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ジャンプ主人公に思うこと
漫画のことを書いてみようと思った時、やっぱり思い立ったのは週刊少年ジャンプだった。
発売日に雑誌を買いに行くことも、教室で友だちとまわし読みすることも、すごく楽しみだった。
後にも先にも、こんな風なエモさを醸し出してくれる漫画はジャンプだけだったような気がする。
当たり前だけど、ジャンプを読み始めた頃の主人公たちは年上で憧れの対象だった。それがいつの間にか同年代になって、彼らの悩みや苦しみに共感できるようになると、思春期真っ只中の自分を代弁してくれるような存在になっていった。
でも20歳前後になると、明確な理由があったわけじゃないけど、何となくジャンプの主人公たちは自分のそばから消えていった。
ジャンプをもう一度読むようになったきっかけは、ある生徒から鬼滅の刃を勧められたことだった。そこから、どうしても最終話をジャンプで読みたくなってしまって、何年かぶりでジャンプを買いに行った。コンビニのお兄さんからジャンプを受け取る時、何故かめっちゃ恥ずかしかった。
読み出すと、キラッキラッの主人公たちがいっぱいいてびっくりした。ちょうど令和の黄金期と騒がれていた時期だった。なんで読み続けなかったんだ、と後悔するハメになり、コロナ禍もあいまって、空白の時間を埋めるようにジャンプの主人公たちに会いに行った。
ただ、主人公たちの年代を大きく越してしまったこともあってか、主人公を導いていく大人たちを身近に感じる自分がいた。しかも、いままで感じたことのないような違和感を主人公たちから感じるようになってしまっていた。もちろん嫌な違和感ではないが、自分の記憶にある主人公像とはちょっと違う主人公たちがそこにいた。
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まずは竈門炭治郎だ。こんなできた人間がいるのかっていうぐらいできた人でどうしようかと思った。
竈門炭治郎はいろんな格言を作中に残しているが、第6巻で親方様に向かって自分のすべきことを明確に伝え切る格言は尊敬に値する。このセリフを15歳に言わせる吾峠呼世先生にもう脱帽するしかない。
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次は虎杖悠仁。高校1年生で、こちらも15歳だ。竈門炭治郎と同じように、自分の転機に大人に対して自分の道をはっきり言い切っている。こんな高校生いるかってぐらい衝撃的なセリフだ。この頃の虎杖悠仁は飄々としててかっこいい。まだ虎杖悠仁がどんな主人公なのかはっきりとわかっていない登場初期の第1巻で、このセリフを言い切らせる芥見先生のすごさがあると思う。
でも、ぶっちゃけこの2人には共感できなかった。自分ってのを持ってるし、ブレない強さまである。同年代の時に出会ってたら共感できたんだろうか。めっちゃキラッキラッしちゃってるし、人間的にもできあがっちゃってる。
こんなできた15歳いるわけないって思ったし、いまの自分ですら彼らのようにはなれていないような気がする。一周回ってジャンプの主人公たちは憧れる対象に戻ってしまったような気がする。
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共感はできたけど、持ってる強さはいままでの主人公たちとやっぱ違うなって思った漫画もあった。日向翔陽だ。自分のコンプレックスと隣り合わせだし、いっぱい泣きながら努力を続けていく姿は、竈門炭治郎や虎杖悠仁に比べると身近に感じることができた。でも、第9巻のこのセリフを見ると、やっぱり違うと思った。高校1年生のセリフじゃない。日向翔陽も自分ってのをちゃんと持ってるし、ブレない強さがある。
感じた違和感はなんだったんだろう。
たぶんだけど、ねっこが強いってことだと思った。
もちろん、いままでの主人公たちも当たり前のように強かったけど、強さの種類みたいのが違うと思った。もやもや考えていたら、自分の中で転換期だろうなと思える主人公がいた。
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ルフィだ。竈門炭治郎のように、虎杖悠仁のように自分の道をはっきり言い切っている。しかも、これ第1話で言い切ってる。まじすごすぎって思った。人間としてのねっこの強さみたいのが、尾形先生のこのセリフ一つで明確に表現されていると思う。
あー、ジャンプ読みたくなってきた。
漫画のこと書こうと思って、安易にジャンプだと思ったのが沼だった。やっぱジャンプはすごいって思う。
主人公たちに対するこの違和感は、自分が感じたことだから理解?共感?してもらえるかどうかわからない。しかも、この拙い文章のせいで全然伝わっていないかもしれない。でも、また深掘りしていくなかで書いていくことができたらなと思う。
週刊少年ジャンプの主人公たちは魅力的だ。どの時代にあっても強烈な個性と強さを持ち、みんなを魅了していく。そして、いつも前を向き成長し続ける強さと覚悟を見せてくれる。彼らに少しでも近づけるよう今日も生きていこう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。