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初心者の読書感想文チャレンジ⑥ バリ山行


■はじめに

こんにちは。
生きる狂犬です。

「初心者の読書感想文チャレンジ」として6冊目に選んだのは、松永K三蔵の「バリ山行」です。
先日おこなわれた、第171回の芥川賞を受賞した作品です。

「今、話題になっている本を読みたい!」ということで、思い切って本屋で単行本を手に入れました。1,760円でした。えらい。
新しい本を開くのはなんだかドキドキしますね。

なお、若干、ネタバレしております。

■あらすじ

主人公・波多が、会社の登山サークルに参加したのをきっかけに、登山に目覚めていく。
そんななか、社内で変わり者扱いされている妻鹿(めが)も登山している事を知る。
2人の交流を軸に物語が進んでいく。

ちなみに「バリ山行(さんこう)」の「バリ」とは、「バリエーションルート」の略で、「通常の登山道ではない道を行くこと」だと作中で語られている。

■一気読みしてしまった!

「芥川賞作品」ということで、果たして読み切れるだろうか?
と不安がよぎった。
しかし、数ページでその不安は解消。
単純に読みやすかった。
5〜6時間かけて、一気読みしてしまった。

作品の前半は、主要な登場人物の妻鹿があらわれると、とたんに面白くなった。
とにかく、妻鹿のキャラ立ちが凄い!
人見知りで控えめの存在と思いきや、突然、感情を爆発させたり、喰えないキャラなのだ。

そして後半、物語は加速する。
バリ山行に突入すると、展開が読めなくてハラハラドキドキした。
続きが気になり、急かされるようにページをめくっていった。

■感想

人間は生きていく中で、家族だったり、会社だったり、必ず何かのグループに所属する。

それは、社会で生活していくのに必要不可欠だ。
だから出来るだけ、そのグループを壊したくない。
時には、しがみつく事もある。

でも、グループというのは、人工的につくられた物なのだ。
生活を「うまくやっていく」ために。
スポーツにルールがあるのと似ている。

そして、グループは、いつかは壊れる。
それは抗えない事実だ。


そもそも人間は、死というものに対しては、ひとりで向き合わなくてはならない。

街の中で生活していると、この事は忘れられがちである。

だが、山では、その事を強烈に意識させられる。

だから人間は、山に魅力を感じるのかもしれない。


この作品には、そういう根源的な問いかけが隠されていると思う。

■おわりに

私も低い山に登った事はありますが、山頂からの景色は最高だし、すごく達成感もありますよね。
でも、山は怖い。
一歩間違えば、大事故。
生死は常に隣り合わせという事ですね。

5段階評価で
●読みやすさ  ★★★★
●ドキドキ度  ★★★★
●山がスキ度  ★★★★★



以上です❗️

芥川賞作品って、なんだか、全力で突っ走っているようで、カッコいいなと感じました。

今回も素晴らしい読書体験でした。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました‼️

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