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本当に怖い日本の妖怪4選【宗教研究家監修】

日本の妖怪文化は非常に豊かで、多くの研究者や作家がそれぞれの視点で妖怪を描いてきました。
今回は、柳田國男、水木しげる、京極夏彦、鳥山石燕の4名が最も恐ろしいと考える妖怪をご紹介します。


1. 柳田國男 - 天狗

柳田國男は、『日本民俗学の父』と呼ばれる偉大な研究者です。彼が特に恐ろしいと考えた妖怪は「天狗」です。

天狗は山に住む強力な妖怪で、しばしば人々に災いをもたらす存在として描かれています。天狗は赤い顔に長い鼻、修行僧のような身なりをしており、空を飛ぶことができるとされています。特に関東近郊の高尾山や愛宕山などでは、天狗の目撃情報が多く、天狗が村を焼き払うという伝承もあります。


2. 水木しげる - 釣瓶落とし

水木しげるはマンガを通して現代に妖怪を復活させた『妖怪漫画の巨匠』です。彼が最も恐ろしいと考えた妖怪の一つは「釣瓶落とし」です。

この妖怪は大木の梢から突然下がってきて、通行人を引っ張り上げて食べるという恐ろしい存在です。釣瓶落としは主に京都府、滋賀県、岐阜県、愛知県、和歌山県などに伝わっており、特に夜道を歩くときに現れるとされています。


3. 京極夏彦 - のっぺらぼう

京極夏彦は、現代の妖怪小説の名手です。彼が特に恐ろしいと考える妖怪は「のっぺらぼう」です。

のっぺらぼうは顔のない人間の姿をした妖怪で、その異常性と不気味さが人々に強い恐怖を与えます。のっぺらぼうは全国各地に伝承があり、特に小泉八雲の怪談「貉(むじな)」で有名です。
この妖怪は人を驚かすだけで危害を加えることはありませんが、小説から落語まで多くの作品に登場することから知名度が高い妖怪と言えます。



4. 鳥山石燕 - 栄螺鬼

鳥山石燕は、江戸時代の妖怪画家として有名です。彼が最も恐ろしいと考えた妖怪の一つは「栄螺鬼」です。

栄螺鬼はサザエが鬼となったもので、房総半島や紀伊国(現在の和歌山県)に伝承があります。特に房総半島では、一人旅の女性が宿を借りに来るのは栄螺鬼が化けたものであり、泊めた家の亭主を取られるという話が伝わっています。また、紀伊国では海賊たちが栄螺鬼に襲われるという恐ろしい伝承もあります。


それぞれの研究者や作家が描く妖怪は、彼らの視点や時代背景によって異なりますが、共通して言えるのは、妖怪が人々の心に深い恐怖を刻み込む存在であるということです。

教訓としても語られる妖怪だからこそ、恐怖の対象になったといえそうです。

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