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初心者の読書感想文チャレンジ18 赤と青のガウン

こんにちは。生きる狂犬です。

「初心者の読書感想文チャレンジ」として、18冊目に選んだのは、彬子女王の赤と青のガウン オックスフォード留学記です。


この作品は、月刊誌の連載をもとに、2015年に刊行された作品です。
2024年に、加筆・補整され、文庫化されました。


皇族である彬子女王殿下の英国(オックスフォード大学)留学記です。


今回も素晴らしい読書体験になりました!

なお、若干、ネタバレしております❗️

PHP文庫

■あらすじ

2011年に、彬子女王殿下が英国のオックスフォード大学で博士号を授与されるまでの留学記。
ご自身のお気持ちをとてもストレートに表現された作品となっている。

■素直なお気持ち

全体を通して、明るい。
とても、率直な文章で驚いた。

泣いたり、笑ったり、そして悔しかったり、羨ましかったりという生の感情をそのまま表現されていて、作品世界にぐいぐい引っ張られていく。

当たり前の事だが、皇族の方も人間として悩んだり、苦しんだりして成長しているんだと、改めて知る機会になった。


英国の食事の話や列車の話など、笑えるエピソードがテンポ良く綴られていて楽しかった。

大学にも怖い先生がいたり、笑える先生がいたりと登場人物達も一癖あって面白い。


日本の皇族という事でのすれ違いなどのエピソードもあるのだが、ご自身が手慣れた感じで対応されているのが、清々しくて良かった。

■皇族の方の生活について

ところどころに、皇族の方が色々と制約を受けて生活されている事が描かれている。

そんな中で、本当にいきいきと生活されている姿が素晴らしいと思った。

お金では買えない素晴らしい人生経験をさせていただいた。この5年間を支えてくださったすべての方たちに、いまあらためて心から感謝したい。

p328

作中には、上記のように何度も繰り返して感謝の気持ちが述べられている。

彬子女王殿下の人柄がにじみ出ていると思う。

■研究者としての顔

留学中、日本では評価されずとも、日本のためになると信じて頑張っている人たちがたくさんいることを知った。そんな世界で活躍する日本人にもっと光が当たる日が来ればと願うばかりである。

p94

ご自身の経験を踏まえて、世界の中の日本を考えてくださっているのがよく分かる一文である。


この作品は、一人の研究者が留学先で孤軍奮闘し、そのうちに仲間も増えたり、自身が成長していく物語として、純粋に面白かった。

■印象に残った場面

「どうしてそんなに作者の名前を気にするんだ。目の前にこんなに素晴らしい作品があるのに。作者に失礼だ」
たしかに、そのとおりなのだ。

p225

↑日本人はついブランドを気にする。的を射ている言葉。

「ジョーさんのパンケーキ食べてみたーい」

p227

↑これはインパクトが強かった!

「なんでわかってくれないの?」と泣いていた自分がいまとなっては恥ずかしい。

p346

↑心情を隠すことなく描いていて、すばらしい。

■皇位継承問題

皇位継承問題がなかなか進展しない状況が続いている。

女性皇族の方は、現状では結婚すれば皇室を離れなければならないなど、宙ぶらりんの苦しい立場にある。


この問題を彬子女王殿下は、どう感じているのだろうか?


日本の国民として、皇族の方々が過ごしやすい環境を整える事は、最重要課題ではなかろうか。


私は、早急に皇室典範を改正し、女性天皇を認め、女性宮家も創設出来るようにするべきだと思う。

この作品に出会い、この気持ちはさらに強くなった!

■おわりに

繰り返しになりますが、彬子女王殿下の人柄が出ていて、とても明るく、前向きな留学記でした❗️

読み終えると、朗らかな気持ちになりました。





以上です❗️

読みたい本が、まだまだある🔥


ここまで読んでいただき、ありがとうございました‼️

約400ページありますが、とても読みやすいです

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