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溶ケル。

伊豆の通り道、川沿いの土手には街灯がなくて、足元も見えない。
街に人影はなく、知らない土地をひとりぼっちで歩いてる。

虫の声。風の音色。温泉の香り。草花の匂い。
川の、水が流れる音なんて何年ぶりに聞いただろう。

まっくらで、ゆっくりで。静かで。

その中に混ざる人工的なものが、この空間にしっかり溶けていて居心地がいい。

究極の空間は、自然。
だけど、それだけでは生きるのに不便だ。
ならば、便利なものを溶け込ませよう。
それ以上は何もいらない。

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