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テレビレビュー『X-ファイル(シーズン1)』(1993~1994)UFOだけじゃない。オカルト、SF大集合!
※2500字近い記事です。
お時間のある時に、
お付き合いいただけると
嬉しいです。
本国では今も冷めやらぬ UFO 熱
本作は’93~’02年にアメリカで
製作されていたテレビドラマの
シリーズです。
(’16年、’18年にも続編が作られた)
FBI「X-ファイル課」の捜査官が、
超常現象を含む難事件に挑む物語
となっています。
シーズン1が放映された当時、
刑事もののサスペンスと、
怪奇ミステリーを組み合わせた
本作のようなドラマはなく、
斬新さが好評だったようです。
その後、国内のみならず、
世界的な人気を得て、
日本でも’95~’97年に
ゴールデンタイムで
放映されていまいした。
折しも、日本でも
テレビを中心に UFO などの
超常現象が注目された時代で、
どこか冷めきった
現代の日本の空気と比べると、
隔世の感があるのは否めません。
特に、UFO に関しては、
本国・アメリカでの
盛り上がりがすごく、
アメリカ全体での
2020年の UFO 目撃情報は、
7200件超に昇ったそうです。
(前年より約1000件増)
https://globe.asahi.com/article/14346219
2021年には
「米国国防省が UFO 調査部署を新設」
なんていうニュースも
話題になりました。
https://www.bbc.com/japanese/59411997
こんなニュースを聞くにつけ、
時代は『X-ファイル』の世界に
近づきつつあるのだろうか、
と思ったりもします。
UFO だけじゃない。
オカルト、SF 大集合!
ここまで UFO、UFO
と書いてきましたが、
『X-ファイル』はそれだけの
ドラマではありません。
もちろん、物語の大筋を成す部分は、
地球外生命体の存在を匂わせる
エピソードなんですが、
X-ファイル課の捜査範囲は
そこにとどまらず、
超能力、心霊、都市伝説といった
あらゆるスタイルのオカルトや
SF を網羅しています。
毎回、いろんなエピソードが
楽しめるので、
「今回はどんな話だろう」
と期待させてくれるんですよね。
私なんかは結構、
飽きっぽい方なので、
毎回、切り口が違う方が
性に合っている気がします。
特に印象に残っているのは、
第7話「機械の中のゴースト」
第9話「宇宙」
あたりでしょうか。
「機械の中のゴースト」は、
意志を持ったコンピューターが
殺人をする話、
「宇宙」は、宇宙飛行士の話です。
それぞれ、いつもとは異なる切り口で
ストーリーが描かれており、
特に斬新に感じました。
モルダー&スカリーの
絶妙なコンビネーション
本作のすごいところは、
1話ごとにいろんな脚本家や監督が
手掛けているのに、
「いつもの感じ」を崩さずに、
引き継いでいるところです。
アメリカのドラマでは、
こういった制作のしかたが
主流なのかもしれませんが、
日本のドラマでは、
多くても2~3人の脚本家、
監督が持ち回りで制作するのが、
主流のような気がします。
そうすることによって、
作品の一貫性が
保たれるからでしょう。
『X-ファイル』の場合は、
多くの作家が関わっても、
作風が破綻せずに、
しっかりクオリティーが
保たれています。
これには作品そのものの
世界観がしっかりしている
というのもあるかもしれません。
メインキャストである
フォックス・モルダー、
(デヴィッド・ドゥカヴニー)
ダナ・スカリー、
(ジリアン・アンダーソン)
二人が織りなすコンビネーションも
本作のみどころの一つです。
まず、着目したのは、
二人が並んだ時の
立ち姿のシルエットの良さですね。
モルダーもスカリーも
知的で聡明な印象で、
クールに見えます。
そして、モルダーは、
一般的なアメリカの俳優の
細身の長身といった感じ、
スカリーは、
少し身体が小さめなので、
二人が横に並ぶと、
斜めのラインができます。
地味なところですが、
こういうところは、映像作品において、
大きく影響してきます。
なんせ、メインキャストですから、
視聴者は常に、
この二人の姿を見続けるわけです。
(当然、フレームに収まる時の
構図にも影響を与える)
もう少しモルダーの
身長が低かったら、
あるいは、スカリーの身長が
大きかったら、
こんなに絶妙なバランスには
なっていないんですよね。
そして、二人の見た目だけでなく、
設定的の部分もよくできており、
モルダーは、超常現象マニア
ともいうべき、
オタク気質の強い人物です。
彼の旺盛な好奇心が、
ぐいぐいとエピソードを
ひっぱっていく、
けん引役を果たします。
さながら、モルダーが
車のアクセルだとすれば、
スカリーはブレーキでしょう。
スカリーは、医師の免許も持つ、
エリートで、検死作業もこなします。
科学に精通する彼女は、
モルダーが前のめりになるような
怪奇現象の類には、
反発する姿勢をとっていました。
この二人の設定も絶妙ですね。
二人とも、怪奇現象マニアだったら、
本作は大衆受けしない、
マニアックな作品にならざるを
えなかったかもしれません。
スカリーがモルダーにツッコミを
いれることによって、
視聴者は抵抗感なく、
物語に入っていけるんですね。
さらに、『X-ファイル』が
おもしろいのは、状況によっては、
二人の立場が切り替わる
エピソードもあるところです。
なお、シーズン1の終わりは、
続きがあるような終わり方でした。
以下は、ネタバレになりますが、
なんと、X-ファイル捜査課が、
解散させられてしまうんです。
この後、どうやって復活するのか、
次のシリーズも気になります。
少し間をあけてから、
次のシリーズも楽しみたいです。
【作品情報】
1993年9月~1994年5月放送(全24話)
※日本での放映は’95~’97年
脚本:クリス・カーターほか
監督:ロバート・マンデル
ダニエル・サックハイム
デヴィッド・ナッターほか
出演:デヴィッド・ドゥカヴニー
ジリアン・アンダーソン
ジェリー・ハーディン
放送局:FOX(日本ではテレビ朝日)
配信:Disney+、dTV、
Amazon プライム・ビデオ
【クリス・カーターの作品】
【本作に影響を与えた作品】
※本文中の画像は
アマゾンprime video から
お借りしました。
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