マネージャーとリーダーの違い
これまでマネージャー育成のサービスを10社以上カスタマイズして提供してきたのですがいくつかの会社では
「マネージャー」と「リーダー」という言葉が全く区別されずに使われていました。
私はチームをうまく機能させる上で、マネージャーとリーダーは区別して扱った方が効果的だと考えており、今回はこの2つの違いについて書いてみます。
まず、そもそも「チームが機能する」とはどういうことか?ということですが
理想のチームとは「刑務所の脱走チームだ」と聞いたことがあります。
「大脱走」という映画をご存知でしょうか?
本題はthe great escape というものです。
かなり古い映画なのですが、文字通り脱獄不可能と言われる刑務所から囚人たちが力を合わせて脱走を試みる映画です。
最強のチームの要素を終始感じたのですが以下の通りです
①全員が目標を自分ごと化している
言わずもがな、脱走をするために物を調達するチーム、穴を掘るチーム、監視の目を盗むチームなど役割分担がされて、脱走計画が進むのですが
「◯月◯日の◯時に脱走するぞ」という目標を全員がイメージして、達成を誰もが信じて「絶対に成し遂げるぞ!」という決意で日々の行動が行われます
②役割分担がされているが、他の役割にも責任を持っている
役割分担がされているものの、自分の役割さえ上手くいけばいいというものではないです。会社で言うならば全社目標が達成できなくても部署の目標が達成できれば自分の評価はある程度得られるかもしれませんが、こと脱走においては物品調達チームが必要物をしっかり調達できたところで脱走の日までに穴掘りが完遂されていなければ物品を調達した意味が全くありません。
そのため、自分たちのミッション遂行はもちろん、他のチームの進捗も逐一チェックし、進捗が悪ければ口を出したり、場合によっては手伝ったりと自ら手を動かしたりします。事なかれ主義とは対極です。
③報連相が究極的にマメに行われ、軌道修正がリアルタイムで行われる
計画を立てて満足することがありますが、1つのミスが命取りになる脱走では、監視員の立ち位置が変わっただけでもすぐに情報共有がなされて、計画の修正が行われます。常に状況に合わせてベストなあり方に変化し続ける柔軟性を兼ね備えています。PDCAよりもOODAと言われたりしますが、まさにチーム全体でOODAを体現しています。進捗が悪い時やトラブルが起きた時、通常の組織では怒られたくないみたいな心理から隠そうとしたり、報告が遅れたりしますが、瞬時に報告がなされます。
どうでしょうか?イメージする限り最高のチームではないでしょうか?
で、元の話に戻りますが
マネージャーは役割でリーダーはあり方だと考えています。
マネージャーとリーダーの違いは以下の通りです
マネージャーは意思決定を行うのである程度の業界の知見や視座が必要となりますが
リーダーシップはアルバイトだろうがパートだろうが新卒だろうが誰でも発揮することができます。
フォロワーのいないリーダーはリーダーではなくただの演説家となります。
リーダーがリーダーになるにはフォロワーの存在が必要不可欠です。
この観点でチームを捉えてみると
マネジメント強い人
リーダーシップ発揮する人
フォロワーとして力を発揮する人
と区別できます。
逆に言うと「この立ち位置の人全然いないなー」といった点が見えてくるかもしれません。
チームをつくる立場としては
リーダーシップを発揮したらいい思いをするという環境をつくることなのかもしれません。
リーダーシップを発揮した人が損をする環境では誰もリーダーになろうとしなくなります。
フォロワーとしてパフォーマンスを発揮する人が一定割合いて
あとは極力多くメンバーがリーダーシップを発揮するチームをつくりたいものです。
イメージは大脱走。