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パニックを「傍観」する方法
今日はうつによる頭の中のネガティヴ思考のループやパニックをやり過ごす方法についてご紹介します
うつやパニックのとき、何が起きている?
皆さんはうつやパニックを引き起こしたことはありますか?
私は適応障害の最もひどい時期は以下の症状がありました
自炊しているときに包丁を見て、触っただけで動悸が走る
彼女に振られた時、この先理解者がいないと絶望しあまりにもひどい焦燥感に駆られて動悸が止まらない
このとき、限界を感じて医者に行き薬をもらったので生き延びられましたが、恐ろしい感覚でした。
これらの症状は何故起きたのでしょうか?
その答えは「感情」にありました。
感情は行動へ影響する
例えば以下のシーンを想像してみてください。
職場で「お疲れ様です」と挨拶をして帰ったが、返事が返ってこなかった。
なので無視されていると思い、不快な気持ちから嫌われていると思い、会社に行きにくくなってしまった。
このとき頭の中ではどんなことを考えているでしょうか。
物事を捉える仕組み
物事を人は捉える時、実はどうしても感情が紛れ込んでしまいます。
先の例では
出来事(事実):挨拶が返ってこなかった
事実はこれだけです。しかしここからややこしくしてくるのが「感情」です
感情:私は嫌われているのではないか?
この感情が自分にとって「マイナス」に作用する時があります。 そして次では
行動:あの人は私のことを嫌っているから会いたくない。だから会社に行かない
と感情が行動をコントロールしてしまいます。
これは実際に私が体験した例です。
会社に行きたくない時、それは感情が暴走してて行動面に影響しているからです。
ではどのように対処すればいいのでしょうか
感情と行動を別物と捉える
感情と行動は相互に作用し合っています。
感情が良ければ気持ちのいい行動ができるし、行動した結果がいいものであれば感情も昂ります。
裏を返せば感情が悪い時は行動もつられて悪くなります。
ここで一旦立ち止まってみてください。
不快な感情や思考は発生するのは仕方のないことです。
しかし、そこで行動を合わせてしまうのが問題なのです。
不快な感情に気づき、一旦立ち止まる。そしてその感情を受け入れる。この動作が大事になってきます。
不快な感情をどうやってうけいれるか
うつ病や適応障害などの人は希死念慮を少なからず経験したことがあるかと思います。
このとき、「死にたいと思っている」自分に対して嫌悪感を持ちませんでしたか?
「社会的に死はよくない」、「生きられない人がいるのに死んではいけない」、「大切な人が悲しむから死ねない」
などがあると思います。
でもそうやってねじ伏せようとすればするほど、この不快な感情は増幅していきます。
なので、そういう時はノートやメモ帳で言語化しましょう。
私は「自分が辛くて死にたい」と思っている
こうやって文章に書くと、なんだか第三者的に見てるような気がしませんか?
それにただの「言葉」にすぎないようにも見えませんか?
これに対して意識的に反応すること以下のことと同じです。
ギャンブル依存症を治そうとしている時に「パチンコに行っちゃダメだ」
そう考えているとまず思考の初めにパチンコの楽しさを振り返り意識してしまう。
同じように
死んじゃダメだ!→「死」を想像してダメだと否定する
これでは死ぬことが頭から離れません。
ならば第三者的視点から見て、「そう思ってるんだ」と俯瞰してください。
そして、この感情に対して排除しようとせず、受け入れてください。
ただし行動は切り分けてください。
心はネガティヴな思考を与え、不安にさせるのが仕事です。だからそう思うのは仕方ないこと。
ただ私たちは行動を感情と切り分けることができる。
だから感情を紙に書き出し、行動と切り分ければ
感情だけがギャーギャー騒いでコントロールしようとしているだけにすぎないことに気づけます。
そうして分けられると冷静な判断ができるようになります。
そうなればパニックなどに怯えることは少なくなるでしょう。
まとめ
感情に行動を乗っ取られないことの大切さとその切り分け方をお伝えしました。
うつやパニック障害ではそんなすぐに効果が出る魔法のような誰にも当てはまる治療法はありません。
しかしだからこそ自分に合った適切な方法を探してみませんか?
今回はノートを使って感情を認識し、受け入れることで行動に影響させないための方法を紹介しました。
是非やってみてください。
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参考文献
ラス・ハリス著「幸福になりたいなら、幸福になろうとしてはいけない」
スーザン・マグサメン、アイビー・ロス著「アート脳」
泉谷閑示 著「うつの効用 生まれ直しの哲学」