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【ラジオ】イタリア通信:近年出会ったニッポン! DRAGON BALL, Nameraka, Marimo...

2ヶ月に一度、西日本放送のお昼の生ワイド番組
「CHIT CHAT Radio」内にて、イタリアから生電話で
珍しい文化や暮らしでの発見、イタリアにあるニッポンを紹介しています。

2024年3月に放送した内容をまとめたものです。


Buongiorno a tutti‼︎


さっそく、本日の話題

近年出会った、「イタリアの中のニッポン!」


3月に入り、悲しい情報が入ってきて、
イタリアの若者たちも喪失感に襲われました。
漫画家の鳥山明さんの訃報です。

職場の24歳の同僚から、「おはよう!」の後に、
すぐこの話題を振ってきました。
僕はドラゴンボールで育ったから、残念に思うよ」と。
まさか、そんなに彼の元にも情報が届いているとは思いませんでした。


イタリアにおけるドラゴンボールのあゆみ


日本では、1984年に少年ジャンプでの掲載が始まり、
テレビシリーズは、その2年後から勢いに乗って作成されました。

イタリアにはいつ入ってきたのか。
日本の放送開始からわずか3年後
漫画よりも先にアニメが入ってきました
イタリア人と日本人による小さな企業によって輸入されたんです。
意外にも早いですよね。

ですが、
検閲を受けずに(つまり、破廉恥な表現や暴力的なシーンなど)そのまま
吹き替えし、さらには、日本のオリジナルソングもそのまま使用ました。
なので、「チャラヘッチャラ〜」という歌詞は、ファンの中で知られた言葉なんです。

わずか3年でいち早く飛びついた話題作ですが、問題が多発。

低予算での作成とあり、吹き替えの際に声優陣は、
一つの役だけでなく、いくつもの人物を兼任
主人公でも、脇役をこなしていたんです。信じられませんよね。

さらには、前153話のうち、54話まで放送した後、打ち切りとなりました。
理由は分かりませんが、検閲の問題は大きいでしょうね。
もしくは輸入での費用も考えられます。

そしたら、イタリアは大きくなった悟空のことを知らないの!?
と思うでしょうが、続きは放送されました。


ドラゴンボール再開、漫画発売

なんと初期の放送から、7年も経って新たなの制作会社により放送再開。
10歳だった子が17歳ですよ!待望だったのか、忘れかけていたのか。

満を持しての放送となりました。
セクシーな場面をカットし、一部の名前を変更し、イタリアでも馴染みやすい呼び方に。
そして当然ながら、声優陣の配役もしっかり行われ、イタリア語のオリジナルソングもつくられまた。

見やすく、イタリアでも親しみやすくなり、瞬く間に人気となりました。
同僚もこの時期のアニメを見て育ったようです。

こうして、アニメでヒットしたドラゴンボールは、
1995年に漫画が入ってきます

アニメの吹き替えをするより時間がかかるのかもしれませんね。

イタリアにとって、このドラゴンボールの漫画が記念すべき最初の本になりました。

【ここで問題!】
この漫画は、これまでの作品と何が違うのでしょうか。


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ヒント:日本の学校でも、英語と国語の教科書にはこの違いがありました。



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正解は、ページの開き方。


イタリアでは本は、雑誌でも小説であも、すべて、左から右へとめくっていきます。
横書きだからですからね。

ですが、国語の教科書は?縦書きなので、右から左へ進んでいきます。


日本では漫画も同じように、右から始まります。
左手のページが少なくなると、終わってしまう感覚がありますよね。

この「右開き」を、漫画『ドラゴンボール』は、日本と同じように採用しました
もちろん。横書きですが、オリジナルに沿って作られました。

これ以降、右開きの漫画が増えました。
10年前にイタリアで買った『スラムダンク』も右開きでした。


放送日時

日本から遅れて始まったアニメ『ドラゴンボール』は、
週一ではなく毎日放送されました。

しかも、子どもたちが学校から帰ってくる時間に。

鳥山明さんの訃報を受けて、イタリアの多くのファンが sns にコメントをしていました。

「学校から帰ってきて、宿題よりも何よりも前にアニメを優先した。」
「毎日、家での時間が楽しく、かつ心の支えでした。」
「僕を強くさせたのは、ドラゴンボールです。」

Instagramより

よってイタリアでのファンは、
80年代、90年代の子どもたちから、3年前まで新作を放送していたので、
現代の子どもたちまで、幅広い世代に親しまれてきました。


実際に、ドラゴンボールのTシャツを着た人を街の中で何度も見かけました。
鮮やかなオレンジのTシャツに、「亀」とデザインされたもの。
また先週は、小学生の子どもが悟空の「悟」という文字の入ったリュックを背負っていました。

ドラゴンボールは、イタリアのアニメや漫画界においても、
相当な影響力を持った作品だったことが伺えました。
日本人として、鼻高々!


近年で出会った新しいニッポン!

イタリアで暮らしてきたこの11年半の間で、
新しい日本語がどんどん入ってきていると感じています。

やはり、食にまつわるものは一気に増え、Miso や Mochi は、
市民権を得りつつある単語になっています。

オーガニック食材を扱うお店では、日本食が身体にいいという認識があり、
馴染みの食材が並んでいます。中でもここ近年見つけたものが、

HIJIKI


ひじきを発見した時は驚きました。ついにイタリアまで来たか!

ですが、ひじきって、よくよく考えると、外国人にとっては不思議な食べ物だと思います。

まず、水で戻すと想像以上に膨らみます。日本人の私でさえ、分かっていても「うわっ」と思います。
そして、正解の味が分からないのでは?と思います。味があるようでないような繊細さ。
栄養価が高いことで興味ある人がいるから、入ってきているんでしょうね。

ちなみに、同じ海藻でも「Mekabu」や「Mozuku」が来るのはもっと先になるでしょう。
生物は冷凍じゃない限り難しいと思います。



続いてのニッポンは、


SHIITAKE

生しいたけが手に入るようになりました。

これまで、乾燥したものはよく見ました。中国産の何を書いているか分からないもの。

生は中国のものではなく、日本から来たものでもなく、
なんとイタリア北部で栽培しているようです。

菌さえ持ち込めば作れるんでしょうね。新鮮なものを食べることができます。
ですが、まだ貧弱なものが多かったので、今後、でっぷりとした傘の椎茸が出回るよう期待します。


お茶

いつも行っている、大型のスーパーには、ニッポンの有名茶のペットボトルがありました。

【ここで問題!】

40年前に初めて緑茶飲料を発明し、大ヒットしたお茶と言えば?


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伊藤園の…



お~い お茶」。


ついに、日本のペットボトルで飲めるようになりました。
白いキャップのしっかりとした6角形のボトルに、色鮮やかな配色のパッケージ。
立体的でデザイン性も高いと感じます。

一方で、イタリアのペットボトルは、ふにゃふにゃ。
蓋を開けるときに思わず潰して、中が飛び出ることもしばしば。

さらにこの半年で、蓋が変わりました!
開けたキャップをボトルから外せないようになったんです。

環境に配慮した薄いボトルに、マイクロプラスチック対策です。
慣れると快適!ボトルを開けると、キャップの下側がボトルに残りますよね?
その一部が5mmくらいの幅で上部とくっついているんです。

注ぐときに邪魔にならない?と思うでしょうが、完全に開くと、固定できます。
夫は、しばらくはわざわざ外していましたが、今となっては受け入れているようす。

日本にはこのようなボトルはありますか?
水のペットボトル消費率が高いイタリアだから、早急に対処する必要があったのかもしれません。



続いて身近なところで…

勤めているレストランでもシェフが作っています。その名も

Nameraka

勤めているレストランでも、こんな名前のものがあります。
「Nameraka」
イタリアの製菓学校で、日本人が発案したというチョコレートクリームのこと。
卵や小麦粉を使わない、ゼラチンや牛乳などで、ムースより硬めの
口当たりいいクリームです。

フォンダンショコラの隣に、クランブルというサクサククッキーを添え、
そこに Nameraka を乗せています。

スタッフの一人が「Nameraka」が流行っているみたい!と言い出し、
作ってみると美味しかったので採用されました。
新たな日本語がメニューに載った瞬間でもありました。


日本のジン「六」


レストランは、カフェやバーも併設しているので、バリスタだけでなく、
バーテンダーもいます。
彼らは日本のお酒にも興味津々。日本酒やウィスキーはもう当たり前。
聞いたことのない地方の酒蔵のものも入ってきています。
さらに、焼酎やジンも他の国に負けていないと感じるくらいです。

最近、YouTubeの途中でも広告が出てくるくらいです。
サントリーの「」という、六角形の透明な瓶は、
カラフルなボトルの中でも「清楚な品」を感じられるから一際目を引く。
日本で作られるジンに興味を持つだけでなく、香りが特徴。
六というくらいですから、桜の花や玉露、山椒など六つの香りが入っていて、
特に柚子の香りが高い!Yuzu もよく耳にするようになりました。が、
果実は見たことがありません。珍しい柑橘の香りに魅了される人は多いと思います。



Marimo

先日、ホームセンターの園芸コーナーでのこと。
家に飾る観葉植物の棚に、小さな瓶がいくつも並んでいました。
中に水が入って、蓋がしっかりとしてある…
よく見ると、中に緑色の丸い物体が・・・

思わずお店で大きな声が出ました!「マリモやー!」と。
夫は隣で、マリモ~と楽しそうにマネして言っています。
発音が心地いいんでしょうね。

マリモの説明が見事でした。

「丸い形をした藻類。寒い地域の湖で見られる植物で、
日本では、19世紀末に植物学者により知られるようになりました。
マリモは保護種としてみなされていますが、これは、養殖のマリモです。」

「永遠の愛の象徴として考えられ、バレンタインデーに贈られることもあります。」
「マリモ伝説をご存知ですか?日本では、恋に敗れた二人の若い恋人の物語。
阿寒湖に逃れ、ここで二つの心臓のように脈動している…」

「手入れも簡単で、定期的にミネラル水を与えるだけ。
マリモを触れて大丈夫。怖がらないで!噛むことはありません。
マリモを育てることは、たまごっちを思い出します。
定期的に世話をしてください。」

「たまごっち」が日本のものだということも知られています。
若い世代には分からないでしょうが、これを合わせて紹介していたことが
なんだかくすぐったく、思わず笑顔になってしまいました。


KAKEBO


情報はsnsによりさらに加速しました。
以前、Instagram を見ていると、ある日本語が流れてきました。

すぐに本屋へ行って質問。
写真を見せて、「これを扱っていますか?」と尋ねると、
書店員の女性は、「KAKEBO なら2階にあるわ!」と。

耳を疑いました。
このスペルなら、「カケボ」と発音しそうなのに、
お姉さんは、カケーボ、つまり、ケーと伸ばして、正しく発音したのです。
お見事!これはイタリア語に近いから簡単なのかもしれません。

実際に開いてみてみると、あれこれ書き込む可愛いというより、
シンプルなデザインのノート。
調べてみると、5年も前から入ってきていたそうです。
ロックダウンの時期と関係あるのかもしれません。


極細ボールペン


留学生の頃、イタリアで文房具を買うときは、本屋へ行きました。
レジの近くにペンやノートなどの雑貨があるんです。

10年前に来たときは、すでに日本メーカーのペンはいくつもありました。
ですが、どこへ行ってもボールペンの太さは、1mmのものしかありませんでした。
だから帰国する度に、中学の頃から愛用している0,38mmのゲルボールと
替え芯を何本も購入しています。
あまりの書きやすさに、イタリアの友だちにプレゼントしたことも何度もあります。

今では、パイロットペンやユニボール、コクヨなど、
日本の書きやすく、インクの絶えない疲れにくいペンや、
ノートを邪魔しない控えめな線の入ったは、ネットで買える時代です。
0,38 はもちろん、0,03mm という超極細が買える時代になりました。

そういえば以前、イタリアの女子高生に日本語を教えていた時、
「Muji の消しゴム」を自慢してきたこともありました。
(イタリアでも「消しゴム」と日本語で書いています。)

ニッポンの文房具は、イタリアに比べるとはるかに優れている職人技。
知っている人は、もうすでに手に入れているんだなと感じました。


IKEJIME

雑誌を見ていると、必ずと言っていいほど、どこかに日本語が使われています。
イタリアの有名料理雑誌では、唯一この日本語が載っていました。

淡水魚の岩魚養殖する人へのインタビューで、
日本の「いけじめ」を取り入れていると話していました。
命のいただき方において、日本は特別な技術が使われているんですね。
海外から見ると、このような点に注目するだけでなく、日本語の名前をそのまま採用しているようです。

医療系でも日本語の病名や医療品など見聞きすることがあります。


間違った日本語も存在しています。

Giku


また、お花の特集でも。
イタリアでも亡くなった人へ手向ける花として使われるのが「菊」。
日本では、結婚式やお店のディスプレイにも使われると、
その名前が「Giku:ギク」と書いてありました。


完全に間違ってはいないけれど…

さらに、「花びらはサラダは天ぷらやサラダに。
葉っぱはジュースにするようです。」
春菊かなぁ?でも独特な香り…
子どもの頃、好きになれませんでした。
何年も食べていないけれど、欲しいとは思いません。

これが、「ギク」というのは本当だけれど、
単体でギクとは言わないので、間違いとも言えます。
イタリアにもあるので、このまま広まることはないかな~
でも、有名雑誌なので恥をかく人がいるかもしれません。


ということで、最近目にした耳にした「ニッポン」を紹介しました。


番組は、3月で終了となりますが、
「イタリア通信」はまた新たな番組に移行します!
放送日が決まりましたらご連絡します。

以上、イタリアからお届けしました。

Ciao, ciao a tutti!!






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