【和訳】"The Sound of Silence" by Simon & Garfunkel(サイモン&ガーファンクル;1964年)
「The Sound of Silence」サウンド・オブ・サイレンス
バタバタ慌ただしい毎日を生きていても、ふと耳にすれば、この曲の孤独の深淵に引き込まれていく。心の底の沈黙の声が語り始めそうな、そんな気もしてくる。
解釈も和訳も難しい曲です。
客観的事物的な解釈も禅問答のような「無音の音」のような解釈も可能だけれど、当時20歳あたりのポール・サイモンの詩であることを思い、また直感に従い、「沈黙の声」「言葉にはできない(心の)声」のような主観的心理的な解釈をしました。諸説異論様々あるとは思いますが・・
(曲最後のアウトロ部分は、NYCなどの地下鉄や集合アパートのエントランスに無秩序に一面に描かれた落書き、そんな映像イメージです)
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"The Sound of Silence" by Simon & Garfunkel
Hello, darkness, my old friend
I've come to talk with you again
Because a vision softly creeping
Left its seeds while I was sleeping
And the vision that was planted in my brain
Still remains
Within the sound of silence
やあ、暗闇さん、昔からの僕の友達
また君と話をしたくてやって来たよ
何故かって、ある想いがこっそり忍び込んできて
眠っている間に、種子(たね)を残していったからなんだ
その想いは、僕の頭の中にしっかり根を下ろして
まだ消えないままでいる
言葉にならない沈黙の声となって
In restless dreams, I walked alone
Narrow streets of cobblestone
'Neath the halo of a street lamp
I turned my collar to the cold and damp
When my eyes were stabbed by the flash of a neon light
That split the night
And touched the sound of silence
浅い夢の中にいるように、僕は一人歩いた
石畳でできた狭い通りを
ぼんやり光る街灯の下を
寒さと湿気をよけたくて襟を立てた
その時ネオンの閃く光が目に刺さって眩しくて
夜を引き裂いた
そしてふと聞こえてきた、あの沈黙の声が
And in the naked light, I saw
Ten thousand people, maybe more
People talking without speaking
People hearing without listening
People writing songs that voices never shared
And no one dared
Disturb the sound of silence
むき出しの光が照らす中で、僕は見た
1万の、多分もっとたくさんの
口をきかずに話す人たちを
耳を傾けずに聞く人たちを
歌われることのない歌を作る人たちを
そして、誰も強いて
語り掛けようとはしない、あの沈黙の声に
"Fools," said I, "You do not know
Silence, like a cancer, grows
Hear my words that I might teach you
Take my arms that I might reach you"
But my words, like silent raindrops, fell
And echoed in the wells of silence
「愚かな人たち」僕は言った、「あなたたちは知らないのだ、
沈黙は癌のように蝕んでいくものだということを
僕の言葉を聞いてくれ、あなたたちに教えるから
僕の腕を取ってくれ、あなたたちの元に行くから」
でも、その言葉は音もなく降る雨粒のように落ちていき
反響(こだま)した、沈黙の井戸の中で
And the people bowed and prayed
To the neon god they made
And the sign flashed out its warning
In the words that it was forming
And the sign said, "The words of the prophets are written on the subway walls
And tenement halls
And whispered in the sound of silence"
人々は頭(こうべ)を垂れて祈りを捧げた
自分たちが作り出したネオンという神に
そしてその看板は光を放って警告した
点いては消える言葉の中で
こう言った、「地下鉄の壁という壁に、
預言者の言葉が書かれている、
アパートのどの通路にも、
ささやきかけている、沈黙の声で」