moily代表 池宮聖実とオーナーのセッション ~池宮さんの仕事観を聞く~
12月25日の定例会は、3か月に1回のゲスト会を開催。moily代表 池宮聖実さんをお招きしました。
池宮さんは、学生時代にカンボジアへのボランティアツアーに参加したことがきっかけとなり、カンボジアの職人たちが手編みで作ったかごを日本で販売し、現地の伝統を守りながらカンボジアと日本を繋ぎ、活躍されています。
もともとカンボジアに対して「貧しい国」「かわいそうな子どもたち」といったイメージを持って現地を訪れた池宮さん。実際に訪れてみると、テレビでやっていたような子どもたちはどこにもいなかったそうです。みんな明るくて人懐っこく、この人たちを「かわいそう」と決めつけていたことに気づき、「現実を知りたい」という想いから、目指していた教員採用試験を見送ったと言います。
ここでのテーマは「幸せって何なのか?」。靴もなく裸足で歩くカンボジアの人は、とても幸せそうに見えたと池宮さんはいいます。サロンメンバーも、この話を聞いて考えさせられました。
その後、池宮さんは10か月かけて16か国の途上国をまわり、様々な人との出会いがあったそうです。その中で、ヨルダンで出会った遊牧民に「日本人は自分の心を大事にしないから嫌いだ」と言われた話はとても衝撃的でした。決まったスケジュールよりも「今何がしたいか」を大事に生きている人々からの言葉に、日本人との価値観・時間の流れの違いがわかります。
ケニアでは、仲良くなった現地の女性がいたそうです。彼女は観光地で売春婦としての仕事をしており、彼女はそれしか選択肢がないことを目の当たりにしたそうです。本当にその仕事しか選べない人がいるのに日本人の私はなんで消極的に生きているんだろう、と感じて今の仕事に挑戦しようと思ったそうです。
そして、いよいよかごを作ってビジネスをする中でも、紆余曲折あったと言います。「〇個作ってね!」とお願いしてもできていない、「このデザインで作ってね!」と言ってもアレンジを加えちゃう…と、日本とカンボジアの常識が違うことを痛感したそうです。
その中でもビジネスにしなければいけない。ちゃんとお金を回さないと、雇用を生み出させて安心させてあげないと、という想いがありました。
日本流の経営の仕方を勉強して、生産管理を厳しくやった結果、1年くらい続けたら品質の高いものをできるようになってきた!という段階で全員が辞めていってしまったという失敗談を聞かせてくださいました。
そこで学んだことは、自分だけの気持ちが先に進んでいて現地の人の心と一緒に進んでなかったということ。カンボジアの人たちが大切にしていることを大切にせず、ビジネスを優先させてしまったことが反省点だと言います。
そこから、現地の人との関わり方を変えていきました。
例えば、かごを作るとき、カーブの仕方が職人それぞれで違うそうです。それを、今までは統一しようとしていたが、その人の個性をいかす仕事に変えていきました。タグに職人さんの名前を書いて、「この人はこういう癖がある」というのを面白味に変えたそうです。そういう売り方をすることで、ものを売ることがただの「ビジネス」「お金儲け」ではなく「ものを通して人と出会う」体験になっていったのです。
一方的な支援や一時的なものではなく、課題を自分たちで解決する手段をと思い、現地に継続的な雇用を作る考えに至った。そして、勝手に決めつけたり、価値観を押し付けたりすることをやめて、個性を大事にする仕事を作った。
池宮さんが今までの経験の中で学んだことや考えたことが、今にすべて繋がっていることがとてもよくわかりました。
今回お話を聞いて、私たちサロンメンバーも、身近な人との関わり方や、物事の捉え方を変えてみるきっかけになったのではないでしょうか。
“moily”とは、造語で池宮さんが作ったことばです。
moi はカンボジアのクメール語で「1」を意味し、lyは英語で「みたいな」という言葉の組み合わせだと言います。
「人間ってみんな一緒じゃん」という意味を込めて作ったと言います。
みんな一緒だからこそ、勝手に決めつけて押し付けるのはおかしい。みんな一緒だけどそれぞれに違う考えや個性があるからそれを大事にしたい。
「人間ってみんな一緒じゃん」という言葉は、今回の大きなテーマでした。
サロンメンバーからの質問にもたくさん答えていただき、充実した会となりました。
アーカイブ配信も予定しています!ぜひご覧ください。
次回の定例会は1月19日(水)19時30分開始です。
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