![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/149821721/rectangle_large_type_2_2c74de1fa6455f014f0e3f62e1d00e15.jpg?width=1200)
初心者の読書感想文チャレンジ⑥ バリ山行
■はじめに
こんにちは。
生きる狂犬です。
「初心者の読書感想文チャレンジ」として6冊目に選んだのは、松永K三蔵の「バリ山行」です。
先日おこなわれた、第171回の芥川賞を受賞した作品です。
「今、話題になっている本を読みたい!」ということで、思い切って本屋で単行本を手に入れました。1,760円でした。えらい。
新しい本を開くのはなんだかドキドキしますね。
なお、若干、ネタバレしております。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/149822293/picture_pc_91d06d8788faec50ccfc075ab48e6b38.jpg?width=1200)
■あらすじ
主人公・波多が、会社の登山サークルに参加したのをきっかけに、登山に目覚めていく。
そんななか、社内で変わり者扱いされている妻鹿(めが)も登山している事を知る。
2人の交流を軸に物語が進んでいく。
ちなみに「バリ山行(さんこう)」の「バリ」とは、「バリエーションルート」の略で、「通常の登山道ではない道を行くこと」だと作中で語られている。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/149823057/picture_pc_ca40ba5909d97b096c528a7ee555ccc9.jpg?width=1200)
■一気読みしてしまった!
「芥川賞作品」ということで、果たして読み切れるだろうか?
と不安がよぎった。
しかし、数ページでその不安は解消。
単純に読みやすかった。
5〜6時間かけて、一気読みしてしまった。
作品の前半は、主要な登場人物の妻鹿があらわれると、とたんに面白くなった。
とにかく、妻鹿のキャラ立ちが凄い!
人見知りで控えめの存在と思いきや、突然、感情を爆発させたり、喰えないキャラなのだ。
そして後半、物語は加速する。
バリ山行に突入すると、展開が読めなくてハラハラドキドキした。
続きが気になり、急かされるようにページをめくっていった。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/149823978/picture_pc_ffa93f42d1bb66394151c927843b7a6a.jpg?width=1200)
■感想
人間は生きていく中で、家族だったり、会社だったり、必ず何かのグループに所属する。
それは、社会で生活していくのに必要不可欠だ。
だから出来るだけ、そのグループを壊したくない。
時には、しがみつく事もある。
でも、グループというのは、人工的につくられた物なのだ。
生活を「うまくやっていく」ために。
スポーツにルールがあるのと似ている。
そして、グループは、いつかは壊れる。
それは抗えない事実だ。
そもそも人間は、死というものに対しては、ひとりで向き合わなくてはならない。
街の中で生活していると、この事は忘れられがちである。
だが、山では、その事を強烈に意識させられる。
だから人間は、山に魅力を感じるのかもしれない。
この作品には、そういう根源的な問いかけが隠されていると思う。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/149824833/picture_pc_d4839186f18798f57f7aafb716e310b0.jpg?width=1200)
■おわりに
私も低い山に登った事はありますが、山頂からの景色は最高だし、すごく達成感もありますよね。
でも、山は怖い。
一歩間違えば、大事故。
生死は常に隣り合わせという事ですね。
5段階評価で
●読みやすさ ★★★★
●ドキドキ度 ★★★★
●山がスキ度 ★★★★★
以上です❗️
芥川賞作品って、なんだか、全力で突っ走っているようで、カッコいいなと感じました。
今回も素晴らしい読書体験でした。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました‼️
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/149826139/picture_pc_7bffe63ef0ed028c8e1b07b3a9116f1f.jpg?width=1200)