当時、本作の告知などを観た記憶がなく、
ミニシアター系の作品だった
と思われます。

三浦春馬演じる主人公は、
カメラマン志望の大学生です。

ある男から毎日公園に出没する
子連れの人妻を尾行し、
その写真データを
転送するように依頼されます。

こう説明すると、
ミステリー作品のような
印象を与えますが、
そういった類の作品ではありません。

カメラと写真が関わる内容
ではありますが、

主人公の弟とその恋人、
血のつながりのない姉と
主人公の間にある
さまざまな日常を描いています。

そこに時折、
観るものをハッとさせる
いびつな設定や演出もあって、
いいアクセントになっていました。

(「なんじゃそりゃ」と思う人も
 いるかもしれないが)

落ち着いた風合いの画質と音楽

本作を観はじめて、最初に感じたのは
「落ち着いた風合いの
 画質と音楽がいい」
ということです。

画面の明るさが明るすぎず、
色調も落ち着いたトーンでまとめられ、
ゆったりとしたテンポで
時間が流れていきます。

音楽はピアノやギターを
中心にしたもので、
ジャズやボサノヴァの曲も
良かったですね。

本作はロカルノ国際映画祭で
金豹賞審査員特別賞を受賞した作品
ということで、

ヨーロッパ映画の流れを汲んだ
味わいに納得しました。

映像と音楽だけで
充分においしい映画です。

美しい公園の風景

ヨーロッパ映画の流れを
汲んでいるとは言え、
前述した、いびつな演出との組み合わせは、
非常に日本らしい感覚ですね。

また、日本の秋の美しさ、
特に「公園」という場所の
何とも言えない
郷愁感もよく出ていました。

秋晴れの午後にふらりと公園を
訪れてみたくなる。

そんな素敵な時間が疑似体験できる
味わい深い作品でした。

【作品情報】
2011年公開
監督:青山真治
脚本:青山真治
   内田雅章
   合田典彦
原作:小路幸也
出演:三浦春馬
   榮倉奈々
   小西真奈美
配給:ショウゲート
上映時間:119分

【原作】

『東京公園』小路幸也(2006)

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